秋の記(1) 八ヶ岳
写真は福島の空。オケの仕事で福島からの帰りの新幹線の中で、書いています(その後、加筆してアップしています)。
この秋の仕事は、自分の主催ライブについては、何とか書きましたが、後は何も書けていない。ブログやSNSに書くことについて、色々とややこしいご時勢で、書きにくいということもあります。ですが、明らかに公開してよいと思われる仕事のことは(ライブとかばかりになってしまいますが……)、今更ではありますが、簡単にご紹介しておこうと思います。
この秋の仕事は、自分の主催ライブについては、何とか書きましたが、後は何も書けていない。ブログやSNSに書くことについて、色々とややこしいご時勢で、書きにくいということもあります。ですが、明らかに公開してよいと思われる仕事のことは(ライブとかばかりになってしまいますが……)、今更ではありますが、簡単にご紹介しておこうと思います。
八ヶ岳音楽堂。
六角形の、印象深いホール。中にいると、木に包まれているような気がしてくる……。場所を聞いたときに、聞き覚えがある気がしたのですが、確かに知っていました。テレビで見たことがある。指揮者小澤征爾が、仲間たちと若手を育てるドキュメンタリー。その舞台に、期せず来てしまっていたのでした。
主にプグリエーセ・スタイルの音楽を追求している、タンゴバンド「メンターオ」(←詳しくはリンク先をどうぞ)のゲスト2ndヴァイオリンでした。こちらは、タンゴのリズム感というか、音が跳ね上がって転がっていくと言うか、走っていくと言うか、そういう独特の感覚を、追求しているバンドだと思っています。追求することで生まれる、説明のしがたいエネルギーと魅力があります。
オスバルド・プグリエーセ(1905-95)は、現代タンゴの巨人の一人。ピアソラさんが、「プグリエーセは伝統派だ、しかし現代に生きる伝統派だ」と評したとか。
アレンジやリズムに、非常にユニークな癖があり、初めて聴いたときは、「何が起こっているんだ?!」と、驚愕したことが忘れられません。分からない。しかし、ピアソラの次に面白いと思ったタンゴのバンドは、プグリエーセでした。最初は、演奏の何を聴いていいのかも分からない不思議な音楽、というイメージ。でも、コレは一体何なんだろう?と思っているうちに、気持ちよさが何となく分かってくる、という展開だったように記憶しています。
こんなです(最初スペイン語の解説が若干あり、実際の演奏は39秒くらいから始まります)。
やっぱり映像が見たいなあと思ったのですが(ヴァイオリンが演奏する様子もチラッと映ります)、音があまりに悪かったですね。これはどうだ!
オスバルド・プグリエーセ(1905-95)は、現代タンゴの巨人の一人。ピアソラさんが、「プグリエーセは伝統派だ、しかし現代に生きる伝統派だ」と評したとか。
アレンジやリズムに、非常にユニークな癖があり、初めて聴いたときは、「何が起こっているんだ?!」と、驚愕したことが忘れられません。分からない。しかし、ピアソラの次に面白いと思ったタンゴのバンドは、プグリエーセでした。最初は、演奏の何を聴いていいのかも分からない不思議な音楽、というイメージ。でも、コレは一体何なんだろう?と思っているうちに、気持ちよさが何となく分かってくる、という展開だったように記憶しています。
こんなです(最初スペイン語の解説が若干あり、実際の演奏は39秒くらいから始まります)。
やっぱり映像が見たいなあと思ったのですが(ヴァイオリンが演奏する様子もチラッと映ります)、音があまりに悪かったですね。これはどうだ!
何て言えばいいんでしょう。もちろん、単純で分かりやすいものだけが音楽なはずもありませんが、心憎いまでの分かりにくさがありませんか?でも何か感じるものがあった方は、何だろう?と思って聴くうち、気持ちよくなって来るんではないかと思います(笑)
さて、その日は結局、一日雨がひどいまま、次の日は、暴風域の中にいるはずで、帰れないかもしれないという予報のまま、深夜に。
明くる朝は、相変わらずそこそこの勢いで雨は降り続いていました。でも、風が来ていない!台風の進路が少し南にズレているのか……
恐る恐る出てみます。しばらくすると雨も上がってきて、帰り道の行く先、空に雲の塊。結局そのまま、彼方に見える台風を追いかける展開で、旅、終了。
雑司が谷、冬の入り口。

雑司が谷の夜。アルゼンチンカラーのドアが、みなさまをお待ちしている、エル・チョクロ。
中に入って、天井の和風さ加減の見事なことよ。築70年の古民家が改装されています。
欄間!ということで……この写真だけでは、家にしか見えないのですが、ライブハウスです。
すっかり遅くなってしまいましたが、15日の雑司が谷でのライブ、無事終わりました。本当にありがとうございました!
ところがその後、首を痛めてしまい、しばらくきちんと文章を書くことができなかったため、記事が遅くなってしまいました……。やっと問題なく動く状態になったところです(これもまた、多大にお世話になった方々に御礼申し上げます。ありがとうございました!)。
今回のライブは、MCにも特別な気合いが必要でした。
上手なわけではありませんが、元来しゃべること自体は全く苦になりません。就職活動していたときも、話すのに緊張した記憶もない自分です(筆記試験で緊張しました~)。ところが、このMCというヤツはちょっと違うらしい。どういうわけか、しゃべればしゃべるほど、緊張が増していくのです。うまく出来ても!
今回は、気合いでしゃべりました。話す内容は、むしろ少なくしたのですが、どう聞いてくれているのか、集中しました。何曲目だったか、気が付いたら、雰囲気がすっかり変わっていたので、うまくいったのだと思います。それも、実力以上に。つまり、自分一人の力ではなく、お客さん、お店が、力を貸してくれたのです。後で考えたら、そういうことでした。うれしいことです……
首に限らず、近頃は良くも悪くも、何だか色々なアクシデントが起こりまくっておりまして、マイクにも。
色々考えて、やはりスタンドマイクではなく、クリップマイクで音を拾おうと思って、自前のマイクを持っていったのですが……音が出ない。まったく出ない。ウンともスンとも。どこかで線が切れているらしい。そ、そんなー!
ピアソラは変わらず好評なのですが、有難いことに今回、これまでになく三枝くん、大柴くんのオリジナルの評判が良いのです!
タンゴのミュージシャンたちの作曲やアレンジ、インプロヴィゼーションの能力の高さは、タンゴ自体の魅力になり得ると思えるほどだと思うのです。しかしおそらく、ほっっっとんど知られていない。非常にもったいない!是非味わってみていただきたいと思うのです。
さらに、とにかくシビアなコントロールが求められるサルガン。ガンガン行くとか、思いっきり歌うとか、感情が激しいものではなくて、絶妙に微妙なバランスの作り出す、時間の揺蕩う感じに挑むのは、本当に難しく、楽しい。個々の表現とアンサンブルが作り出す、その浮遊した恍惚の感覚。それを生み出したくて取り上げているのですが、まだまだではありますが、回を追うごとに評価が上がってきているのは、この上なく嬉しいです。
沢山の収穫がありました。楽器をもっと自在に、音楽の中でもっと自由になるべく、一層精進していきたいと思います。ありがとうございました!
※写真は、一部自分で撮っていますが、お客さんにいただいたもの、お店に撮ってもらったものなど混じっています。これも皆さんのお力を借りずには作れない記事でした!
11/15、エレガントでロマンティックな形而上の世界へ!
11月15日、それは七五三っ!ついでに、かまぼこの日、きものの日、という、いい感じの日でもあります。こんな日ですから、いい天気でしょう!
主催ライブのご案内です~
今、この微妙な編成の自由度がいい!と感じています。編成と言うより、メンバーでしょうか?ギリギリまで踏み込める感じがする。
11/15(土) OPEN 17:30 START 18:30 MC ¥3300
11/15(土) OPEN 17:30 START 18:30 MC ¥3300
宮越建政(Vn)
三枝伸太郎(Pf)
大柴拓(Gt)
雑司が谷 エルチョクロ http://el-choclo.com/
豊島区南池袋3-2-8(副都心線雑司ヶ谷駅1番出口 徒歩2分半)
自分の計画とは、まるで違うのですが……
これまで数回やったライブに来ていただいたお客さんたちの反応によれば、とにかくピアソラとオリジナル、加えて(リベルタンゴなど、重複していたりしますが)、曲によって入っているアドリブが、主な見所になっています。確かに、それらの曲で音楽が弾け、解放される瞬間、僕も感じています!その瞬間、聴いている人も解放されるのでしょうか。
非常にうれしい!
うれしいのですが、その反面、力を入れているサルガンのタンゴが、その好評の陰に隠れてしまう……リハーサル時間の、実に9割を、サルガンに捧げているのに(笑)!
そんなサルガンや、これまた個人的に力を入れているバラードも、よかった、好き、との声がポツポツ増えてきているのが、とてもうれしいことです。ピアソラなどの好評が、絶大になってきたので、一層目立たないのですが……。
我々の世界は、まるでカタストロフィへと向かっているかのようです。緊張が加速し、不安に満ちている。本当に暫しの時間ではありますが、そこから解放されて、何か愛しい気持ちになっていただけたらなあと、願っています。お時間、ご興味おありの方、ぜひおいでください!














