雑司が谷、冬の入り口。
雑司が谷の夜。アルゼンチンカラーのドアが、みなさまをお待ちしている、エル・チョクロ。
中に入って、天井の和風さ加減の見事なことよ。築70年の古民家が改装されています。
欄間!ということで……この写真だけでは、家にしか見えないのですが、ライブハウスです。
すっかり遅くなってしまいましたが、15日の雑司が谷でのライブ、無事終わりました。本当にありがとうございました!
ところがその後、首を痛めてしまい、しばらくきちんと文章を書くことができなかったため、記事が遅くなってしまいました……。やっと問題なく動く状態になったところです(これもまた、多大にお世話になった方々に御礼申し上げます。ありがとうございました!)。
今回のライブは、MCにも特別な気合いが必要でした。
上手なわけではありませんが、元来しゃべること自体は全く苦になりません。就職活動していたときも、話すのに緊張した記憶もない自分です(筆記試験で緊張しました~)。ところが、このMCというヤツはちょっと違うらしい。どういうわけか、しゃべればしゃべるほど、緊張が増していくのです。うまく出来ても!
今回は、気合いでしゃべりました。話す内容は、むしろ少なくしたのですが、どう聞いてくれているのか、集中しました。何曲目だったか、気が付いたら、雰囲気がすっかり変わっていたので、うまくいったのだと思います。それも、実力以上に。つまり、自分一人の力ではなく、お客さん、お店が、力を貸してくれたのです。後で考えたら、そういうことでした。うれしいことです……
首に限らず、近頃は良くも悪くも、何だか色々なアクシデントが起こりまくっておりまして、マイクにも。
色々考えて、やはりスタンドマイクではなく、クリップマイクで音を拾おうと思って、自前のマイクを持っていったのですが……音が出ない。まったく出ない。ウンともスンとも。どこかで線が切れているらしい。そ、そんなー!
ピアソラは変わらず好評なのですが、有難いことに今回、これまでになく三枝くん、大柴くんのオリジナルの評判が良いのです!
タンゴのミュージシャンたちの作曲やアレンジ、インプロヴィゼーションの能力の高さは、タンゴ自体の魅力になり得ると思えるほどだと思うのです。しかしおそらく、ほっっっとんど知られていない。非常にもったいない!是非味わってみていただきたいと思うのです。
さらに、とにかくシビアなコントロールが求められるサルガン。ガンガン行くとか、思いっきり歌うとか、感情が激しいものではなくて、絶妙に微妙なバランスの作り出す、時間の揺蕩う感じに挑むのは、本当に難しく、楽しい。個々の表現とアンサンブルが作り出す、その浮遊した恍惚の感覚。それを生み出したくて取り上げているのですが、まだまだではありますが、回を追うごとに評価が上がってきているのは、この上なく嬉しいです。
沢山の収穫がありました。楽器をもっと自在に、音楽の中でもっと自由になるべく、一層精進していきたいと思います。ありがとうございました!
※写真は、一部自分で撮っていますが、お客さんにいただいたもの、お店に撮ってもらったものなど混じっています。これも皆さんのお力を借りずには作れない記事でした!