音快計画-ヴァイオリン弾きのお仕事とはッ?!- -25ページ目

秋の記(4) 名古屋

 11月末のことですが、名古屋へ!

新幹線

 名古屋駅では、何と言ってもこれがお出迎え。僕にとって、この地域の食べ物は、何と言っても味噌串かつをよく覚えているのですが、きしめんも捨てがたい。

きしめん屋
 もちろん、仕事をしに来ています。
 なかにし陽子さんのリサイタル。小松真知子とタンゴクリスタルで、バックを勤めます。
 このお仕事は、毎年ほぼ同じメンバーで、同じアレンジの譜面を弾いています。バレンテ、レデスマ、コランジェロの書いた譜面。面白く、難しい。
ステージ

 個人の判別は難しいと思いますが、写真奥から、ピアノ小松真知子さん、ベース田辺和弘さん、バンドネオン早川純さん、ヴァイオリン吉田篤さん、自分、というメンバーです。

 終演後、会場・愛知県芸術劇場を出ると、テレビ搭が出迎えてくれます。これは、昔も同じでして……。

電波塔

 僕がテレビ局で働いていた頃、このホールの隣の建物によく来ていました……。仕事が終わって外に出ると、同じこの風景だったのです。

 箱舟(のように見える、下の写真の建物)。これを見ると、名古屋に来たな、といつも思います。名古屋に来るときは、今も昔も、名古屋駅周辺に立ち寄らず、まっすぐ地下鉄で栄に来て、仕事に向かうからだと思います。

箱舟
 ラジオドラマの演出をした時、この界隈で、音効さんの行きつけの店だった、ドナ・リーに何度か連れて行ってもらいました(それも、何度もライブを聴きに行った、jazz inn LOVELY の向かいです)。そして、それまでほとんど飲んだことのなかった、ベルモットというお酒の美味さを教えてもらいました。
 
 そういったわけで、行ってみたいお店も多々あったのですが、今年はやや控え目に。次の日からは、オーケストラのリハーサルがあって、これが難曲ぞろい。それも、原因不明のアクシデントに見舞われ、まったく油断できない状況だったからです。

秋の記(3) 東浦和

 新幹線の中で、久々に時間がとれたので、秋の主な仕事を振り返っております(現在、それから1週間経過しており、大幅加筆して公開しております)。写真は、駅にあったもの。

切符回収箱

 この駅まで来た切符をここに入れるのです。人に渡すところには時々行きますが、箱は初めてだった!
 この東浦和の本番は、写真がありません。なので、この箱のみしかお見せできません(しかもこの写真、本編には無関係です)……。楽器にトラブルがあって、それどころではなくなってしまったからなのですが、本番は無事乗り切ることが出来ました。
 池田みさ子とロス・アミーゴス。バンドネオンが2台、ヴァイオリン2本という充実の六重奏。ピンと来ない方も多いかもしれませんが、タンゴでは最近、なかなか機会のない大編成です。

 タンゴの黄金時代では、バンドが大編成でした。
 その楽器構成は、ピアノ、コントラバス、バンドネオン3~4台、ヴァイオリン3~4本、もっと沢山のこともありますし、さらにヴィオラやチェロ、ヴォーカルなんかが入ったりします。オルケスタ(英語のOrchestra)と言うのですが、クラシックのオーケストラ(そう言えば、なぜドイツ語でなく英語で普及したのでしょう?)に比べると、人数はとても少ない気がするかもしれませんが、いやはや夢のような大編成です。憧れます!
 ちなみに、アルゼンチンのバブルな時代の話です。20世紀前半の世界大戦に参加せず、農産物なんかを輸出しまくった結果、世界第五位の経済大国にまでなり、その首都ブエノスアイレスには、数百ものオルケスタがあったとか。

 当時のオルケスタに近いことが出来る最小の編成が、六人編成ではないかと思います。大編成のオルケスタはなかなか難しくても、六人編成はもっとやれないだろうか。小編成では、出来ないことが多い。多過ぎるのです。

 六人編成の重厚なサウンドは、ものすごくパワフルで、本当に六人とは思えない。気持ちいいです!未体験の方は、是非一度聴いてみていただけたらなあと思います!

 池田みさ子とロス・アミーゴス六重奏
  ピアノ 池田みさ子
  バンドネオン 平田耕司 池田達則
  ヴァイオリン 吉田篤  宮越建政
  コントラバス 田辺和弘

でした!

秋の記(2) 雑司が谷

 引き続き、秋の記録です。

雑司が谷LS

 中田智也とシンノンブレ。
 一ヶ月も前に満席になってしまう、このタンゴバンドのライブ。  いつも場所は雑司が谷のエルチョクロ。いつもぎゅうぎゅう。客席のみならず、ステージも!バンドメンバーが7人もいる上に、客席もステージに侵食してくるためです。我々の弾くスペースがないくらいで、今回、何度ベース松原くんの弓にお尻を突つかれたことか!(……というのは誇張ですが、幾度もの接触は本当です)

 ここのところ、アレンジャーでもあるバンマス、ちゃーさんの新編曲がどんどん出来ていて、充実の度合い、益々増しています。回を重ねるごとに譜面の難易度が上がっていて、タダゴトではない!でもその効果が分かったときの驚きと楽しさ。ノクトゥルナという曲があるのですが、まさか「トムとジェリー」になるなんて。

 黄金時代と呼ばれた時代のミュージシャンたちの物凄いエピソードも、今回は沢山聞くことができました。荒唐無稽なことが、身の回りに次々起こる時代……?思いつきもしない出来事ばかりで、話自体も最高にエンターテインメントでした!
 ……と書きつつ、内容も一つくらいご紹介しようと思いましたが、やはり来てのお楽しみ、じゃないといけませんね。

 本当に見習いたい沢山のこと、いつも満載です。エンターテインメントの精神。心の底から聴いている人に喜んでもらえたら、その気持ちをこれでもかというところまで表現し、伝わる!

 ここのところ2回、僕もこの7人編成のための譜面を、1曲だけ書いています。
 この時は、オリジナル・アレンジではなくて、ヴァイオリンとバンドネオンのデュオのアレンジを、ピアノとベースを加えた4人用に書き換えただけですが、次回(日時未定)は、もっとエンターテインメントに挑戦したいと思っています。

 半年に一度しかライブをやっていないので、一度でいいから聴いてみたいという方々には申し訳ないのですが、次回が決まりましたら(そろそろ決まるはず?)、ぜひお早目のご予約を!

まかないFF
まかない。アルゼンチンのビール、キルメスと。

中田智也 と シンノンブレ
 ヴァイオリンと編曲:中田智也
 ヴァイオリン:関由美 宮越建政 岩楯麻里
 バンドネオン:
大原一駒
 ピアノ:丸野綾子
 ベース:松原正樹