音快計画-ヴァイオリン弾きのお仕事とはッ?!- -23ページ目

アルテリッカしんゆりと東京タンゴ祭

 というイベントがあります。

 これ、相当凄いです!
 今週末から始まっているのですが、椿姫、ジゼルのオペラ、バレエ公演あり、クラシックなら東京交響楽団の公演あり、N響コンサートマスターの篠崎さん、神奈川フィルコンサートマスターの石田さん、ジェラール・プーレさんなど登場!ジャズも錚々たるメンバーのコンサートがあります。
 さらによく見ると、和太鼓や寄席まで!物凄い数とクオリティ!
 詳しくはこちらです。HP、こちらでございます。

 僕は、小松真知子&タンゴクリスタルでの出演です。
5月2日(土) 11:00開演(10:30開場)
 会場/昭和音楽大学ユリホール
 全席指定/2,800円
出演
小松真知子(ピアノ)、北村聡(バンドネオン)、齋藤寛子(ヴァイオリン)、宮越建政(ヴァイオリン)、小松 勝(ギター/編曲)、東谷健司(コントラバス)

 クリスタルでは、その次の週も。
 東京タンゴ祭!多くのタンゴミュージシャンが集結します。以下、主催のラティーナさんのページ(こちら)から引っ張ってきたものです。

タンゴ祭

本場アルゼンチンも一目置く日本のタンゴ・ミュージシャンたち!
彼らが一同に会する待望のタンゴ・フェスティバル!東京タンゴ祭2015!

日時:2015年5月9日(土)16:00開場/16:30開演
場所:浅草公会堂
出演:京谷弘司クァルテート・タンゴ、小松真知子&タンゴクリスタル、オルケスタ・アウロラ、チコス・デ・パンパ、イエロー・タンゴ・クァルテート、ロス・ポジートス、オルケスタ・デ・タンゴ・ワセダ、慶應義塾大学KBRタンゴアンサンブル
料金●前売:5,000円/当日:5,500円(全席指定、未就学児は入場不可)
チケットは3月9日(月)より発売です。お求めは、ラティーナ(tel:03-5768-5588)、またはチケットぴあで。

追憶のロカ

 5/10(日)です!
 現実をスパッと忘れ、快く逃避する…それは、自分を保つために、案外大切なことかもしれません。暫し逃避できる、ロマン溢れる異界を作り出すことを目指し、半年ぶりのトリオです。
 ……僕が逃避していた訳ではありませんが、いや確かに、ブログの方はずーっと書いていなかったー

5/10(日)  OPEN 15:00 START 16:00 MC ¥3300 
 @雑司が谷 エルチョクロ http://el-choclo.com/
  豊島区南池袋3-2-8(副都心線雑司ヶ谷駅1番出口 徒歩2分半)
出演:
  宮越建政(Vn)
  三枝伸太郎(Pf)
  大柴拓(Gt)  

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 人の声こそが、ヴァイオリンの完璧なお手本だ、というのはバロックの時代にはすでに言われていたようです。しかし最近では、そういった系統の演奏は流行らないようです……
 しかしタンゴでは、人の歌い方を換骨奪胎、という感じでいただいているのではないかと思う方法が多々ありまして(勿論、ヴァイオリンだけじゃありません)、メロディーをより歌い込むために、リズムから極端に逸脱することさえ、よくあります。実際やってみると、拍どころか、小節線すらザックリした枠程度になるほど縛られなくなる時も。音を伸ばせば広がりを感じますし、その分後を詰めるから、今度はそこに勢いが生まれる。毎回歌が違ってくるし、ズレも変わるし、そりゃあもうカーチェイスしているような、火花散る感覚です!
 そしてその正真正銘のライブ感は、聴く方々にきっと伝わっているはずです。

 普段は、タンゴらしい劇的で重い音楽を演奏することが多いですが、このトリオでは主に、明るく、エレガント、恍惚の世界を求めていきます。タンゴらしさは、ほとんど感じてもらえないかもしれません。
 しかしほとんどの曲は、あくまでタンゴの方法で表現します(時々、いや、そこそこ他の方法も使います)。そして、時々狂うほど疾走し、時には深く暗い海の中に辿り着く。しかし常に、ロマンティックであり続けるのです。
 モダンで知的、あるいは恍惚感溢れるサルガンの音楽は、何と粋な世界!オリジナルは、まさしく現在の我々の音楽。もちろん、好評の自由なピアソラも、何が起こるか当然自分たちも分からないアドリブソロも、しっかりやります!

 さあさ、ご都合許される方、5/10は雑司が谷はエル・チョクロまで、ぜひぜひお運びくださいませーッ!
 ……といったところで、さて、まだ残っている譜面を書いちゃいますか!!

『異邦人ピアソラ』

 ピアソラの生涯が、故郷のない、どこにいても異邦人だと感じるようなものだったに違いない、という主張(マリア・スサーナ・アッシ/サイモン・コリアー「ピアソラ-その生涯と音楽」による)には、僕もほぼ同感です。

 アルゼンチンに生まれ、4歳で渡米、ニューヨークで育ちます。1929年の大恐慌の後、一度母国に戻りますが、すぐにまたNYに戻ってくる。自分がニューヨーカーであるという自覚がある少年。「星条旗よ永遠なれ」を聞くだけで血が騒いだ、と本人がインタビューに語っています。
 母国に戻ったのが、16歳。スペイン語が上手に話せない。服装もアメリカ人みたい。ということで、当然いじめられたようですし、居心地たるや、もう最悪だったことでしょう。

 ブエノスアイレスに上京して下積みを始め、アニバル・トロイロのバンドに入ったのは2年後ですが、アメリカ人みたいなところがまだあったのでしょう、「ジョニ」というあだ名を頂戴します(もっとも、「ガト(猫)」と言われることが多く、他にも「レーザー」とか色々あったみたいですが)。

 僕は、このトロイロの下にいた期間が、音楽家としてももちろんですが、人間としてのピアソラに、とても重要な意味があったのではないかと思います。故郷のない人間が、これこそ自分の故郷だと言えるような何かを、心の中に作ることができた時間だったのではないでしょうか?そして、異邦人だからこそ持っている感覚が、目覚めてくる……。
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 僕自身は、父親の転勤で2、3年おきに住む場所も学校も転々としまして(国内ではありますが)、その後も引越しが続き、これまで18回転居しています。
 そういったわけで、僕には故郷と思える一つの場所はありません。そういう感覚がないのです。しかし、ない、というより、沢山ある、という方が、僕にはしっくり来ます。そのためか、日本が故郷だ、というような、ひろーい故郷感だけがある。そういったことから、特に少年時代のピアソラの思いを想像して、台本を書きましたー!

 人の価値観を変えるのは、
 世界を変えるように難しい。
 しかし、ピアソラの音楽と人生が語っている。
 人は、人とその世界を変えていくことが出来る。

 資料を構成して書かれた台本と、湧き上がる音楽。
 当時の映像を交え、心象と歴史が交錯する映像。

 すべてが溶け合って
 ピアソラの人生を語り出すその時、
 あなたの脳裏に浮かぶものとは?

 『異邦人ピアソラ』

2015.3.15(土) 17:00 OPEN 17:30 START
 音と言葉”ヘイデンブックス” www.hadenbooks.com
 東京都港区南青山4-25-10 南青山グリーンランドビル
  TEL/FAX 03-6418-5410 前売3800円 当日4300円
出演
 宮越建政(ヴァイオリン/構成/語り)
 北村聡(バンドネオン)
 三枝伸太郎(ピアノ)
映像
 茂谷さやか
企画
 福井利恵子

 同じように書き下ろした台本を読んで、ピアソラの生涯を追体験しながら、音楽を演奏していく、『その名は、ピアソラ』という出し物を2年前までやっていました。幸い、映画を見ているみたい、など好評をいただくことができました!
 それを基に、今度は実際に映像がつきます。ある意味では、映像があるからこそ、映画のようには感じられないのではないかと思っています。そうではなく、もっと違う何かが生まれるはず。
 音楽も、決まった曲を演奏する部分だけでなく、映像や話に合わせて自由につけてもらう部分も多分に設定していて、どうなるか、非常に楽しみです。

 そうそう、丁度おなかがすいてくる時間だなあと、ご心配される方もいるかもしれません。しかしそこも抜かりなし。

ピンチョス

 ドーン!このような見事なピンチョスが用意されていることでしょう!

 会場は、素敵なブックカフェです。しかし、定員30人ほどで、残り十数席のようです。お問い合わせは、お早めにお願いいたします。