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 今回の話者:「可愛い妹が欲しい!」さん

 

悩みを打ち明けるとかそういう話じゃなんすけど、良いですか?

 

俺、一人っ子で兄弟が欲しいな、なんて思ってたんです。それも可愛い妹だったら最高じゃないすか?

 

「お兄ちゃーん」なんて懐いてくる可愛い妹に憧れてたんすよね〜

 

幻想だって言うのは分かってたんすけど、けど、夢見たって良いじゃないですか〜

 

だけど先日嫌なもの見ちゃって・・・

 

なんか俺もとばっちり喰らっちゃいましたよ!

 

電車で移動している最中だったんすけどね。休日の午後で車内は空いてました。俺は車内の長椅子の端に座ってました。向かいには真ん中を母親が、その隣の端っこには小学校中学年くらいの妹が、逆隣には中学生くらいかな制服を着たお兄ちゃんが座っていました。

 

妹の方が母親に甘えながら学校のこととか話していて、俺は微笑ましい感じで眺めてたんすよ。

 

三人ともちょっと畏まった格好でしたから、結婚式かなんかの帰りだったんでしょうね。

 

お兄ちゃんは暇そうに車内を眺めてたっすね。

 

電車が途中の駅に着いた時、若い女の人が乗ってきて、俺の座ってる座席の列の逆端に座ったんす。そうしたらそれまで暇そうにしてたお兄ちゃんが、その女の人をチラチラ見始めたんです。

 

綺麗な人で、ちょっと体の線を強調するようなセクシーな服を着てたっすから、目が行っちゃうのも仕方ないかななんて。

 

そうしたら、やおら妹が立ち上がって、その女の人の前まで駆け寄ると、女の人を守るかのように両手を広げて大の字になって立ち塞がったんす。

 

「お兄ちゃん! この綺麗な女の人をエッチな目で見ないで!」

 

妹は電車内で他にも乗客が居るのに、デカい声で言い放ったんです。ビビったすよね〜 あちゃー、お兄ちゃん、可哀想って。

 

「凛花ちゃん(仮名)! 止めなさい!」慌てて母親が連れ戻しにかかってましたよ。女の人にペコペコ頭を下げて。

 

まあ、女の人は特に気にした風ではなかったすけどね〜

 

「ママ、お兄ちゃんを叱って!」妹ってへこたれないすよね〜 「ママ、お兄ちゃん、また絶対にエッチなこと考えてたんだよ! 許せない! 私はあの綺麗な女の人を守るんだから!」そう息巻いてたっすねー

 

言われたお兄ちゃんの方は顔を真っ赤にして俯いて「やめろよ」とかなんとかボソボソ反抗してましたけど。

 

なんか公開処刑されてるようで気の毒っすよねー

 

妹は逆に母親から「凛花ちゃん、静かにしなさい!」って叱られてました。

 

それが気に食わなかったのか、妹はさらにヒートアップしてきましたね。いきなり爆弾を投げ込んだんすよ。

 

「お兄ちゃん、私、知ってるんだからね!この間、また女の人の裸見ながら、スコスコしてたでしょ!」

 

この言葉にお兄ちゃんの体が固まるのがわかったすよ。ほんと、傍目にも分かるんすよ。体がガチって凍りつくのが!

 

「ママ、怒って! お兄ちゃんまたね部屋でエッチな写真見て、スコスコしてたんだよ!」

 

妹が居ると、プライバシーがゼロになっちゃうんすかね。怖っ!

 

「してねぇよ」小ちゃい説得力のない声でお兄ちゃん応戦してましたけど、ほぼ爆死状態だったすよ。

 

「お兄ちゃん、嘘つかないで! この間、パパにだって注意されたじゃん! それなのになんでまたスコスコしてんの! ママ、怒って! 」

 

妹、最強すね。

 

「凛花ちゃん、良い加減にしなさい! ママ、本当に怒りますよ! それにお兄ちゃんは男の子だから、仕方ないの。良い?それにこういうことは知らない人の前で話すことじゃないの。静かになさい」

 

妹はそう母親に諭されてましたけど、腹の虫がおさまらないのか、暴挙に出たっすね。

 

「じゃあ、このお兄さんもスコスコしてんの!」

 

妹は向かいに座っていた俺に対して指を突き付けてそう言い放ったんす。

 

被弾したっすよね〜

 

ノーガードでしたから、頭真っ白でただ母親を見返してました。別に非難した訳じゃないっすよ。いきなりすぎて、感情も追いついてこなかったすから。

 

そうしたら、母親はいきなりヒステリックに笑い始めて「嫌だ、この子ったら何を言ってるのかしら? このお兄さんがそんなことするわけないじゃない。ごめんなさ〜い。失礼なこと言って」って、もの凄い引き攣った笑顔で謝られて。

 

でも、こっちは放心状態っすから、怒ってるわけじゃないですけど、何も返せなくて謝罪をスルーしちゃったっすねえ。

 

「じゃあ、なんでママはお兄ちゃんのこと、男の子だから仕方ないって言うの? お兄ちゃんのこと、怒って!」

 

「もう、分かったから。お兄ちゃん、あんたもちょっとは気をつけなさいよ! 女の子に見られて良いものじゃないでしょ」

 

「凛花が覗くのが悪いんじゃん」とお兄ちゃんが不貞腐れると、母親に物凄い形相で睨まれ「分かったよ。気をつけるよ」と降参してたっすね。

 

妹はお兄ちゃんが叱られて溜飲が下がったのか、フンッと生意気そうにお兄ちゃんを一瞥するとようやく黙ってくれたっす。

 

兄ちゃん、可哀想。

 

ここで電車が駅に着きました。すると母親が慌ただしく荷物をまとめ始めて「あんたたち、降りるわよ」と子供達を急かし始めたっすね。

 

もう車内にいるのが居た堪れなくなったんすかね〜

 

まあ、そうですよね〜

 

妹が「ママ、ここ、降りる駅じゃない」と抗議してたっすけど、無理矢理席を立たせられてたっすね。

 

母親はまたあの気の狂ったような笑い声をあげると「大変お騒がせしました。失礼しました。申し訳ありませんでした」と車内にいる人間に頭を下げながら電車を降りて行ったすね。

 

電車のドアが閉まる間際「もう!この事はパパに話して、お兄ちゃんも凛花ちゃんも怒ってもらいますからね!」と言う母親の怒鳴り声が聞こえてきたっす。

 

電車が発車すると初めは車内の静けさに戸惑ったすね〜空襲の後の焼け野原的な感じだったすね。

 

貰い事故があったけど、生き残れて良かったっす。

 

二、三駅過ぎるともうあの親子がいた空気もすっかり消えて、平穏な車内が戻ってきたっすね。

 

妹って、あんなデリカシーのかけらもない人種なんすかね〜。

 

可愛くお兄ちゃんに纏わりついて甘えてくる姿は幻想だったんすかね。

 

俺、一人っ子で良かったっす。

 

本当に!


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