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今回の話手 勇輝君(仮名)


 

僕は他人が怖いです。

 

他の人と一緒にいるとその人の心が流れ込んでくるような錯覚を起こします。機嫌が良かったり悪かったり、そういう雰囲気に飲み込まれていきます。時には僕のことをどう思っているかもわかります。

 

断っておきますけど、別にテレパシーとかそう言う能力があると言ってるわけじゃありませんから。

 

他人が僕のことを好ましく思っている時、僕がそれを感じ取れば、僕は必死に演じます。

 

人は見た目や会話を通して自分の中に他人を創ります。それはその人が創り出した他人であって、本質とは違っています。でも、人は自分が創り出した他人を見て好き嫌いを判断していきます。

 

僕は他人が創り出した僕を見て、その僕になろうと必死になってしまうんです。だってそうしないと他人は僕を好いてはくれませんから。他人の中に出来上がった僕と本当の僕に齟齬があったら、それがわかってしまったら、他人は僕に愛想が尽きるでしょう。

 

だから僕は必死に他人の中の僕になろうとします。でも、それは結局僕ではないから。僕は僕を殺して他人の中の僕になって他人から好かれても、僕は他人からは認められない。

 

辛いです。

 

演じていると、押し潰されそうになって叫び出したくなる時があります。

 

違う!そんなの僕じゃない!

 

時として、本当の僕が表に出てしまうこともあります。そうすると、他人の心に変化が起きます。

 

「あれ?思ってた人と違う」

 

他人がそう思えば、僕も感じとります。そんな時、とても強い絶望感を感じます。本当の僕は必要とされていないんだって。

 

この前クラスメートが僕の事を好ましいと感じてくれたのが分かりました。

 

「一緒に帰ろうぜ」

 

そう言われたのが始まりだと思います。その人の好意的な感情が流れ込んできて、存在を認められているような心地良さに酔いました。

 

その人と一緒にいる時は二人きりが多いです。他の人が混ざると第三者の感情に乱されて、どういう役割を僕が受け持つべきなのか分からなくなって困惑するからです。

 

その人は自分がどう行動したいのかということがはっきりしていると思います。だから僕はそれを先読みして彼に提供すれば良いだけなので簡単です。

 

僕はニコニコ笑います。

 

彼が望むから。

 

僕は彼が落ち込んでいる時は慰めます。

 

彼が望むから。

 

僕は彼が他人を批判する話しに傾聴します。

 

彼が望むから。

 

そうする度に僕は不安に苛まれます。

 

そこに僕は居なくて。

 

どこかで彼を軽蔑していて。

 

でも、彼は喜んでくれます。手を握ったり、抱きしめてくれたり、「大事にするから」と言ってくれます。

 

だから僕も同じ様に返します。

 

ある時彼が言いました。

 

「大好きだよ」と。

 

だから僕も今までと同じように返しました。

 

「大好きだ」だと。

 

それからです。彼の態度が急によそよそしくなりました。

 

好ましい感情も感じ取れなくなりました。

きっと僕が何かやらかしたのだと思います。どこかで彼が創った僕の像を逸脱してしまったのだと思います。

 

いつもと同じで本当の僕が好かれることはありません。だから、僕はなんとも思っていません。悲しくありません。僕から彼に近づく事はもうないでしょう。だって、もう必要とされてないんですから。心を読む必要もないから、楽です。自由です。

 

思った通り彼も僕に近づかなくなりました。

 

しばらくして、彼に彼女が出来たことを知りました。良かったねと思ったくらいで、特になんの感慨もありません。

 

この前彼と彼女が一緒に帰るところに出くわしてしまいました。何故か僕、悪いことしたみたいに感じてコソコソ隠れました。

なんなんでしょうね。なんとも思っていないのに、悲しくなんかないのに、涙が出ました。

 

人の心を気にしてセコセコ生きるより、一人で家にいた方がずっと落ち着きます。

 

それで良いですよね・・・



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