ローマからボンジョルノ
今日はイタリアの冬野菜、アーティチョークの話。
初めて食べた人すごいな~、と思うような野菜。
野菜というより花なんですよね。
外側や先端の部分は筋っぽくて固いので、
イタリアでは、ざっくり切り落として調理します。
約半分くらいが、ゴミになってしまうくらい
食べられるところが少ないです。
あ、もちろん捨てずに
蒸して濾すと、ピューレになりますよ。
で、私が一番美味しいな、と思うのが
アーティチョークのフライ。
これは、外側はカリッと中は柔らかい、
アーティチョークの苦みのある風味が
油で揚げて独特の味わいを生み出します。
美味しい!
で、これ、家で作るのは、
難しいんですよ。
たっぷりの油で二度揚げです。
一度、作ってみたら大失敗。
以来、これは外で食べる料理です。
ですから、家庭料理ではなくてレストランにもありますから、
ぜひ、食べてみてほしい料理のひとつです。
これは、
carciofo alla giudia
カルチョーフォ・アッラ・ジュディア
というんです。
ジュディア、ってユダヤ風という意味ですから
アーティチョークのユダヤ風料理なんですよ。
ローマには、
cucina ebraico-romanesca
ローマユダヤ料理という伝統料理があって、
これはその代表的なものです。
どうして、ローマにユダヤ料理?と思うかもしれませんが、
紀元前2世紀のローマには、
すでにユダヤ人コミュニティの記録があります。
今でも、ローマ市内にはシナゴーグがあって
ゲットーと呼ばれるユダヤ人居住区が残っているんですよ。
ローマの中にずっと住み続けていても
ユダヤ人としてのアイデンティティーを
守り続けてるんです。
ゲットーはテラスレストランの並ぶ街角に
古代ローマ時代の遺跡が混在する素敵なエリアです。
それにしても、
ユダヤ料理がフライなのに対して
ローマ風のアーティチョークはオイル蒸し焼きです。
中にニンニクとミントの葉を入れただけ。
見た目は今一つですが
アーティチョークならではの芳香が癖になる味わいです。
茎の付け根のところなんて
ホックホクに柔らかいんですよ~。
それにしても、同じローマ内で、
ユダヤ人はフライにして、
ローマ人は蒸し煮にして、
この違いはなんなんでしょうね。
そうそう、ローマユダヤ料理には
揚げ物が多いんです。
有名なズッキーニの花のフライもそうでした。
これも美味しいですよね。
ユダヤ教には、いまだに独特の戒律カーシェルに基づく、
独自のルールがあるんです。
ちょっと独特な雰囲気で興味深いゲットー地区、
背の高い四角い屋根のシナゴーグ(ユダヤの教会)が目印です。
ぜひ、ローマにいらしたら
足を運んでほしいおすすめエリアです。
BUONA GIORNATA
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