今日は、手打ちパスタ体験レッスンを、
朝早くから実施しました。
ご参加くださった皆様、
どうもありがとうございました。
お1人はアメリカからご参加くださって、
日本から、そして私イタリアと、
地球を一回りしてしまうので、
回線がうまくいかなかったら、
と心配していましたが、大丈夫でした!
ZOOMはすごいですね!
そこで、今回は質問になった、
手打ちパスタの小麦粉の種類について、
あらためてご説明します。
手打ちパスタというけれど、
実は、大きくわけて3種類あります。
1.デュラム小麦のセモリナ粉と水
南イタリアを中心に作られていて、
通常、ショートパスタ。
おなじみの乾燥パスタも、これです。
2.普通の小麦粉と卵
中部イタリア以北を中心に、
ロングパスタか詰め物パスタが多い。
卵黄の乳化作用で、
家庭でも一番作りやすいタイプ
3.普通の小麦粉と水
一番古いパスタの形。
日本のうどんのよく似たトスカーナのピチや、
ウンブリア州のストランゴッツィ、
北イタリアのブレックとか。
卵が入らないから、材料が手軽ですが、
こねるのにテクニックがいります。
あくまでも、ざっくりとした分け方です。
このほか
北イタリアではそば粉を使ったパスタとか、
トスカーナの栗粉のパスタとか、
最近ではファッロ(スペルト小麦)のパスタとか、
小麦以外の粉を使ったパスタもあります。
今、見てきたように、
イタリアのパスタに使われる小麦粉には、
普通の白い小麦粉と
黄色いデュラム小麦の2種類あります。
(左が硬質なデュラム小麦で、右が普通の軟質小麦)
白い小麦粉は、
軟質小麦の粉で、
イタリア語では、
GRANO TENERO(グラノ・テーネロ)
といいます。
一方、乾燥パスタにも使われる
デュラム小麦のセモリナ粉と呼ばれるのは、
黄色っぽい色の硬質小麦の粉です。
イタリア語では
GRANO DURO(グラノ・ドゥーロ)
といいます。
軟質小麦と硬質小麦は、
小麦の種類が違うんですね。
硬質小麦は細長い実で、
色も黄色っぽいです。
日本の小麦粉や、
イタリアの軟質小麦の粉のように、
もともと白くないんです。
そして、
黄色い硬質小麦は、
実が固くたんぱく質が多いので、
グルテンが多く
水分を多く吸収します。
パスタを作るのに、最適な品種です。
この硬質小麦は、
暖かい南イタリアが産地なので、
南イタリアの伝統的なパスタに、
多く使われるんですね。
一方、寒い北イタリアでは、
硬質小麦は作れないので、
白い軟質小麦に卵を加えて、
卵黄の乳化作用を利用することで
簡単にパスタを作ることができたんです。
では、日本で手打ちパスタを作る場合、
どれを使えばいいのでしょう?
日本には、
イタリアの黄色い硬質小麦の品種がないので、
北イタリアのように、
白い小麦粉に卵を入れて作るのが、
一番、簡単です。
で、本日も、
このパターンをやってみました。
私が使うのは、0の小麦粉。
イタリアの軟質小麦は、
小麦粉の精製の度合いで、
00、0、1、2、全粒粉
の5種類に分かれています。
パスタ用は2番目に細かい、
0が一般的です。
ところが、
日本の小麦粉は、
たんぱく質の量によって、
強力粉(11.5~12.5%)、
中力粉(8~9%)、
薄力粉(6.5~8%)
の3種類に分かれていて、
イタリアと分け方が違うので、
正確にどれ、とはいえません。
強いて言えば、パスタ用で売ってるのは、
たんぱく質が10%くらいです。
(パスタ用の軟質小麦0、たんぱく質PROTEINは10.3g)
イタリアでは、安い小麦粉を買うと、たんぱく質が少ないです。
ちなみに、この小麦粉は00で、たんぱく質は11g。
パスタ用ではないんです。
ということは、日本では、
強力粉と中力粉の間なので、
中力粉と強力粉を半分づつまぜるくらいが、
一番近いかもしれません。
いつもお伝えしているように、
イタリアの家庭料理はあくまでも家庭料理。
プロの料理ではないので、
臨機応変にで、大丈夫です。
何回も繰り返しているうちに、
だんだん、コツがわかってきます。
今日のレッスンでもお話したのですが、
イタリアのマンマたちは、
「卵だって、一つとして同じものはない。
だから、卵の量で小麦粉の量も、
その時々で調整したらいい」といいます。
え?、そんないい加減な、
と昔は思ったのですが、本当にそのとおり。
小麦だって、メーカーや製品によっても、
違いますからね。
自分で感覚をつかむのが、
一番大切なんですね。
そのためには、練習あるのみです。
それにしても、
オンラインでレッスンを行うのは、
初めてでしたが、
生パスタに興味ある方たちと、
ご一緒させていただいて、
すごく楽しかったです。
私も勉強になりました。
本当にどうもありがとうございました!