イエ・イエ時代の

フレンチ・ポップスに

ハマっていた頃

収集のガイド本の1冊として

よく参照していたのがこちら。

 

『ディスク・コレクション/フレンチ・ポップ』

(シンコーミュージック・エンタテインメント

 2015年2月20日発行)

 

監修は佐藤篁之[ひとやす]で

執筆者の中には

前回、取り上げた

『ジェーン&セルジュ』

邦盤ライナーを執筆している

松山晋也の名前もあることに

今回、気づきました。

 

買った時は

15人いる執筆者を

1人として知らず

いまだにこの界隈について

詳しくないので

今でも知らない人ばかり

なんですけどね。( ̄▽ ̄)

 

 

オールカラー192ページで

全体が12パート(12章)に

分かれています。

 

自分に関心があるのは

part1 トップ・アイドル

part2 ロリータ・ポップ

part3 Yé-Yé の時代

の3章のみ(74ページほど)ですが

ディスクのジャケットの

カラー写真を眺めて

各解説を読んでいるだけでも

楽しい時間が過ごせました。

 

実際のところは

フランス・ギャルを

取り上げている

4ページ分のみ

何度も繰り返し

読んでたんですけどね(苦笑)

 

ジェーン・バーキンや

セルジュ・ゲンスブールのページも

もちろんありまして(各4ページ)

ショパンがらみで

関心を持ち出した今

これも欲しいあれも欲しい

という欲望にそそられています。

 

 

カバーでは

500枚のディスク

と謳われてますけど

監修者の前書き(はじめに)だと

300人を超えるアーティストと600枚近いディスク

と書かれています。

 

自分の知っている範囲では

1960年代以降のフレンチ・ポップで

いまだこれを凌駕するガイド本が

出ていないと思いますけど

いかがでしょう。

 

遅れてきた

フレンチ・ポップ・ファンには

実にありがたい1冊なのです。

 

 

とかいいながら

今回、久しぶりに

引っ張り出してみたんですけど。

 

どこにしまったか忘れてて

しばらく探し回ったのは

ここだけの話です。(^^;ゞ

 

 

 

●追記(約5分後の)

 

唯一、使い勝手が悪い

というところは

全ての盤について邦題が

いっさい書かれていない点。

 

日本流通盤が

出ていないものもあるので

しかたがないといえば

しかたがない。

 

とはいえ

日本流通盤があれば

そちらを買おうとする人間

(自分のことです)

にとっては

ちょっとツラいかも(苦笑)

いっとき集中的に

イエ・イエ時代の

フレンチ・ポップスを

聴いていましたが

ジェーン・バーキンは

日本で編集された

ベスト盤を買ったきりで

そのベスト盤に

「ジェーンB.」は未収録。

 

そのため

同曲が収められたCDを

今頃になって買う羽目となり

Amazon で購った中古盤がこちら

というか、まあ中古でしか

買えないんですけどね。( ̄▽ ̄)

 

『ジェーン&セルジュ』

(ユニバーサル ミュージック

 UICY-3144、2001.5.23)

 

制作は

ユニバーサル エンタテインメントで

販売が

ビクター エンタテインメント

となっています。

 

録音は

1968年の1月と

11〜12月で

翌1969年6月に

リリースされました。

 

 

邦盤のタイトルは

『ジェーン&セルジュ』

となってますが

これは原盤のタイトル

Jane Birkin - Serge Gainsbourg

を、ほぼ忠実に訳したものです。

 

ネットから

トラック名を取得すると

Je t'aime... moi non plus

(邦題はほぼ原題のまま

 「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」)

タイトルとして表示されますけど

これはジャケ裏のトラックリストに

総タイトルのように太字大文字で

記されているからでしょう。

 

『ジェーン&セルジュ』ライナー裏表紙

 

フランス語版 Wikipédia では

Jane Birkin - Serge Gainsbourg

立項されていますから

そちらが正しいタイトルである

と考えていいかと思います。

 

日本語版 Wikipedia でも

『ジェーン&セルジュ』で

立項されています。

 

 

LP盤の際は

最初の6曲がA面で

残りの5曲がB面でした。

 

つまり Jane B.

B面の最初の曲だったわけです。

 

 

朝倉ノニーの〈歌物語〉

というサイトに

「ジェーンB. 〜私という女」が

取り上げられており

 


自分はまずそちらで

本盤と本曲についての

知識を得ました。

 

そちらの記事だと

歌詞は、ジェーンB.という名の行方不明者の身体的特徴の箇条書きという変わった形態です。

と書かれていますが

ちょっと補足しておけば

英語圏では一般的に

身元不明の女性は

Jane Doe(ジェーン・ドゥ)

と呼ばれるので

それを踏まえている

と考えられます。

 

さらに

フランス語版 Wikipédia によれば

ウラジミール・ナボコフが

1955年にパリで出した有名な小説

『ロリータ』の最後に載っている

(警官の報告書スタイルの)

詩にインスパイアされたのだとか。

 

これにはびっくり。

 

 

なお、邦盤ライナーの

松山晋也の解説には

こちらの歌詞は、“ジェーン・バリー(Barry)、国籍イギリス…”と書かれたバーキンのパスポートをふと目にして思いついたらしい。

と書かれています。

 

姓がバリーなのは

最初の夫が

ジェイムズ・ボンド・シリーズの

映画音楽で知られる

ジョン・バリーだから。

 

バリーとは1968年、

つまり本盤を出す前年に

離婚しています。

 

元々の一家の姓と

夫の姓のイニシャルが

同じだったというのも

偶然といえば偶然ですね。

 

 

原盤には

仏盤では珍しく

ジャン=フランソワ・ブリューの

解説の他に

歌詞も載っています。

 

邦盤のライナーは

昔のCDによくあるタイプの

1枚の紙を折りたたんだもので

原盤のブリューの解説も

いちおう訳載されています。

 

『ジェーン&セルジュ』邦語ライナー

 

本盤は日本では

ゲンスブールのCDとして

リリースされたようで

(ですからブログのタイトルも

 それに準じたんですけど)

キャップ(オビ、タスキ)裏に

「I ♡ SERGE キャンペーン」の

公告が載っていました。

 

『ジェーン&セルジュ』邦盤キャップ裏

 

Tシャツを欲しい人が

どれだけいたか

想像もつきませんけど

自分が買ったCDのキャップには

応募券が切り取られず

残ってました。( ̄▽ ̄)

 

 

バーキンの歌い方は独特で

「ジェーンB.」に限らず

歌っているというより

囁き声で語りかけている

という感じです。

 

「ジェーンB.」は

そういう歌い方が

しっくりくるような曲で

それは晩年

カミーユ・トマとの

コラボレーションの時にも

活きてるなあ

という感じがします。

 

 

上掲の

朝倉ノニーのサイトにも

マルタ・アルゲリッチが弾く

ピアノ演奏と共に

バーキンが歌う映像が

貼り付けられていますけど

せっかくですのでこちらでは

違う動画を貼り付けておきます。

 

以下は当時のテレビでの映像。

 

 

最初に映るのは

当時リリースされた

シングル盤の

ジャケット写真でしょう。

 

Jane B.

Je t'ame... moi non plus

B面として

シングル・リリースされました。

 

以下は、2022年に公開された

ジェーン・バーキンのチャンネルの

公式の動画です。

 


さすがフランス

おしゃれですねえ。

 

1969年当時の映像も

当時としては当時なりに

おしゃれだったのかも

しれませんけどね。( ̄▽ ̄)

以前、フランスのチェロ奏者

カミーユ・トマの

パーセル作曲の通称

《ディドーのラメント》

(私が地に横たわる時)を

視聴したことを書きました。

 

 

カミーユ・トマという

チェロ奏者を知ったのは

パーセルの編曲が最初ではなく

ショパンの《17のポーランドの歌》の

第2曲〈春〉のアレンジを

YouTube で見つけたのが

最初でした。

 

 

こちらを収録している

アルバムが欲しくなって

購入したのがこちら。

 

The Chopin Project Trilogy

The Chopin Project Trilogy

(独 Deutsche Grammophon:

 485 845 1、2023.6.9 )

 

タワーレコード・オンラインの

商品ページの邦題は

「ショパン・プロジェクト:トリロジー」

となってますけど

プロジェクトとトリロジーの間を

コロンにしている意味がよく分からず

これは中黒点でいいかと思います。

 

 

本盤は、紙ジャケ

デジパック仕様のCD3枚組で

CD1は Chopin for Cellists と題し

チェリストのために編曲した

ショパンの楽曲が

集められています。

 

編曲者は

カミーユ・トマだけでなく

ショパンのパリ時代の

チェリストの友人

オーギュスト=ジョゼフ・フランコムの他

セルゲイ・タネーエフ(1856〜1915)

アレクサンドル・グラズノフ(1865〜1936)

フリッツ・クライスラー(1875〜1962)

ミッシャ・マイスキーなど

錚々たる面々(多分w)の編曲が

収められています。

 

詳しい収録内容は

タワーレコード・オンラインの

商品ページを

参照していただければ

と思いますけど

カミーユ・トマによる

歌曲〈春〉チェロとピアノ編曲版が

収録されているのはCD1です。

 

 

CD2は

Complete Chamber Music と題し

ピアノ三重奏曲 ト短調 作品8

チェロ・ソナタ ト短調 作品65

序奏と華麗なるポロネーズ 作品3

マイアベーアの歌劇《悪魔のロベール》

の主題による協奏的大二重奏曲が

収めらています。

 

協奏的大二重奏曲は

ショパンがパリに来たばかりで

まだチェロという楽器に

慣れていなかったこともあり

フランコムとの合作になるためか

ショパン本人による作品番号が

ついていません。

 

どれもお馴染みの曲

かと思いますが

自分はまだ

ここがいいとか悪いとか

いえるほど聴き込んで

馴染んでいはいません。

 

 

CD3は

The Franchomme Legacy と題し

フランコムによる

ショパン作品の編曲と

フランコム自身が作曲した

チェロ用の楽曲が

収録されています。

 

最後に収められている

チェロ・ソナタ ト短調

作品65の第3楽章のみ

本盤に参加しているチェリストで

トマの師でもあるらしい

W・E・シュミットが編曲した

チェロと弦楽四重奏版です。

 

トマはこのCD3の録音で

フランコムゆかりの

1730年製の楽器を

使用しているそうです。

 

 

ちなみに

Franchomme は

「フランショーム」と

カタカナ表記されることが

多いようですけど

Franc-homme と切って

読むのが正しいようですから

フランス語の発音の規則に従い

h は発音せず

Franc の c と o がリエゾンし

フランコムと読むのが妥当でしょう。

 

さらにちなみに

ショパン・プロジェクト・エッセンシャル

という1枚ものも出てて

最初、買おうとしてたんですが

収録曲を確認してみると

こちらはトリロジー3枚組のうち

CD3の内容そのままで

歌曲〈春〉編曲版は入ってませんし

トリロジーを買えば

あえて買う必要はないか

と思い、未購入となった次第です。

 

 

歌曲〈春〉編曲版は

2022年9月に録音されました。

 

ピアノ伴奏は

ジュリアン・ブローカル

 

CD1収録曲は全て

ブローカルによる伴奏で

使用楽器は YAMAHA だと

思われます。

 

 

歌曲の編曲版は

〈春〉だけなのが残念。

 

もっとも

CD1 のトラック9は

4つのマズルカ 作品68の

第2番 イ短調を

カミーユ・トマが

チェロとピアノ用に

編曲したものですけど

こちらポーリーヌ・ヴィアルドによる

歌詞を当てはめた歌曲〈小鳥〉を

彷彿させるくらい似ていて

びっくりさせられました。

 

ヴィアルドのアレンジ版を

聴いていれば

似ているところを

楽しめること

請け合いです。

 

 

そしてCD1の

最終トラック17は

あのセルジュ・ゲンスブールが

ショパンの前奏曲 第4番 ホ短調

作品28の4に基づき

ジェーン・バーキンのために作曲した

Jane B.(ジェーン・B 〜私という女)を

ブローカルとトマによって

チェロとピアノ用に

編曲されたものが演奏されており

なんと、ジェーン・バーキン本人が

ヴォーカルで参加しています。

 

トラック17の録音は

2023年2月10日ですから

バーキンが沒するほぼ5ヶ月前。

 

そう思って聴くと

しかもその曲が

Jane B. であるとなれば

切なくもなりますし

いうにいわれぬ想いに

とらわれますね。

 

 

トラック17の

プロモーション映像が

残されていて

YouTube で

観ることができます。

 

 

死の5ヶ月前ですから

おそらくは

生前最後に近い

アーティストとしての

バーキンの姿が

収められたわけで

これは大変貴重な映像ですね。

 

そしてその最晩年の

こうした映像を記録し

残した、という意味でも

カミーユ・トマ盤の功績は

計り知れないものがあります。

 

 

もちろん

トマの演奏も

自分の印象としては

ピカイチですから

ショパンのチェロ編曲版の

アンソロジーとして

(特にCD1が)

文句なくおすすめできます。

 

チェロの音色は

聴いていると

心が落ち着くものですが

(曲にもよりますけどw)

CD1の場合

そこにショパンの抒情が加わり

最良の化学反応を起こした

おすすめの1枚となっています。

 

とにかく

CD1を聴くためだけでも

買う価値あり、ですよ。

 

 

 

●修正(翌日0:15ごろの)

 

最初にアップしていた

カミーユ・トマの動画が

Polish Song ではなく

Waltz No.19 になっていたので

貼り直しておきました。

 

「Camille Thomas Chopin」

で検索したら

そうなっちゃったみたいです。

 

無精せずに

「Camille Thomas Chopin Polish Song」

で検索すれば良かった……。