ルキノ・ヴィスコンティの長編映画、1963年制作。

昔いちど観て、「イタリアの軍服カワイイ~」と思ったこと以外、全部忘れていた。

事前知識いっさいナシで再鑑賞。これは没落貴族の話だっけ?たぶんイタリア国内で政権争いが起きていて、革新派と保守派が戦っていて、主人公のサリーナ公爵は保守派の伝統的な貴族で、時代に取り残されて没落していく、というかあえて没落を選ぶ、そういうなんつーか、敗者の美学みたいなことかな、というのが会話からわかったことだけど、文化的に親しみのない海外映画を観るときは事前知識を入れとくべきだな、と思った。これ19世紀半ばのイタリア統一戦争が舞台になってたんですね。

ヴィスコンティの作品は、主に初期の貧困層にフォーカスしたものが好きなんだけど、今回は没落貴族。ヴィスコンティ自身が貴族の出身であるからして、豪邸のインテリアとか服装とかパーティのようすとか、まあたいへん細かく再現されていて、それを観るのは楽しかった。

そしてアラン・ドロン演じる甥のタンクレディが、古いしきたりにとらわれず、スイスイと新しい波に乗っていくので、伝統にしがみつくサリーナ公爵のみじめさが引き立って、だけど最後まで誇り高く死んでいく、ここはちょっと日本の武士みたいなとこありますね。

どうでもいいけどタンクレディが登場するとき、ちょうど話題が内戦の話だったこともあり、ついカタカナの字面から英語変換して「戦車レディ」みたいなキャラが出てくるのかと思ったら、アラン・ドロンが出てきたので、「あぁ(笑)」ってなった。アラン・ドロン、この人が登場すると、一気にスクリーンを支配する。これがスターというものか。

しかし長いよ!3時間だよ!!長編の海外映画は、元気なときに観なければいけないやつだった…。

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