ぺんたんさん原作、まきりえこさんマンガによる、実録コミックエッセイ。


ぺんたんさんは、コロナ禍で母親が陰謀論にハマってしまい、絶縁状態になる、という経験を持つ方。私も友人が陰謀論者になっていくなか、こういう本を待ってたよ~という気持ち。


で、私がなぜこういう本を待ってたのか、というか、こういう本に何を期待していたのか、それは「陰謀論者の洗脳がどうやって解けるのか」を知りたかったから。しかし最後まで読んでみると、う~む…。人類の経験値は、まだそこまで到達していないのだな、と思う。


母親と、母親が陰謀論を真実だと思い込んでいく過程が、ビックリするほどふつうで、そのふつうさがおそろしい、それが陰謀論の特徴。だってこれ、ぜんぜん特別なだれかの話じゃないんです!


『母親を陰謀論で失った』が息子の視点だとすると、マンガの最後に母親の視点から『家族を陰謀論で失った』が描かれているのは良かった。


ところで、私が陰謀論者の友人と話すときにどうしているか。これは、家族じゃないからできることかもしれないんだけど、「否定も肯定もせず、むしろインタビューする」です。「陰謀論にハマったきっかけは?」「最近イチオシの陰謀論は何ですか?」「陰謀論仲間ってどういう人たちですか?」「ふつうの犯罪と陰謀をどう見分けてるの?」などなど、ここぞとばかりに気になっていたことを聞く。インタビューと思えばけっこうおもしろい話が聞けたりするのです。


で、向こうも、だいたいはじめは戦闘モードなんだけど、否定も肯定もしてこない人間を若干いぶかしがりながらも、めっちゃ話してくれちゃうっていう(笑)。そう、私は陰謀論よりも、実は陰謀論者が好き。


ただし、「ギャハハ!めっちゃ面白い!」とかうっかりウケたりすると、「面白いじゃねーわ!お前さては闇の組織だろ!」とキレてくるので注意が必要です。

 

 


●メルマガはじめました!

 

主に新刊の連載と、購読者さんからのおたよりにお返事するコーナーなどあり〼。

 

ご購読はこちらからできます! 初月は無料なので、登録・解除はお気軽に~。

↓↓↓

大原扁理のやる気のないラジオ メルマガ版 (mag2.com)


メルマガタイトル:大原扁理のやる気のないラジオ メルマガ版
対応機器 :PC・携帯向け
表示形式 :テキスト・HTML形式
発行周期 :毎月 第2金曜日・第4金曜日
創刊日 :2021/4/9
登録料金 :550円/月(税込)