井上章一さんの京都論。


著者の井上さんは京都の嵯峨育ちで宇治市在住。京都府出身だけど京都人とは言わないのだという。その複雑な理由とは!?


私の知り合いが、宇治市出身なんだけど、「宇治出身の人なんて京都人と認めてもらえませんよ」と言ってたのを、「はて?」と思っていた、その答えがドンピシャリ書いてある。


要するに平安時代でいうところの「洛中」に生まれ育った人だけが、本当の京都人を名乗る資格がある、という、実に選民意識あふれるお話だったのですね。京都が永遠にイジられつづけるのはそういうとこなのでは、と思わなくもないけど(笑)。


しかし洛外出身ということで田舎モン扱いされてきた井上さんの恨み辛みが爆笑極まりない。井上さんが嵯峨出身と知れば、「昔、あのあたりにいるお百姓さんが、うちへよう肥をくみにきてくれたんや」。山科の人から縁談の話があったら、「山科なんかいったら、東山が西のほうに見えてしまうやないの」。大阪や東京の資本が支えている京都のお店に対しては「あの店、外資系やで」。ギャハハハ、めっちゃいけず!!で、このあとさらに井上さんの専門である建築・歴史方面からも、京都のいけずをいじくり倒す。


しかし、このような800余年つづく洛中洛外キャットファイトも、洛外出身ですらないただの外国人の私には、もはやエンタメ。一生やっててほしい!

 

 



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