佐々木典士さんの本。

『ぼくモノ』のときから、佐々木さんが何かに興味の照準を合わせたときの突き進み具合の変態っぷり(←褒め言葉)を、私はエンタメとして楽しませていただいてるわけですが、2冊目のこの本では「習慣」にロックオン。「習慣」の正体を、ひとつずつ細かいパーツへ、ガチャンガチャンとあざやかに解体していく手腕には、もはや様式美すら感じます。

で、単行本のときも読んだけど、そのときは「習慣と自分」の問題としてとらえていたのが、文庫化して改めて読み返し…3年で環境も変わって…、いま思うのは、「習慣と老後」なわけですよ。というのも私の親が要介護+痴呆症気味になったから。

報酬と罰則の話で、「目の前の報酬を過大評価し、将来にある報酬や罰則を過小評価してしまう」というような文章を読むにつけ、なぜ人が老いたとき、「いつまでも自分のことはなるべく自分でしたい」よりも、「いま目の前のことを誰かにやってもらってラクしたい」が勝ってしまうのか、というのに合点がいく気がする。

「人の行動の45%が習慣である」とも書かれていて、ということは軽度の要介護や痴呆症くらいなら、日常生活を習慣で回せるようにしておけば、一人で生活していけるのかも…朗報じゃないですか!

老後2000万円貯蓄が必要というけれど。そりゃあるならあったほうがいいけれど。2000万円がある老後にもない老後にも必要なのは、「他人任せにしないで自分でやること」によって得られる自己肯定感の貯蓄ではないのか。で、それを習慣によって達成する…という実験を、私は自分の人生をかけてやっていくつもりだ。この本とともに。


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