『シェルブールの雨傘』

ジャック・ドゥミが監督、ミシェル・ルグランが音楽を担当した最強タッグのフレンチミュージカル。1964年作品。カンヌでグランプリらしいよ。

若き日の気高く美しいカトリーヌ・ドヌーヴがヒロインのジュヌヴィエーヴ（17歳）を演じます。母親と傘屋を営むジュヌヴィエーヴ。自動車整備工のギイ（20歳）と結婚を誓い合うも、彼にアルジェリア戦争の招集が来てしまう。残されたジュヌヴィエーヴはその後、妊娠していることが発覚して…。

フランスのミュージカル映画を観る楽しみは、なんといってもその色使いやファッションのセンス。服や傘などの小物から、街角の外壁タイルまでがめっちゃ素敵。そして粋で洒脱な会話の応酬、と言いたいところだけど、この映画に限っては、なんとセリフがすべて歌！「ウィ」「ボンジュール」のひとつひとつまで徹底的にメロディ付き(笑)。やりすぎ感！！

ギイが復員してくると、ジュヌヴィエーヴの傘屋はすでに売りに出されている。数年後、とある場所で二人は再会するんだけど、焼けぼっくいに火をつけない選択をするところが大人っぽくて好きです。これで「卒業」みたいなエンディングにだけはしないでくれよ、というのが杞憂に終わってよかった！