ジャック・ドゥミ監督、ミシェル・ルグラン音楽による、フレンチミュージカルの傑作。1967年作品。
ダンサーのデルフィーヌとピアニストのソランジュは、港町・ロシュフォールに住んでいる双子の姉妹。自分の才能を試すためにパリに行きたいお年頃。そこへ旅するパフォーマーの一団が、フェスティバルのためにやってきて、欠員を双子の姉妹に頼み、代わりに姉妹はパリまで乗っけてもらうことにします。開放的な港町と陽気な人々。それぞれの恋が、出会いそうですれ違い、また追いかけるところなんか何度観ても素敵です。
アメリカのミュージカルだと、男はわかりやすくマッチョ、女はお色気ムンムン一辺倒な感じですが、チッチッチ。フランスのミュージカルはそんなステレオタイプを採用しませんよ。男だってピチッとした衣装も着れちゃうし、クネクネしたダンスも踊れちゃうし、女は何も肌を露出するだけがセクシーじゃないのよ、的な成熟を感じます。
あと色使いやファッションも。アメリカってカラフルで豪華だけど、まあ悪く言えばどぎついですよね。しかしヨーロッパのファッションは、一見地味でも差し色でさりげなくおしゃれを見せることもできますよ~ってなもんで、長い歴史のなかで培われてきた知識と経験と品格による洗練がある!もうっ、好き!
それでいて、ダンスも微妙に揃ってないところとか、明らかに歌や演奏が吹き替えなところとか(笑)、おおらかなのもほほえましい。おおらかといえば、フランス人が最も忌み嫌いそうなアメリカ人俳優のジョージ・チャキリスやジーン・ケリーを抜擢(しかもフランス語吹き替えで出演)するところなんて、歴史のある国の余裕すら感じさせますよね。私はジーン・ケリーのマッチョな感じが苦手なんだけど、細身でさりげないファッションで出てるから、最初誰だかわかんなかったもん。
そんなわけで私のオールタイムフェイバリットのフレンチミュージカル。これからも幾度となく観返すことでしょう。
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