NEW!! 2017年、アニーになりたい歴30周年！
エンタメ特化型情報メディア SPICE
【THE MUSICAL LOVERS】にて、ミュージカル『アニー』についての連載コラム
が 始まりました！
[第1回] あすは、アニーになろう
[第2回] アニーにとりつかれた者たちの"Tomorrow"（前編）
[第3回]アニーにとりつかれた者たちの"Tomorrow"（後編）
[第4回]『アニー』がいた世界～1933年のアメリカ合衆国～ ＜その1＞フーバービル
[第5回]『アニー』がいた世界～1933年のアメリカ合衆国～ ＜その2＞閣僚はモブキャラにあらず！
[第6回]アニーの情報戦略
[第7回]『アニー』に「Tomorrow」はなかった？
[第8回]オープニングナンバーは●●●だった！
[第9回]祝・復活 フーバービル！ 新演出になったミュージカル『アニー』ゲネプロレポート
[第10回]『アニー』がいた世界～1933年のアメリカ合衆国～ ＜その3＞ラヂオの時間
[第11回]『アニー』がいた世界～1933年のアメリカ合衆国～ ＜その4＞飢えた人々を救え！
[第12回]『アニー』がいた世界～1933年のアメリカ合衆国～ ＜その5＞ウォーバックスにモデルがいた？
[第13回]ブラックすぎる！？ 孤児院の実態
[第14回]ウォーバックスの財力と華麗なる元カノ遍歴
[第15回]Leapin' Lizards！ リメイク映画『ANNIE』のトリビア＜前編＞
[第16回]Leapin' Lizards！ リメイク映画『ANNIE』のトリビア＜後編＞
[第17回]ミュージカル『アニー』オーディションレポート
2018の主役＆孤児役合格者、発表！ 新アニー役は新井夢乃＆宮城弥榮！
[第18回]決まったぞ～！ ハニガン役に辺見えみり、グレース役に白羽ゆり！丸美屋食品ミュージカル『アニー』2018の大人キャスト 見どころとアンサンブル役の復習
☆☆12月14日 アニー連載更新！☆☆
[第19回]サンディが33年目にして犬種チェンジ！ 丸美屋食品ミュージカル『アニー』2018製作発表レポート 12/14 NEW!!
☆！ブログの無断転載・転用・お断りします！☆
☆☆文中 リンクがあるものは わたくしの当時の記事またはオフィシャル記事などに飛びます☆☆
☆！鑑賞レポートはすべてネタバレです！
（メモを取っていないので、間違いがあるかもしれませんが）☆
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ナショナル・シアター・ライヴ『ヘッダ・ガーブレル』を 観に行ってきました。
ストーリーは
山の手事情社のサイトが わかりやすいです。
同じくイヴォ・ヴァン・ホーヴェさま演出ナショナル・シアター・ライヴ『橋からの眺め』
が なにげに ナショナル・シアター・ライヴで ベスト3内に入るわたくし、
先月もイヴォ・ヴァン・ホーヴェさま演出『オセロー』
を 東京芸術劇場で 観てきたわけですが・・・
『ヘッダ・ガーブレル』、戯曲だとヘッダはクソだと思ってたから
観たら 鬱になっちゃうかと思ったけど
イヴォ・ヴァン・ホーヴェさま演出版は
その逆！真逆！！
夫が世話になった叔母さんにも ろくに挨拶しないヘッダ。
わかる。
あんな ナチュラルにいい人、カンにさわる。
毎日来るなんてとんでもない。ほっといてくれよ。
夫は私と結婚したのに まだ ずけずけ
私たちのテリトリーに入って来る 無神経な親切おばさん。
新居の無機質な部屋に
お花が山ほど来る。むんむんと匂いがする。
何なのこれは！
『熱海殺人事件』ばりに たたきつけてやりたい！
しかし 映画『パレードへようこそ』でも思ったけれど ああいう 壁にくっつけられるステイプラーって 家にあるものなんですか。
そしてもう 何よりも
あの アンニュイな音楽に
うっとり・・・
翌日 何にもしたくない無気力時
このアンニュイな曲をかけながら 夕飯を作ったり お皿を洗ったりしたら
自分が ヘッダになった気分で すごく盛り上がりました。
スクールカースト上位で
美人でワガママで 女王様気質の
だけど 大人になったら 不人気な クソ女 ヘッダ。
エルヴステード夫人が 家に訪ねてくると
ヘッダは気分よく迎えようとするけれど 彼女は避けて
まずはヘッダの夫とキスをする。
エルヴステード夫人に「私たち お友達だったじゃない」と
いう態度をとる ヘッダ。
だけど
「学校時代 仲良くなかった。
私のこと いじめたよね」
「私の髪に火をつけるって 言った」
と答えてくる 金髪の エルヴステード夫人。
エルヴステード夫人と仲良く取り繕って
秘密を聞き出すヘッダ。
エルヴステード夫人は 夫のもとから逃げてきたこと、
この町に帰って来た ある男に ひかれていること・・・
そのある男は かつてヘッダが 銃を向けた男。
それほどまでに「関係」のあった男。
そしてそれは夫の同僚で 夫が教授昇進かと思ったこの時期に
新作の原稿ですごい才能を発揮して 夫の昇進を脅かしている男。
その男はお酒で一度破滅したけれど 改心して
この町に帰って来た。
エルヴステード夫人は、彼と一緒になりたいと言う。
ふうん・・・（わたくしの中の ヘッダ）
そして 第二幕、女中が 舞台中央に
火をつけたときから 予感がしていました。
夫が持って帰ってきてしまった その男の原稿を 燃やすこと・・・！
そしてその原稿は、
エルヴステード夫人が その男にずっと協力して作ったもの。
2人の間の子どもみたいなものだと。
燃え盛る炎はあたかも あの金髪女・エルヴステード夫人の髪のよう。
あの女の髪を 燃やしてやった・・・！
その2人の間の子を 燃やしてやった・・・！
燃やす前に その男は この家に来た。
だけどヘッダは 原稿を返さず かつてその男に向けた 父の形見のピストルを渡して
「美しくね」と 念を押した。
そして原稿は燃やした。
夫は、ヘッダが
その男の原稿を燃やしたことを知ると
「あなたはあの人の才能に嫉妬していたから」と。
夫
「それほどまでに 僕のことを 愛しているのか」
そして子どもがいることを お腹をさすることで示すヘッダ。
（そういえば、何でもわかる叔母さんが「これから人手が要るでしょう」って言ってたな・・・）
ヘッダの股座に入り込み
「YES!!」と うるせえ夫。
心底うんざりした顔の ヘッダ。
原稿をなくした その男は自殺した。
どこで？
娼婦（？）のベッドで。
おいおい、それじゃヘッダの美学に そぐわないのでは？
っていうか ヘッダ以外の女の家で死ぬなんて・・・！
それほどまでに「関係」のある女がいるなんて・・・！
そして 夫は
エルヴステード夫人が持っていた メモをもとに
その男の本を 復旧させる、と言い出す。
2人は夢中で そのメモを並べている。
家を出たエルヴステード夫人に 「叔母の家に住めば」と言う。
「泊りがけで叔母の家で作業しよう」とか
「何年かけてでも復旧させよう」とか言っている。
はぁああああああああああ？
心 底
バカじゃないの？夫！
ヘッダが イラついて ピアノをめちゃくちゃに弾くと
夫が「彼の死を思え！」
おいおい、っていうか オメーが もともと
その男の原稿 拾って 持って帰ってきたのが
悪いんだろうが！！！盗みだよ 盗み！！！
エルヴステード夫人より 私のほうが スクールカーストが 上だったのに
っていうか 夫の妻は 私なのに
っていうか 夫は さえない つまんない男のくせに
お前が盗んだくせに
私以外のことに夢中で 誰も自分に目をくれないなんて。
ああ、こんなつまんない夫の子どもを産んで 今 自分に目もくれない夫と一生
生きてゆくのなんて うんざりする。。。
自分の中に 足枷を感じてしまう！！
っていうかエルヴステード夫人、
何 ワイの手をつけた男たちと 次から次へと 一緒に
この町でやってこうと してんねん！！
ちなみにもうひとり 登場人物がいて
そいつも ヘッダと「関係」している雰囲気の 夫の友人（ブラック判事）がいるんだけど
そいつは警察につてがあって ヘッダの銃で その男が死んだことを知っていて
ヘッダを脅す。
しかし能天気な夫は ブラック判事に
「僕がこの作業で叔母の家にいる間は ヘッダを頼む」とか言っている・・・
心 底
バカじゃないの？夫！
ブラック判事に 妻が寝取られるとも思わないの？？？
ヘッダ、
バカらしさが MAXになって 死んだんじゃない？
自分のほうが優位に立っていた男に 支配され 顔にトマトジュースをぶっかけられる。
振り向かせられると思っていた男は 別の女と本を作り 別の女のもとで死んだ。
自分がつまんないと思っていた男が 他の女とは 楽しそうに対等に話して 作業している。
銃で自らを撃ち抜いて 痙攣して死んだ ヘッダに
ブラック判事
「人はこんなことしない」
そうかな。。。
人は、モラルや法律の縛りがなかったら
無意味であろうが意味があろうが カンにさわるものは
ぶっ潰してやりたいんじゃないだろうか？
この先もっと この家で屈辱を受けるであろう自分をも 壊してやりたい。
それはあてつけか衝動か 破滅本能か。
かつてこの台本は、『人形の家』みたいに 家に縛られて
抑圧されている女の話だと思った。
またはヘッダが わがまま、とかね。
だから どうでもいい 興味のない話だなと 思っていたけれど
だけど、今回
めちゃくちゃ感情移入しただよ。。。
子どもの頃から内にあった だけど秘密にしなきゃいけないようなこと。
実際は、めんどうくさいし 他人のことなんか どうでもいいから
やらないけど、
内にある 心の底の底に 鍵をかけてしまいこんだ 悪意を
ヘッダが やってのけてしまうのが爽快。
演劇にモラルなど不要！
セリフの裏をかかない（矛盾も人間の特性だから）という
イヴォ・ヴァン・ホーヴェさまの演出術。
向田邦子さまの「先に台本を渡しちゃうと 役者が逆算して役作りする。
人は明日のことなどわからないのに。
だからそのまま読んでほしい」という 『トットちゃん！』での言い分に通じる。
（まあ、向田邦子さまの場合 遅筆の言い訳だったのかもしれないけれど・・・）
映像、ちょっと遠くから（客席から）のアングルが入って来るのも
すごく好みだった・・・
この方のツイート
のとおり、
幕切れは、ニーナ・シモンさまの「Wild is The Wind」
という曲なのだそうです。
わたくしは この曲使い、すごく好き。
今年日本で公開された ナショナル・シアター・ライヴ
『ハングメン』
『一人の男と二人の主人 One Man, Two Guvnors』
という コメディ方向も 抜群に 冴えてたし
大当たりシーズンじゃないですか・・・！？
はあああ、、、ブルーなうっとりが止まらない！！！
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
過去の ナショナル・シアター・ライヴ感想：
『フランケンシュタイン』（カンバーバッチさま クリーチャー版）
『フランケンシュタイン』（カンバーバッチさま 博士版）
『コリオレイナス』
『ザ・オーディエンス』
『二十日鼠と人間』
『スカイライト』
『欲望という名の電車』
『宝島』
『夜中に犬に起こった奇妙な事件』
『ハムレット』
『橋からの眺め』
『リア王』
『人と超人』
『ハード・プロブレム』
『戦火の馬（WAR HORSE）』
『ハングメン』
『三文オペラ』
『深く青い海』
『誰もいない国』
『お気に召すまま』
『一人の男と二人の主人 One Man, Two Guvnors』
ついでに ナショナル・シアター
『War Horse』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆エンタメ特化型情報メディア SPICEにて 演劇記事を掲載中です。
●ミュージカル『アニー』についての連載コラム【THE MUSICAL LOVERS】が始まりました！
→ [第1回] あすは、アニーになろう
→ [第2回] アニーにとりつかれた者たちの"Tomorrow"（前編）
→ [第3回] アニーにとりつかれた者たちの"Tomorrow"（後編）
→ [第4回]『アニー』がいた世界～1933年のアメリカ合衆国～ ＜その1＞フーバービル
→ [第5回]『アニー』がいた世界～1933年のアメリカ合衆国～ ＜その2＞閣僚はモブキャラにあらず！
→ [第6回]アニーの情報戦略
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→ [第8回]オープニングナンバーは●●●だった！
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→ [第17回]ミュージカル『アニー』オーディションレポート
2018の主役＆孤児役合格者、発表！ 新アニー役は新井夢乃＆宮城弥榮！
→ [第18回]決まったぞ～！ ハニガン役に辺見えみり、グレース役に白羽ゆり！丸美屋食品ミュージカル『アニー』2018の大人キャスト 12/2 NEW!!
●アニーになりたい歴30年のわたくしが 本物に出会った！
→ 丸美屋食品ミュージカル『アニー』が全面刷新、ウォーバックス役に藤本隆宏、ハニガン役にマルシア！
→ 丸美屋食品ミュージカル『アニー』2017年新演出家とアニー役・孤児役発表
→ 丸美屋食品ミュージカル『アニー』初日直前ゲネプロレポート
→ 2016年アニー役の河内桃子（こうちももこ）さん・池田葵（いけだあおい）さんにインタビュー
→ 丸美屋食品ミュージカル『アニー』制作発表に野呂佳代アニーも乱入
●動画撮陰とレポート執筆担当しました！【動画あり】中川晃教×平野綾×橋本さとし×濱田めぐみが熱唱、日本版『マーダー・バラッド』製作発表ミニライヴ レポート
●横浜版への意気込み、横浜版の見どころ。韓国版『イン・ザ・ハイツ』横浜公演開幕！ ヤン・ドングンとf(x)ルナが会見
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●山内ケンジさまと山内健司さまの Wけんじ漫才動画あり！Wけんじ企画 山内ケンジさま×山内健司さまにインタビュー
●佐藤B作さま・銀平さま親子が舞台初共演！東京No.1親子”『あぶくしゃくりのブリガンテ』初日レポ
掲載中です。
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【THE MUSICAL LOVERS】にて、ミュージカル『アニー』についての連載コラム
が 始まりました！
[第1回] あすは、アニーになろう
[第2回] アニーにとりつかれた者たちの"Tomorrow"（前編）
[第3回]アニーにとりつかれた者たちの"Tomorrow"（後編）
[第4回]『アニー』がいた世界～1933年のアメリカ合衆国～ ＜その1＞フーバービル
[第5回]『アニー』がいた世界～1933年のアメリカ合衆国～ ＜その2＞閣僚はモブキャラにあらず！
[第6回]アニーの情報戦略
[第7回]『アニー』に「Tomorrow」はなかった？
[第8回]オープニングナンバーは●●●だった！
[第9回]祝・復活 フーバービル！ 新演出になったミュージカル『アニー』ゲネプロレポート
[第10回]『アニー』がいた世界～1933年のアメリカ合衆国～ ＜その3＞ラヂオの時間
[第11回]『アニー』がいた世界～1933年のアメリカ合衆国～ ＜その4＞飢えた人々を救え！
[第12回]『アニー』がいた世界～1933年のアメリカ合衆国～ ＜その5＞ウォーバックスにモデルがいた？
[第13回]ブラックすぎる！？ 孤児院の実態
[第14回]ウォーバックスの財力と華麗なる元カノ遍歴
[第15回]Leapin' Lizards！ リメイク映画『ANNIE』のトリビア＜前編＞
[第16回]Leapin' Lizards！ リメイク映画『ANNIE』のトリビア＜後編＞
[第17回]ミュージカル『アニー』オーディションレポート
2018の主役＆孤児役合格者、発表！ 新アニー役は新井夢乃＆宮城弥榮！
[第18回]決まったぞ～！ ハニガン役に辺見えみり、グレース役に白羽ゆり！丸美屋食品ミュージカル『アニー』2018の大人キャスト 見どころとアンサンブル役の復習
☆☆12月14日 アニー連載更新！☆☆
[第19回]サンディが33年目にして犬種チェンジ！ 丸美屋食品ミュージカル『アニー』2018製作発表レポート 12/14 NEW!!
☆！ブログの無断転載・転用・お断りします！☆
☆☆文中 リンクがあるものは わたくしの当時の記事またはオフィシャル記事などに飛びます☆☆
☆！鑑賞レポートはすべてネタバレです！
（メモを取っていないので、間違いがあるかもしれませんが）☆
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ナショナル・シアター・ライヴ『ヘッダ・ガーブレル』を 観に行ってきました。
ストーリーは
山の手事情社のサイトが わかりやすいです。
同じくイヴォ・ヴァン・ホーヴェさま演出ナショナル・シアター・ライヴ『橋からの眺め』
が なにげに ナショナル・シアター・ライヴで ベスト3内に入るわたくし、
先月もイヴォ・ヴァン・ホーヴェさま演出『オセロー』
を 東京芸術劇場で 観てきたわけですが・・・
『ヘッダ・ガーブレル』、戯曲だとヘッダはクソだと思ってたから
観たら 鬱になっちゃうかと思ったけど
イヴォ・ヴァン・ホーヴェさま演出版は
その逆！真逆！！
夫が世話になった叔母さんにも ろくに挨拶しないヘッダ。
わかる。
あんな ナチュラルにいい人、カンにさわる。
毎日来るなんてとんでもない。ほっといてくれよ。
夫は私と結婚したのに まだ ずけずけ
私たちのテリトリーに入って来る 無神経な親切おばさん。
新居の無機質な部屋に
お花が山ほど来る。むんむんと匂いがする。
何なのこれは！
『熱海殺人事件』ばりに たたきつけてやりたい！
しかし 映画『パレードへようこそ』でも思ったけれど ああいう 壁にくっつけられるステイプラーって 家にあるものなんですか。
そしてもう 何よりも
あの アンニュイな音楽に
うっとり・・・
翌日 何にもしたくない無気力時
このアンニュイな曲をかけながら 夕飯を作ったり お皿を洗ったりしたら
自分が ヘッダになった気分で すごく盛り上がりました。
スクールカースト上位で
美人でワガママで 女王様気質の
だけど 大人になったら 不人気な クソ女 ヘッダ。
エルヴステード夫人が 家に訪ねてくると
ヘッダは気分よく迎えようとするけれど 彼女は避けて
まずはヘッダの夫とキスをする。
エルヴステード夫人に「私たち お友達だったじゃない」と
いう態度をとる ヘッダ。
だけど
「学校時代 仲良くなかった。
私のこと いじめたよね」
「私の髪に火をつけるって 言った」
と答えてくる 金髪の エルヴステード夫人。
エルヴステード夫人と仲良く取り繕って
秘密を聞き出すヘッダ。
エルヴステード夫人は 夫のもとから逃げてきたこと、
この町に帰って来た ある男に ひかれていること・・・
そのある男は かつてヘッダが 銃を向けた男。
それほどまでに「関係」のあった男。
そしてそれは夫の同僚で 夫が教授昇進かと思ったこの時期に
新作の原稿ですごい才能を発揮して 夫の昇進を脅かしている男。
その男はお酒で一度破滅したけれど 改心して
この町に帰って来た。
エルヴステード夫人は、彼と一緒になりたいと言う。
ふうん・・・（わたくしの中の ヘッダ）
そして 第二幕、女中が 舞台中央に
火をつけたときから 予感がしていました。
夫が持って帰ってきてしまった その男の原稿を 燃やすこと・・・！
そしてその原稿は、
エルヴステード夫人が その男にずっと協力して作ったもの。
2人の間の子どもみたいなものだと。
燃え盛る炎はあたかも あの金髪女・エルヴステード夫人の髪のよう。
あの女の髪を 燃やしてやった・・・！
その2人の間の子を 燃やしてやった・・・！
燃やす前に その男は この家に来た。
だけどヘッダは 原稿を返さず かつてその男に向けた 父の形見のピストルを渡して
「美しくね」と 念を押した。
そして原稿は燃やした。
夫は、ヘッダが
その男の原稿を燃やしたことを知ると
「あなたはあの人の才能に嫉妬していたから」と。
夫
「それほどまでに 僕のことを 愛しているのか」
そして子どもがいることを お腹をさすることで示すヘッダ。
（そういえば、何でもわかる叔母さんが「これから人手が要るでしょう」って言ってたな・・・）
ヘッダの股座に入り込み
「YES!!」と うるせえ夫。
心底うんざりした顔の ヘッダ。
原稿をなくした その男は自殺した。
どこで？
娼婦（？）のベッドで。
おいおい、それじゃヘッダの美学に そぐわないのでは？
っていうか ヘッダ以外の女の家で死ぬなんて・・・！
それほどまでに「関係」のある女がいるなんて・・・！
そして 夫は
エルヴステード夫人が持っていた メモをもとに
その男の本を 復旧させる、と言い出す。
2人は夢中で そのメモを並べている。
家を出たエルヴステード夫人に 「叔母の家に住めば」と言う。
「泊りがけで叔母の家で作業しよう」とか
「何年かけてでも復旧させよう」とか言っている。
はぁああああああああああ？
心 底
バカじゃないの？夫！
ヘッダが イラついて ピアノをめちゃくちゃに弾くと
夫が「彼の死を思え！」
おいおい、っていうか オメーが もともと
その男の原稿 拾って 持って帰ってきたのが
悪いんだろうが！！！盗みだよ 盗み！！！
エルヴステード夫人より 私のほうが スクールカーストが 上だったのに
っていうか 夫の妻は 私なのに
っていうか 夫は さえない つまんない男のくせに
お前が盗んだくせに
私以外のことに夢中で 誰も自分に目をくれないなんて。
ああ、こんなつまんない夫の子どもを産んで 今 自分に目もくれない夫と一生
生きてゆくのなんて うんざりする。。。
自分の中に 足枷を感じてしまう！！
っていうかエルヴステード夫人、
何 ワイの手をつけた男たちと 次から次へと 一緒に
この町でやってこうと してんねん！！
ちなみにもうひとり 登場人物がいて
そいつも ヘッダと「関係」している雰囲気の 夫の友人（ブラック判事）がいるんだけど
そいつは警察につてがあって ヘッダの銃で その男が死んだことを知っていて
ヘッダを脅す。
しかし能天気な夫は ブラック判事に
「僕がこの作業で叔母の家にいる間は ヘッダを頼む」とか言っている・・・
心 底
バカじゃないの？夫！
ブラック判事に 妻が寝取られるとも思わないの？？？
ヘッダ、
バカらしさが MAXになって 死んだんじゃない？
自分のほうが優位に立っていた男に 支配され 顔にトマトジュースをぶっかけられる。
振り向かせられると思っていた男は 別の女と本を作り 別の女のもとで死んだ。
自分がつまんないと思っていた男が 他の女とは 楽しそうに対等に話して 作業している。
銃で自らを撃ち抜いて 痙攣して死んだ ヘッダに
ブラック判事
「人はこんなことしない」
そうかな。。。
人は、モラルや法律の縛りがなかったら
無意味であろうが意味があろうが カンにさわるものは
ぶっ潰してやりたいんじゃないだろうか？
この先もっと この家で屈辱を受けるであろう自分をも 壊してやりたい。
それはあてつけか衝動か 破滅本能か。
かつてこの台本は、『人形の家』みたいに 家に縛られて
抑圧されている女の話だと思った。
またはヘッダが わがまま、とかね。
だから どうでもいい 興味のない話だなと 思っていたけれど
だけど、今回
めちゃくちゃ感情移入しただよ。。。
子どもの頃から内にあった だけど秘密にしなきゃいけないようなこと。
実際は、めんどうくさいし 他人のことなんか どうでもいいから
やらないけど、
内にある 心の底の底に 鍵をかけてしまいこんだ 悪意を
ヘッダが やってのけてしまうのが爽快。
演劇にモラルなど不要！
セリフの裏をかかない（矛盾も人間の特性だから）という
イヴォ・ヴァン・ホーヴェさまの演出術。
向田邦子さまの「先に台本を渡しちゃうと 役者が逆算して役作りする。
人は明日のことなどわからないのに。
だからそのまま読んでほしい」という 『トットちゃん！』での言い分に通じる。
（まあ、向田邦子さまの場合 遅筆の言い訳だったのかもしれないけれど・・・）
映像、ちょっと遠くから（客席から）のアングルが入って来るのも
すごく好みだった・・・
この方のツイート
のとおり、
幕切れは、ニーナ・シモンさまの「Wild is The Wind」
という曲なのだそうです。
わたくしは この曲使い、すごく好き。
今年日本で公開された ナショナル・シアター・ライヴ
『ハングメン』
『一人の男と二人の主人 One Man, Two Guvnors』
という コメディ方向も 抜群に 冴えてたし
大当たりシーズンじゃないですか・・・！？
はあああ、、、ブルーなうっとりが止まらない！！！
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
過去の ナショナル・シアター・ライヴ感想：
『フランケンシュタイン』（カンバーバッチさま クリーチャー版）
『フランケンシュタイン』（カンバーバッチさま 博士版）
『コリオレイナス』
『ザ・オーディエンス』
『二十日鼠と人間』
『スカイライト』
『欲望という名の電車』
『宝島』
『夜中に犬に起こった奇妙な事件』
『ハムレット』
『橋からの眺め』
『リア王』
『人と超人』
『ハード・プロブレム』
『戦火の馬（WAR HORSE）』
『ハングメン』
『三文オペラ』
『深く青い海』
『誰もいない国』
『お気に召すまま』
『一人の男と二人の主人 One Man, Two Guvnors』
ついでに ナショナル・シアター
『War Horse』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆エンタメ特化型情報メディア SPICEにて 演劇記事を掲載中です。
●ミュージカル『アニー』についての連載コラム【THE MUSICAL LOVERS】が始まりました！
→ [第1回] あすは、アニーになろう
→ [第2回] アニーにとりつかれた者たちの"Tomorrow"（前編）
→ [第3回] アニーにとりつかれた者たちの"Tomorrow"（後編）
→ [第4回]『アニー』がいた世界～1933年のアメリカ合衆国～ ＜その1＞フーバービル
→ [第5回]『アニー』がいた世界～1933年のアメリカ合衆国～ ＜その2＞閣僚はモブキャラにあらず！
→ [第6回]アニーの情報戦略
→ [第7回]『アニー』に「Tomorrow」はなかった？
→ [第8回]オープニングナンバーは●●●だった！
→ [第9回]祝・復活 フーバービル！ 新演出になったミュージカル『アニー』ゲネプロレポート
→ [第10回]『アニー』がいた世界～1933年のアメリカ合衆国～ ＜その3＞ラヂオの時間
→ [第11回]『アニー』がいた世界～1933年のアメリカ合衆国～ ＜その4＞飢えた人々を救え！
→ [第12回]『アニー』がいた世界～1933年のアメリカ合衆国～ ＜その5＞ウォーバックスにモデルがいた？
→ [第13回]ブラックすぎる！？ 孤児院の実態
→ [第14回]ウォーバックスの財力と華麗なる元カノ遍歴
→ [第15回]Leapin' Lizards！ リメイク映画『ANNIE』のトリビア＜前編＞
→ [第16回]Leapin' Lizards！ リメイク映画『ANNIE』のトリビア＜後編＞
→ [第17回]ミュージカル『アニー』オーディションレポート
2018の主役＆孤児役合格者、発表！ 新アニー役は新井夢乃＆宮城弥榮！
→ [第18回]決まったぞ～！ ハニガン役に辺見えみり、グレース役に白羽ゆり！丸美屋食品ミュージカル『アニー』2018の大人キャスト 12/2 NEW!!
●アニーになりたい歴30年のわたくしが 本物に出会った！
→ 丸美屋食品ミュージカル『アニー』が全面刷新、ウォーバックス役に藤本隆宏、ハニガン役にマルシア！
→ 丸美屋食品ミュージカル『アニー』2017年新演出家とアニー役・孤児役発表
→ 丸美屋食品ミュージカル『アニー』初日直前ゲネプロレポート
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