前回のブログで、旦那と一緒に出勤するために自分もルートをかえて今までとは別の路線で通勤するようになった話をしました。今日はニューヨーク近郊電車ネットワークの話題の続きです。

 

ニューヨークの電車事情は、日本のように数年おきに新線が開業したり相互乗り入れが始まったりするようなダイナミックな変化はあまりありませんが、それでも2023年冬、マンハッタン鉄道路線網においては世紀の大事業と言われるような変化がありました。それは、これまでペンシルバニア駅にしか乗り入れていなかったロングアイランド鉄道が、新しく建設された新線経由でグランドセントラル駅に乗り入れるようになったのです。

 

それまでは、ニューヨーク北辺を結ぶメトロノース鉄道沿線からロングアイランドに電車で行くには、グランドセントラル駅に着いて、地下鉄を2本乗り継いで、ペンシルバニア駅まで行き、ロングアイランド鉄道に乗り換える必要がありました。このマンハッタンの2大ターミナル駅は、直線距離で大して離れてないのに接続が不便なのです。それが、ロングアイランド鉄道の新線開業でグランドセントラル駅から直接ロングアイランド方面に向かうことができるようになりました。

 

 

この週末に、久々に自宅からマンハッタンを超えてロングアイランドの某所に住む友人を訪問する機会があったので、これまでずっと興味のあった新線区間に乗ってみました。

 

自宅の最寄駅からメトロノース鉄道でグランドセントラル駅に着いて、まずはロングアイランド鉄道への連絡通路を探しました。いくつか連絡通路があるようですが、グランドセントラル駅の地下のフードコートにある連絡口はわかりやすかったです。

 

グランドセントラル駅地下のフードコートからもアクセス可

 

この長い連絡通路を5分くらい歩く

 

はじめは、ロングアイランド鉄道のホームがノースメトロ鉄道の真下に建設されたのかと思っていましたが、そうではなく西に1ブロック離れたマディソン街の下に作られたので、やけに長いコンコースを歩くことになりました。なんだろう、この既視感。そう、東京駅で京葉線ホームに向かうときのような感覚です。日曜の午前中なので、閑散としていましたが、平日の夕方などはきっと帰宅を急ぐ大勢の通勤客であふれるのだろうなと思いました。地下の連絡通路を5分くらい歩くと、ようやくロングアイランド鉄道のホームへ続くエスカレーターに行きつきました。設備がピカピカで開業したての雰囲気です。ここからさらに地下の深いところに潜っていきます。この感覚は東京を走る地下鉄大江戸線のホームを目指すときの感覚そのもの。私、なぜかロングアイランドには郷愁にも似た憧れがあり、ロングアイランド鉄道の略語ロゴ「LIRR」を見ると胸がときめきます。

 

 

ロングアイランド鉄道への入り口に到達

 

 

長〜いエスカレーターの終点にようやくプラットホームが見えてきました。地階に換算すると地下5ー6階暗いになるのではと思うほどの大深度にある駅ですが、プラットホームは2階建構造になっていて、同時に数本の電車が止まれるようになっていました。もっと小規模な駅なのかと思っていましたが、よくもこんな大きな施設をマンハッタンの地下深くに作ったもんだと妙に感心してしまいました。日本の鉄道技術や地下鉄建設技術が素晴らしいというけれど、アメリカもまだまだ捨てたものではないと思いました。もっと前に開業予定だったのが、コロナのパンデミックや建設費の高騰、労働力不足などが重なり遅れに遅れたようですが、こんな要塞のような駅をマンハッタンの中心地の地下深くに作ったことはやはり素晴らしいなと思います。

 

アメリカの駅にしては非常に綺麗

 

この列車でロングアイランドへ向かいます

 

乗車予定の電車は定刻通りにホームを出発しました。地下なので、どこを走っているのかは見えませんが、マディソン街の下に線路が敷かれています。電車は、数分もしないうちに急カーブに差し掛かり、マディソン街を離れイーストリバーの下を横切ったようでした。そして10分もしないうちに電車はブルックリン側の地上に出て、ペンシルバニア駅方面からやってくるロングアイランド鉄道の本線と合流しました。とても便利だと思ったのは、ジャマイカ駅では、ペンシルバニア駅発着の電車とグランドセントラル駅を発着する電車ができるだけ対面ホームで乗り換えができるようにダイヤが工夫されていることです。この日の我々の目的地はグランドセントラル駅から直通でしたので、ジャマイカ駅での乗り換えは不要でしたが、例え乗り換えがあったも、階段の登り降りがないだけ楽だと思います。

 

ジャマイカ駅はロングアイランド鉄道の要衝

 

ということで、今日は、ロングアイランド鉄道のグランドセントラル・マディソン駅から新規開業区間に初乗車したときのレポートでした。なお、ジャマイカ駅はJFK空港に向かうエアトレインの起点にもなっているので、グランドセントラル駅からジャマイカ経由でJFKまでのアクセスも改善されたと言えるでしょう。そういえば、同じ列車にはこれからJFKから乗務すると思われるキャビンクルーが何人か乗ってました。