先月の話ですが、ある知人夫妻が自宅で開催するホームガーデンパーティーに行って来ました。場所はコネチカット州の閑静な住宅地。旦那さんの方が、ある会社の幹部とあり彼の部下とその家族も大勢きていました。彼の会社は香港人がオーナーで本社は欧州なのでアットホームな感じです。私が勤務する会社をはじめ普通のアメリカ企業で幹部が週末に自宅を開放するようなことはあまりないので、羨ましい気もします。
そのカップル、奥さんの方が、私がシンガポールに駐在していた時の元同僚です。中華系シンガポール人で名前はミッシェル(仮名)。彼女は現地法人の人事部の社員で、私が赴任した時にシンガポールの就労ビザの手配などしてくれました。当時シンガポールでは、今ほど日本の製品が簡単に手に入らなかったので、私が帰省するたびに色々お土産を買っていきました。それで、個人的に親しくなりましたが、会社の先輩駐在員たちは私とミッシェルが恋仲になるのではと期待?してる節もあったような、懐かしい思い出です。
ミッシェルは英語も中国語も、そして日本語も堪能なのに、拙い英語の現地採用の日本人同僚女性達よりも自分の給料が安いことを知った衝撃で、その会社には見切りをつけて、今の旦那トム(仮名)がいる欧州系会社に転職しました。そこで2人は交際をはじめて結婚しました。結婚式に呼んでもらった縁で、トムとも知りあいになりました。2人が欧州にいる間もずっと細く長く繋がっていて、一昨年前ミッシェルから、トムが北米法人の幹部になってコネチカットに駐在してくると聞いていたのです。トムは、結婚式の時は線の細い弱そうな男だと思っていましたが、いつの間にかこんなに出世するとは思っていませんでした。
ミッシェルとトムみたいなカップル(イメージ)
ミッシェルは、トムがシンガポール勤務を終えた時に一緒に欧州に渡り、その後もずっと仕事を続けていましたが、今のところ仕事はせずにいわゆる「駐妻」という身分のようです。
実はミッシェルは「駐妻」とは因縁があります。彼女は人事部員として日本人駐在員の転勤手続きを担当していました。家探しとか子供の学校のこととか日本人駐在員家族へのコンサルテーションをすることは一応職務内容(ジョブディスクリプション)に入っていたとは思いますが、彼女は日本語ができることが災いして、日本人駐妻達の通訳みたいなこともさせられていたのです。当時のシンガポール支社長の奥さんからは雑用係のように扱われていたとも聞きました。日本人駐在社員の中では私だけ独身だったので、彼女の愚痴聞き役になっていました。ミッシェルは大多数のシンガポール女性同様、キャリアにおいて完全実力主義、男女平等で共稼ぎが当然だと思っていたので、学歴高いのに仕事をせずに一日中暇そうにしているように見える日本人駐妻さんたちの生態について理解不能と思っていたようです。
さて、前置きが長くなってしまいましたが、そういうふうに駐妻を小馬鹿にしてたミッシェルなので、自身が駐妻になった今、どういう生活してるんだろうなと興味津々でガーデンパーティに行きました。果たして当日。予想通りというか、イベントマネージャーのごとくエネルギッシュに動き回っていました。日本人コミュニティーで言うところの一般的な駐在員妻とは全く違う行動様式です。
この日は基本バーベキューでしたが、50人以上ゲストを招いていて、その中にはいろいろな宗教的バックグラウンドを持つ人がいるので、実にさまざまなタイプの肉や魚介、そして野菜焼きが用意されていました。ビーフは和牛とアルゼンチンを中心に数種類。どちらもそれぞれ日本とアルゼンチンから輸入した本場もの。そのほか、ポーク、チキン、羊、サーモン、エビ類。それぞれの肉コーナーには、彼女が雇ったケータリングスタッフが給仕してくれていました。もちろん、飲み物やデザート類も豊富に用意されていて、素晴らしいホスピタリティでした。知らない人ばかりのパーティーだったので、以下写真は食べ物中心です。
ケータリングスタッフも雇う本格派バーベキュー
台所で一息ついていたミッシェルを見つけて色々聞いたら、多国籍企業の北米法人トップのトムのパートナーとして、社交の機会が多いので、ほぼこの家の執事として働いているようだと言っていました。この日のパーティーも、部下たちへの慰労にしたらどうかと、彼女がトムにアドバイスしたらしい。内助の功とはまさにこのこと。日本語ができるミッシェルなので、自分はまるで旅館の「女将」だと言い得てました。私が知るかぎり日本人含めニューヨーク近郊の駐妻さんは一般的に車の運転もしないで旦那さんに頼りっきりの生活してる人が多いですが、ミッシェルは当然のように自分専用のSUVを持っています。早速この件については、ミッシェルも指摘してて、息子の学校の韓国人駐在員ママ友が3年も車なしで生活してることに驚いていました。マンハッタンなら車はなくてもいいけれど、コネチカット含め郊外は車がないと大変です。
また、トムとミッシェルには、年子の男の子が2人いて、どちらも高校生なので、勉強はもちろん大学入学準備などプライベートでもやることがたくさんありそうだし、本当に脱帽もんです。借りているコネチカットの家は、6ベッドの巨大な一軒家。こういう物件、普通は賃貸市場に出回らないのだけれど、自分のネットワークで彼女自身で見つけ、しかも家賃補助額の上限を超える部分も会社に払ってもらえるように、トムに社長と交渉させたと言う強者。
それでも、コンドミニアムのように常駐で誰かが管理しているわけではないので、このでかい家の日々のメンテは夫妻の責任。トムは仕事が忙しいので、結局家の管理もミッシェルの仕事で、もはや、フルタイムの仕事です。半年くらい前にマンハッタンでランチした時は仕事しようか迷っていると相談を受けましたが、今は駐妻生活を存分に楽しんでいるようです。
赤みの肉がダメな人用にチキンとサーモンも準備
さらには、ヴェジタリアン向けに擬似肉擬似チーズ料理も
ミッシェルのポジティブさにはとても感銘を受け、自分だったらどうしようかなどを考えてしまいました。と言うのも、うちの旦那にも最近イリノイ州の会社から誘いがありました。給料は今の1.5倍。住宅や物価がNY州に比べて安いので、もし旦那がそのジョブオファーを受け入れて、私が仕事を辞めて2人でイリノイ州に引っ越しても、今の生活水準を維持することができる計算です。そうすると、私も「駐妻」ならぬ「駐夫」になります。
旦那には数年前にもヘッドハンターから某社の東京駐在の打診があって、面接までしたことがありました。結局、私のキャリアもあるのでNYに居続ける決断をしましたが、ミッシェルの生活ぶりを見て、今同じ話があったら仕事辞めて旦那の駐在に伴い東京で「駐夫」生活を満喫するかもな、などと思っています。最後に、その時に書いたブログ貼っておきます。
































