安心の翼、全日空機でニューヨークJFK空港から夕方の羽田空港に降り立ち数時間が過ぎました。今は出発ロビーにあるトランジットホテルでまったりしてます。成田便だと2時間くらいの乗り継ぎでアジア便が出るのですが、現在のスケジュールで、羽田乗り継ぎだと日付が変わった深夜になります。

 

コロナの水際対策が終了して日本の観光地は外国人旅行者で溢れかえっていると聞いていましたが、そのゲートウェイである羽田も結構すごいことになっています。着いた時はスマホをバックパックの奥底にしまっていたので、写真撮れませんでしたが、天候不順で便が乱れてるわけでもないのに、こんなに混雑した羽田空港は見たことありません。免税店のレジに100人以上の列、各搭乗ゲート付近の椅子も満席で、アメリカの空港みたいに地べたに座ってる人多数。それなのにレストランの多くが早々に営業終了してしまっていて、数少ないオープンしているお店や、おにぎりやサンドイッチの自販機にも長蛇の列。羽田の国際線ターミナルはキャパ越えしているようにも見受けられます。成田空港も、夕方から夜にかけてはアメリカ便〜アジア便の乗り継ぎラッシュで人が多い時間帯があったけれど、こんなカオス的な状況見たことはありません。労働力不足なのでしょうか。あと、円安が進んだ最近の傾向として、東南アジアからの旅行客は3世代とか2家族単位で旅行してるケースが多く、子供3−4人含んだ10人以上のグループなどもいて、行動に時間がかかることもあるようです。特にカオス的に見えたマニラ便の搭乗口には優先搭乗を待つ車椅子客10組、ベビーカーが10台くらい並んでました。アメリカだと見慣れた光景ですが、日本の公共機関では設備もそこで対応するスタッフも、こういう客層のボリュームに慣れていないのかもしれないと思いました。

 

下界の雑踏とは無縁な「奥の院」

 

こうした国際線ターミナルの混雑振りは聞いていたし、この日は乗り継ぎで8時間以上あったのでトランジットホテルを予約しておきました。世界中旅してきたDと私ですが、搭乗区域内のトランジットホテルに滞在するのは人生初です。運営するのは日系の老舗ホテルチェーンのロイヤルパークホテルグループで、まるで「奥の院」みたいに静かなところにありました。その「奥の院」に続く回廊には要所要所で4ヶ国語で「満室」の立て看板が置いてあり予約なしの客を寄せ付けない感じ。なんとか入ってこようとする人たちの侵入を防ぐホテルの入り口にも「No(Vacancy)」の文字。それでも予約なしのお客が入ってくるようで、最後に撃退するのは、フロントのロボットです。生身の人間にはなかなか辿り着けません。ロボットに、予約したNWです、って言ったら係員さんが出てきて対応してくれました。ある意味超効率的。すごいシステムだと思いました。

 

私、大学生の時、ホテルのフロントでバイトしてたことがあってよくわかるのですが、ゴールデンウィークや年末年始で満室なのに予約なしで来る客って意外にたくさんいます。お断りすると「どこか他のホテル探して?」「キャンセル出てないの?」とかゴネて居座る傾向があるんです。当時はスマホで検索!もなかったので、近隣のホテルの電話番号調べろ、といか言ってくるジジババもいました。そういう人たちにハマってしまうと、他のお客さんへのおもてなしができなくなるので困ります。多客時なのに予約なしで旅行したらどうなるかくらいの想像力が欠如している人たちなので、自分たちの過度な要求がフロント業務の妨害になっていて他のお客への迷惑になってるかも、なんて配慮は期待できません。あの時代はモンスターカスタマー、とかカスハラなんて言葉はありませんでしたが、客でもない金にならない相手に貴重な時間を割きたくないというのが正直なところでした。でも、「お客様は神様です」信奉が根強い老舗ホテルで、将来のお客さんになるかもしれないし、ホテルの評判もあるので丁寧に対応するんですけどね。ここのトランジットホテルのように、客層や機能が特化してるホテルの場合、金にならない訪問者には過度に対応しなくてもいいのかもしれません。


思わず接客ビジネス論を展開してしまいましたが、このくらいの割り切ったサービスはかえって気持ちがいいです。いやぁ〜しかし、我々がチェックインしている間にも満室です、の立て看を突破して数組が部屋の空きの有無を聞いてました。我々が呼んだフロント係員さん、つかまってしまって可哀想でした。係員さんが私とDに対応してくれてる時にも横から割り込んできて、エクスキューズミー!を連呼するので、もう少しで「うるせぇよ、黙ってろよ」と怒鳴りつけたい気分でした。ほとんどが中華系とコリアン系。長旅で疲れてるのはわかるけど、みなさん一体どこにいくんでしょうね。

 

 

これでもか!って感じでNo vacancyの立て看

 

そんなこんなで、無事チェックインを済ませて今、トランジットホテルの部屋でブログ書いていますが、敷居が超高い割には至って普通の部屋です。本当は飛行機が見える滑走路側が良かったなと思いましたが、外側は富士山が見えて逆にこれで良かったと思いました。窓からは最近オープンした「ヴィラフォンテーヌ羽田空港」が見えました。滑走路を臨む温泉大浴場が目玉だそうでDと私も、長いトランジットの時間の暇つぶしの選択肢に考えましたが、そちらは一度日本入国を済ませた空港の外にあります。羽田国際線ターミナル直結と謳ってはいますが、写真でみてわかるように実際には結構離れていて、空港の出入りの混雑を考えるとこのトランジットホテルにしておいて良かったと思います。夜景を見ながらの露天風呂には惹かれましたけれど。

 

客室フロアへの扉を開けるとカオスが嘘のような静寂さ

 

部屋はごく普通。

 

富士山が見えてラッキー

 

話題の温泉付きホテルヴィラフォンテーヌが見える

 

なお、我々がステイしてるロイヤルパーク・トランジットホテルにはレストランなどはないので、お腹が空いたら空港ターミナル内のレストランに行かなければなりません。先にも書いたように、夕方早々にレストランが閉まり始めるので、食料確保をしておいた方がいいと思いました。北米各地への便が出払い、東南アジアと欧州への深夜便に乗るお客が大挙してくるまで凪の時間帯があるので、その間に我々はANAラウンジに行って夕食を済ませてきました。これから搭乗するシンガポール便では寝るだけにしたいので、ここで空腹を満たしました。

 

ANAラウンジのカレーの誘惑には勝てない

 

シンガポール便の出発は午前1時すぎ。自宅を出てまだ24時間経ってないはずですがもう体内時計がめちゃくちゃです。そしてこれから7時間のフライトでシンガポールに着くのは現地時間6時台で、そこから長い1日が始まります。そう考えると、この9時間の羽田ステイオーバーはとても時間の無駄に感じます。今の羽田のキャパで、北米〜アジア乗り継ぎ旅行はあまりお勧めできないなと思いました。羽田便は日本への帰省時には便利そうですけど、もし近い将来ニューヨークから東南アジア訪問する機会があれば成田乗り継ぎにしようと思います。

 

とりあえず、食欲と睡眠欲は体の欲するがままに任せることにします。