ロゼッタへの道 -5ページ目

買わなくてもよかった

 ウィルス性の腸炎をうつされてしまい、この数日間は下痢と吐き気と悪寒にずっと苦しめられていましたが、ようやく少し回復しました。こういうときに授業を休めないのは辛い・・・。しかも夜遅くの会議の後につきものの飲み会で、ちょっと目の前のものに手を出してしまうと、その後が悲惨でした。
 まあ、いろいろと書きたいことはあるのですが、その気力がないので、どうでもいいことを。

 たまたま風邪薬を探していたときに、昔フランスで購入したペーパーナイフがでてきました。探しているときには見つからないのに、別のものを探しているときに見つかるという情けない話ですが、一昔前のヨーロッパの本を買うと、ときどきペーパーナイフで切らないと読めない本にぶつかります。そういうときに使う道具なのですが、ふだん使わないので、どこかにいっちゃって、肝心のときに使ったためしがない代物です。
 
ロゼッタへの道

 そういえば、同じときにフランスでこんなものも買ってました。「聖母子像」ですけれど、古い時代の教会の横の店にあったレプリカで、えらく素朴なつくり。

ロゼッタへの道

 抱きかかえられているのはキリストらしいのですが、正直いってアップでみると怖いです。ふだんは見たくないので、実家に置いてあります。

ロゼッタへの道

 というわけで、買わなくてもよかったシリーズ(その1)でした。

 

インド

 インドのムンバイでテロがあったという記事を読んで、なんだか複雑な気持ちです。


 ちょうど20年前、私が大学の二回生のときに、当時ボンベイと呼ばれていたこの町に貧乏旅行で立ち寄ったときに、唯一の贅沢をしにインド門の近くのタージマハル・ホテルでタンドリーチキンを食べた覚えがあります。ボンベイで最高級のレストランだから一度言ってみたらどうか、と知り合いになったカナダ人から教えてもらったので、行ってみたのです。悲しいことに、インドの鶏はやせているせいか、日本のブロイラーのほうが肉がおいしいような気がしましたが・・・。そのホテルが爆破されたなんて。思い出の場所が失われるのは悲しいものですね。


 当時のボンベイでは、ストリート・ピープルが山のようにいて、タージマハル・ホテルの裏通りには、たくさんの人が排水溝に段ボールで屋根をつくって、道路脇で生活していました。その貧富の差に衝撃を受けた先のカナダ人が、いろいろとインド人の若者に質問をしていたのを思い出しました。


 当時もインドはパキスタンとの国境付近で紛争が絶えず、列車が爆破されたり、渡航の三年前にはインディラ・ガンジー首相が暗殺されたりで、いろいろと物騒なことが言われていました。最近は経済的繁栄のためか、政治情勢が話題になることが減っていますね。というか、アメリカと中国を除けば、新聞の海外情勢にかんする記事は昔にくらべるとだいぶ減ってるんじゃないですか?


 ボンベイからニューデリーに列車で向かうときに、ボンベイ駅で子供だましの詐欺にひっかかったり、ニューデリー駅で大洪水に遭ったために泳ぎながらホテルに向かったり、高熱でうなされたり、そういえばインドではいろんなことがあったなあ。テロ事件をきっかけに、久しぶりに若いときのことを思い出しました。



-------以下、新聞より-------


「インドで同時テロ 日本人1人含む101人が死亡」(asahi.com 2008/11/27/13:37)


【ニューデリー=小暮哲夫】インド西部の商都ムンバイで26日夜、中心部にある高級ホテルや鉄道駅など10カ所で武装集団による同時多発テロ事件があった。ロイター通信によると、銃の乱射や手投げ弾により日本人男性1人を含む101人が死亡(うち外国人が6人)、287人が負傷した。27日午前(日本時間同日午後)の段階で、犯人グループはまだ一部のホテルで宿泊客を人質に取っており、制圧されていない。



 日曜日は推薦入試で、そのあと仕事の打ち合わせとかしてたら、帰ったら背中がぞくぞくして、今日はダウンしてしまいました。といっても仕事には行ったのですが、夕方に早めに帰って、そのままバタンキューでした。

 まとまった休みがしばらくないので、休みがほしいです。

 

 ところで、夜中に起きたら寒かったので、久しぶりに挑戦。うーん、腕がなまってるなあ。機械もなんだか調子悪いし・・・。

 
 近くで菊の展示。そういえばそんな季節かな。


 いまひとつ。

校正終了

 終わりました。ほんと長かった。思えば夏休みからずっと詰めて作業して、あいだに他の仕事もいくつか入りつつ、ほとんど椅子に座ってパソコンに向かう日々でしたが、それもようやく一段落して、あとは1刊行を待つばかり。もう出版社のほうでは出版予告 を出してるようです。知らなかった。

 終わったとたん、気が抜けて熱がでたのですが、その反面、もっとブラッシュアップすればよかった、誤訳をもっとチェックしたらよかった、という後悔も出てきて、なんとも複雑な気持ちです。


 それでも肩の荷が下りたせいか、何ヶ月かぶりに職場を散歩してみて、世間では紅葉がはじまっていることにようやく気づきました。ああ、ずっとせっぱ詰まっていたのですね、なんと余裕のない日々だったことやら。







 今年はあんまりきれいな紅葉じゃない・・・。


 といっても、学内の仕事はたくさん残っているので、忙しいのはあいかわらずですが、それでも精神的にすこしゆとりができるのは、とてもよいものですね。また20日には原稿の締め切りがあるのですけど・・・。


赤入れ

 最終校正中です。

 というか、二回で校正が終わってしまうんですけど。

 さらにいえば、二回目の校正は4日しか時間がないんですけど(泣)。

 また徹夜の作業がつづきます・・・。また赤ペンが足りなくなる・・・。



   ああ、またもやミスが!


 ミスをなおすだけならすぐなんですけど、実際にはやっぱり文章までいじっちゃうんですよね。「こうしたほうが読みやすいだろう」とか「あれ、これじゃあ意味がつながらないぞ」とか。それでいじったらよくなるかというと、実はそうでもなかったりして。そのあたりが、ほんとうに神経がすり減る作業です。「ところが」にするか「しかし」にするか、「互いに」にするか「たがいに」にするか・・・「てにをは」に始まって、悩み出したらきりがない。

 実は本をつくるとき、本文の原稿をつくる以外の作業が、けっこう多いのです。というか、原稿を書くのが布地を織ることだとしたら、本をつくるのは服をつくるようなものです。註釈をつけたり、人名索引をつけたり、読みにくい箇所をなおしたり、解説をつけたり・・・。なにより間違いを直すのが一番たいへん。

 そんなに苦労してお金が入るかっていうと、まったく入りません。15人ほど知り合いに配ったら、印税なんてすぐに吹っ飛びます。しかも翻訳だったら、アカデミックな業績として評価されなかったりするんですよ!まあ評価しない人にかぎって翻訳したことない人だったりするんですけど。それに業績のために仕事してるわけじゃないので、別にどうでもいいことですが。


 こんな愚痴をいっても仕方がないので、友人にならって話を変えると、だいぶ前になりますが、ストロボを手に入れました。中古で2000円くらい。弁当箱のようなデザインで、年期が入った代物です。


 デザインが古い・・・。


 最新のストロボにくらべると、いちいち露出を調整しなきゃいけないとか、いろいろ不便なんですけど、それでもストロボの威力は凄いです。カメラの内蔵フラッシュとは雲泥の違いです。いや、ほんと、レンズ買うまえに、ストロボ買っておくべきでした。

 大量の光があると、それまで「描写が甘過ぎるなあ」と思ってた安物レンズが、いきなりシャープな写りになり、まるで高価なレンズで撮ったのかと見誤るくらいになります。室内でも壁に反射させて使うと、てかてか光ったりせずに、自然な写りになります。だからどうした、と言えばそれまでなんですけど。


 それでも、このあいだ講演会でカメラ係させられたんですが、ああいう暗い室内でお客さんがいっぱいいる場所で、ストロボ使うのはほんとうに気が引けます。業務用では、やっぱり高感度に強いカメラが必要ですね。こんなのとか 。といっても大学は買ってくれそうにないんですけど。20万以上しますから。あと5年くらいたったら、庶民に手が届く値段で、ISO6400でも綺麗にとれる製品が出てくるかなあ。それまで潰れないでほしいです>ペンタックス、じゃなくてHOYA-Pentax。