インド | ロゼッタへの道

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 インドのムンバイでテロがあったという記事を読んで、なんだか複雑な気持ちです。


 ちょうど20年前、私が大学の二回生のときに、当時ボンベイと呼ばれていたこの町に貧乏旅行で立ち寄ったときに、唯一の贅沢をしにインド門の近くのタージマハル・ホテルでタンドリーチキンを食べた覚えがあります。ボンベイで最高級のレストランだから一度言ってみたらどうか、と知り合いになったカナダ人から教えてもらったので、行ってみたのです。悲しいことに、インドの鶏はやせているせいか、日本のブロイラーのほうが肉がおいしいような気がしましたが・・・。そのホテルが爆破されたなんて。思い出の場所が失われるのは悲しいものですね。


 当時のボンベイでは、ストリート・ピープルが山のようにいて、タージマハル・ホテルの裏通りには、たくさんの人が排水溝に段ボールで屋根をつくって、道路脇で生活していました。その貧富の差に衝撃を受けた先のカナダ人が、いろいろとインド人の若者に質問をしていたのを思い出しました。


 当時もインドはパキスタンとの国境付近で紛争が絶えず、列車が爆破されたり、渡航の三年前にはインディラ・ガンジー首相が暗殺されたりで、いろいろと物騒なことが言われていました。最近は経済的繁栄のためか、政治情勢が話題になることが減っていますね。というか、アメリカと中国を除けば、新聞の海外情勢にかんする記事は昔にくらべるとだいぶ減ってるんじゃないですか?


 ボンベイからニューデリーに列車で向かうときに、ボンベイ駅で子供だましの詐欺にひっかかったり、ニューデリー駅で大洪水に遭ったために泳ぎながらホテルに向かったり、高熱でうなされたり、そういえばインドではいろんなことがあったなあ。テロ事件をきっかけに、久しぶりに若いときのことを思い出しました。



-------以下、新聞より-------


「インドで同時テロ 日本人1人含む101人が死亡」(asahi.com 2008/11/27/13:37)


【ニューデリー=小暮哲夫】インド西部の商都ムンバイで26日夜、中心部にある高級ホテルや鉄道駅など10カ所で武装集団による同時多発テロ事件があった。ロイター通信によると、銃の乱射や手投げ弾により日本人男性1人を含む101人が死亡(うち外国人が6人)、287人が負傷した。27日午前(日本時間同日午後)の段階で、犯人グループはまだ一部のホテルで宿泊客を人質に取っており、制圧されていない。