一方、18世紀には新プラトン主義から由来した'存在の巨大なつながり(a great chain of being)'の図式が流行したが、これによると、この世界のすべての存在は神と天使から始めて白人男性を通じて白人の女、アジア人、アフリカ人その他のすべての動物、植物、鉱物に順に下がる。 このように存在の序列を決めることにより,人種の差別を具体化させ,差別を正当化することとなった。
このような18世紀の成果を集大成して19世紀にその基盤を用意した人種理論の代表的な人は人類学者コビノ(Joseph Arthur de Gobineau、1811~1882)として知られている。 彼は"人種不平等論(Essai sur I'inegalite des races humaines)"で遺伝される身体的特徴と性格,知能,文化の間に因果関係があるという思想を繰り広げた。 同氏の主張によると,白人種は他のすべての人種より優秀で,白人種の中でも最高の文明を成し遂げたアリアン(Aryan)人種が最も優秀だという。 純粋な民族だけが肉体的,精神的に純粋性を維持でき,彼らから文化の退廃,没落は現れないということだ。 そのような民族として,アリアン族,特にゲルマン族を挙げた。 彼は美しさ,身体的な力,知的な能力で他の人種をはるかに凌ぐゲルマン族が他の人種を支配するのは当然だと思った。 このようなコビノの主張は19世紀のヨーロッパ人種主義者たちに大きな影響を及ぼした。
コビノの理論を最も徹底的に継承した人は、英国生まれの政治哲学者チェンバレン(Houston Stewart Chamberlain、1855~1927)だった。 彼は,ヨーロッパ文化において,アリア人の人種的,文化的優越性を主張し,汎ゲルマン主義に影響を及ぼしたが,特にドイツ人が最も貴い天品を得たと主張し,その後ナチス政権の国家社会主義理念に多大な影響を及ぼすようになった。