
「神の人形」
夜の気配は誰がために流れるのか、
明確なる答を持つものなんぞ知らぬ私は、
今日この日にどこかで注ぐ、この世界の片隅の雨の一滴、
渇きに渇き、舐めるが如く天に舌向け濡れさせようと、
水を欲する果実を真似てはせめては空見る無目的、
張る意地なんぞなくとも底意地だけは悪い生き物、
陽の光を吸い込んだ、砂を一握りだけはする、
弄べばその度に、隙間からこぼれてくのは何故か言えるか、
呼吸だけに意識を澄ませてその連なりに浮上を願うだけ、
どうせはいくばくすらもない命、言わばたかがしれたもの、
それが我々、ヒトの宿命だと何故に認めない?
夜に其れの愚かしきが水深にも似た可視と不可視を徘徊する、
流れに流れ背後へ後退する景色、その風が僕らをときに狂わせど、
甘く淫らで濃密な、呼吸を重ねる密をつくって誤魔化すひと時、
孤独を闇に葬り去れる、夢と現の曖昧なる境界線、
数えもできぬ瞬にだけしか宿ることのない解放、
それでもあればないより良かろう、
笑いたいだけ笑えばいいし、泣きたいだけ泣けばいい、
誰ひとりとして我々などに関心はない、
夜を征くが持つ定め、誰より孤独を知る道理、
這い回るのは自身が纏う影ではあった、踵に踏むも捩じ切れない、
どこであろうが追いまとう、夜に溶けども消えはしない、
君がゆくのは修羅の道、僕がいるもやはりそう、
やがては炎がのたうちまわる、氷によって吐き出したる、
それでも心音なる灯が背骨に響く限りはやはり、
孤独で自由な風になれ、明日を待たずに手をあげては振りも返らず、
旅のものとなれるだろう、口笛吹いて軽薄なりて手にする僅かを火にくべて、
それから君は、それから僕は、
孤と孤の意図がそれぞれに、手繰り寄せ合う糸を持つもの、
天に唾を返されようとも其れだけなら這いながらでも食らいつく、
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