「この国を作り変えよう 日本を再生させる10の提言」
マネックスの松本さん、経営共創基盤の冨山さんという、最強の二人が書いた本、
「この国を作り変えよう 日本を再生させる10の提言
」を読んだ。
最高! すごいっす!
日本が抱える問題について取り扱った本としては、過去読んだ中で間違いなく最高の本です。
以下、抜粋。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
少子化が進むと、国の経済力は確実に低下します。日本のGDPの6割弱は個人消費なので、人口が減れば需要がそれだけ減少してしまうからです。もちろん、内需が減った分を輸出でカバーするということも考えられますが、日本の輸出があまりに拡大すれば、国際社会がそれを許さないでしょう。それに、輸出先の生産力だってどんどん上がっているわけですから、今後、輸出だけで日本経済を支えるのは、非常に厳しいといえます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
よく、格差を市場経済における弱肉強食の結果だという人がいますね。たしかに市場経済が機能していれば、そこには競争力格差が生じます。しかし、いま日本で問題となっている格差の多くはそれではない。この労働市場の正規社員と非正規社員のように、反市場経済的な制度や規制によって発生する格差のほうなのです。・・・ 「格差があるのは市場経済のせい」というすり替えを行って、搾取されている人たちの目を真の原因から巧妙にそらし、意図的に格差の温存を図っているのです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
後期高齢者の医療保険問題でも、結局いまの議論というのは、老人を切りすてるのかという感情的なところに終始するだけで、それではあまり意味がありません。そうではなく、それこそいまの七十五歳と、三十年後の七十五歳を比較して、どちらがどれくらいかわいそうかということを論点にして初めて、生産的な議論になるのです。
ちなみに、人口動態というのは未来予測の中で一番当たりますから、医療保険がいまの世代間賦課方式のままなら、ロストジェネレーションが七十五歳になったときの老人医療の悲惨さは、現在の比ではないと思います。
金融資産をもっている中高年層は、その資産を使い切るだろうし、その一夫お出、若い世代をみていると、国際競争力を高くする訓練や努力が圧倒的に足りないので、一人あたりの国民総生産はいまよりさらに下がる。もちろん所得水準も下降します。こう考えてくると、個人も企業も、全体的に赤字構造になっていくのは避けられないといえるでしょう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
日本というのは国もすごい借金を抱え、個人のレベルでも確実に貧乏になりつつあるのは間違いありません。それなのに、指導者層にも、それから国民にも危機感がないというのは、私もそのとおりだと思います。結局、日本はまだ、いろいろな意味でトゥー・リッチなのです。
実際、このまま何もしないで落ちていっても、十年や二十年はいまのぬるま湯状態を続けられるだけの余裕が、この国にあるのは事実です。だからといって、このままでいいということはありません。二十年はもってもさすがに三十年はもたないからです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
地方と中央の格差問題というのは、世代間対立のすり替えに他ならないのです。限界集落を維持するためのコストを考えてみてください。その地域の意住んでいる人たちだけでは、絶対に負担しきれないのは明白です。では、その社会コストはだれが支払うのかと言ったら、都会に住む人が税金というかたちで賄わざるを得ないというのが現状です。それは明らかに都会の若者から地方の高齢者へ向けての所得移転です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
特に、最後の一章は圧巻です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
中でも私たち二人が強く意識せざるを得なかったのは、「世代間の利害対立」という、今、マスコミも含めて、日本で指導的な立場にいる多くの人々が、「見たくない現実」であるがゆえに目をそむけている極めて本質的かつリアルな問題だ。社会保障制度の問題、中央と地方の問題、既得権益と格差の問題・・・民主制の枠組みの中で「多数派」の中高年世代が、「少数派」の若者や子供たちの権利や利益を、どのように公正に政策へ反映するのか?
市場経済が個々人の経済的な「エゴ」を基本的に善ととらえるごとく、民主主義政治も個々人の政治的な「エゴ」の主張を肯定することを基本前提としている。これだけの急激な少子高齢化が平和のうちに進展する日本は、今の時代の「最大多数」の幸福と未来世代の「最大幸福」との深刻な相克という、おそらく世界の近代民主制が初めて挑戦する重い課題に直面している。世界レベルで問題となっている環境問題やエネルギー資源の枯渇問題においても、その背後に、いまだこの世に生まれざる世代の声をどう現在の意思決定過程に反映されるかという、近代民主主義制度を確立した時点では想像し得なかった重大な構造矛盾が横たわっているのだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
上記抜粋部分は、一字一句に非常深い意味が込められている、無駄な贅肉がまったくない文章。すさまじい読書量、経験、そして問題意識の積層があって初めて編み出される文章だと思う。
ただし、言いっぱなしでは世の中は動かない。誰を敵とするか・しないかの見定めは非常に重要。 だから二人は、フォローは忘れていない。そういう部分は大人。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
少なくとも今、公的セクター、民間企業を問わず、実際に力を持っている中高年世代が、「見たくない現実」を見据え、いかなる解決を自らの決断と行動で将来世代に提示していけるか・・・・ 「団塊の世代」に代表される、戦後高度成長期の比較的良き時代を過ごしてきた私たち中高年世代の品格、品性が厳しく問われているのだ。これは自分自身とその周辺という狭い空間と時間を超えて、どこまで大きな時空を意識できるかという「公共心」の問題と置き換えてもいい。そのことを想う時、私自身はやや暗澹たる気分にならざるを得ない。国のレベルでも、地方のレベルでも、そしてマスメディアや民間企業レベルでも、皆、なぜこうも「不都合な真実」、「痛みを伴う本質的な解決(苦い良薬)」から逃げるのか。そして責任を他人になすりつけるのか。ある時は政府、ある時は大企業、またある時はマスコミ、そして最後のスケープゴートはいつも市場経済と外国勢力・・・・・・問題の本質のほとんどが自分たち自身にあるにもかかわらず。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
いやー 富山さんに総理大臣をやってもらいたい! と強く思う。
「この国を作り変えよう 日本を再生させる10の提言

最高! すごいっす!
日本が抱える問題について取り扱った本としては、過去読んだ中で間違いなく最高の本です。
以下、抜粋。
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少子化が進むと、国の経済力は確実に低下します。日本のGDPの6割弱は個人消費なので、人口が減れば需要がそれだけ減少してしまうからです。もちろん、内需が減った分を輸出でカバーするということも考えられますが、日本の輸出があまりに拡大すれば、国際社会がそれを許さないでしょう。それに、輸出先の生産力だってどんどん上がっているわけですから、今後、輸出だけで日本経済を支えるのは、非常に厳しいといえます。
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よく、格差を市場経済における弱肉強食の結果だという人がいますね。たしかに市場経済が機能していれば、そこには競争力格差が生じます。しかし、いま日本で問題となっている格差の多くはそれではない。この労働市場の正規社員と非正規社員のように、反市場経済的な制度や規制によって発生する格差のほうなのです。・・・ 「格差があるのは市場経済のせい」というすり替えを行って、搾取されている人たちの目を真の原因から巧妙にそらし、意図的に格差の温存を図っているのです。
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後期高齢者の医療保険問題でも、結局いまの議論というのは、老人を切りすてるのかという感情的なところに終始するだけで、それではあまり意味がありません。そうではなく、それこそいまの七十五歳と、三十年後の七十五歳を比較して、どちらがどれくらいかわいそうかということを論点にして初めて、生産的な議論になるのです。
ちなみに、人口動態というのは未来予測の中で一番当たりますから、医療保険がいまの世代間賦課方式のままなら、ロストジェネレーションが七十五歳になったときの老人医療の悲惨さは、現在の比ではないと思います。
金融資産をもっている中高年層は、その資産を使い切るだろうし、その一夫お出、若い世代をみていると、国際競争力を高くする訓練や努力が圧倒的に足りないので、一人あたりの国民総生産はいまよりさらに下がる。もちろん所得水準も下降します。こう考えてくると、個人も企業も、全体的に赤字構造になっていくのは避けられないといえるでしょう。
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日本というのは国もすごい借金を抱え、個人のレベルでも確実に貧乏になりつつあるのは間違いありません。それなのに、指導者層にも、それから国民にも危機感がないというのは、私もそのとおりだと思います。結局、日本はまだ、いろいろな意味でトゥー・リッチなのです。
実際、このまま何もしないで落ちていっても、十年や二十年はいまのぬるま湯状態を続けられるだけの余裕が、この国にあるのは事実です。だからといって、このままでいいということはありません。二十年はもってもさすがに三十年はもたないからです。
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地方と中央の格差問題というのは、世代間対立のすり替えに他ならないのです。限界集落を維持するためのコストを考えてみてください。その地域の意住んでいる人たちだけでは、絶対に負担しきれないのは明白です。では、その社会コストはだれが支払うのかと言ったら、都会に住む人が税金というかたちで賄わざるを得ないというのが現状です。それは明らかに都会の若者から地方の高齢者へ向けての所得移転です。
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特に、最後の一章は圧巻です。
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中でも私たち二人が強く意識せざるを得なかったのは、「世代間の利害対立」という、今、マスコミも含めて、日本で指導的な立場にいる多くの人々が、「見たくない現実」であるがゆえに目をそむけている極めて本質的かつリアルな問題だ。社会保障制度の問題、中央と地方の問題、既得権益と格差の問題・・・民主制の枠組みの中で「多数派」の中高年世代が、「少数派」の若者や子供たちの権利や利益を、どのように公正に政策へ反映するのか?
市場経済が個々人の経済的な「エゴ」を基本的に善ととらえるごとく、民主主義政治も個々人の政治的な「エゴ」の主張を肯定することを基本前提としている。これだけの急激な少子高齢化が平和のうちに進展する日本は、今の時代の「最大多数」の幸福と未来世代の「最大幸福」との深刻な相克という、おそらく世界の近代民主制が初めて挑戦する重い課題に直面している。世界レベルで問題となっている環境問題やエネルギー資源の枯渇問題においても、その背後に、いまだこの世に生まれざる世代の声をどう現在の意思決定過程に反映されるかという、近代民主主義制度を確立した時点では想像し得なかった重大な構造矛盾が横たわっているのだ。
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上記抜粋部分は、一字一句に非常深い意味が込められている、無駄な贅肉がまったくない文章。すさまじい読書量、経験、そして問題意識の積層があって初めて編み出される文章だと思う。
ただし、言いっぱなしでは世の中は動かない。誰を敵とするか・しないかの見定めは非常に重要。 だから二人は、フォローは忘れていない。そういう部分は大人。
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少なくとも今、公的セクター、民間企業を問わず、実際に力を持っている中高年世代が、「見たくない現実」を見据え、いかなる解決を自らの決断と行動で将来世代に提示していけるか・・・・ 「団塊の世代」に代表される、戦後高度成長期の比較的良き時代を過ごしてきた私たち中高年世代の品格、品性が厳しく問われているのだ。これは自分自身とその周辺という狭い空間と時間を超えて、どこまで大きな時空を意識できるかという「公共心」の問題と置き換えてもいい。そのことを想う時、私自身はやや暗澹たる気分にならざるを得ない。国のレベルでも、地方のレベルでも、そしてマスメディアや民間企業レベルでも、皆、なぜこうも「不都合な真実」、「痛みを伴う本質的な解決(苦い良薬)」から逃げるのか。そして責任を他人になすりつけるのか。ある時は政府、ある時は大企業、またある時はマスコミ、そして最後のスケープゴートはいつも市場経済と外国勢力・・・・・・問題の本質のほとんどが自分たち自身にあるにもかかわらず。
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いやー 富山さんに総理大臣をやってもらいたい! と強く思う。
内定式
今日は内定式をやりました。
まだ始まったばかりの会社であるレアジョブですが、
フィリピン側ばかりではなく、日本側でも新卒で入ってくれる人がいる、というのはうれしい限りです。
お昼はちょっと高い銀座のフレンチでランチし、
帰ってきてから手作りの内定式をやりました。
内定式で伝えたことは、
・まだ小さい会社であるうちを選んでくれたことに感謝する
・小さいけれど、急速に成長しているので、それに合わせてどんどん成長していってほしい
・とりあえず、一部署を全部自分で回せるようになってほしい。担当者としての仕事だけではなく、他の担当者を雇い、育てていくこともお願いする。
・ふつうは社会人2,3年目に任されるようなことだけれど、1年目の今から任せていく。
某大学で学年代表(総代?)に選ばれたくらい優秀な彼女。きちんとできると信じています。
入社おめでとう&ありがとう。 今日からよろしく!
まだ始まったばかりの会社であるレアジョブですが、
フィリピン側ばかりではなく、日本側でも新卒で入ってくれる人がいる、というのはうれしい限りです。
お昼はちょっと高い銀座のフレンチでランチし、
帰ってきてから手作りの内定式をやりました。
内定式で伝えたことは、
・まだ小さい会社であるうちを選んでくれたことに感謝する
・小さいけれど、急速に成長しているので、それに合わせてどんどん成長していってほしい
・とりあえず、一部署を全部自分で回せるようになってほしい。担当者としての仕事だけではなく、他の担当者を雇い、育てていくこともお願いする。
・ふつうは社会人2,3年目に任されるようなことだけれど、1年目の今から任せていく。
某大学で学年代表(総代?)に選ばれたくらい優秀な彼女。きちんとできると信じています。
入社おめでとう&ありがとう。 今日からよろしく!
蒼穹の昴
浅田次郎「蒼穹の昴
」を読んでいる。
清朝末期の、国を想う群臣たちを描いた作品。
例えば、日清戦争後の下関条約の調印にきた李鴻章なども登場する。
李鴻章って、こんな優秀な奴だったんだ、
北洋艦隊って、清朝の軍隊じゃなくて彼の私兵だったんだ、
でも結局は日本に負けざるをえなくって、
下関に条約調印にきた彼の気持ちはどんなだっただろう、とか思いをはせる。
李鴻章って、太平天国の乱を勝ち抜いたんだ、とか、
袁世凱って、李鴻章から地盤を引き継いで軍閥になったんだ、とか、
中国の近代史が線でつながる感覚も面白い。
司馬遼太郎の「坂の上の雲」などと読み合わせてみると、
(とはいいつつもどちらも小説なので史実じゃないんだけれど)
国の盛衰は、優秀な人材の有無で決まるんじゃなくて、
人材がのっかるシステムの優劣で決まるんだなかと思う。
経営共創基盤の冨山さん曰く、
「人間はインセンティブと性格の奴隷である」
インセンティブをどう設計するか。
レアジョブの会社としてのシステムを、いましっかり考えている。

清朝末期の、国を想う群臣たちを描いた作品。
例えば、日清戦争後の下関条約の調印にきた李鴻章なども登場する。
李鴻章って、こんな優秀な奴だったんだ、
北洋艦隊って、清朝の軍隊じゃなくて彼の私兵だったんだ、
でも結局は日本に負けざるをえなくって、
下関に条約調印にきた彼の気持ちはどんなだっただろう、とか思いをはせる。
李鴻章って、太平天国の乱を勝ち抜いたんだ、とか、
袁世凱って、李鴻章から地盤を引き継いで軍閥になったんだ、とか、
中国の近代史が線でつながる感覚も面白い。
司馬遼太郎の「坂の上の雲」などと読み合わせてみると、
(とはいいつつもどちらも小説なので史実じゃないんだけれど)
国の盛衰は、優秀な人材の有無で決まるんじゃなくて、
人材がのっかるシステムの優劣で決まるんだなかと思う。
経営共創基盤の冨山さん曰く、
「人間はインセンティブと性格の奴隷である」
インセンティブをどう設計するか。
レアジョブの会社としてのシステムを、いましっかり考えている。
スティーブ・ジョブズのスピーチ
再掲になりますが、
アップルCEOスティーブ・ジョブズの、スタンフォード大学でのスピーチです。とてもいいです。
-------------------------------------
人生には時としてレンガで頭をぶん殴られるようなひどいことも起こるものなのです。だけど、信念を放り投げちゃいけない。私が挫けずにやってこれたのはただ一つ、自分のやっている仕事が好きだという、その気持ちがあったからです。皆さんも自分がやって好きなことを見つけなきゃいけない。それは仕事も恋愛も根本は同じで、君たちもこれから仕事が人生の大きなパートを占めていくだろうけど自分が本当に心の底から満足を得たいなら進む道はただ一つ、自分が素晴しいと信じる仕事をやる、それしかない。そして素晴らしい仕事をしたいと思うなら進むべき道はただ一つ、好きなことを仕事にすることなんですね。まだ見つかってないなら探し続ければいい。落ち着いてしまっちゃ駄目です。心の問題と一緒でそういうのは見つかるとすぐピンとくるものだし、素晴らしい恋愛と同じで年を重ねるごとにどんどんどんどん良くなっていく。だから探し続けること。落ち着いてしまってはいけない。
3つ目は、死に関するお話です。
私は17の時、こんなような言葉をどこかで読みました。確かこうです。「来る日も来る日もこれが人生最後の日と思って生きるとしよう。そうすればいずれ必ず、間違いなくその通りになる日がくるだろう」。それは私にとって強烈な印象を与える言葉でした。そしてそれから現在に至るまで33年間、私は毎朝鏡を見て自分にこう問い掛けるのを日課としてきました。「もし今日が自分の人生最後の日だとしたら、今日やる予定のことを私は本当にやりたいだろうか?」。それに対する答えが“NO”の日が幾日も続くと、そろそろ何かを変える必要があるなと、そう悟るわけです。
自分が死と隣り合わせにあることを忘れずに思うこと。これは私がこれまで人生を左右する重大な選択を迫られた時には常に、決断を下す最も大きな手掛かりとなってくれました。何故なら、ありとあらゆる物事はほとんど全て…外部からの期待の全て、己のプライドの全て、屈辱や挫折に対する恐怖の全て…こういったものは我々が死んだ瞬間に全て、きれいサッパリ消え去っていく以外ないものだからです。そして後に残されるのは本当に大事なことだけ。自分もいつかは死ぬ。そのことを思い起こせば自分が何か失ってしまうんじゃないかという思考の落とし穴は回避できるし、これは私の知る限り最善の防御策です。
君たちはもう素っ裸なんです。自分の心の赴くまま生きてならない理由など、何一つない。
(中略)
君たちの時間は限られている。だから自分以外の他の誰かの人生を生きて無駄にする暇なんかない。ドグマという罠に、絡め取られてはいけない。それは他の人たちの考え方が生んだ結果とともに生きていくということだからね。その他大勢の意見の雑音に自分の内なる声、心、直感を掻き消されないことです。自分の内なる声、心、直感というのは、どうしたわけか君が本当になりたいことが何か、もうとっくの昔に知っているんだ。だからそれ以外のことは全て、二の次でいい。
(日本語訳の全文はこちら)
--------------------------------------
アップルCEOスティーブ・ジョブズの、スタンフォード大学でのスピーチです。とてもいいです。
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人生には時としてレンガで頭をぶん殴られるようなひどいことも起こるものなのです。だけど、信念を放り投げちゃいけない。私が挫けずにやってこれたのはただ一つ、自分のやっている仕事が好きだという、その気持ちがあったからです。皆さんも自分がやって好きなことを見つけなきゃいけない。それは仕事も恋愛も根本は同じで、君たちもこれから仕事が人生の大きなパートを占めていくだろうけど自分が本当に心の底から満足を得たいなら進む道はただ一つ、自分が素晴しいと信じる仕事をやる、それしかない。そして素晴らしい仕事をしたいと思うなら進むべき道はただ一つ、好きなことを仕事にすることなんですね。まだ見つかってないなら探し続ければいい。落ち着いてしまっちゃ駄目です。心の問題と一緒でそういうのは見つかるとすぐピンとくるものだし、素晴らしい恋愛と同じで年を重ねるごとにどんどんどんどん良くなっていく。だから探し続けること。落ち着いてしまってはいけない。
3つ目は、死に関するお話です。
私は17の時、こんなような言葉をどこかで読みました。確かこうです。「来る日も来る日もこれが人生最後の日と思って生きるとしよう。そうすればいずれ必ず、間違いなくその通りになる日がくるだろう」。それは私にとって強烈な印象を与える言葉でした。そしてそれから現在に至るまで33年間、私は毎朝鏡を見て自分にこう問い掛けるのを日課としてきました。「もし今日が自分の人生最後の日だとしたら、今日やる予定のことを私は本当にやりたいだろうか?」。それに対する答えが“NO”の日が幾日も続くと、そろそろ何かを変える必要があるなと、そう悟るわけです。
自分が死と隣り合わせにあることを忘れずに思うこと。これは私がこれまで人生を左右する重大な選択を迫られた時には常に、決断を下す最も大きな手掛かりとなってくれました。何故なら、ありとあらゆる物事はほとんど全て…外部からの期待の全て、己のプライドの全て、屈辱や挫折に対する恐怖の全て…こういったものは我々が死んだ瞬間に全て、きれいサッパリ消え去っていく以外ないものだからです。そして後に残されるのは本当に大事なことだけ。自分もいつかは死ぬ。そのことを思い起こせば自分が何か失ってしまうんじゃないかという思考の落とし穴は回避できるし、これは私の知る限り最善の防御策です。
君たちはもう素っ裸なんです。自分の心の赴くまま生きてならない理由など、何一つない。
(中略)
君たちの時間は限られている。だから自分以外の他の誰かの人生を生きて無駄にする暇なんかない。ドグマという罠に、絡め取られてはいけない。それは他の人たちの考え方が生んだ結果とともに生きていくということだからね。その他大勢の意見の雑音に自分の内なる声、心、直感を掻き消されないことです。自分の内なる声、心、直感というのは、どうしたわけか君が本当になりたいことが何か、もうとっくの昔に知っているんだ。だからそれ以外のことは全て、二の次でいい。
(日本語訳の全文はこちら)
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「花埋み」
渡辺淳一「花埋み
」 が今日アマゾンから届き、
ひといきで読了。おもしろかった。
「失楽園」などで知られる著者だが、内容は極めてまじめ。
日本の明治初期は、現在のアフガニスタン級に女性が差別されていたけれど、
そんななかに、多くの偏見と障害を乗り越え、
日本初の女医となった女性がいた、というストーリー。
しかも、それを渡辺淳一が描くので、単なる英雄譚にとどまらず、
実に繊細な心情描写がすごみさえ感じさせる一冊。
ひといきで読了。おもしろかった。

「失楽園」などで知られる著者だが、内容は極めてまじめ。
日本の明治初期は、現在のアフガニスタン級に女性が差別されていたけれど、
そんななかに、多くの偏見と障害を乗り越え、
日本初の女医となった女性がいた、というストーリー。
しかも、それを渡辺淳一が描くので、単なる英雄譚にとどまらず、
実に繊細な心情描写がすごみさえ感じさせる一冊。
経理ができる方を募集しております
レアジョブでは、経理ができる方を募集しております。
・現在は、経理業務を外部委託しています
・現在の外部委託先は、とても優秀な方ですが、当然社内での経理業務も発生します
・社内作業は、フロント業務の担当者が兼務してやっています
・時期によっては、経理業務のためにフロント業務が滞ることもあります
・サービス品質を高める施策を素早く実行するためには、業務分担が必要と判断しました
・まだ小さい企業ですので、経理のほかの業務などもやっていただく場合があります。当然、ウェブサイトの改善案なども歓迎します
・フロント業務担当者をフロント業務に専念させることにより、レアジョブのサービス品質を向上させ、生徒様の満足度を高めることにつながります
単なる経理業務担当者という位置づけでなく、
レアジョブのビジョンやミッションに共感してくださる方、
バックエンドの立場からでもサービスの改善という視点を持って
仕事に取り組んでもらえる方を募集しています。
経理業務内容
・日常の経理業務(伝票起票)
・月次決算・年次決算
・支払管理・資金繰表の作成
必須能力・素養
・簿記2級程度の知識
・月次/年次決算を締めた経験
・異文化を尊重できる(フィリピン人を見下さない)
・正確に業務を遂行できる
・海外子会社の担当者とメールでコミュニケーションできる英語力
あったら望ましい能力
・英語による財務諸表を理解できる
・海外子会社の担当者と口頭でやりとりできる英語力
・給与計算(源泉徴収計算・年末調整)の経験
・会社法、法人税法、金融商品取引法に関する一般的な知識
レアジョブで働くメリット
・海外子会社の経理担当者(CPA保有)をはじめとした外国人とやり取りすることで、英語能力や、英文会計の能力が高まります
・経理業務フローの立ち上げが完了してからは、本格的な管理部の構築や、ゆくゆくは上場準備に携わっていただきます。より広範囲なスキルを身につけることができます
勤務場所は東京の大手町/神田です。
待遇面は応相談。ストックオプションは成果に応じて支給します。
ご応募・ご質問は support(アットマーク)rarejob.com までお願いします。
(マーケターの募集では、実に優秀な方々からのご応募をいただき、
ブログを書き続けていて改めて良かったと思いました。
ですので、今回もブログにて求人させていただきます)
・現在は、経理業務を外部委託しています
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単なる経理業務担当者という位置づけでなく、
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バックエンドの立場からでもサービスの改善という視点を持って
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経理業務内容
・日常の経理業務(伝票起票)
・月次決算・年次決算
・支払管理・資金繰表の作成
必須能力・素養
・簿記2級程度の知識
・月次/年次決算を締めた経験
・異文化を尊重できる(フィリピン人を見下さない)
・正確に業務を遂行できる
・海外子会社の担当者とメールでコミュニケーションできる英語力
あったら望ましい能力
・英語による財務諸表を理解できる
・海外子会社の担当者と口頭でやりとりできる英語力
・給与計算(源泉徴収計算・年末調整)の経験
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待遇面は応相談。ストックオプションは成果に応じて支給します。
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ですので、今回もブログにて求人させていただきます)
泣き虫軍団
先日、現地
女性スタッフに泣かれて多いに動揺した
が、
今日は別の2人から泣かれてしまった。
まず一人目。
朝、ご飯食べながらミーティング。
「精神面の強さ」って何だろうね、という雑談をしていたときに、
このスタッフはこう言った。
「私の姉は精神的にとても強い」
「姉が泣くのを今まで一切見たことがない」
「実際、先日彼女にとてもつらいことがあった」
彼女は小さいうちに両親を亡くしたが、姉が代わりに稼ぎ、彼女は姉に育ててもらってきた。
だから姉への思い入れは人一倍ある。
だから、
「それは姉にとって本当につらいことで・・・」
ここまで言いかけたところで、こらえきれなくなって、彼女は5分間くらい嗚咽した。
何があったのかは聞かなかったが、
その人がいないところで、その人のために思い出し泣きができるってのは、
すごく素敵なことだと思う。
つぎに二人目。
午後、パートタイムのスタッフとミーティング。
かなり古くから参加してもらっており、
すごく優秀で、責任感があって、
パートタイムながら、どんどん仕事を任せていった。
もうすぐ卒業を迎えており、
レアジョブのことは大好きなスタッフだし、
しっかりとしたポジション・給与を用意したし、
当然フルタイムになってくれるものと思っていたら、
今のままがいい、パートタイムのままがいいと言う。
何でだろうと思って、考えられうる理由を一つ一つ挙げて、
それらに対して用意できる対策を挙げていった。
だけど、ぜんぜん納得してくれない。
しかも、僕に対する返答の仕方がおかしい。
普段は真面目な人なのに、今日はやたらとヘラヘラしている。
体を左右にゆする。
だからこう聞いてみた。
「フルタイムをやりたくない本当の理由を、
君は僕に言ってくれてないか、自分で気づいていないか、
そのどちらかだと思うんだけれど、どっちなのかな?」
でもまだヘラヘラしている答えしか返ってこなかった。
だから、半分演技でちょっとキレてみた。
「OK、わかったよ。僕は今とてもSeriousだ。
でも君はSeriousじゃない。
僕は、君がレアジョブのことを非常に気にかけてくれると思っていたんだ、
でもそれが間違いだったみたいで、今僕は非常に不愉快だ」
すると突然、彼女の目から滂沱と涙があふれてきた。
そして泣きながらこう言った。
「Kato-san、私はレアジョブのこと、本当に好きだし、
本当に貢献したいと思っている。
でも、今はフルタイムはやりたくない。」
フィリピン大生の中には、
自分で働いて学費を稼ぎながら、大学で勉強している人がめずらしくない。
いや、自分の学費を稼ぐだけじゃなくて、
田舎の両親に送金したり、兄弟姉妹を養っているも多い。
このパートタイムスタッフも、田舎に送金しているうちの一人。
今までずっと苦しい思いをしてきたと聞くが、
レアジョブに入り、講師をしながらパートタイムスタッフをやり、
ようやく金銭的に苦しい思いから脱却できたという。
「でもね、Kato-san、私、すごくつらいんだ」
「Kato-san、私にすごく期待するでしょう。だから、新しい仕事、どんどん振ってくるでしょう」
「今まで全部それとかはきちんとこなしてきたけれど、
この土曜日はジョギングに行きたいとか、友達の所に行きたいとかそう思っても、
仕事があるから、それができないときがあった」
「いっしょにパートタイムをやっているxxxには、Kato-san、新しい仕事を振らないでしょ。
いつも私ばっかりに来る。
だから、xxxは自分の担当分が終わればすぐ帰れるのに、私はそうじゃない。
だからxxxがうらやましかった」
「私の性格上、任されたものをいい加減にやるってことが、できない。
だから、フルタイムになって、Kato-sanにどんどん新しいことを任されたら、
それを成し遂げることに集中してしまって、私、他のことができなくなる。」
「レアジョブのことは好きだけれど、レアジョブのために自分の人生を犠牲にするっていうChoiceを選ぶことができない。だから、パートタイムのままでいたい」
「私が家族を養わなきゃいけないのは知っているでしょ。レアジョブのおかげで、だいぶ楽になった。
今のパートタイムのままでじゅうぶんい養えるのに、フルタイムになると、私の性格上、どうしても仕事にしばられてしまうの。 だからしばらくは人生を楽しみたいの。自由を謳歌させて。」
聞いているうちに泣きそうになって、なんか言わなくちゃと思って口を開こうとしたら僕まで泣いてしまった。
「君みたいな人が部下にいてくれて、僕は本当に幸せな男だと思う。」
泣きながらそう伝えた。
今回の彼女の状況は明らかに、サマンサタバサの社長が言っていた状況 で、今まで気づかなかったのは僕のミス。
能力が高い分、女性たちには次々と仕事のチャンスが広がっていくでしょう。そして--これも私の経験上の話なんですが--がむしゃらに期待に応えてようとしてくれるんです。それで体を壊す人がいます。・・・ 仕事ができる女性に対しては、できるだけ「仕事をするな」とアドバイスします。
だから、こう決めた。
・これから半年間、新しい仕事は彼女に振らない
・これから半年間、彼女の仕事時間も増やさない
・これから半年間、彼女についてほしかったポストは空欄のまま空けておく
・半年後、フルタイムかパートタイムか、再び意見を聞く
生い立ちが貧しい・苦しい、という状況は、
人生に大きな影響を与えるが、全てに影響を与えるわけではない。
努力しだいで、自分の人生を自分で決める余地は大きく残っている。
少なくともうちのスタッフたちは、人生をそうやって選んでいると思う。
そしてそうやって人生を自分で選んでいる人たちと働けることを、僕は幸せに思う。
泣き虫軍団ではあるけれど (僕を含め?)、 これからもがんばっていきたいと思う。
今日は別の2人から泣かれてしまった。
まず一人目。
朝、ご飯食べながらミーティング。
「精神面の強さ」って何だろうね、という雑談をしていたときに、
このスタッフはこう言った。
「私の姉は精神的にとても強い」
「姉が泣くのを今まで一切見たことがない」
「実際、先日彼女にとてもつらいことがあった」
彼女は小さいうちに両親を亡くしたが、姉が代わりに稼ぎ、彼女は姉に育ててもらってきた。
だから姉への思い入れは人一倍ある。
だから、
「それは姉にとって本当につらいことで・・・」
ここまで言いかけたところで、こらえきれなくなって、彼女は5分間くらい嗚咽した。
何があったのかは聞かなかったが、
その人がいないところで、その人のために思い出し泣きができるってのは、
すごく素敵なことだと思う。
つぎに二人目。
午後、パートタイムのスタッフとミーティング。
かなり古くから参加してもらっており、
すごく優秀で、責任感があって、
パートタイムながら、どんどん仕事を任せていった。
もうすぐ卒業を迎えており、
レアジョブのことは大好きなスタッフだし、
しっかりとしたポジション・給与を用意したし、
当然フルタイムになってくれるものと思っていたら、
今のままがいい、パートタイムのままがいいと言う。
何でだろうと思って、考えられうる理由を一つ一つ挙げて、
それらに対して用意できる対策を挙げていった。
だけど、ぜんぜん納得してくれない。
しかも、僕に対する返答の仕方がおかしい。
普段は真面目な人なのに、今日はやたらとヘラヘラしている。
体を左右にゆする。
だからこう聞いてみた。
「フルタイムをやりたくない本当の理由を、
君は僕に言ってくれてないか、自分で気づいていないか、
そのどちらかだと思うんだけれど、どっちなのかな?」
でもまだヘラヘラしている答えしか返ってこなかった。
だから、半分演技でちょっとキレてみた。
「OK、わかったよ。僕は今とてもSeriousだ。
でも君はSeriousじゃない。
僕は、君がレアジョブのことを非常に気にかけてくれると思っていたんだ、
でもそれが間違いだったみたいで、今僕は非常に不愉快だ」
すると突然、彼女の目から滂沱と涙があふれてきた。
そして泣きながらこう言った。
「Kato-san、私はレアジョブのこと、本当に好きだし、
本当に貢献したいと思っている。
でも、今はフルタイムはやりたくない。」
フィリピン大生の中には、
自分で働いて学費を稼ぎながら、大学で勉強している人がめずらしくない。
いや、自分の学費を稼ぐだけじゃなくて、
田舎の両親に送金したり、兄弟姉妹を養っているも多い。
このパートタイムスタッフも、田舎に送金しているうちの一人。
今までずっと苦しい思いをしてきたと聞くが、
レアジョブに入り、講師をしながらパートタイムスタッフをやり、
ようやく金銭的に苦しい思いから脱却できたという。
「でもね、Kato-san、私、すごくつらいんだ」
「Kato-san、私にすごく期待するでしょう。だから、新しい仕事、どんどん振ってくるでしょう」
「今まで全部それとかはきちんとこなしてきたけれど、
この土曜日はジョギングに行きたいとか、友達の所に行きたいとかそう思っても、
仕事があるから、それができないときがあった」
「いっしょにパートタイムをやっているxxxには、Kato-san、新しい仕事を振らないでしょ。
いつも私ばっかりに来る。
だから、xxxは自分の担当分が終わればすぐ帰れるのに、私はそうじゃない。
だからxxxがうらやましかった」
「私の性格上、任されたものをいい加減にやるってことが、できない。
だから、フルタイムになって、Kato-sanにどんどん新しいことを任されたら、
それを成し遂げることに集中してしまって、私、他のことができなくなる。」
「レアジョブのことは好きだけれど、レアジョブのために自分の人生を犠牲にするっていうChoiceを選ぶことができない。だから、パートタイムのままでいたい」
「私が家族を養わなきゃいけないのは知っているでしょ。レアジョブのおかげで、だいぶ楽になった。
今のパートタイムのままでじゅうぶんい養えるのに、フルタイムになると、私の性格上、どうしても仕事にしばられてしまうの。 だからしばらくは人生を楽しみたいの。自由を謳歌させて。」
聞いているうちに泣きそうになって、なんか言わなくちゃと思って口を開こうとしたら僕まで泣いてしまった。
「君みたいな人が部下にいてくれて、僕は本当に幸せな男だと思う。」
泣きながらそう伝えた。
今回の彼女の状況は明らかに、サマンサタバサの社長が言っていた状況 で、今まで気づかなかったのは僕のミス。
能力が高い分、女性たちには次々と仕事のチャンスが広がっていくでしょう。そして--これも私の経験上の話なんですが--がむしゃらに期待に応えてようとしてくれるんです。それで体を壊す人がいます。・・・ 仕事ができる女性に対しては、できるだけ「仕事をするな」とアドバイスします。
だから、こう決めた。
・これから半年間、新しい仕事は彼女に振らない
・これから半年間、彼女の仕事時間も増やさない
・これから半年間、彼女についてほしかったポストは空欄のまま空けておく
・半年後、フルタイムかパートタイムか、再び意見を聞く
生い立ちが貧しい・苦しい、という状況は、
人生に大きな影響を与えるが、全てに影響を与えるわけではない。
努力しだいで、自分の人生を自分で決める余地は大きく残っている。
少なくともうちのスタッフたちは、人生をそうやって選んでいると思う。
そしてそうやって人生を自分で選んでいる人たちと働けることを、僕は幸せに思う。
泣き虫軍団ではあるけれど (僕を含め?)、 これからもがんばっていきたいと思う。
上司からのメールが短い理由
コンサルのころのある上司が、とってもメールが短い人だった。
「了解しました」
「その件はよろしくお願いいたします。」
みたいに。
僕はメールが長い人だったので、
上司からのメールってなんで短いんだろうと考えていたが、
・上司になると、たくさんメールが来る
・ひとことでもいいから返事をすると、大体要件は事足りる。
・ひとつひとつのメールに時間をかけるよりも、来たメールを貯めないことの方がよっぽど大事
ということなんだな、というのを現在痛感している。
返しても返しても残っている・・・
「了解しました」
「その件はよろしくお願いいたします。」
みたいに。
僕はメールが長い人だったので、
上司からのメールってなんで短いんだろうと考えていたが、
・上司になると、たくさんメールが来る
・ひとことでもいいから返事をすると、大体要件は事足りる。
・ひとつひとつのメールに時間をかけるよりも、来たメールを貯めないことの方がよっぽど大事
ということなんだな、というのを現在痛感している。
返しても返しても残っている・・・