フィリピンで働くシリアル・アントレプレナーの日記 -55ページ目

共通言語 (1)

文化のひとつの重要な要素は、共通言語だと思う。
・一言で端的に長い内容を説明できる
・文化外の人(外国人とか)には説明しづらい

例えば、
「空気を読め」というだけで、
日本人は、
「今、周りは特に強くは言ってこないけれど、君の行動を好ましく思っていないからやめておいた方がいい」
とわかる。

(アメリカ人に Read airって言っても、もちろんわからない)

あとは、
「それってプロフェッショナルなの?」 と上司から言われると、
外資系戦略コンサルタントは大いにびびって、
自分の行動のどこがおかしいか、自問自答を始める、とか。

(日系の優良会社、たとえばリクルートで「プロフェッショナル」って言っても、
 あまりよく響かないと思う。 
 リクルートではたぶん違う単語がこれに代わる言葉になっている。)


だから、共通言語が何かってのは、どういう文化なのかってのをよく表していると思う。
逆に言うと、文化を築く・デザインする手段の一つが、どういう言葉を普及させるかってこと。

レアジョブは、将来的には企業文化をきちんと打ち立てていかねばならない時期。
(=「Growing Pains」によれば 、フォーマルなシステムと、インフォーマルな企業文化の両方で組織をマネジメントする時期)

僕は企業文化のデザインに責任をもつ立場だから、
どうしようかなぁと色々考えている。

文化そのものはコントロールできないが、
その要素要素、たとえば共通言語はコントロール可能。

で、最近とてもうれしいことがあった。

長くなるので明日にまた。

出会い

フィリピンで、現在の事業パートナーと会った のが約2年前。

今日も素敵な出会いがあった!

レアジョブの新たなステージをともにやっていける仲間!

この関係が順調に発展していくことを願う。

レッスンビデオ

先日撮影したビデオ、完成しました!





後記
通りすがりさん、アドバイスありがとうございました!
無事、おかげ様で上記のようにYoutubeをはることができました。

一新塾で講演

今日は、一新塾 で講演させていただきました。
一新塾というのは、大前研一さんが始められた私塾で、
日本を、世界をよりよくしていくためにはどうしたらよいかを考えていく場所です。
詳しくはYoutube をみてください

過去何回か講演をさせて頂いたのですが、
「講演ってのは、プレゼンと違うんだなー」 と、つくづく感じました。

どういうことなのかというと、講演はライブなので、
論理的にいかに説明するかとかじゃなくって、
聞いている人びとのハートをいかに動かすか、です。

だから、グラフや文字で資料をつくるのはやめて、
写真をたくさん用意しました。
で、それを論理的に語るんじゃなくて、
写真にまつわる思いを語る・・・

おかげ様で好評でした。また、講演後の質疑応答も、レベルが非常に高く、面白かったです!

講演の内容は、今日お話を聞いた内容をまとめてくださった方 がいらっしゃるので、そちらをご覧ください。

しかし、講演はいいですね。いろんな方と知り合うことができます。

「仕事の速い人」はなぜすぐ腹を立てるのか

部下を見ていて、

「仕事が早い人ほど、人間関係がうまくなく、
 人間関係がうまい人ほど、仕事が遅い、
 っていうざっくりした傾向があるなぁ」

と思っていた。
(もちろん傾向の話なんで、例外は多々あるけれど)

で、なんでだろうと思っていたら、この記事がおもしろかった。

「仕事の速い人」はなぜすぐ腹を立てるのか

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アリゾナ州立大学の研究者は、「結果がどうなるのかわからない状態を嫌う」学生は、急いで決着をつけたがるから、早く課題をやり遂げたがるのではないかと考えている。この考察をビジネスパーソンに適応すれば、まじめなビジネスパーソンほど、見通しがきかない状態を不愉快に思い、できるだけ早く仕事をやり遂げようとするといえる。仕事が速いビジネスパーソンは、仕事の見通しが立たない間は不愉快に感じ、いらいらして腹が立ちやすい心理状態になっている。だから仕事が速い人はすぐに腹を立ててしまうということになる。仕事が速いことの副作用がこの程度であれば処方箋は簡単で、情動コントロールの基本的なスキルを学べば、落ち着いて周囲の人と接することができる人に変身できる。
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自分個人としては、部下から怒りっぽいのが欠点と言われるので、この部分が参考になった。

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熟達すると、セルフエフィカシー(自分がある状況で、あることができる能力があるという意識)が高まる。セルフエフィカシーが高くなると、その結果受け取る種々の報酬(ポジション、給与、処遇、敬意など、社会的、物質的、心理的な報酬のこと)への期待が高くなる。セルフエフィカシーの高い人が、期待した処遇や敬意を受け取れないと、不平をもったり、憤激しやすくなる。有能な女性が、同じ能力をもっている男性に比べて、昇進ができないとか、給与が安いときの心理状態を思い浮かべていただきたい。仕事の速い人は、おまけに社会的地位が高いため、自分は自分の意見や感情を表現できる権利があると思いこむことがある。部下が、自分の意見に反対したり、自分が期待している尊敬の気持ちを表現しないと、かっとなってしまう。このような上司は傲慢であるとか、パワーハラスメント的な人と、部下から思われるリスクがある。傲慢はセルフエフィカシーのないことの裏返しの虚勢であるが、セルフエフィカシーと報酬期待のマトリックスから生まれる怒りと誇りと軽蔑のまじりあった情動は、能力と成果の裏付けがあるだけに要注意である。セルフエフィカシーが高くすぐに腹を立てる人には、セルフエフィカシーと、受け取る報酬への期待を切り離すことが有効な処方箋だと思う。セルフエフィカシーは自分の努力で高めることができるが、受け取る報酬は、相手次第である。成果をあげたときには、それにふさわしい処遇を受けたい気持ちが起きても当然だが、受けることができることもあれば、できないこともある。自分ではどうすることもできないことに心を煩わせるのは愚かなことではないだろうか。
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講師と僕がスカイプで直でつながっているのは、情報が即座にあがってくる面ではいいけれど、
講師が数百人もいると、「社長はお前の使いっぱしりなのか?!」 とイライラすることもある。

でも、そうなんだよなー、最初から期待しちゃいけなくて、
さらっと処理する方法を考えないといけないよな、と思った。

Happy birthday

今日はスタッフのJoyの誕生日だったので、他のスタッフたちが抜き打ちでお祝いした。
http://www.youtube.com/watch?v=xmMAmfsoF_k

だいぶ喜んでいますねー

後記: もうひとつUPしました。
こちらは終業後。彼氏を連れてきたところ、みんなから”誕生日キス”をせがまれています。
http://www.youtube.com/watch?v=mWAIdkUc6Gc


秋葉原とシリコンバレー

友人のMixi記事経由で面白いブログを読んだ。

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俺はオタであり、横浜に住んでいたころにはそれなりに秋葉原にも行っていた。実際問題としては、秋葉原にあるもののほとんどは横浜でも入手できるのだけれど、ただひとつ、決定的に秋葉原でなければ入手できないものがあった。それはオタという文化をとりまく最先端の時代の空気のようなものだ。それは、メッセサンオーととらのあなが、新作のえろげにつけるおまけの違いでもあるし、中古価格の店舗ごとの違いだし、通り裏の部品屋の片隅に転がっている色あせた旧作のえろげでもある。あるいは秋葉原を歩く人々の服装や、外人オタの意外なほどの多さだ。そうしたもののすべては、情報としては地方にいても入手することはできる。しかしそれらのすべてを皮膚感覚として吸収できることと、PCのモニタに映し出されるニュースサイトのリンクとして把握することとでは、まったく別の話だ。情報は常に個別のものとして提供され、それを統合するのは読む人の仕事だが、現場の秋葉原には、あたりまえのことだが「すべて」がある。知性のはたらきではない別の感覚器官によって「秋葉原」の、ひいてはオタ周辺を取り巻く文化の「現在」を吸収することは、もはや情報の入手とはまったく別の次元にある。乱暴で大雑把な比喩であることを承知でいうのならば、通信教育と実際の学校に通って勉強することと、その両者にある違いほどに、この断絶は大きい。ちなみに、この場合、オタ文化限定で「都会」は秋葉原であり、「田舎」は横浜だ。

田舎でコンビニを開いた都会育ちの人が思ったこと
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この文章は、ベンチャー起業家でシリコンバレーを目指す人がなぜ多いのかってことを表していると思う。
やっぱりシリコンバレーがベンチャーの本場だと思う。僕はそこに行くことはせず、東京・フィリピンという辺境で起業することを選んだ。だけど、シリコンバレーへの羨望ってのはずっと捨てきれずにくすぶっている。
まぁ、辺境にいるというのも悪いことではない。だって10年後に、はたしてどこが辺境になっているかどうかなんてわからないからね。一番いいパターンは、これから勃興する辺境にいるということだと思う。少なくともスカイプは、アメリカでは開発され得ず、ヨーロッパでしかつくれなかったサービスだ。
どの辺境が今後伸びていくかなんて、誰もわからない。神のみぞ知る、だ。僕は自分を努力家だと思うが、そういう意味では、運命論者だ。自分にできることは、目の前のことにベストをつくすことだけだ。

Outside of the comfort zone

今日、フィリピンで会社をやっていらっしゃるある社長の方とお話しさせていただく機会があった。
もう10年以上もこちらにいらっしゃる方なので、
フィリピン人に対する造詣が深く、たいへん勉強になった。

その中で、
「なぜフィリピン人は、上司の言うことが絶対で、単純に従う傾向があるのだろうか?」
つまり、
「なぜフィリピン人は、やり方が明確になっていない仕事、
例えばルーティンタスクではなく、ゼロから何かを作り上げていく仕事に、
拒否反応を示す人が多いのだろうか?」 
という話になった。

その方は、
「やっぱり教育システムの問題では?」
「こちらの大学では、先生や教授の言うことに単純に従うことが評価される傾向があるんじゃないのかな?」
「たとえば日本の小学校の夏休みの自由研究、これはすごい。自由に研究させて、でも夏休みの終わりまでっていう締め切りが決まっていて、それで何らかの形に仕上げる。 実社会のためのすごいいい練習になっている」
「フィリピンにはそういうの、ないんじゃないかな?」
とおっしゃられた。

なるほどー と思い、帰ってフィリピン側経営パートナーに同じ質問をぶつけてみた。
彼女は、そういった教育環境もあるが、伝統的な家庭環境も原因だと言った。

「たとえばフィリピンでは、家長(多くの場合母親)の言うことが絶対。AといえばA。本人がエンジニアになりたくても、Nurse courseに行けと言われたらNurse courseに行く。家族はそのように行動することが期待されている」
「で、それは、もちろん自由にできないわけだから、不満が発生することもあるんだけれど、でも楽なんだよね。言われたことやればいいから、Comfortなの。」
「だから、自由にやってくれ、と言われた時に、戸惑う。Out of the comfort zoneに行かなければいけなくなるから、だから拒否反応を示す人が多いんだよね」

Out of the comfort zoneってのは、いい言葉だなーと聞いていて思った。
僕がこっちで体験したことをまさに物語る言葉。

で、まぁどういう背景があったにせよ、会社としては、そこから出てもらわないと困る。
僕は出てもらうのをリードする立場だから、しっかり取り組んでいこうと思う。

人事の仕組みの進化

レアジョブの、フィリピンでの人材採用方針は明快。

・うちの講師は皆、フィリピンのトップ大学の在学生・卒業生です
・で、その講師たち数百人が働いた実績のデータがあります
・これをもとに、優秀な講師数十人に絞ります
・その人たちに会って、「こいつはすごい!」と思える人をみつけます
・その人たちに、スタッフになってくれるよう、「一緒に世界一になろうよ」って、ひたすら口説きます。
・現地価格で高い給与もオファーします。
・スタッフになってくれたら、僕が戦略コンサルで習った問題解決のトレーニングをほどこします
・で、自分自身でProblem solvingしてくれるよう、後は任せます。もちろん適宜口ははさみますが。

日本だと、ゴールドマンサックスとかマッキンゼーのような外資系が、
東大などのいわゆるトップ大学の中で、さらに優秀な人たちをかっさらっています。
そして、その優秀な人たちの力を存分に引き出すことで、企業としてさらに伸びていますよね。

僕は、それと同じことを、フィリピンでやりたいんですよ。

・・・以上が、これまで僕が外部に向けて言ってきたことである。

だが、上記のやり方で、実は二つ欠点がある。

1) ある分野(例:トレーナー)では、講師の能力=トレーナーの能力、なので、上記のやり方がうまく働く。一方、そうじゃない分野もある(例:プログラマとしての能力と、講師としての能力は、ほぼ相関がない)

2) 外部プレッシャーがないので、真面目なスタッフであっても、マイペース・自己満足になりやすい。(判断材料がない)

1)に関しては、現在講師を母集団としてできているようなことを、講師以外を母集団として集めきれるようにならないとだめだと感じた。 そして、このプロセスをやるのは結構大変なので、専門の人事をおくことにした。

2)に関しては、スタッフの業績評価の仕組みが必要なのだと思った。
例えば、新規講師トレーニングだったら、施策実行前と実行後で、新規講師たちのレッスン評価スコアの平均を比べる、とか。
僕自身が頑張ればできる範囲だが、僕が頑張るべき場所は他にあるので、これも新しく人を雇うことにした。

1)の人には、昨日会って返事待ち。

2)の人は、今日会ってOKの返事がもらえた。
ロジカルさが命だよなと思って、数学科の子を説得していたのだが、
今日雑談していて、「卒業時にCum Laude」と言っていた。
「Cum Laudeって何よ?」 と聞き返したところ、
自分のMajorの中で、3番目に優秀な成績の人がもらえる賞なんですよ、とのこと。

おおお
フィリピンのトップ大学の、
しかも数学科(=理系的に頭がひたすらいい奴だけが集まる)で、
3番目の成績!

そこまで優秀である必要があるのか? なんて内心思ったが、
とにかく今は、いい人材を集めるのにひたすら貪欲になっている。

「そんなに社内にポジションあるのかよ?」と思ったりするし、
鶏肉を切るポジションのために、牛刀クラスの人材を探しているな、
という感触はあるが、
一緒に働くのは、絶対に優秀な人の方がいい。

成長の痛み: 仕組みづくり

ベンチャーは、売上を10倍、100倍にしていく存在。
従って、単純にいえば従業員数も、10倍、100倍となっていく。

規模が大きくなる中で、混乱せずに、いかに品質を保ったままサービスを提供できるか。
つまり、規模が小さい時は個人の能力、つまり属人的な部分に頼っていた能力を、
いかに組織としての業務遂行に変えていくか。

ひとことでいえば、仕組化ができるかどうかが、ベンチャーの成長期では大きく問われる。
仕組化というとややこしいけれど、

・今まで自分がやっていた仕事で、自分なしで勝手に業務が回っていく仕組みをつくれるか

ということ。

これが失敗すると、社内が混乱し、成長の痛みにさいなまれる。

で、仕組化について色々考えていたんだけれども、いい本に出会った。

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小飼弾の 「仕組み」進化論
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"本当の"20%ルールとは、既存の仕組みを回す仕事を勤務時間の20%で終わらせ、80%を新しい仕組み作りに当てるというものです。

あらゆる仕組みは、「テコ」と「奴隷」でできている。・・・ここで言う奴隷とは自分以外の力を他から借りてくること、すなわち「他力」と言い換えてもよいでしょう。

こうして作った仕組み自体は、マニュアルとして必ず記録しておきましょう。保存の仕方はどのような形態でもよいのですが、「だれでもあとから必ず参照できること」という条件を守ってください。

データセンターの運用保守のように仕組みを動かし続ける仕事においては、平常時は力をセーブして仕事ができるようにしておきます。大事故が起こったら全員に全力をだしてもらわないといけませんから、いざというときに備えて、普段は十分な余力を持って仕事を回せるようにする必要があります。

仕組みの安全性を高めるために、ここまでなら大丈夫という点を探し、「わざと壊れる」部分をつくっておくのです。たとえば、あらかじめ規定したインプット以外のものがやってきたときは、それを処理しようとするのではなく、その仕組み自体をシャットダウンさせ、あとにつながる仕組みに影響を与えないようにします。「わざと壊れる」仕組みの代表例としては、一定以上の電流が流れてきたときに、本体の回路を守るヒューズやブレーカーが挙げられます。

仕組みには適切なラベルをつける ・・・ 「何も考えなくても、正解にたどり着く」仕組みというのも必要になってきます。安全のために仕組みの中に盛り込んでおきたい習慣としては、ラベリングがあります。・・・そして、ラベルが常に正しい内容を表すようにチェックすることも必要です。作業が完了したのにもかかわらず、「作業中」というラベルが貼られたままでは、ミスが起こりかねません。・・・「ネジ穴にはネジしか入らないようにする」・・・インプットに合わせてインターフェイスの形をかえ、間違えようのない仕組みをつくるというやり方が望ましいのでしょう。

記録をする際に重要なのは、成功した仕組みだけでなく、失敗も含めて開発記録を全て残すということです。ノートを取るなら、決して消しゴムを使わない。二重線を引いて、間違えたという事実もきちんと記録しておきましょう。そうしておけば、いつどのように間違ったのかがわかり、後のトラブル対応に役立ったり、別の仕組みをつくるときの参考になります。

仕掛品をたくさんつくり、最後の1ピースを待つ
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上記のように、仕組みをつくる上でのTipsがたくさん載っている。

例えば、僕はファイル名の付け方にかなりこだわるんだけれども、
なぜそうなのかを説明できなかった。
でも、この本があれば、上のロジックを伝えればよいので、とても楽。

さっそく社内でシェアしようと思う。