成長の痛み: 仕組みづくり | フィリピンで働くシリアル・アントレプレナーの日記

成長の痛み: 仕組みづくり

ベンチャーは、売上を10倍、100倍にしていく存在。
従って、単純にいえば従業員数も、10倍、100倍となっていく。

規模が大きくなる中で、混乱せずに、いかに品質を保ったままサービスを提供できるか。
つまり、規模が小さい時は個人の能力、つまり属人的な部分に頼っていた能力を、
いかに組織としての業務遂行に変えていくか。

ひとことでいえば、仕組化ができるかどうかが、ベンチャーの成長期では大きく問われる。
仕組化というとややこしいけれど、

・今まで自分がやっていた仕事で、自分なしで勝手に業務が回っていく仕組みをつくれるか

ということ。

これが失敗すると、社内が混乱し、成長の痛みにさいなまれる。

で、仕組化について色々考えていたんだけれども、いい本に出会った。

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小飼弾の 「仕組み」進化論
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"本当の"20%ルールとは、既存の仕組みを回す仕事を勤務時間の20%で終わらせ、80%を新しい仕組み作りに当てるというものです。

あらゆる仕組みは、「テコ」と「奴隷」でできている。・・・ここで言う奴隷とは自分以外の力を他から借りてくること、すなわち「他力」と言い換えてもよいでしょう。

こうして作った仕組み自体は、マニュアルとして必ず記録しておきましょう。保存の仕方はどのような形態でもよいのですが、「だれでもあとから必ず参照できること」という条件を守ってください。

データセンターの運用保守のように仕組みを動かし続ける仕事においては、平常時は力をセーブして仕事ができるようにしておきます。大事故が起こったら全員に全力をだしてもらわないといけませんから、いざというときに備えて、普段は十分な余力を持って仕事を回せるようにする必要があります。

仕組みの安全性を高めるために、ここまでなら大丈夫という点を探し、「わざと壊れる」部分をつくっておくのです。たとえば、あらかじめ規定したインプット以外のものがやってきたときは、それを処理しようとするのではなく、その仕組み自体をシャットダウンさせ、あとにつながる仕組みに影響を与えないようにします。「わざと壊れる」仕組みの代表例としては、一定以上の電流が流れてきたときに、本体の回路を守るヒューズやブレーカーが挙げられます。

仕組みには適切なラベルをつける ・・・ 「何も考えなくても、正解にたどり着く」仕組みというのも必要になってきます。安全のために仕組みの中に盛り込んでおきたい習慣としては、ラベリングがあります。・・・そして、ラベルが常に正しい内容を表すようにチェックすることも必要です。作業が完了したのにもかかわらず、「作業中」というラベルが貼られたままでは、ミスが起こりかねません。・・・「ネジ穴にはネジしか入らないようにする」・・・インプットに合わせてインターフェイスの形をかえ、間違えようのない仕組みをつくるというやり方が望ましいのでしょう。

記録をする際に重要なのは、成功した仕組みだけでなく、失敗も含めて開発記録を全て残すということです。ノートを取るなら、決して消しゴムを使わない。二重線を引いて、間違えたという事実もきちんと記録しておきましょう。そうしておけば、いつどのように間違ったのかがわかり、後のトラブル対応に役立ったり、別の仕組みをつくるときの参考になります。

仕掛品をたくさんつくり、最後の1ピースを待つ
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上記のように、仕組みをつくる上でのTipsがたくさん載っている。

例えば、僕はファイル名の付け方にかなりこだわるんだけれども、
なぜそうなのかを説明できなかった。
でも、この本があれば、上のロジックを伝えればよいので、とても楽。

さっそく社内でシェアしようと思う。