Outside of the comfort zone | フィリピンで働くシリアル・アントレプレナーの日記

Outside of the comfort zone

今日、フィリピンで会社をやっていらっしゃるある社長の方とお話しさせていただく機会があった。
もう10年以上もこちらにいらっしゃる方なので、
フィリピン人に対する造詣が深く、たいへん勉強になった。

その中で、
「なぜフィリピン人は、上司の言うことが絶対で、単純に従う傾向があるのだろうか?」
つまり、
「なぜフィリピン人は、やり方が明確になっていない仕事、
例えばルーティンタスクではなく、ゼロから何かを作り上げていく仕事に、
拒否反応を示す人が多いのだろうか?」 
という話になった。

その方は、
「やっぱり教育システムの問題では?」
「こちらの大学では、先生や教授の言うことに単純に従うことが評価される傾向があるんじゃないのかな?」
「たとえば日本の小学校の夏休みの自由研究、これはすごい。自由に研究させて、でも夏休みの終わりまでっていう締め切りが決まっていて、それで何らかの形に仕上げる。 実社会のためのすごいいい練習になっている」
「フィリピンにはそういうの、ないんじゃないかな?」
とおっしゃられた。

なるほどー と思い、帰ってフィリピン側経営パートナーに同じ質問をぶつけてみた。
彼女は、そういった教育環境もあるが、伝統的な家庭環境も原因だと言った。

「たとえばフィリピンでは、家長(多くの場合母親)の言うことが絶対。AといえばA。本人がエンジニアになりたくても、Nurse courseに行けと言われたらNurse courseに行く。家族はそのように行動することが期待されている」
「で、それは、もちろん自由にできないわけだから、不満が発生することもあるんだけれど、でも楽なんだよね。言われたことやればいいから、Comfortなの。」
「だから、自由にやってくれ、と言われた時に、戸惑う。Out of the comfort zoneに行かなければいけなくなるから、だから拒否反応を示す人が多いんだよね」

Out of the comfort zoneってのは、いい言葉だなーと聞いていて思った。
僕がこっちで体験したことをまさに物語る言葉。

で、まぁどういう背景があったにせよ、会社としては、そこから出てもらわないと困る。
僕は出てもらうのをリードする立場だから、しっかり取り組んでいこうと思う。