フィリピンで働くシリアル・アントレプレナーの日記 -43ページ目

2009年を振り返る

この1年間で、レアジョブは大きく成長した。
そして当然、成長は痛みを伴う。

成長の痛みの例として、経営者である僕は、仕事面で大きなスキル転換が迫られた
・初めて本格的に、正社員の部下を持った
・初めて本格的に、外国人で女性の部下のマネジメントをしなければならなくなった
・組織が拡大し、ミドルマネジメントを育成しなければならなくなった
・複数事業をマネジメントすることになった

この中で学んだのは、経営者としては、次の二つが重要だということだ。
1) 情熱・コミットメント。成功するまでやり通せるかどうか。
2) 自分にできないことは何かを正確に知り、対処する



1) 何よりも大事なのは情熱・コミットメント

組織が成長すると同時に、次から次へと新しい状況が出現する。
新しい状況に対応するためには、新しいスキルをどんどん習得する必要がある。
ときには自分がやりたくないこと・不得手なことを、
ずっとやり続けなければならないが、
それができるかどうかは、やりとおせるだけの情熱、やる気、コミットメントがあるかどうか。

経験なんて、ほとんど役に立たない。
スキルなんて、必要になってから身につければいい。
頭の良さなんて、頭が良いやつの知恵を借りればよい。

一番大事なのは、死ぬ気になって、必要なものを得ようと努力し続けられるか。
情熱・コミットメントがあるかどうか。

だから、できるやつは、不利な条件でもできるし、
できないやつは、できない言い訳を探してきて、結局いつまでたってもできない。

ほんと、それだけだと思う。



2) 自分にできないことは何かを正確に知り、対処する

さっきのは、必要だと思ったらとことんやる、ということ。
これは、自分の限界を正確に理解しておきましょう、ということ。

例えば・・・

・僕は、フィリピン側フルタイムスタッフたちの仕事の進捗を、いちいち管理できない。だから、取り組む課題を明確化し、課題の取り組み方(=Trial & Error)を示して、あとは任せる

・僕は、面接で人を見抜くなんてことはできない。だから極力、面接に頼らないで自然によい人が集まる仕組をつくろうと思う (例:このブログとか)

・僕は、取り組んだ施策を数字で評価することにあまりコミットできない。だから、日本側パートナーにそこをやってもらう

・僕は、計画性があるタイプではない。だから、最適なタイミングで誰かに連絡するとかはできない。だから、思いついた瞬間に誰かに連絡を入れ、「あとはよろしく」とあらかじめ言っておけるようにする。

・企画のほとんどは、当たらない。僕が出す企画もそう。だから、事前に人々の批判にさらし、やらないものを見極めようと思うし、施策として現場に投入するときも、フィードバックが得られるのに最低限必要なサイズにおさえて施策として実行する

自分にできないことを正確に理解すれば、経営者としてベストな行動がとりやすくなる。
この2009年は、組織が拡大するとともに、自分が驚くほど謙虚になった年でもあった。



しかし、この2009年、僕の人生にとって、非常に大きな転換点となった。
おいおい書いていこうと思うが、仕事のためにプライベートも大きく犠牲になった。
「なんのために頑張ってきたんだろう」「何で僕だけが・・・」と、
布団の中で一人泣く夜もあった。
だが、あの困難な状況の中でも、冷静に判断し、ベストな行動がとれた。

どんな才能を持って生まれ、どんな環境で育ち、どんな人・チャンスと出会い・・・
人によって置かれた状況は全然違う。
だから、人生のよしあしは、結果じゃないと思う。
与えられた条件の中で、いかにベストを尽くせたかだと思う。
Good loserになることは、Good winnerになることよりもはるかに難しい。

この2009年、よくぞ生き抜いたと、僕は自分をほめてあげたい。
2010年は、どんな年になるのだろう。 今から楽しみだ。

忘年会

先週だったが、忘年会をやった。

去年の忘年会は7人。
今年は20人強。

会社が成長しているのと同時に、
ただ単に、忘年会そのものが非常に盛り上がり、楽しかった。

何であんなに盛り上がったのかと思うと、きっかけは若い力、インターンたちだったと思う。

僕が強く強制したわけではないが、彼らが身体を張った芸を見せてくれた。

戦略コンサル辞めて起業している日記-091225Year-end1
戦略コンサル辞めて起業している日記-091225Year-end2


彼らが、場を思いっきり温めてくれて、それがあの盛り上がりにつながった。

ありがたい。

で、なんで彼らがこうやって自主的にやってくれたのかというと、
体を張ることを教えてくれた社員Mさん
そういう芸を引き出すことのうまい、リクルート出身のSさん/Hさん、
いつも盛り上げ役のMさん、Sさん、
他にも社員、アルバイト、インターン、
こういった一人一人の力が、会社の雰囲気を少しずつつくりだしていっているのだと思う。

会社というのは、みんなでつくりあげているんだなぁ、
と思うと同時に、
正社員だけでなく、インターンだけでなく、バイトの人たちも含め、こんなに優秀な人たちと働けて、僕は幸せだなぁ
そう思った。

いい会社だなぁ、と思う。 本当に楽しかった。


企画

おとといは企画を1本仕上げて、
昨日は企画を2本書いて、
今日は企画のネタを5つ思いついた。

楽しいなぁ。

経営者としての仕事も一段落して、最近、企画をモリモリ書いている。

20個くらいアイデア考えて、
10個他人に意見聞いてみて、
4個ディティールつくりこんでみて、
実際に投入するのは2個くらい。

現場仕事大好き。

「イングリッシュオンライン EOL」の生徒様を救済・受け入れへ

下記、批判は覚悟ではありますが、一歩踏み込むことにしました。


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株式会社レアジョブ  2009年12月25日

今年12月になり、英会話サービス「イングリッシュオンライン EOL」がレッスンの提供を停止いたしました。
また、12月25日13時15分現在、ウェブサイトにアクセスできません。
http://www.e-o-l.net/
また以前表示されていた電話番号も転送・留守番電話となりつながらない状況です。

(中略)

業界のリーダーとして、今回の事態を鑑みますに、旧NOVAの破綻と同様、多大な信用不安を引き起こす可能性があります。 返金など情報が錯綜し、いまだ事態は流動的ではございますが、オンライン英会話業界全体の風評被害を防ぎ、 少しでも多くの生徒様に安価で良質なレッスンを供給できればと考えております。
このため、今回他社サービスの生徒様ではありますが、一刻も早い救済措置が必要と判断しました。

現在上記サービス「EOL」をご利用中で、受講料を支払っていながら、受講が困難になっている生徒様であることを条件に、 3ヶ月間レアジョブのサービスを実質半額でご提供いたします。

(略)
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詳細はこちらをご覧ください
http://www.rarejob.com/release/091225.php

途上国ならでは起こりうる悲しみ・苦しみを、彼らの目線から受け止める

今日、フィリピン側のあるスタッフとミーティングしていて、長々2時間くらい話した。

今日はそのスタッフの時間の使い方について議論をした。
 ・業務Aにもっと時間を割くにはどうしたらいいか
 ・業務Aの時間内での効率を上げるにはどうしたらいいか

ただ、何かがいつもと違う。
なんかいつもと違って反応が鈍いんだよなぁ・・・
と、議論のかみ合わなさに多少イラつきながらも、何とか結論をまとめた。

・・・と思ったら、「やっぱりこの結論は嫌だ」 と言ってくる。

勘弁してくれよ、てか、何かおかしい、何か隠しているよね、
と、色々問い詰めると、

「実は、Kato-san、この9月から実は・・・」

ナルホド・・・

ようやく、全ての謎が解けた。
ずっと隠していたことがあったから、だから反応がイマイチ鈍かったのか。。。

隠されていたことに腹が立ったのと、
それを9月から全然見ぬけていなかったのが悔しかったのと、
ひとり勝手に推測を立てて、それをもとに議論を進めていた自分が馬鹿のように思えたのと、
彼女が何を考えて仕事を進めてきたか (そしてそれにも関わらずに自分は何を言ったのか)を思って、
なんだか涙が出てきた。

数ヶ月前と経験したのと、 非常によく状況が似ている。

とりあえず、サマンサタバタ社長の法則 に従った。
「仕事ができる女性に対しては、できるだけ『仕事をするな』とアドバイスします。

その後のミーティングは、いつも通りかみ合って最速で進んだ。
やっぱり大本でわかりあっていないと、物事は全然前に進まない。


「外国人と信頼関係を築け、一緒に泣き、笑えるようになる」ことが、
「世界を変えるような仕事」をするためには必要

ということを、採用ページに書いたけれど、
途上国でそれを実践する場合は、
途上国ならでは起こりうる悲しみ・苦しみを、
共有する、彼らの目線から受け止めるってことなんだと思う。

Lantern Parade

フィリピン大学で行われているLantern Paradeをちょっと見に行った。

思ったよりけっこう気合いが入っている。

戦略コンサル辞めて起業している日記-091217Lantern07

これらはみな、フィリピン大学生の手作りなのだという。



戦略コンサル辞めて起業している日記-091217Lantern06 こちらは インド系?
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こちらは中国系のアソシエーションだという。
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こちらは日本のねぶたを模したもの。マンガ研究会かもしれないとのこと。
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サボテンがいました。
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マニーパッキャオもいました。
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しかし、一番印象に残ったのは、人! 人! 人! なんて人の多いこと!


戦略コンサル辞めて起業している日記-091217Lantern09 戦略コンサル辞めて起業している日記-091217Lantern08





英語はやはり継続が大事

先日TOEIC企画を実施した。
その途中経過を分析していて、面白い傾向が見えた。

・勉強するペースを変えずに、コツコツと継続してレッスンを受けることが、TOEICの点を伸ばす秘訣である
・何の教材でレッスンを受けるかや、1日当たりどのくらいの時間のレッスンを受けるかは、あまり重要ではない



【比較対象】
・レアジョブ開始から60日以上たってからTOEICを受験した生徒様たちで、前回の受験から点数が大きく上がったグループと、そうでないグループを比較(それぞれn=15)

【グループ間で大きな違いがあったもの】
・大きく上がったグループの受講頻度は、そうでないグループよりも3割高かった。(途中で受講プランを変更した場合は、受講期間が最長のプランの受講頻度を用いた)
・「毎日25分」→「週末25分」など、受講プラン変更をした人の割合は、大きく上がったグループは4割だが、そうでないグループは8割だった。

【グループ間で大きな違いがなかったもの】
・とっている受講プランに特に違いはなかった。 (毎日25分か毎日50分か、週末プランか毎日プランか、など)
・使用した教材についても、特に大きな違いはなかった (Free conversation、Article reading、Side by Side、RareJob grammar、RareJob Free conversation、RareJob TOEFL material、など)(ただし、各教材の使用頻度は加味しておらず、ここに違いがある可能性はある)



n=15での比較なので、厳密には統計的には有意ではないが、恐らく大きくは間違っていないと思う。

英語に関しては、
・何を勉強するか(=効率性)

よりも、
・ペースを崩さずコツコツ継続できるか(=継続性)
の方が重要、
ということが改めて証明された形。



理論的に英語教育を研究している方はたくさんいらっしゃるが、
実証データを大規模に持っているのはレアジョブの強み。

日本人の英語力を伸ばすのに最適な道を、科学的に極めたいと思う。

インターン、フィリピン行きました

忙しくて全くブログがかけていないのだが、講師たちとのGatheringを4都市で開催。
そしてインターンたちを今年は4人連れて行った。 (昨年は2人

戦略コンサル辞めて起業している日記-091217_Tutor_Party



で、無事彼らは日本に帰ってきたのだけれど、その彼らのフィリピン体験記。



・一番印象に残ったことは何か

特に印象に残ったことが二つある。一つはフィリピンとういう国がとても貧しいということ。もう一つは講師にとってのレアジョブが持つ意味がどれだけ大きいかということ。
偶然にもアメリカの大学で知り合ったフィリピン人の友人は皆とても裕福な家庭で育った人たちだった。そのため、フィリピンがどれだけ貧しいかを想像できずにいた。しかし実際現地に行くことでフィリピンとうい国の貧しさを自分の目で見ることができた。首都のマニラ市内でさえいたるところに乞食がいて、道路もまともに整備されていなかった。
そんな環境にいる講師にとって、雇用であるレアジョブが大切であることは当たり前であるが、それ以上の意味があるように思えた。あるパーティーでの”What do you like about rarejob?”という問いに対しての答えがもっともそれを表していたうように思う。「給料がいいところ」、「働きやすい時間帯」という答えとともに、「生徒と話しているとリラックスできるところ」、「生徒を通して新しいことを学べるところ」、「都市を超えて国を越えて人とつながれるところ」などの答えがあった。それを聞いたときにレアジョブが雇用以上のものをフィリピンにもたらしていることを感じた。日本でインターンシップをしている時には、日本人のユーザーのことを常に考えているため、日本外でのレアジョブの影響は想像しにくい。今回それを見ることができたのがとてもいい経験だったと思う。


・何か将来のためになるような経験になったか

上の質問への答えと関連しているところはあるのだが、海外と日本をつなぐビジネスを見れたのがとてもいい経験になった。自分は将来語学力(特に英語)を使って働いていきたいと思う。しかし、それがどのようなビジネスをもってかはしっかりと分かっていない。(建築や都市計画に携わっていきたいとは考えているが、具体的にどのようにかが分かっていない。。)そんな自分にとって海外ビジネスの原型を今回見ることができ、またそのビジネスがその国に与える影響を見ることができたのは大変貴重な経験になったと思う。





・向うで何をやったか

今回のフィリピンインターンの主な目的は、加藤さんからも言われた通り、「現 地スタッフとの交流の中で、彼らにレアジョブに貢献してきてくれたことへの感謝の気持ちを伝えるような、おもてなしをすること」だったと思う。パーティー でインターン4人で出し物をすることがもっとも目立った活動ではあったが、オフィスやランチで世間話をすることも、レアジョブスタッフ間の交流という意味 や個人レベルでの異文化交流という意味で、重要なものだったと思う。デモレッスンのレコーディングはおまけみたいな物だった。笑



・一番印象に残ったことは何か

 一番印象に残ったこと、というより身についたものは、「レアジョブの事業を捉える時に、現地スタッフや講師の視点を組み込む事が出来る様になった」ことでしょうか。
  僕は、とにかく滞在中になるべく多くの講師と話をしようと決め、パーティーで席を席を回って声をかけたりと積極的に絡んでいたつもりです。講師の生の声を 聞く中で、日本のオフィスで働いているだけでは見えにくかった、フィリピンスタッフ目線のレアジョブや、講師目線のレアジョブというものが少し見えやすく なったと思います。
  例えば、「レアジョブは働くのに場所を制限されないし、時間もフレキシブルに調整しやすいから好き」という講師の声が多く聞かれたのは、「フリーランスを 振興させて、地理的・時間的制限のために埋もれてしまっている世界中の才能を発掘する」というレアジョブの理念に共感してくれているんだと実感する契機に なりました。
  また、「自分は講師ではあるけれど、日本の生徒さんとの会話の中で文化の違いなど、学ぶことが出来るから楽しい。」という声もあり、特に日本びいきの多い フィリピン人の中にはかなり日本に興味を持っている人もいるはずなので、レベルは小さいが日本―フィリピン間の異文化交流の場を提供しているという意味で も、社会へ貢献しているのかもしれないとも思いました。
 以上のように、僕は彼等から、何を考えてレアジョブで働い ているのかを学ばせてもらいました。では、僕が彼らに何を出来たというと、おそらく彼らが僕に教えてくれたことと同じようなことで、「日本のオフィスで働 いている人間がどんなやつなのか知ってもらう」ことだと思います(インターンが東京のスタッフを代表するのあつかましいのはご勘弁を)。今回のインターン における加藤さんからの指令は、「現地スタッフと講師の接待をすること」でした。僕はインターンが接待をすることには特別な意図があったと解釈していま す。つまり、加藤さんや岳さんは立場上、講師と友達程なれなれしい関係になってはいけないけれど、インターンの僕達であれば年齢や立場の違いもほとんど無 いために、一対一の友達としての関係を築きやすい。なので、大げさに言えば、「僕らインターンと仲良くなってもらうことで、レアジョブにより親近感を抱い てもらい、仕事のモチベーションを上げさせる。」という目的があったのではないかと僕は思っていました。人間が働く上で、契約関係はもちろん不可欠である けれど、雇用主や同僚との心理的関係はモチベーションに大きく関わってくるものです。特に異国籍のスタッフ間の理解は、同国籍間のスタッフ同士の理解より 難しく時間がかかるので、力を入れて促進させるべきものだと思います。そういう観点からは、あのパラパラダンスはアイスブレイク的な役割ぐらい果たしたん じゃないかと思っていますし、そしてもし、今回出会ったフィリピン人達が「共に働く仲間としての意識」を共有していてくれたら嬉しい限りです。



・何か将来のためになるような経験になったか

 僕は、アメリカ留学の経験があり、あまり異文化の中に入り込むことに対して抵抗感はなかったので、比較的すんなりとフィリピン人たちとの仲良くなれたかと思う。
 ただ2、3時間のパーティーという限られた時間の中で、自己紹介や世間話を通して自分がどういう人間かを英語で効率良く伝えるための能力は鍛えられた。 もちろんより英語力を磨かないといけないと感じたが、今回の滞在で特に思ったのは「自分が楽しそうにしている(例えば出し物の時など)のを見せること」 が、相手の心を開くために一番大切ということ。日本人が不得手とするはっきりとした感情表現だけれども、verbal communicationがあまり円滑になされない今回のような状況では、不可欠な要素であるはず。




残り二人のは提出まちです。

(インターンの応募はこちら です)

複数事業を統括する、ということ

起業してから、四苦八苦しながら、
事業を立ち上げるにはどうしたらいいか、
立ち上げた事業を回していくにはどうしたらいいか、
学んできた。

そのなかで、わかったことが2点ある。

・勝ちパターンが異なるものは、違う事業だと考えなければならない。
 たとえば、BtoCのオンライン英会話と、
 BtoBのオンライン英会話は、当然のことながら勝ちパターンが全く異なる。

・たとえ正社員数が全く同じ会社であっても、
 単一事業のマネジメントをしなければならない場合と、
 複数事業のマネジメントをしなければならない場合は、
 まったく違うスキルが必要とされる

どういうことかというと、
単一事業のマネジメントならば、自分自身で事業を伸ばせばいい。
けれど、複数事業になると、
他人に事業を伸ばしてもらうことをEnsureする力が必要になる。

事業を立ち上げ、育てていくのは、次のような仮説検証プロセスからなる。
・仮説を設定する
・仮説を確かめるために、迅速に作業を実施する
・作業の結果を検証して、仮説が正しかったか確かめる
・次の仮説をうみ、それを確かめるために作業を実施する・・・

ベンチャーなど事業立ち上げというのは、
資金またはやる気が尽きる前に勝ちパターンを発見できるよう、
仮説検証を高速で回していく、というゲームなのだと思う。

事業を立ち上げられる能力があるかどうかは、次の4点にかかっている。
1) 確度の高い仮説を立てられるか
2) 仮説検証を高速で回せるか(迅速に作業を進める、など)
3) やる気が続くよう、自分やチームのモチベーション管理(=目標設定)ができるか
4) 資金が続くよう、キャッシュアウトは極力抑えつつ、黒転までの期間を短縮する投資は断行できるか

ただこれらの4点は、自分で事業を立ち上げる場合のもの。
他人に事業を伸ばしてもらう場合は、次のようなスキルに変換される。

1) 事業の責任者を仮説志向にさせられるか。うまく仮説設定できるようイシューを具体化できるか
2) 仮説検証の点で効率の悪い作業がないかどうか、チェックできるか
3) 自身やチームのモチベーション管理(=目標設定)を重要視させ、必要に応じサポートできるか
4) 節約意識を徹底させながら、費用対効果の高い投資は行う勇気を、持ってもらえるようにできるか

・・・とここまで書いていて、
「ああ、これは、うちの株主VCのグローバルブレインさんが、
 週1のミーティングでうちに対してやっていることと、一緒なんだな」
と気付いた。

複数事業のマネジメントとは、
自社の、他の人が事業責任者の事業に対して、
ハンズオンのVC的行動をとることと非常に似ているんだと思う。

このように、単一事業か複数事業かによって、要求されているスキルが全く異なる。

今年は、このようなスキルギャップがあることに全く気付かず経営を進めた結果、
大きな損失も出したし、フルタイムスタッフを含む関係者にも大きな迷惑をかけた。

今は色々な経営書を読んで、そのへんを勉強しながら、
もっとうまく経営できるようにと頑張っている。

J-Castニュース様でご紹介いただきました

J-Castニュース様でご紹介いただきました。
今回は大きく取材を受けたわけではないのですが、
記事の中立性担保のために、業界トップだと載せてもらえる傾向が強く、ありがたい限りです。