私がアメリカで初めて働いた会社である リサイクルな給与明細 の会社。
働いているのは新移民ばかりだった。
待遇が悪くても他に行き場のない人たち。
誰かがやめても、喉から手がでるほどこの仕事が欲しい移民は他にいくらでもいるから、会社は待遇を良くする必要もない。
新移民がいきなり正社員の職に就くというのは、本当に難しいのだよ。
自国でどんなに知識と経験があろうとほとんど考慮してもらえないし。
(ただしプログラマーとかのIT系は、プログラミング言語が世界共通なのでどこの国の経験でも役に立つという話を聞きます)
国によって資格も法律も仕事の進め方も違うので、当たり前といえば当たり前なんだけどね・・・。
極端な例ではあるけど、自国で医者だった人がアメリカではタクシードライバー、な〜んていう話は珍しくもなんともない話。
自国で医者ならその一家はその国では相当な富裕層だし知識も教養もあるわけで、それを捨ててアメリカに来るということは、母国が戦地だからとかの理由で命と引き換えに移住決意をした人たちなので、日本や先進国からの移民とは全く違うけどね。
そこそこの先進国の出身で、自国で難しい資格を持っていたり高給取りだった人は、アメリカで最初に就ける仕事のギャップに苦しむパターンが多いかも。
アメリカで教育を受けたアメリカ人でも新卒で就ける仕事がほとんどないのが今のアメリカ。
親族のコネがない限り、アメリカ人でも学生のうちに無給インターンで奉仕して卒業後に雇ってもらう先を確保しておくか、自力でコネを作っておくのが普通。
そんな就職市場に、英語も不完全な経験の無い新移民が入り込む余地は無いの。
親族や学生時代のコネを持たない移民は、肉体労働やシフトで働くサービス業の仕事に非正規からスタートするパターンが多い。
シフト勤務は不規則勤務で肉体的にしんどかったりするし、休日も思うようにとれないので、多くの人はできれば月〜金の9〜5時勤務がいいわけです。
私が勤めてた会社が、法律スレスレ最低ラインの安月給だったにもかかわらず従業員の確保に不自由しなかったのは、それが理由だと思う。
曲がりなりにも平日9時〜5時が勤務時間の会社だったから。
そこをやめたら、英語がイマイチな新移民が平日9〜5時勤務の仕事を正社員で再び見つけられる可能性は低い。
だから、嫌だからとか合わないとか納得いかないとかの曖昧な理由で辞める人は少なかった。
辞める人は基本的に、次の転職先を確保できた人だけ。
みんな常に脱出に機会は狙っていたので離職率はそれでも高かったけど、仕事の選択肢が少ない中で自力で食べていかなければいけない大人の移民がクビになるわけには行かず、だから勤務時間中にサボってる人はいなかったかな。
私はと言うと、この最初の会社に入る前は「このポジションに必要な経験は十分ありそうだけど、何せアメリカの経験がないから」と言うところでつまづいてた感じだった。
だけど一旦入ってしまえば「アメリカでの経験ありグループ」に入れたので、半年経たずに転職できましたサクラサク
でも、半年以下の経験なんてあってないレベル。
現地での経験有無ってのは、すんごい重要視されるくせに内容は伴ってないじゃん!と思うけど。
企業が求めたのは、現地で働いたことがあるという書類上の事実だけだったわけだね。
これって日本でよくあるパターンだど、「応募必須資格に大卒以上ってなってるけど、大学で勉強した知識が必要なわけでもなく、この仕事をする上で大卒である必要はゼロだね?」っていうのと似てるのかな。
なんか理不尽だな〜。
でもたとえ理不尽であっても、こういうことってどこの国でもいくらでもあるよね。
長くなったので続く。