超自己満足的自己表現 -461ページ目

自作小説の挿絵~狂気の親王 康仁帝

康仁幼少 またまた自作小説の挿絵キャラのご紹介です。

今回は私の小説の中で異色のキャラであり超わがまま、独占欲の強い親王です。


名前は雅和帝二の宮康仁親王。母は醍醐源氏出身の皇后源綾乃。雅和帝のご寵愛を一身に受けた皇后唯一の子供なのです。雅和帝の東宮時代、摂関家出身の女御との間に康仁親王の兄がいたのですが、産後まもなく母子ともどもこの世を去ったからか、雅和帝即位の際に東宮についた。もともと体は強くなかったので、養育先の村上源氏(母君の皇后は源氏長者の村上源氏の養女となり入内しました。)でたいそう過保護に育てられ、そのせいか、超わがままに育ちます。


一時帝の意向により、後宮内で養育され、母君と一緒に暮らし幸せに過ごすのですが、10歳のときに最愛の母君を病でなくし、それ以来東宮御所で寂しい東宮生活を過ごす。持病の喘息から様々な病気になり、寝込みがちになる。摂関家中宮腹の弟宮の四の宮が康仁に代わって東宮に立つという噂が絶えなかったが、帝の意向で大和からやってきた元大和国少目兼国医師見習いの和気泰明が東宮付医師となり、典薬寮のものが治せなかった康仁の病を癒す。もちろん持病も改善させるのである。このとき初めて父帝の側室大和女御源彩子に出会う。この大和女御は母君の生き写しで、姿形どころか、声までそっくりなのに驚き、恋心を抱く。康仁の初恋となる。


元服の際、康仁は父帝に「大和女御を譲っていただきたい。」と願うも、父帝のご寵愛を一身に受けている女御であるため、断られるも諦めが付かず、父帝から大和女御を奪う機会を狙っていた。


康仁18歳の時に摂関家の姫君と、父帝の異父妹、そして母君の異母妹、醍醐源氏である右大臣の姫君安子と結婚する。安子も母君とよく似た姫君であったので、寵愛したが、和気泰明の助言で血が濃すぎて子供には恵まれないと言われショックを受ける。だからといって好きではない摂関家の東宮女御とはその気にはなれず、ふといい事を思いつく。

康仁 青年
ちょうど以前から慕っていた大和女御が、母君の代わりとして摂関家の東宮女御に通うように助言しに東宮御所に来たことをいい事に、大和女御に暴行をし、懐妊させてしまう。もちろん計画通りに事が運び、喜んだのは言うまでもないが、父帝に叱責されるも、自分のものにもならないことに苛立つ。大和女御は皇子を産んだが、その皇子は東宮のことして認められず、康仁の弟宮とされる。そして父帝が譲位の際にはこの宮を東宮にたてるように命令される。


父帝は譲位し、即位する。やっと大和女御を自分のものに出来ると思ったが、父院は大和女御彩子を臣下である、典薬寮侍医和気泰明に与えてしまう。そのことに苛立つ康仁帝は和気泰明に毎日のように嫌味を言う。和気泰明と彩子の婚儀の夜も最中に呼び出したりする。数ヵ月後、慕い続ける彩子が和気泰明の子を懐妊し、さらに苛立つが、父院に和気家のことで叱責を受け平静さを演じる。


和気泰明に嫡男が生まれ、和気泰明の伯父で典薬頭そして和気家当主が病で亡くなると、和気家の当主となった和気泰明に和気家一門、そして彩子の実家である大和守の繁栄を約束し、彩子を和気泰明から奪い、東宮生母として皇后入内をさせる。もちろん和気泰明が断れないことを知っての行動である。康仁帝は皇后を承香殿に閉じ込め父院や和気泰明に関する物をすべて捨てさせ、すべて自分が決めたもののみを皇后に与える。入内後すぐに懐妊しない皇后を責め、何とか皇后は数ヵ月後、懐妊し二の宮を生むが、姫宮が欲しかったと皇后を責める。


独占欲が強く、群臣に対しても自分の思い通りにならないとすまないこの康仁帝に父院をはじめ、すべての群臣が退位を迫り、父院の説得により康仁帝一の宮で東宮の良仁(ながひと)親王に譲位を決めた。もちろん皇后を手放すことも承知したのである。


(番外編での康仁親王)

番外編「縁」では八年後の康仁院(後宇治院)が書かれています。宇治に引きこもった康仁はふたりの妃をつれ、つつましく生活をしています。もちろん帝位についていた頃は若気の至りとして改心し、今はおとなしくなりました。偶然元皇后彩子の子、小夜姫と出会い、自分の子と知る。以前の康仁であれば、無理やり宇治に連れ帰るが、それはぜず、小夜の意向を大事にする。小夜は和気家も後宇治院も選ぶ事が出来ずに和気家のある下賀茂と宇治を交互に訪れると約束し、小夜の将来のため、小夜を内親王院旨する。小夜はそのおかげで、立派な宮家に嫁ぐ事が出来るのである。

うれしはずかし恋愛生活 東京編 (7)綾乃の誕生日

 ああ、今日は僕の婚約者綾乃の誕生日・・・。実は昨日大きな買い物をした。もともとひとつき前に注文しておいた。半分自分で払ってあとはじいちゃんに借りた。念願の自分の車・・・。もちろん自分名義・・・。免許は受験終わってから取りに行ったからもう青葉マークは取れた。バイトでも何度も運転させてもらった事があるから、ペーパーではない。父さんはお金出してやるからベンツか何かいいものにしなさいって言ったけど、やはり自分のバイトでえたお金を使って買うことにした。やっぱり最近ガソリン高いから燃費のいいプリウスでしょ・・・。色はブラック。もちろん関西出身の僕はお店に結構値切った・・・。最大30万値切った上に色々つけてもらった。店員さんはすごく困っていたけど、即金で払うといったら首を縦に振ってくれた。もちろん僕が父さんの息子であるなんて知らない。父さんはきっとこんなこと知ったら呆れるだろうな・・・。 その車がやっと昨日、それも綾乃の誕生日ぎりぎりの納車になった。間に合ってよかったよ・・・。納車の時、お代金を支払い、鍵を受け取ったのだ。これで綾乃を乗せてどこにでもいける。電車移動はしなくてもいい。綾乃はびっくりするだろうなって思った。自動車保険も色々探して一番安い外資系に決めたし、これで準備万端! 運転技術?もちろん公邸のお抱え運転手さんに指導してもらって、お墨付きをもらった。でも運転手みたいにスムーズな無駄な揺れのない走りはまだまだ・・・。これからももっと乗って腕を磨かないと・・・。


 昨日は色々僕と綾乃の婚約のことで色々あったみたいだけど、車のことで頭がいっぱいになってそれどころじゃなかった・・・。


今日はどこに行こうかな・・・。ちょっと足を延ばして箱根方面に行ってみるかな・・・。それとももう都内でいいかな・・・。正式に婚約したから、堂々と歩ける。昨日父さんと綾乃のお父さんがきっぱりはっきり気持ちを言ったからか、少しは騒ぎも収まったらしい・・・。


 春から綾乃は3年生。そろそろ進路を考えないとね・・・。そのまま慶応?それともほかに行くのかな・・・。そこのところゆっくり話したいし・・・。慶応に進学ならいきたい学部に行くために勉強は必要だと思う。まあどちらにせよ、希望にあわせた勉強をしないといけないから、今のうちに決めるべきだよね・・・。


  僕は綾乃に電話をかけてみる。


「綾乃?今日どこ行きたい?」

『ん?そうだね・・・あたし、雅和さんとゆっくり出来たらそれでいいよ。』

「じゃあ、どこか買い物に行って、僕んちでゆっくりしようか・・・。ケーキ買わないとね・・・。食事はケータリングしようか・・・。今からでも間に合うかな・・・。」

『任せるね・・・。』

「じゃ今から出るからすぐ出れる?」

『あと1時間待って・・・。まだ着替えていないから・・・。準備出来たら電話するね・・・。』


 僕は洗面台の鏡ににらめっこしながら、髪を整えたり、髭の剃り残しがないか確認する。無意識のうちに鼻歌なんかでちゃって・・・・。響貴は呆れてた。


「珍しいよな、雅和が鼻歌だなんて・・・。どこ行くんだ?今夜は?」

「横浜でも行ってこようかな・・・寒いけど無性に海が見たくなってさ・・・・。今夜はここで綾乃のお祝いをするから、わるいけど・・・・。」

「はいはい、どっかに行ってるよ。終電ギリギリに帰ってくるわあ・・・あれ用意しといたから・・・。いつものとこに入れといたから。」

「ああ、あれね・・・。いつもごめんな・・・。」

「まあしゃーないわ。有名人の友人を持った俺の使命だよ・・・。」


あれって言えばあれだよ・・・。コンビニにも置いてあったりするけど、堂々と買えないからね・・・。もうそろそろなくなってきたと思ってたから、よかった・・・。ホントにあいつはそういうところは気がつくんだもんな・・・。もちろん今日も・・・。


「もうそろそろ時間じゃない?そうそう、また車貸せよ!」

「嫌だよ!マスコミに勘違いされるだろ。どうせ女と乗るんだろうから・・・。じゃあ行ってくるわ・・・。」


やっぱりいい感じに綾乃から電話かかってきた。綾乃をマンション前に待たせて、急いで車を走らせる。車で綾乃の自宅まで信号に引っかからなければ数分。ちょっと道が一方通行なのが気に入らないけど、なんとか予定通りに綾乃の自宅マンションの前に到着した。僕は車を降りて助手席のドアを開ける。


「さあ、どうぞ。」

「あっれえ・・・。雅和さん車持ってたっけ?免許持っているのは知ってたけど・・・。」

「昨日納車だったんだよ。はじめて綾乃を乗せたくって・・・・。今日初ドライブだよ。」


僕は綾乃を助手席に乗せて運転席に座ると、車を走らせる。綾乃は嬉しそうにシートベルトをして僕のほうを見て微笑む。出る前にきちんとナビ設定をして置いたから、準備万端。遠回りになるんだけど、首都高天現寺料金所から乗って、レインボーブリッジ渡って、湾岸線へ・・・。


「はじめてだよね・・・。雅和さんの運転する車に乗るの・・・。お台場に行くの?」

「いやドライブだよ。横浜までね・・・。」


お台場を通り過ぎて、羽田空港、そしてベイブリッジ渡って横浜へ・・・。そしてみなとみらいに車を止める。すると携帯がなる。父さんからだ・・・。

雅和イン横浜

『今どこ?』

「横浜だけど何?」

『一緒に昼食でもどうかなっと思ったんだけどな・・・。今日綾乃さんの誕生日だろ。じゃ、今晩一緒に食事をしよう・・・。予約しておくから、決まったら電話するよ。』

「え?ちょっと待ってよ・・・・。」


父さんは用件のみさっさと言って電話を切った。


「だれ?」

「父さん。今晩食事はどうかなって・・・。有無を言わさず切られたよ・・・。まあ夕飯代浮いて助かるけど・・・。昼はいいもの食べよう・・・。」


僕はランドマークプラザやクイーンズスクウェアとか物色して、ああだこうだといって何を食べるか考える。たぶん夜は和食だろうから、昼は洋食か中華かな???それならって思って、ヨコハマグランドインターコンチネンタルの最上階にある中国料理を予約する。もちろん予約の際一言言っておいた。時間は正午。なんとか予約が取れてほっとしたけど、僕のわがまま聞いてくれるかな・・・。 僕は綾乃に内緒でプレゼントを買っておいたんだ。以前響貴とここに来たときに候補に決めていたんだ。まだ売れていなくて助かった・・・。


予約時間が近づき、グランドインターコンチネンタルの31階のレストランへ・・・。クロークにコートとマフラーを預けて、店内へ・・・。わがままを伝えておいたから、もちろん窓際予約席。本当なら夜に来るのがベストなんだけど、海と街とベイブリッジが一望だ。お勧めランチが運ばれてきて、僕と綾乃は色々はなしながら味わって一皿一皿食べていく。もうすぐデザートという時に、ウェイターがある物を持ってくる。小さいけれど、二人が食べるのに十分なケーキとバラ一輪。たいていのホテルレストランはお祝いだからと予約の際に言っておくと何かしら用意しておいてくれる事が多い。


「当ホテルからのサービスでございます。」


ウェイターがケーキを綾乃の前に置き、綾乃にバラを渡す。綾乃は驚いた様子で、受け取ると、微笑んだ。


「綾乃?ケーキ食べれる?」

「今は無理・・・。もうおなかいっぱいだもん・・・。」


僕はウェイターに言ってテイクアウトを頼む。そして僕は自分のカバンから小さな包みを手渡す。


「プレゼントだよ。開けてみたら?」


綾乃は嬉しそうに包みを開ける。僕は綾乃の今日の服にあうネックレスを買ったんだ。丁度気に入っていたものと、服があってくれたからよかった。僕は綾乃にそのネックレスをつけてあげると綾乃はありがとうって満面の笑みで僕を見つめたんだ。この日のために僕は一生懸命バイトしたり、勉強したりしてたんだ・・・。


ちょっとしたら支配人らしい人物がやってきたんだ。


「私は当ホテルの支配人安藤でございます。先日はご婚約おめでとうございました。心よりお祝いを申し上げます。お父様によろしくお伝えくださいませ。お気づきの点がございましたら何なりのお申し付けを・・・。」


そんなつもりはないのに丁寧な挨拶をする支配人・・・。別に僕は父さんの息子としてきたんじゃなくって、綾乃とランチしにきたんだけどな・・・。せっかくゆっくりしようと思ったんだけど、周りがざわついてきたから、さっさと会計を済ませてホテルを退散した。


色々情報が広まるのが早い。赤レンガ倉庫を観に行こうと思ったんだけど、視線が気になるので、もう早々帰って夕食の時間まで家でゆっくりすることになった。首相Jrというだけで、みんなは気を使ってくれるんだけど、あまり特別扱いは嫌いなんだよね・・・。


結局ドライブしながら帰ってマンションに着いたのは3時ごろ・・・。朝気が付かなかったんだけど、綾乃は見たことのない袋を持っていたんだ。


「何それ?」

「朝ね、マンションの前で待ってたら、知らない男の人が誕生日おめでとう!っていってくれたの・・・。断ろうとしたんだけど、そのまま走って逃げちゃったの・・・。」

「例の軍事オタクの人かな・・・。開けてみたら?」


ちょっと警戒しながら開けると普通のプレゼント。すごく悩んだんじゃないかなって思うような綾乃がお気に入りのお店の雑貨だった。手紙も入っていて、誕生日と僕らの婚約に対するお祝いの言葉が丁寧に書かれていて、最後に数人の名前が書いてあった。たぶん匿名だろうけど・・・。ああいうタイプの人が綾乃の好きなお店の雑貨を選んでいる姿を思い出すとちょっと噴出してしまった。あのお店は東京にはヒルズにしかない店だからな・・・・。綾乃ははじめは引いていたけど、今はすごく喜んでいたよ。


父さんとは赤坂プリンスの和風別館に7時に待ち合わせだから6時過ぎに出れば間に合う。まだ2時間も時間がある・・・。やっぱり二人きりということもあって、綾乃と時間ギリギリまで愛し合う。ホントに響貴のおかげで助かった。綾乃はシャワーを浴びて、きちんと身なりを整える。僕もシャワーを浴びたあと、スーツを着て、家を出る。地下駐車場で僕は綾乃にそっとキスをすると綾乃は照れて下を向いたんだ。さっきまであれほど愛したのにね・・・・。やっぱり女の子って可愛い。なんとなく響貴が何人もの女の子と付き合うのもわかるような気がするけど、でも僕は綾乃一筋だから・・・。



たまスク到着!

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たまスク到着しましたよ!

大きいです^^;

そして可愛いです^^

子供の第一声は!


「かわいい!!!」


やってみて一言!

「訳わからん!」


PCを見ればわかりますか?

大きさが!!!!

小説挿絵~波乱のキャラ、典薬寮医師和気泰明

和気泰明  またまた小説の挿絵です。

名前は「和気泰明」。

典薬寮で医師(くすし)をする青年。

何十年にひとりというような逸材で、19歳の若さで東宮の難病を見事治し、注目されるも、いろいろな重責と幼馴染の今上帝ご寵愛の女御への想いを断ち切る事が出来ず、失踪。何かの縁で、お隣の国「宋」に渡り、流行り病にかかった宋国王の末姫君の治療をし、見事回復させる。たいそう喜んだ宋国王は、この愛娘を泰明に与え、国王付きの侍医の一人として取り立てる。この姫君との間には「蘭」という姫がいるが、蘭を生んだ後、姫君は崩御する。泰明は4年間に宋国の最新の医術を見事すべて習得し、国王の崩御という混乱の最中に紛れ、宋国の医学書の写しを持参した上何とか帰国を果たす。

 帰国後、帰国できなかったわけを聞いた帝は都を騒がせた罪で、処分しようとするが、ご寵愛の大和女御の願いで、持ち帰った医学書と引き換えに再出仕の許可を出す。

 今上帝雅和は大和女御彩子と和気泰明が想いあっていることを知り、譲位の際に女御を泰明に与えることを決める。(以前東宮の命を救ったことに恩があるためです^^;)

 彩子が東宮に乱暴された姿を見てしまった泰明は自分の立場をわきまえずに東宮を責めようとするが、彩子のことを思い黙っていた。しかし彩子が東宮の子を懐妊し、帝の意向でこの子を帝の七の宮として内密に事を運ぶよう命を受ける。そして東宮侍医である泰明は、彩子の担当医師として側につき、東宮の子を懐妊中の彩子の心の支えとなる。

彩子は無事に実家のある大和にて、皇子を出産するも東宮によく似たこの新宮を嫌い抱こうともしなかった。泰明は彩子を説得するも、聞き入れず、先に新宮であり、次期東宮として育てられる「良仁親王(ながひとしんのう)」を先に帰京させる。数日後、彩子こと大和女御が帰京の際、大和国と山城国の国境で賊に襲われ、彩子を助けるために身を挺し、命は助かったものの、左腕を負傷し、医師として致命的な障害が残る。彩子こと大和女御を身を挺して守ったことで、帝に譲位後褒美としてこの女御を賜ることを正式に発表される。

 帝が譲位後、和気家に女御を迎え、幸せな新生活が始まる。結婚後すぐに一男をもうけるが、彩子への思いを断ち切れない前東宮こと今上帝康仁が、東宮である先帝七の宮は自分の一の宮であると親王宣旨し、和気泰明の典薬頭の就任と和気家一門の将来繁栄を条件に無理やり、東宮の生母である彩子を先帝後二条院の養女とし、皇后として立后させる。その上、彩子を一切御殿から出さず、泰明の目に触れないようにした。立后後はじめて七夕節会の宴会中に後宮の女御の手引きで皇后彩子は後宮を抜け出し、典薬寮の泰明の一室にて再会。その折、泰明は彩子が帝の子を懐妊中であることに気づき、すぐに後宮に彩子を返す。彩子は出産直前にやっと養父である先帝の邸に入る事が許され、出産直前に先帝後二条院の配慮により二人は再会。直後に彩子は二の宮を産む。

 帝の奇行に困り果てた後二条院と摂関家はそれぞれ帝の退位計画を企て、退位させる。東宮良仁親王は帝位に就き、後二条院が祖父として院政を行う。新東宮は彩子の産んだ二の宮。帝が退位したことで、泰明のもとに彩子が帰ってくることになった。しかし彩子のおなかには新しい命が授かっていた。もちろん先帝康仁の子を・・・。それを承知の上で泰明は自分の子として育てることを決意する。泰明と彩子は末永く幸せに暮らしたのです。

うれしはずかし恋愛生活 東京編 (6)与党最大派閥新年会での婚約発表

 1月のある日の夜、あたしはパパと共に雅和さんのお父さんが所属する派閥の新年会のためにホテルに行くことになっている。黒のフォーマルを着て雅和さんのお父さんが用意してくれたお迎えの車をマンションの地下に入れ、そっと乗り込んで会場に向かう。パパは、今日は黒のダブルスーツ。(いくらなんでも制服ではいけないでしょ・・・)


 雅和さんによると今日は後援会の人たちなども列席するらしい・・・。そこであたしを雅和さんの婚約者として、雅和さんのお父さんが挨拶の時に紹介するというの。あたしはわかっているから、きちんと髪の毛を清楚にきちっとまとめて、うっすら化粧をする。


ニューオータニの正面玄関に降りた私はびしっとスーツを着込んだ雅和さんに迎えられて、車を降りた。雅和さんは驚いた様子であたしを見つめる。


「なに?」

「いや、すごくきれいだと思って・・・。高2に見えないよ・・・。」

「老けて見えるってこと?」

「大学生かな・・・。僕と同じ年くらいに見える。ちょっといいかな・・・。」


雅和さんはあたしをロビーの隅に連れて行って小さな箱を取り出したの。そしてふたを開けて見せてくれた。中にはダイヤモンドの指輪が入っていた。


「え?」

「これはね、母さんの形見なんだ。まだ父さんが学生時代にバイトして貯めて買ったもの・・・。決して高いものじゃないらしいけれど、学生結婚した両親の思い出の品らしい・・・。母さんの遺言で、父さんのあとを継ぐどちらかにいい人が出来たらプレゼントしなさいって・・・。今日はじめて父さんに聞いて渡されたんだ・・・。だからこれは綾乃のものだよ・・・。」


そういうと雅和さんはあたしの左薬指にその指輪をはめてくれた。びっくりするくらいぴったりだった。 雅和さんのご両親は高校時代に知り合ってお母様が高校を卒業したと同時に結婚したらしいのよ。お父さんはまだ大学生で、周りに色々反対されて駆け落ち同然だったって・・・。何年後かにお兄さんが生まれて許してもらえたそうだけど・・・。その記念の指輪らしいのよ。だからなのかな・・・お父さんはあたし達のこと何も言わずに賛成してくれたのは・・・。境遇が同じだから?


「結納の時にまた買ってあげるよ。僕は今そのために貯めているから・・・。」
「いいよ、これで・・・素敵じゃない・・・。」


あたし達は新年会が行われる会場に向かう。


「綾乃、あさってだね、誕生日・・・。今年は何がいいかな?」

「この指輪でいいよ。」

「え?じゃ、食事にでも行こうかな・・・。たぶん今日マスコミにも正式に発表されるだろうから・・・。結納はまだだけど・・・。」


パパは受付の前で橘さんと話していた。橘さんはあたし達に気が付くと、胸に名札をつけてくれた。


「やっとですね・・・。」


pa-ty
この一言は直感的にどういうことかわかった。会場に入るとすごい人。テレビで見る議員さんや経済界の人。そして!後援会会長の土御門桜のお父さん。側にいるじゃない!桜が!!!もちろん政治関係のマスコミも結構な数・・・。あたしは恐縮してしまって、会場の隅においてある椅子に腰掛けていたの。雅和さんも横であたしに付き合ってくれた。パパは防衛庁長官となにやら話しているの・・・。


時間が来てある議員さんが挨拶をすると、新年会が始まった。そして次は総裁である雅和さんのお父さんが壇上に立って、長々話し出す。


『ちょっとここで私的なことで申し訳ありませんが、皆さんにご報告がございまして・・・。』


橘さんがあたし達を前のほうに誘導して、雅和さんのお父さんの横に立たせたの。


『ここにいる私の次男、雅和によい縁がありまして、こちらにいる源綾乃さんと婚約をさせることになりました。まだお相手の綾乃さんは高校2年生ですので、結納は卒業を待ってからとなります。来年は息子も成人式を迎え、時期的にも丁度いい。まあまだまだ若い二人ですが、皆様に色々ご指導賜りますよう、よろしくお願いします。』


そういうとお父さんは会場の人たちに頭を下げ、あたし達も同じように下げたの。一時シーンと静まり返ったんだけど、橘さんが大きな拍手をして、つられる様に会場中拍手喝采となった。もちろん土御門桜はびっくりしてそのまま会場を出て行ったけれど・・・。あたしは緊張のあまり気分が悪くなっちゃって、ある程度作り笑いであいさつ回りをしたあと、早々に帰ったの。雅和さんは一緒に帰りたそうな顔をしたけど、あたしが止めたの。だって色々あいさつ回りがあるでしょ・・・。雅和さんのお父さんは『明日学校があるから先に帰りました』といってくれたみたい・・・。


次の日、朝早めに起きて学校の準備をするの。するとパパが新聞片手に入ってきたのよね。朝から騒がしいことで・・・。


「綾乃と弐條君のこと載ってるぞ!」


見てみると政治面の下のほうにちっちゃく載っている。



『弐條首相の後継者候補、次男婚約発表

 昨日都内ホテルで行われた党派閥新年会において、

 弐條首相(50)の次男(慶應義塾大学法学部政治学科1年(19))と

 陸上自衛隊幕僚監部陸上幕僚副長、源将直氏(53)の長女(都内

 私立女子高校2年(17))との婚約を発表。結納は来春予定。・・・』



「これまたひと騒動ありそうだね・・・綾乃。」

「そうね、パパの職業出ちゃったしね・・・。」

「でもこれで堂々と弐條君と会えるわけだ・・・。まあいい、私の出世はここまでだと思うよ。」


パパは溜め息をつきながら、身支度をするの。あたしはいつものようにパパにお弁当を渡して、送り出す。あたしは戸締りをして、家を出たの。自転車に乗って、学校へ向かう。南麻布は静かだけど、パパの勤務先市ヶ谷と永田町は大騒ぎ。そうとは知らずに、あたしはいつものように自転車通学。いつもの時間に到着して、自転車置き場に自転車を置いて、教室に入る。


「綾乃おはよ~~!これって綾乃のことでしょ?」


編入以来、親友の美香ちゃんが声をかけてくる。手には新聞のコピー。何事かと、クラスのみんなが集まってきたの。


「すごい!綾乃の彼氏ってこういう人だったんだ・・・。あの待ち受け写真の人でしょ?」


あたしはうなずいて、答える。


「綾乃がどうしたの?」

「え?何々?」

「綾乃婚約したんだって!!!相手はね・・・・総理大臣の次男だって!!!すごいと思わない?」

「すごい!じゃあ綾乃は未来のファーストレディーになるのか・・・。超玉の輿じゃん!」

「綾乃だってお嬢様だよ。やっぱりすごいよね・・・。」


みんな言いたいように言う。


「弐條さんは普通の人だよ。ただお父さんが首相ってだけで・・・。まじめだし・・・。」


するとあたしの担任が放課後、校長室に行くように言う。お咎めでもあるのかな・・・。授業が終わったあとその足で校長室へ向かう。校長室に入ると、いろんな先生が待っていたの。


「失礼します。」

「源さん、座りなさい。」


あたしは校長室の椅子に座ると、校長先生があたしに話し出したの。


「今朝の新聞の政治面、見ましたよ。」

「はい・・・。」

「婚約については別に学業に支障がないようでしたら、構わないのですが、マスコミが問題です。他の生徒の学業に支障をきたすようでしたら、残念なことなのですが、退学をお願いすることになる可能性があります。今のところ、問題はありませんが・・・・。最近源さんは目に見えて成績が上がってきているので、こちらとしてもなんとかしてあげたい・・・。」

「ご迷惑をおかけいたしまして、申し訳ありません・・・。でも私はこの高校が好きなんです・・・。だからできるだけ辞めたくないのです・・・・。」

「わかっていますよ。こういうケースは他の系列高校や大学でもありましたから、なんとか退学はないかもしれません。ですからあなたは学業を優先にがんばってください。」

「はい。がんばります。」


まあなんとかお咎めはなかったけれど、先生の間では大騒ぎだったみたい。まあ慶応義塾高校のほうでは有名人の子供とか、アイドルが通っている事があるから、なんとかなるかもしれないけれど、この女子高校ははじめてらしい。結構自由な校風だから、最悪な場合以外退学はないって他の先生は言っていたのよね・・・。あたしは成績が落ちないように勉強しないといけないわけ・・・。


学校を出て、友達と別れて自宅近くのスーパーに寄って買い物を済ます。やはりワイドショーで結構話題になっているみたい・・・。あたしは夕方のワイドショーを見る。午前中に市ヶ谷駐屯地の一室を借りて、記者会見・・・。パパはまじめな顔をして、答えている。



「源さん、お嬢様がご婚約ということで、色々アジア外交上問題がでているようですが・・・。一言お願いします!」

「わたくしは自衛官でありますので、政治に口を出す身分ではございません。ただ、日本国の平和を守り、国民の皆様方をお守りする事が私の使命であると思っております。また国内はもとより、海外では人道的な支援活動、国際平和業務の任務を遂行するのみ。ですので、首相ご子息とわが娘との婚約によって現状が変わることはございませんので、ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。」



そういうとあたしのパパは席を立って一礼をすると、会場を退出するの。ホントにパパらしい言葉だわ・・・。また雅和さんのお父さんも朝の定例会見で色々聞かれている・・・。



「この婚約は決して憲法第9条を守らず、この先日本が戦前のような軍国主義的になる事があるとか、自衛隊が軍隊として活動するためのものではございません。ただ二人の気持ちを考えた上、決めたことであります。先方のお父様が自衛官であろうとも、今の現状はまったく変わりませんので、ご安心ください。もちろん私の任期中に結婚させるつもりはございません。・・・」


本当にあたし達の婚約ひとつでこんなに混乱するとは思わなかったんだけど・・・。慶応日吉キャンパスで、色々学生のインタビューとか見てると、溜め息が出てきた。まあ色々あって早めの発表になったそうだけど・・・。やっぱりあのマニア騒動で、雅和さんの名前が出る前に、早めに発表しちゃったんだろうな・・・。


また清原さんからFAX・・・。 



源陸上幕僚副長のご令嬢について語り合う

   1. 彼女婚約しちゃったね・・・。

   2. >1 ホントもったいない・・・。すごく可愛いのに・・・。

   3. 昨日、紀尾井町のニューオータニで彼女見たよ!

      すっごくおしゃれしてて、やっぱ清楚で可愛い感じ?

   4. >3 写真撮ったか?で、どうよ?

   5. >4 写メだけど取ったぞ!

         俺のブログに来てくれ!

         しかし彼氏つき!

   6. >5 なんじゃそりゃ!総理の息子ってどうよ?

   7. >6 お似合いって感じかな・・・。

         モデル系のイケメン・・・。

         彼女は面食いだな・・・。

         頭よくて背が高くイケメン・・・

         敗北宣言・・・・。

         玉砕されたよ。

         そういや指輪渡してたぞ!

   8. おおおおおお!!!!で、彼女は家から一人できた?

   9.>8 いや、黒塗りの車でお父上と登場!

        お父上は制服じゃなかった!!!!

   10.そりゃそうだろ・・・。

      きっと結納の時は礼装制服着用にかける!

      日時がわかり次第連絡されたし!

      お父上の礼装姿が見て~~~~~。

      あ、彼女はやはり着物?

   11.>10 御意!

      みんな来春都内有名ホテルをチェックせよ!

   12.今日のお父上の会見見た?

   13.いや・・・どうよ?

   14.>13 見事な言葉だったよ。

      家柄よりも二人の気持ちを取るといった総理の

      言葉もすごかったけどな・・・。

      若者受け抜群だね・・・。

      あんな親がほしい!理想だ!

   15.暇なやつはマスコミから彼女を守れ!

   16.>15 よっしゃ!俺は慶大だから守ってやるよ。

      よく考えたら、彼氏は俺の後輩だ・・・。

      学部は違うけどな・・・。入試や入学式の時は話題になったな・・・。

      総理の息子は入学者総代で挨拶したらしい・・・。

      頭いいね・・・超秀才!



相変わらず・・・。怖い表現はなくなったかな・・・。明日は日曜日であたしの誕生日・・・。どうなるんだろう・・・。



FC2ブログの自作小説用の挿絵

最近再び始めたイラスト書き。もう15年ぶりです・・・。本格的に書くのは・・・・。もちろんPCソフトで書いています。

手書きよりも楽ですね^^;


ド初心者ですので、お手柔らかにお願いします。

また中年を書くのが苦手で、どうすればそのように見えたりするんでしょうか???


とりあえず、FC2ブログにて発表しているのは、このアメーバーブログで発表した者を直しているものです。

まだまだ動きのないイラストですみません。勉強しておきます。


ayako&masahito 束帯&十二単

うれしはずかし恋愛生活 東京編 (5)軍事オタクな人たちで迷惑するあたし


kiyoharaseifuku
 やっぱり案の定その日のうちにあたしについての情報が一気に流れた。もちろん写真まで・・・。いろんなマニアブログにまで書かれて・・・。一応あたしの顔の部分はモザイクかかってたりしたけど、見たらあたしってわかる。まだブログはましなほうで、2ちゃんねるでは結構いろんなことを書かれているらしい。清原さんがその一部をプリントアウトしてFAXしてくれた。内容はこう・・・。


『誰か源将直陸上幕僚副長の御令嬢(長女のほうね)について情報をください。一緒に語り合いましょう』


というスレッドからはじまり、続々と書き込まれている。


       見た見た!すごく可愛い子だよね!

       萌~~~~学校は慶女!あったまいいんだね~~~~

       家はどこ?

       麻布

       彼氏はいるわけ?

       いるって聞いたよ。慶応だったかなあとは知らん。

       ・・・・  

       彼女に変な虫がつかないよう、彼女を影ながら守りましょう! 

       だね!

       抜駆け厳禁! 

       了解!


まあはじめはこれで済んだんだけど、次の日には通学路の角々に怪しい人が立っている。もちろん校門前にも。さすが校内の様子はかかれないけれど、一歩校外に出ると、まるであたしの追跡調査されているように事細かく書かれている。スーパーで買ったものから夕飯予想までしてくる。これじゃ雅和さんのマンションに遊びに行けないよ・・・。せっかく勉強見てもらっているのに・・・。こういうことになっていることはまだ学校やパパの仕事場には知られてはいないけれど、結構困っている。別に被害はないから警察にはいえないし・・・。一番困るのは洗濯が干せない!下着の色まで書かれたら嫌だもん。雅和さんはやっぱりお父さんが総理大臣だからばれるとやばいので会えない状態・・・。メールで我慢・・・。なんとか清原さんが匿名で2ちゃんねるに削除願いをして削除してもらうんだけどまた復活してホントいたちごっこ・・・。あたしのプライベートってないわけ?


そんなこんなで迎えたクリスマスイブ・・・。以前に比べたらだいぶん収まったとはいえ一部のマニアが私の追っかけをする。どこでしらべたのかあたし宛にクリスマスカードまで届く。もちろん差出人はなし。クリスマスイブはどこかに行こうって雅和さんと決めていたのに、このままじゃ行けない。


また清原さんからFAX・・・。 


         最近彼氏と会ってないのかな? 

         影がないよね・・・。

         もしかして別れた? 

         これでお父上も安心だね・・・。 

         今日は寂しいイブを過ごしているってことか・・・。 

         だからって抜駆けはなしだぞ! 

         不法侵入は犯罪です。もちろんどういう意味かお分かりでしょうが・・・。 

         それはまずい!

         やめとけ!

         お父上に殺されるぞ!


ここからだんだん怪しい内容になって、本当に怖くなって夜も眠れなかった・・・。清原さんも心配してくれて、色々裏でやってくれているのがわかる。


「雅和さん、怖いよ・・・。」

『何かあったら電話ちょうだい・・・。助けに行くから・・・。』


雅和さんの言葉だけが頼りだった。パパはなんとなく感づいていたみたいだけど、何も出来なくて、溜め息ばっかりついていた。


「弐條君を呼んだらいい・・・。そして守ってもらいなさい。」


ってパパがあたしに言って、パパは雅和さんを呼んでくれた。


「弐條くん。君が綾乃を守りなさい。何かあったら大変だ。ずっと綾乃の側に・・・。」

「はい・・・。」


雅和さんは年が明けるまであたしの側にいてくれた。仕事も断って・・・。そのおかげでなんとか年が明けた。




一言です^^;

最近2ちゃんねるを見てないのですが、やっていますか?なくなったってきいたのですが・・・。

まあこの文はあまり意味がないような気がしますが、ただなんとなく書いたって言うのが正しいかもしれません。

ああ、ハズカシイ文ですね・・・。


もちろん登場人物の「清原」さんはオタクさんです。軍事マニアってことです。自衛官になる前はインドア派の青年でした。今はちょっと違いますがね・・・。でもマニアには違いありません。

うれしはずかし恋愛生活 東京編 (4)2人のパパ~陸上自衛隊観閲式にて

 なんとか寂しい夏休みも終わって、学校恒例の十月祭。あたしは初めてだったから、色々大変だったけど、雅和さんもこっそり見に来てくれて、楽しい十月祭だった・・・。


これが終わると三年に一度の例の行事が行われる。それは朝霞訓練場で行われる陸上自衛隊観閲式・・・。陸、海、空の持ち回りで行われる行事なんだけど、今年は陸。もちろん観閲者である雅和さんのお父さんも出席。もちろん陸上幕僚副長のパパも出席・・・・。その上中部方面から警備として派遣されたお兄ちゃんも上京してくる。


今日はパパとおにいちゃんと雅和さんそしてあたしで一緒に食事の約束をした。何がいいかなって思いつつ買い物をする。


「男ばっかりだしな・・・何がいいかな・・・。」

「肉食いたい。」


お兄ちゃんのその一言で、焼肉にすることにした。やっぱり食べ盛りのひとばっかり・・・でも何でまた清原さんがいるわけ?誘ったのはパパ。清原さんと仲のいいお兄ちゃんも喜んでいたけど・・・。


「お兄ちゃん!ちゃんと野菜も食べてよ!清原さんなんてちゃんと好き嫌いせずに食べてくれるんだよ。」

「うるさいな・・・。俺は育ち盛りなんだ。」

「もうすぐ26にもなるのに育ち盛り?いつまで育つわけ?早くお嫁さんもらったら?千僧や総監部にいい人でもいないわけ?」

「いるわけない。親父に幹部のお嬢さんでも紹介してもらおうかな・・・。」


お兄ちゃんとあたしの会話に雅和さんは笑ってた。やっぱり男4人がそろうと一気に肉がなくなるんだよね・・・。


食事のあと、パパたち自衛官組はリビングで明日のこととか話して盛り上がってた。あたしは後片付けを黙々とする。


「綾乃手伝うよ・・・。」

「ありがとう雅和さん。」


雅和さんは最近色々あたしを手伝ってくれる。やっぱりキス以上の関係になってから、特に優しくなってくれた。より親密になったの。


「明日朝霞に行くの?雅和さんのお父さん出るんでしょ。」

「行ってもいいけど、レポートが残っているから・・・。綾乃は?」

「お兄ちゃんも出るし、カメラ片手に行こうかなって・・・。こういう時って一眼レフがほしいな・・・。」

「席はあるの?」

「パパからもらったけど?勤務中のパパやお兄ちゃんを見るのは初めてなんだ・・・。」

「そっか・・・。」


結局雅和さんは行かないことにして、あたしは朝早く起きて朝霞駐屯地まで向かった。もちろんまん前で見るためよ。


すると駐屯地の前で、雅和さんが待っていてくれたのよね・・・。


「どうしたの?」

「はいカメラ・・・。借りてきた。デジタル一眼だけど使い方わかる?」

「うん、なんとかがんばる。ありがとう・・・。」


雅和さんはきちっとしたスーツを着て胸には党バッチと写真入の身分証明書・・・。今日はバイトか・・・。裏にいるわけね・・・。


「今朝になって行けない人が出て、急遽ここに来たんだ・・・。一緒には見れないけど・・・。」

「しょうがないよ、私設秘書みたいなことやってるんだし・・・。」

「じゃあもうそろそろ父さんが到着するからお迎えに行かないと・・・。」


雅和さんは小型無線の電源を入れて、耳にはイヤホンマイク。SPではないけど、まあいう使い走りのような仕事しているから、忙しそう・・・。やっぱり呼び出しされて急いで走り去っていったのよ・・・。


なんとか真正面の一番前の席をキープ。偶然なんだけど、そこには警備のため立っている制服姿のお兄ちゃん・・・。一瞬気まずい顔をしたおにいちゃん・・・。でもちょっとあたしよりも離れて普通の険しい顔になった。もちろんカメラの練習代わりに一枚撮った・・・。まあきれいに撮れたんじゃないかな・・・。やっぱり制服姿のお兄ちゃんは何割り増しかかっこいい。


観閲式が始まると、オープンカーに乗った総理大臣が現れ、会場中が敬意をあらわす。なぜか総理大臣の後ろに座っているパパ。いつものパパと違って凛々しい顔をしている。あれが仕事の顔なんだろうな・・・。総理は車から降り、紅白の幕が張られた特設の台に立ち、訓辞を述べている。パパは総理の斜め後ろに立っていた。行進が始まると、様々な部隊が通り過ぎていく。質問をしているのかな?時折総理はパパを呼んで、何かを話しているんだよね・・・。誰もこの二人が将来親戚になるなんて思ってもいないだろうな・・・。


あたしは色々写真を撮りながら、雅和さんがどこにいるか望遠レンズを通して探したけれど、やっぱり裏にいるんだろう・・・。見つからない・・・。結構時間がたっているのに微動さえしないお兄ちゃん。さすがだ・・・。装甲車をバックにお兄ちゃんの写真を撮ってあげた。

kaetushiki

無事に終わって、ホント皆様お疲れ様って感じ・・・。 ある程度終わると、あたしは帰ることにした。門の前で、雅和さんが待っていてくれたの・・・。もう無線とか身分証明書類は取って、仕事終わりって感じ。


「お疲れ様でした・・・。」


って私は雅和さんに頭を下げると、微笑んであたしを見てる。雅和さんはあたしを誘って、展示物とか見に行ったの。


雅和さんは「実物は違うねえ」とかいいながらすごい、すごいって見ている。やっぱり男の子なんだね・・・。


「やあ弐條君。やはり実物はすごいだろう・・・。」 ってパパが現れて弐條君を引き連れて一つ一つ説明をしていく。やっぱりパパの幹部の制服には陸上幕僚監部のワッペンが着けてあるし、ちゃんと役職のバッチもついているから、自衛隊制服マニアの人達が、珍しそうに写真に収めていく。わかる人にはわかるってのかな・・・。そして行進警備に当たっていたお兄ちゃんもなぜか合流する。


(中部方面のワッペンつけてるぞ!一等陸尉だ!)

(おお噂の源親子だよ!軍事スペシャリティー一家の!)


マニアの間ではパパとお兄ちゃんは結構有名らしい・・・。パパの経歴や家族構成まで知っている・・・。ということは私の存在も知っているのかな・・・。一種のストーカーだよ・・・。パパは市ヶ谷駐屯地の部下と共に市ヶ谷に戻っていった。


あたしと雅和さんは苦笑してその場を立ち去ったんだけど、どうしてこう知り合いにばかり合うかな・・・。また清原さん。今日は非番のようで私服だったけど・・・。今日はお祭りだからかな、制服着ていないの・・・。普通なら駐屯地に出入りの際は制服着用と聞いたし・・・。


「あれ?お二人さん。相変わらずだね・・・。」

「清原さん!どうして?」

「軍事マニアの僕には逃せないイベントだからね・・・。丁度非番で助かったよ・・・。」


あたしはパパやお兄ちゃんのことを聞いたのよ・・・。そしたら案の定・・・。


「そりゃそうでしょ。この俺が副長についていくのはそういうことだから。副長や一等陸尉といるとこ撮られてないよね・・・。怖いよ、マニアは・・・。一気に標的になるから・・・。みんな綾乃さんの学校まで知っているから押しかけてくるかもよ・・・。まあ暗黙の了解で住所までは流れないけどね・・・。」

「え?」

「弐條くん。綾乃さんを守ってやりなよ。マニアはマスコミよりも怖いから・・・。」


あたしと雅和さんは困り果てた表情で見つめたのよ。清原さんも心配そうな顔して私たちとわかれたのよね・・・。 はじめて清原さんがマニアって言うのにも驚いたけど、それ以上に怖いことを聞いて驚いちゃった。



この心配が現実になるなんてこのときは思ってもいなかった・・・・。

うれしはずかし恋愛生活 東京編 (3)一年越しの初体験 


 あたしが弐條さんと付き合い始めて1年の夏休み。宿題を見てもらいに弐條さんのマンションを訪れた。今日からパパは二泊三日の予定で九州に出張に行っている。響貴さんは神戸に里帰り・・・。弐條さんの勉強机を借りて弐條さんに教えてもらいながら、黙々と宿題をする。


弐條さんのおかげで1学期の成績は思ったよりもよかった。まあ言う平均。だってきっとビリじゃないかなって覚悟してたんだ・・・。試験前にあたしの家に来てくれて、勉強を見てくれたんだ。だからテストの成績もいい。あたしってこんなに賢かったんだって思ったわよ。


お昼は作るの面倒だから弐條さんがお弁当買ってきてくれて、夕方麻布のいつものスーパーに夕飯の買い物に行く。するとふと弐條さんがあたしの耳もとで言ったのよ。


「今日泊まる?」

「え?」

「響貴は神戸に帰ったし、綾乃のお父さんはあさってまで帰らないんでしょ。いいじゃん泊まったら?」

「で、でも・・・。」

「僕ら婚約してるんだし・・・・1日くらい・・・。」


あたしは買い物を済まして家に着替えを取りに戻ったの。たぶん弐條さんが言いたい事がわかるんだけど・・・。とりあえず下着とパジャマと明日の着替えをカバンに詰めて、弐條さんの待つマンションに戻ったの。


二人で夕飯作って、食べて、後片付けして・・・。二人でリビングのソファーに腰掛けて、テレビを見てた。やっぱり弐條さんも緊張しているのかな・・・。胸の高鳴りが聞こえてきそう・・・。すると弐條さんは立ち上がって、いったの。


「お風呂用意してくるよ・・・。用意できたら先入って・・・。」

「う、うん・・・。」


やっぱり覚悟が必要だよね・・・。

覚悟が・・・。

来週あたりに「あれ」が来るから、たぶん間違っても出来ないと思うけど・・・。


学校でも何人か経験者がいて、彼氏がいて一年付き合っているのにまだだって言ったら驚かれたっけ・・・。今はそんなもんなのかな・・・。


婚約しているんだし遅かれ早かれこういうことってあるから・・・・。


あたしはちょっと怖いなって思いつつ、悩んでいた。だって経験者に聞くと初めてのとき痛いって・・・。どう痛いんだろう・・・。怖い・・・。でも弐條さんには悪いし・・・。


「お風呂沸いたから入ってきなよ。」

「うん・・・。」


あたしは弐條さんからタオルを受け取って、着替えとパジャマを持ってお風呂に入った。体中きれいに洗って、きちんと歯もみがいて・・・。


あたし何考えてるんだろ・・・。


色々考えながら、ゆっくり湯船に使っていた。


「お先・・・。」

「もういいの?じゃあ僕はいるから、寝室で待ってて・・・。」


あたしは寝室に入ってこの前買ったフカフカのダブルベッドに腰掛けて、未だに悩んでた・・・。


きっとあたし達が結婚したらこのベッドで愛し合うんだろうな・・・。

あと4年くらい先かな・・・。


そんなこと考えているうちに弐條さんはお風呂から出てきて、ベットに腰掛けているあたしの前に立っていた。あたしは覚悟して立ち上がり、弐條さんに抱きついたの。弐條さんはあたしにキスしたあと抱き上げて、ベッドの中央に座らせると、弐條さんは向かい合うように座って、真剣な顔であたしに言ったの。


「今日は大丈夫だよね・・・。途中で嫌になっても怒らないから・・・。だからいいよね・・・。」

「う、うん・・・。」 hatutaiken

弐條さんはあたしのパジャマのボタンを一つ一つはずして抱きしめたあと、あたしを横にした。弐條さんの唇が、あたしに唇からだんだん下がっていって、あたしのはだけた胸まで下がっていく。そのあと全部脱がされて・・・。勿論気が付いたら弐條さんも全身裸で、あたしを全身で受け止めてくれて、あたしに気を使ってか、ゆっくりゆっくり愛してくれた。とても優しい愛し方で・・・。


「ホントに初めてなの?」

「うんそうだよ・・・。」


やっぱりぎこちない所もあるけど、そんなとこが弐條さんらしくって、ますます好きになっちゃった。あたしが16、彼が18、まだ若いけど、これならずっと寄り添うことができるなって実感したのよね・・・。


やっぱり噂どおり痛い・・・。でもホントに優しくしてくれたからあたしは最後まで彼を受け入れる事が出来た。終わったあともあたしに気を使ってくれて、ホントに嬉しかった・・・。そのあと何度もあたしを愛してくれて・・・。


朝までそのままの格好で布団被って眠ったの・・・。朝、起きたら弐條さんは横にいなくって、あたしはシーツを体に巻いて、起き上がったの。ああやっぱり昨日は夢じゃなかったんだって思ったらなぜか涙が出てきたんだよね・・・。別に悲しいとかそんなんじゃなくって、訳わからないまま泣いてた。


「綾乃起きた?お風呂入ってきなよ。今、朝ごはん作っているから・・・。」


あたしは、言われたとおりお風呂に入って、服に着替えた。ダイニングにいったらもう朝ごはんが出来ていて、弐條さんがあたしを見て微笑む。あたしは弐條さんの前の椅子に座って、弐條さんが作ってくれた朝ごはんを食べた。


「あまり自信がないけど、おいしいかな?少しずつだけど、自炊しているんだよ。」

「うん、おいしいよ。」

「そっか!よかった・・・。」


弐條さんは満面の笑みで朝食を食べているあたしを眺めている。


「昨日はありがとう・・・。これで当分会えなくても大丈夫だよね?」

「え?どういうこと?弐條さん。」

「夏休みに父さんの外遊についていくことになったんだよ。アメリカ行って、ロシアに行って、イギリスに行って・・・・。半月間日本を行ったり来たり・・・。」

「そうなんだ・・・。」

「あとね、いつまでも弐條さんじゃないだろ・・・。名前で呼んでよ、二人の時は・・・。もうキスだけの間柄じゃないし・・・。」


この日からあたしは二人でいる時は名前で呼ぶようにしたの。まだ名前で呼ぶのはすごく照れるけれど、あたし弐條さん、いえ、雅和さんのことを愛しているから、早く慣れる様になろう・・・。


外遊かあ・・・。あたしもいけるものならついて行きたいな・・・。もちろん雅和さんと一緒に・・・。



【作者からの一言】

ついに2人は結ばれました。初体験ってやつです^^;

すみません^^;ちょっとエッチで・・・。これくらいは許せる範囲でしょうか?イラストも描かせていただきました^^;書いていて恥ずかしいです・・・・。

うれしはずかし恋愛生活 東京編 (2)弐條君の新生活 

雅和 国会前 綾乃が東京に引っ越してきた時はびっくりしたな・・・。まあお父さんの仕事の都合って聞いたけど・・・。ホントに彼女のお父さんは優秀な人で、防衛庁で色々嫌っている人もいるらしいけれど、出世街道まっしぐらって感じかな・・・。うちの親父も首相就任してすぐの外遊で危険な目に遭って、当時防衛駐在員だった彼女のお父さんが気が付いて身を挺して親父を守ったって言うから、それ以来彼女のお父さんを良く思っているんだよね。僕と彼女の婚約(まだ結納はしていないけど・・・)が一発OKだったのも、それがあったからなのかな・・・。(身近な党内の人たちは彼女の家が代々軍人一家だからアジア外交やら支障が出るのでは?と言って、あまりいい顔していないけど・・・。)


 せっかく綾乃は同じ系列の女子高に編入してきてくれたんだけど、彼女が三田にいる間、僕は日吉にいるし、日吉から三田に移っても、今度彼女は日吉。彼女が三田に来る頃には僕は卒業・・・。一緒に通うことはない。でも、今度僕の住む予定のマンションが出来たら、彼女のマンションと近くなる。歩いてでも行く事が出来る距離だ。大学を聖心女子大にしてくれたら、マンションからすごく近いのに・・・。


住むところは広尾4丁目。緑が多くてホントに閑静な住宅街。背の低いマンションが並んでいてその一角に建てられた新築。以前から親父とこのマンションに住む予定で、おじいちゃんが契約してくれてたんだけど、綾乃との縁談がまとまって、僕の名義に切り替えてくれた。100㎡ちょっとの3LDK推定3億。中古のもうちょっと大きな物件で2億するんだから無難な価格なんだろうか?まあおじいちゃんは総理経験者で資産家だし、これくらいどうって事ないんだけど、大学生が住むにはでかすぎる。まあいずれ綾乃と結婚して住むところだから後のことを考えると丁度いいんだろうけど・・・。


でもなんでここにあの響貴が住むんだ?結構いい賃貸を借りて住むって言ってたのにさ・・・。条件を出してやったさ。管理費、光熱費は割り勘、電話は使わないで自分の携帯で、食費も割り勘、そして一番の条件は女を連れ込むな!頭はいいけど結構ちゃらちゃらしてるからね、響貴は・・・。高校時代も何股したんだか・・・。綾乃一筋の僕から見たら呆れるよな・・・。女連れ込まれて綾乃に勘違いされるのも嫌だし、いくらおじいちゃんが買ってくれたマンションだって僕の家。将来綾乃と住むんだから・・・。穢されたくないって言うかな・・・。


やっと入居日が決まって不動産屋から鍵受け取って中を見に行った。やっぱりでかい。4階建ての最上階の角部屋。南向きの日差しが暖かい最高の環境。この部屋は綾乃と結婚して子供が生まれたらこの部屋にしようと思って、この部屋は絶対響貴には渡さない。もちろん僕が勉強用に使う。寝室はもちろん僕で、響貴は一番小さな6畳。これでいいだろう。


やっぱり後先綾乃が使うから、家具や電化製品、食器は綾乃と買いに行くことにしたんだ。もちろん響貴も連れて。秋葉原で色々家電を買って、うちの家が大阪でよく使う百貨店、高島屋の新宿店へ行って、食器とかを物色する。カーテンもだよね・・・。あと布団も・・・。おじいちゃんが電話していてくれたみたいで、外商部に行くと、個室に通されて二人の店員が側につく。家の見取り図やサイズ、そしてデジカメで撮った写真を外商の人に見せながら、取り扱いのある家具や寝具などのカタログから選んでいった。


やっぱり綾乃を連れて行った正解だった。センスがいい。先日綾乃のマンションにお邪魔した時、きちんと綾乃がカーテンとかを選んだって聞いたからね。 ある程度決まると、実物を見に行って最終的に決める。最後はキッチン関係。綾乃がキッチンに立つだろうから、綾乃に鍋とか色々選ばせたんだよね。ああでもない、こうでもないって言いながら選んでいく綾乃を見ていると、ホントにこれからすぐにでも結婚生活に入るんじゃないかなって勘違いしてしまいそうだ。


「なあ雅和・・・俺の分は?」

「響貴は居候するんだから、自分のもんは自分で買えよ・・・。」


綾乃は僕らの会話を聞いて笑ってた。


「綾乃、今日色々ありがとう。助かったよ。お礼に何か好きなものひとつ買ってあげる。もちろん僕の小遣いで。」

「ほんと?何がいいかな・・・。」


すごく楽しそうな綾乃を見て、本当に僕の心は温かくなった。僕は今日の綾乃の清楚な淡いブルーのワンピースに似合うアクセサリーを買ってあげた。彼女の左薬指には1年前にはじめて買ってあげたビーズ細工の指輪をしているのに気が付いた。


「あ、それしてくれてるんだ・・・。」

「当たり前じゃない。だってはじめて買ってもらった宝物だもん・・・。」

「やっぱ俺は邪魔だったな・・・。もう帰るよ、雅和。じゃあね綾乃ちゃん。」

「もう帰るのか?しょうがないな・・・。響貴は・・・。」


僕は駐車場に待たせておいた車に綾乃を乗せて総理公邸に向かう。今日は親父と一緒に食事をすることになっている。親父は久しぶりの綾乃の訪問に大変喜んで、色々話している。


「そうか綾乃さんは南麻布に引っ越したのか・・・。広尾に近いからちょくちょく雅和の家のことを頼んでいいかな・・・。はじめての一人暮らしだろ、食べるものとかが気になってね・・・。綾乃さんが近所にいてくれて助かったよ。」

「私も弐條さんに勉強を見てもらっているので、助かっています。」

「やはり慶女だから将来は慶応?」

「まあそれならいいですけど、今はなんとも・・・。」


マスコミ中には僕らが付き合っていることは知られている(婚約は知らないけど)。暗黙の了解で、表に出ないだけ。そのおかげで普通に二人で歩いたり食事するくらいでは雑誌にかかれたりはしない。まあそれは親父や周りの人達のおかげなんだけどな・・・。


次の休みの日にはこの前注文した物が続々と搬入されて、生活できる状態になった。綾乃も昼間荷物を棚に整理する。夕方になるとスーパーへ色々買出しに行って夕飯を作って綾乃は帰っていった。ホントに綾乃がいてくれて助かるんだよね・・・。僕と響貴夕飯を済ませて後片付けをすると、色々話をした。大学のこと、将来のこと、そして・・・綾乃のこと。


「え!まだお前らやってないのか?もうすぐで付き合って1年なのにさ。婚約してるって言うのに・・・。かっこいい顔してお前はまだ童貞かよ!信じらんねー!なんで?」


「まあ今まで何度かチャンスは合ったんだけどね・・・。タイミングが合わなくってさ・・・。」

「まあそういうこともあるだろうけどな・・・。じゃあこれやるわ。」


響貴は僕に箱を投げたよく見るとあれだよあれ。


「これくらいは準備しとけ。いくら婚約してるっていっても、今出来たら困るだろ。こんな俺でもこれくらいするぞ。まあがんばれよ。せっかく邪魔者がいないようなところに住んでるんだからさ・・・。あ、俺が邪魔か!まあ前もって言ってくれたら、どっか行っておくしさ。」

「うんそうだね・・・ありがとう。」


まあ響貴の言うこともわかる。いくら婚約してるって言っても今出来たら洒落にならない。僕はいいとしても、綾乃は学校辞めないといけなくなるし・・・。


「ところで使い方ぐらいはわかるか?あとやり方は?お前は今まで勉強一筋で、綾乃ちゃんがはじめての女の子だからな・・・。DVDでも見て勉強しろよな・・・。」


おい、なんていうこと言うんだよ・・・。ある程度は知ってるって・・・。まだ経験がないだけで・・・。まあこれから色々経験豊富な響貴からレクチャーを受けることになっちゃったんだけど、まずは気持ちだと思うんだけどな・・・。勿論無理やりってのは好きじゃないから、きちんと綾乃に聞いてからとは思っているんだけどな・・・。


ホント淡白だな僕って・・・。

毎日淡々と過ぎていく・・・。

いつになったら・・もう辞めておこう、こんなの考えるのは・・・。

さあ勉強、勉強!