小説挿絵~波乱のキャラ、典薬寮医師和気泰明
名前は「和気泰明」。
典薬寮で医師(くすし)をする青年。
何十年にひとりというような逸材で、19歳の若さで東宮の難病を見事治し、注目されるも、いろいろな重責と幼馴染の今上帝ご寵愛の女御への想いを断ち切る事が出来ず、失踪。何かの縁で、お隣の国「宋」に渡り、流行り病にかかった宋国王の末姫君の治療をし、見事回復させる。たいそう喜んだ宋国王は、この愛娘を泰明に与え、国王付きの侍医の一人として取り立てる。この姫君との間には「蘭」という姫がいるが、蘭を生んだ後、姫君は崩御する。泰明は4年間に宋国の最新の医術を見事すべて習得し、国王の崩御という混乱の最中に紛れ、宋国の医学書の写しを持参した上何とか帰国を果たす。
帰国後、帰国できなかったわけを聞いた帝は都を騒がせた罪で、処分しようとするが、ご寵愛の大和女御の願いで、持ち帰った医学書と引き換えに再出仕の許可を出す。
今上帝雅和は大和女御彩子と和気泰明が想いあっていることを知り、譲位の際に女御を泰明に与えることを決める。(以前東宮の命を救ったことに恩があるためです^^;)
彩子が東宮に乱暴された姿を見てしまった泰明は自分の立場をわきまえずに東宮を責めようとするが、彩子のことを思い黙っていた。しかし彩子が東宮の子を懐妊し、帝の意向でこの子を帝の七の宮として内密に事を運ぶよう命を受ける。そして東宮侍医である泰明は、彩子の担当医師として側につき、東宮の子を懐妊中の彩子の心の支えとなる。
彩子は無事に実家のある大和にて、皇子を出産するも東宮によく似たこの新宮を嫌い抱こうともしなかった。泰明は彩子を説得するも、聞き入れず、先に新宮であり、次期東宮として育てられる「良仁親王(ながひとしんのう)」を先に帰京させる。数日後、彩子こと大和女御が帰京の際、大和国と山城国の国境で賊に襲われ、彩子を助けるために身を挺し、命は助かったものの、左腕を負傷し、医師として致命的な障害が残る。彩子こと大和女御を身を挺して守ったことで、帝に譲位後褒美としてこの女御を賜ることを正式に発表される。
帝が譲位後、和気家に女御を迎え、幸せな新生活が始まる。結婚後すぐに一男をもうけるが、彩子への思いを断ち切れない前東宮こと今上帝康仁が、東宮である先帝七の宮は自分の一の宮であると親王宣旨し、和気泰明の典薬頭の就任と和気家一門の将来繁栄を条件に無理やり、東宮の生母である彩子を先帝後二条院の養女とし、皇后として立后させる。その上、彩子を一切御殿から出さず、泰明の目に触れないようにした。立后後はじめて七夕節会の宴会中に後宮の女御の手引きで皇后彩子は後宮を抜け出し、典薬寮の泰明の一室にて再会。その折、泰明は彩子が帝の子を懐妊中であることに気づき、すぐに後宮に彩子を返す。彩子は出産直前にやっと養父である先帝の邸に入る事が許され、出産直前に先帝後二条院の配慮により二人は再会。直後に彩子は二の宮を産む。
帝の奇行に困り果てた後二条院と摂関家はそれぞれ帝の退位計画を企て、退位させる。東宮良仁親王は帝位に就き、後二条院が祖父として院政を行う。新東宮は彩子の産んだ二の宮。帝が退位したことで、泰明のもとに彩子が帰ってくることになった。しかし彩子のおなかには新しい命が授かっていた。もちろん先帝康仁の子を・・・。それを承知の上で泰明は自分の子として育てることを決意する。泰明と彩子は末永く幸せに暮らしたのです。