うまのきもち~ある競走馬物語 (7)初のGレース
デビューが遅かったから、クラシックレースには間に合わなかったんだけど、僕は何とか順当に勝ちあがり、年が明ける。
「カミカゼ、初めてのグレードレースが決まったよ・・・。GⅢの京都金杯だ!!!がんばろうな。」
って厩務員さん。
スポーツニッポン賞京都金杯(GIII). 芝コース・右まわり・ 1600m サラ系4歳上 オープン戦なのだ・・・。オーナーのおっちゃんは意気込んでいる。だってさ、僕の妹が年末のGⅠをとったんだって。最優秀2歳牝馬に選ばれたらしい・・・。
まったく父母の同じ僕に期待するおっちゃんたち。もちろん妹のワキノヒメギミはクラシック最有力馬。さすが3冠馬の娘だって言われている。
僕はどうだ・・・。
まったく同じ兄妹なのにまだオープンになったばかりで・・・。
おっちゃんは別にのんびり行こうって言ってくれたからいいけどさ・・・。
そして迎えた京都金杯。
雪で真っ白な京都競馬場。
そして僕は真っ白・・・。
最近面子とブリンカーを取った。
芦毛だけど白馬のように真っ白な僕。
コースに入ると、準備運動。
僕のはく息が超白い。相変わらず僕の鞍上は竹下悠。デビュー戦以来ずっと・・・。もちろん妹もこの竹下悠。いつものように僕の首をポンポンってたたいて気合を入れてくれる。そして僕はブルルルって言って返事をするんだ・・・。
グレードレースのファンファーレがなる。今回はゼッケンナンバー3番。10頭だて・・・。奇数番号からのゲート入り・・・。僕はすっとゲートイン。そして最後のやつが入るとゲートが開く。最近僕は先行馬に転向。
いいスタートだ。
あれって感じでなぜか僕が逃げている。
別に飛ばしているわけでもないのにずんずん差が開く。
さあ直線。
竹下悠は後ろを気にしながら一発鞭を入れる。
さらに僕は飛ぶような走りで一気にゴール。
なんと大差勝ち・・・。
え?って感じで終わってしまった・・・。
まだまだ余力があるんだけど・・・。
そして今まで味わったことのないような表彰式・・・。
首からなんか掛けられて竹下祐やオーナーのおっちゃん、そしてオーナーの家族、キャンギャルって言うきれいな着物着たおねーちゃんとみんなで記念撮影。
おっちゃんたちの嬉しそうな顔・・・。
記念撮影のあとおっちゃんが言った。
「カミカゼ。今日の走りはまるでカミカゼの父馬を見ているようだったよ。飛ぶような走り・・・。カミカゼの能力がやっと開花したねえ・・・そう思わないかい、竹下君。」
「そうですね・・・。この走りならG1いえ海外レースも夢じゃありません。もうちょっと距離を延ばしてがんばらせて見ましょう。」
って・・・。
さあ、これからは第一目標の夏の宝塚記念を目指してトレーニング開始!!!
これがイチゴ飴ってやつですよね^^;
asaさんの
ブログに描かれていたイチゴ飴・・・。
もしかしてこれではないかと・・・。
商品名は「モモ飴」・・・
近所の楽市って言うお酒やさんで発見!!!
価格は89円。
ついつい懐かしく思って購入しました。
これこれ!!!
って思った方はご一報ください!!!
間違っていたらごめんなさいね^^;
asaさん・・・。
画像汚くてごめんなさい^^;
うまのきもち~ある競走馬物語 (6) 初レースの出来事
さあ!初レース!
ゲート前で準備が整うのを待つ。
そしてファンファーレ・・・。
新馬戦だから、皆ドキドキしているのがわかる。
ドキドキしすぎてゲート入りを拒むやつ、後ろ足で蹴るやつ・・・。
「あ!危ない!!!!」
って竹下悠が僕に言った。
なんと暴れたやつが後ずさりして僕にぶつかりそうになったうえに、僕を後ろ足で蹴ろうとしたんだ・・・。
このときは竹下悠が何とかしてくれたからぶつからなかったけどね・・・。
ふう・・・。
なんとなくこのレースは荒れそうだ・・・・。
そしてこの暴れたやつのせいでレース開始時間が大幅に遅れる。
暴れたやつの馬体検査のせいさ・・・。
何とかゲートに入ったやつらも一度出されるもんだから、みんなはパニクってる。
僕だけが落ち着き、遠目で見ているんだ。7番の大外だからかな・・・。
その馬体検査したやつは過度の疲労で競争除外・・・。
6頭だてでのレースとなる。
「なんだかいやな予感・・・。」
って竹下悠がポツリつぶやく・・・。
そしてもう一度、ゲート入り・・・。
やはりみんなは落ち着かない・・・。
まずまずのスタート。
僕は一応追い込み馬ってことで後ろからのスタート。
十分力を蓄えてから直線で一気にっていうプラン。
そして中盤あたりで事故発生!!!
中間を走っているやつが躓き転んだ・・・。
そのやつに躓きもう一頭・・・。
その後ろを走っていた僕・・・。
やばい!!!止まれない!!!巻き込まれる!!!
「カミカゼ!飛べるか?!もう避けられないから飛ぶぞ!!!!」
(おう!!!)
僕はブルルルと返事。
すると竹下悠が躓き転んだ馬と騎手に言う。
「伏せて!!!!」
そして僕は一気に地面を蹴って飛ぶ。
まるで障害競走のように・・・。
着地は転びそうになたんだけどなんとか持ち直し、一気に先頭集団を目指す。
直線・・・。
前には4頭・・・。
僕はずんずん近づき一頭一頭抜く。
スタンドは新馬戦にも関わらず、まるでGⅠのように歓声・・・。
あと1頭・・・。
そしてもうすぐゴール!
あと1頭!!!!
そしてゴール!!
あぁ抜いたと思ったんだけどなあ・・・。
鼻差の2着。
なんとかああいう出来事があったのに無事ゴールできた。
オーナーのおっちゃんはああいう出来事があったのに、こうして2着に入った僕をたいそう褒めてくれて、厩舎に帰るとご褒美のニンジンをたくさん差し入れてくれたんだ。
それも特別甘いおいしいニンジンを・・・。
うまのきもち~ある競走馬物語 (5)パドック!!
僕はデビュー当日。ドキドキしながら馬運車に乗り込んだ。相変わらず一緒に乗り込んだ馬たちは俺のことを馬鹿にする。まあ馬鹿にされることは慣れてしまったんだけど・・・。
さあ僕のデビュー戦。2R。厩務員さんは僕に母さんの形見のブリンカーつきの面子をつける。
ゼッケン番号7番。
ラッキー7だ。
うまくいくかな・・・。
ゼッケンと鞍をつけられ、そしてパドックへ・・・。
みんな僕のことを見ている。人も馬も・・・。
あ、オーナーのおっちゃん!じっと腕組みしながら僕のことを見ていたんだ。
「あれが3冠馬の息子か?白いぞ!」
って言う人・・・。
だから俺って母さん似なんだ・・・。
厩務員さんが、僕の鼻を撫でて言うんだ。
「がんばれよ。カミカゼ。きっとお前は勝てるよ。いつもどおりに走ればね・・・。」
(わかってるよ・・・。)
僕は鼻をブルルルって鳴らして厩務員さんに返事をした。
僕の軽い足運びを見てくれって言うように歩いてみせる。
そしてあごを引いて気合を見せてみる。
「カミカゼ、いい気合だねえ・・・。」
って厩務員さんが褒めてくれる。
係員さんの掛け声で出てくる騎手たち。
騎手の竹下悠は僕にさっと乗った。そして首元をポンポンとたたく。
「がんばろうなカミカゼ・・・。いい気合だよ・・・。」
って竹下悠・・・。
僕はがんばる!
オーナーのおっちゃんのため、そして天国にいる母さんのために・・・・。
お久しぶりの『うまのきもち』の更新です。
今回はイラスト使い回しします。^^;
ではあと6回お付き合いください。
15年ぶりに書いた龍さんです^^;【新作発表!】
う~~~~~~~~ん
龍を書いたのは15年ぶりだあ~~~~~~~~。
龍ってこんな感じだったかなあ・・・。
次は伝奇物を書くんです^^;
舞台は戦国時代の京。
15年前の作品をリメイクして小説を書きます。
青龍、白虎、玄武、朱雀、黄龍が出てくるんですが・・・。今までのように挿絵書けるかなあ・・・。
きっと無理でしょう^^;
気が向いたら書くようにします。
時代設定をしていても、結構アバウトな時代になっていますのでご了承ください。
題は「四神降臨」
といいつつも陰陽道の五行をベースとしていますので、五神になりますが・・・。
完結に至るか、それとも途中放棄か・・・・。
原作が出てくれば、完結できるんですが、行方不明・・・。続編の現代版も書いていた形跡あり。こちらはプロローグで止まっていました。さて書けるか???一種の挑戦です^^;
まずは書きかけで止まっている「うまのきもち」が終わってから連載開始です。今回は短文過ぎてわけわからないかもです^^;
来週あたり連載開始かな???
ではでは・・・。
次は白虎でも書くとするかね・・・・。
ドリーム・クエスト (40)夢を求めて・・・【完結】
ああやっと大学最後の試験が終わった!!!もちろん合格点の自信はある。きちんと卒論も通ったし、あとは卒業のみ。相変わらず和気さんは通常国会で忙しくって、週末以外はほとんど家にいないのよね・・・。
ついに来た来た卒業式!!
私はおねえちゃんと総理大臣夫人の伯母様に着物と袴を着付けてもらって、卒業式に出席。
もちろんパパと母親代わりとして伯母様が出てくださった。
伯母様はファーストレディーなのに嫌な顔ひとつせずにね・・・。
「いいのよ。彩子ちゃんは私の娘みたいなんですもの。遠慮しなくていいのよ。」
ホントお母さんが生きていればこういう感じで、私の卒業式を祝ってくれるんだろうな・・・・。
私は卒業式の後、伯母様と総理公邸に・・・。
実の娘じゃないのに、公邸に遊びに来るなんてね・・・。
みんな揃って食事をしましょうってね・・・。
もちろんお姉ちゃん夫婦や和気さんも来るの。
パパもね・・・。
伯父様は公務を早めに切り上げてくださって、和気さんや弐條のお兄さんと共に公邸に入ってくるの。
なんと、お婆さまも来てくれてね・・・。
私の東大卒業を心から喜んでくださったのよね・・・。
「彩子ちゃん、今度は就職ね・・・。彩子ちゃんがテレビに早く映るようになって欲しいわ・・・。仙台で応援していますからね。」
「はい、お婆様。」
「ホント幸せ。孫を諦めていたのに・・・。こうして曾孫までいるのですもの。生きいてよかったわ・・・。」
お婆様は本当に喜んで涙を浮かべていらしたのよね・・・。
ママの実家が弐條のお兄ちゃんの一家と肩を並べるような政治家家庭。
なんだか偶然って怖い。
和気さんも私が総理の姪ってことで、将来有望だね・・・。
官房長官平氏の甥っ子と、内閣総理大臣の姪っ子夫婦・・・なんだかくどいけどね・・・。
お姉ちゃんとこもそうよ。
歴代の総理が両方の家系にいるってことで、この上ない血統だわね・・・。
うんうん・・・。
でも知らない人から見たら何で私たちがここにいるんだろうと思うんだろうね・・・。
うふふ・・・。
今夜パパは久しぶりに南麻布のマンションに泊まったの。
ホント最近心のつかえが取れたみたいでなんか晴れ晴れ・・・。
明日は仙台に行ってお爺様のお墓参りに行くんだって。
そして仙台から飛行機で神戸に戻るって・・・。
なんていうのかな、すべてが丸く収まったって感じで、私も安心して就職できるってわけ。
さあ、私、小さい頃からの夢だったアナウンサーになるんだもん!
和気さんだってそう。
小さい頃からの夢「総理大臣」に一歩一歩近づいているのよね。
さあ!がんばらないとね!
(完)
【作者からの一言】
一応このシリーズを完結いたしました。というよりさせました^^;
彩子と和気さんの将来については
『happyquest メンバールーム「創作広場」』
http://ameblo.jp/happyquest
にて連載中です。
ちょこっと本編と違うところがありますが・・・。
こちらのほうでは主人公を変えた更なる未来を連載予定!
では次は「うまのきもち」を完結させないと・・・。この連載もこの小説とちょこっと絡んでいるんですものね・・・。
この小説に出てくる「ワキノカミカゼ」とJRA騎手・竹下悠のお話ですから・・・。
ではでは。
ドリーム・クエスト (39)綾乃と彩子の母の過去と和解
春になり、私の旦那様弐條雅和は元総理大臣のお父様に言ったのね。
「父さん、いつまで宿舎住まいする気?もうそろそろ僕たちと一緒に住もうよ。光子さんも芦屋に返したことだし、一部屋空く。」
今までお世話になっていた光子さんは結構ご高齢だから、これ以上私たちのために大変な思いをさせるのは辞めようって二人で決めたの。ホントにお世話になりっぱなしだし・・・。雅と彬だいぶん手が離れてきたことだしね・・・。2人で何とかなると思ったの。そして前々から雅和さんのお父さんと一緒に住みたいねって・・・。そのほうがお父さんも楽でしょ。食事も何もかも私がするわけだし、可愛い孫との生活なんだもの。
雅和さんはお父さんを説得して、年明け早々一緒に住むことになったの。
「すまないね・・・。お邪魔してしまって。」
「いいんだよ父さん。もともとここは父さんと住むつもりで爺ちゃんが買ってたんだから・・・。遠慮はなしだよ。」
「そうです、お父様。雅や彬も喜びます。」
そう、雅と彬は、大好きなお爺ちゃまが一緒に住むもんだから喜んじゃって・・・。
毎日お父さんに抱っこをせがんだりするのよね・・・。
お父さんはもう大変って感じ。
でも結構爺馬鹿だから嬉しくてたまらないみたい。
ある日お父さんは私が持っている家族写真を見て言うの。その写真は十六年前の写真。まだ小学校の時、お兄ちゃんが防衛大学校の入学式の時の写真。私はその時9歳。家族みんなで写っているの。もちろん大好きだった亡きママが写っている。
この1年後にママは亡くなったんだ・・・。
とびっきりの着物着て、微笑んでいる最後の写真。
このあとすぐに癌が見つかって、43歳で亡くなってしまった。
パパはすごくショックを受けて、階級に合わない海外勤務を志願して・・・。
「綾乃さん、この人はお母さんかな?」
「はい、16年前になくなった私の母です。」
「もしかして名前は綾子さん?旧姓藤原綾子さん?」
「旧姓は知りませんけど・・・。綾子です。母の名前は・・・。」
「そう・・・綾子さんは、君のお父さんと結婚していたのか・・・。」
え?何でお父さんはママの事知っているの?
「実はね、彼女は私と結婚するはずだった・・・。生まれながら親同士が決めた婚約者だったんだよ。この私が雅和の母と駆け落ち同然になって、そして彼女も好きな人がいた。そういえば綾子さんは街でであった自衛官と恋に落ちたって聞いたよ・・・。それが綾乃さんのお父さんだったって事か・・・。はじめ綾乃さんを雅和から紹介された時驚いたんだ。その時はきっと他人の空似だと思ったのだけれども・・・。」
「母と、お父様が・・・・?そのような・・・?」
「ま、私としても綾子さんが源さんと結ばれたおかげで、雅和の母和子と一緒になれたわけだし、そしてこうして雅和と綾乃さんが結婚してくれた。あなた達が出会うのは運命だったのかもしれないね・・・。と、言うことは・・・綾乃さん。」
「はい?」
「今の総理、藤原君は綾乃さんの伯父さんになるわけだね・・・。綾子さんは彼の妹だから・・・。」
え?あの藤原さんってママのお兄さんなの?
全然知らなかったよ・・・。
だからよく藤原さんは私を見て優しく微笑んでいたのかしら?
妹に似ていたから?
もちろんパパに確認したわよ。
そしたらまさしくそうだった。
ママの旧姓は藤原で、宮城出身。
初めて派遣された東北方面総監部がある仙台で知り合ったんだって・・・。
毎日出勤中のパパと通学途中のママが顔見知りになって・・・。
恋に落ちて・・・。
ママの両親に反対されてパパの転勤を機に駆け落ちしたって・・・。
それ以来ママは一切実家に連絡をしないでそのままパパと結婚、そして私たち三人の子供が出来た。
きっと私の仙台のお爺様はママが死んだことなんて知らないんだわ。
でもママとパパは幸せだった・・・。
パパは驚いてたわよ。雅和さんのお父さんがママの元婚約者で、そして今の総理大臣がママのお兄さんだったって事・・・。
多分藤原って名前はありふれているから気が付かなかったのかな・・・。
私はパパからママの若いころの写真をもらったの。
丁度パパとママが駆け落ち寸前のころの・・・。
やっぱり私と似てにいたの。
ママは21歳。パパは24歳。
丁度パパが幹部候補学校を卒業してすぐのころ・・・。
それだけじゃない。そのあと区切り区切り数枚の写真。
パパは藤原さんに渡しなさいって何枚もくれたの。
パパだっていろいろ大変だったし・・・。
雅和さんのお父さんを通して藤原総理にママの写真が渡ったの。もちろん驚いておられたって雅和さんが言ってたのよ・・・。だって私は藤原さんの姪ってことでしょ。それも最愛の妹の子だから。
半月ほどして、パパとあたし達兄弟は雅和さんと共にママの故郷仙台へ行ったの。パパはママの形見を持って・・・。もちろんこれは藤原総理のご好意によるもの。
今、総理のお父様、あたしのお爺様なんだけど、ご病気で入院中なの。
雅和さんは藤原総理の元公設秘書だから、ママのお父様と面識があるのよね。
だからあたし達を案内してくれたの。
ここは某病院の個室・・・。雅和さんはドアをトントンってたたいて先に中に入った。
「綾乃、入っていいよ。総理もおいでだから・・・。」
「うん・・・。パパ・・・はいろ。」
パパはとても緊張した顔をしてあたしと共に中に入ったの。
「父さん、わかる?綾子の・・・。」
「んん・・・。わかっている。」
パパはお爺様の前に土下座して言ったの。
「今まで長い間、ご迷惑をおかけいたしまして、申し訳ありませんでした!!!大切にしておられた綾子さんを勝手に連れ出し、許しも得ず結婚し、そして・・・そして・・・。」
「顔をお上げなさい、源君。もう君のことは恨んでいないよ。先日妻から聞いた。詳しい住まいなどは知らせてこなかったが、何かあるごとに綾子は手紙を妻によこしていたらしい。妻は私の性格をよく知っているから、今まで手紙や写真を隠していたみたいだけど・・・。全部手紙や写真を見ましたよ。結婚したから始まって、そこにいる博雅君が生まれた、幼稚園に行った、小学校に入った、綾乃さんが生まれた、彩子さんが生まれたとか・・・毎年最低1通は手紙をよこしてくれていたらしい。そして必ず最後には「私は幸せですから安心してください。」と書かれていたんだよ。そして最後は博雅君の防大入学の家族写真で終わっていたけどね・・・。ホントに幸せそうな写真ばかりだった・・・。だから私は源君のことを感謝しているのですよ。43歳という短い人生だったが、幸せだったのだから・・・。」
パパはお爺様と手を取り合って、2人で謝りあっていた。
そしてパパはお爺様にママの形見のひとつを渡したの。
「これは綾子が一番大切にしていたものです・・・。」
「こ、これは・・・綾子が20歳の祝いにやった時計・・・。そうか・・・。」
「これをお返しします。」
パパとお爺様は和解したの。
そしてうちの雅と彬を見て微笑んだのよね・・・。
だって突然曾孫が現れたんだもんね・・・。
総理にはお子様がいらっしゃらないから・・・。うんうんっ言って・・・。
その半月後、お爺様は亡くなった。とても幸せそうな顔をしてね・・・。眠るように・・・老衰で・・・。きっとお爺様は天国でママと再会しているんだわ。
もちろん葬儀にはみんなで参加。
パパ、雅和さん、和気さん、彩子、お兄ちゃん、美月さん、あたし・・・。
親戚の人たちはあたし達の存在に驚いていたわ。
お婆様や総理が親戚に紹介してくださって・・・。
もちろんあたしがママにそっくりだったから、みんな納得してたのよ。
私はママが大事にしていた着物をお爺様の棺おけの中に入れたの。
最後に家族で撮った写真で着ていた訪問着・・・。
あれはわたしが形見としてもらったんだけど、やっぱりお爺様に差し上げたくって・・・。
お婆様はとても感謝しておられたわ。
その代わり、お婆様はパパがお爺様に差し上げたママの形見の時計を私にくださった。
私が総理大臣の姪であることは公にはならなかったけれど、この日から伯父様である総理は私や彩子のことを実の娘のように可愛がってくださったの。
ママが私たちを引き合わせてくれたのかな・・・。
【作者からの一言】
次ラストです・・・。
完全完結予定です・・・。
その次は書き残しの「うまのきもち」の続きと、伝奇物「四神降臨(仮)」を・・・。
ではでは・・・。
ドリーム・クエスト (38)クリスマスパーティー
和気家は結構パーティー好きだ。
事あるごとに自宅でホームパーティー。特に年末年始は盛大。何年ぶりだろう、年末年始のパーティーに出るのは・・・。俺自身こういうのは好きやないから、年末帰りたくなかったんや。
ま、今年は彩子と正式に結婚して、初のクリスマスパーティーやしな・・・。
出たらな親父がかわいそうやろ。
親父はえらい彩子を気に入ってるんや。
才色兼備やし・・・。うんうん・・・。
特に今年は彩子が北野彩夏としてイメージキャラになったJRA で親父の馬が見事GⅠタイトル取りまくりで・・・。親父は彩子のことを幸運の女神やっていっとった。
初めて牝馬3冠を取ったワキノヒメギミにはじまり、怪我で引退したけど、ワキノカミカゼが宝塚記念を取った。その他諸々の馬がGⅠを取り、あわせて六つ。馬主中でも注目の的だった。
あ~あワキノカミカゼの引退がなかったら、有馬記念はうちの父さんのものだったのに・・・。
ま、来年クラシックが楽しみな牡馬がいるからな・・・。親父は牡馬3冠や!!!って気合入りまくり。
今のところワキノサプライズは無敗のGⅠ1勝2歳牡馬。
ホントに彩子は幸運の女神的素質があるかも知れんな。
彩子に宝くじでも買ってもらおうかな・・・。
冗談はこれくらいにしてな、今夜は政財界、医師会、競馬界総勢100人くらい集まるんだよね・・・。100人入るうちもすごいけど・・・。もちろん料理はどこかのシェフを貸切。立食形式のパーティーや。苦手だけど、名刺をたくさん名刺入れに入れておかないとね・・・。あと2年でまた選挙があるから顔を売っておかないと・・・。
彩子は俺の部屋でパーティーの準備。お気に入りのパーティードレスを着込んで、今髪の毛を整えている。化粧も念入りだ・・・。ま、俺はブラックスーツでええから楽だけど・・・。
「あ、これ母さんからのプレゼントや。ドレスに合わしたらええ。」
そう、母さんが彩子のために御用達の真珠屋さんで特注した淡いピンク色のパールのネックレス、イヤリング、指輪のセット。彩子は喜んで、それをつけることにした。俺は彩子の後ろからネックレスをつけてやった。
「ありがとう和気さん・・・。すごくきれいよね・・・。お母さんにお礼を言わなきゃ。」
彩子は薄いピンクの体の線がはっきり見えるロングドレスを着て、準備を整えた。
「どうかな・・・。おかしくない??」
すごくきれいで、この俺が独り占めしているなんて信じられないくらいだ。
「むっちゃ綺麗やで、彩子。」
俺は彩子を抱きしめて、キスをした。
「和気さん、口紅着いちゃったよ・・・。」
「いいよ。あとで拭いたら取れるし、もう一回キスさせて・・・。」
「もう和気さんったらもぅ一回だけだよ。」
ホント俺たちってラブラブだな・・・。こうしている時がもっと続けば言いなって思ったんだけど・・・現実は違うよね・・・。
「あ、今日議員バッチつけるの?」
「う、うん・・・。」
彩子はいつも着ているスーツから議員バッチを取って俺のスーツにつけてくれる。
「悪い、もう一回キスさせて・・・。」
ホント俺って彩子とキスをするのが好きみたいだ・・・。
「和気さん、いい加減にしないと怒るよ。終わったいっぱいしてあげるから。」
彩子は口紅を塗りなおして俺の口についた彩子の口紅を拭いてくれる。
そしてむっちゃ綺麗な微笑み・・・。
ホント最近まで若手超人気タレントだったんだもんな・・・。
俺たちは会場に降りて、招待客にご挨拶。やはり来ている人はみんな華やかな人ばかり・・・。元タレントの彩子の登場で、みんな俺たち二人の注目の的。もちろんこういうのが苦手なんだよね・・・。俺は一人一人に名刺を配りながら彩子と挨拶に回る。さすが彩子。笑顔が絶えないんだよね・・・。彩子は母さんを見つけると、さっきの御礼に行く。
「お母様、先ほどはとても素敵なものをありがとうございました。」
「まあ、彩子さん。よくお似合いでよかったわ。いいのよ。泰明の大切な人ですものね・・・。」
わき合い合いで話している2人を見て俺は安堵。去年の今日は嫌味たらたらで電話をかけてきた母さんが・・・。
「やっぱし綺麗だよな・・・姉さんは・・・。」
「敏明・・・。」
「泰にいはいいよな・・・俺なんて親の決めた相手としか結婚できないんだもんな・・・。」
「そんなことはないよ。俺もはじめはそう思ってたんだから。でもきっといい出会いがあるよ。俺みたいにね。」
「そうかな・・・。」
「ほら、あの子はどうかな・・・。可愛いよな・・・。」
部屋の隅のほうで一人つまらなそうな女の子を見つけた。
結構可愛い女の子で、きっと誰かが連れてきたんだろうな・・・。
彩子ほどじゃないけど、結構可愛らしい18歳くらいかな・・・。
早速敏明は声をかけていたよ。
その子は敏明が声をかけると微笑んで、つまらなさそうな顔から一転楽しそうな顔になったんだ。
「にい!今度会う約束しちゃったよ。」
「どこの子?」
「神戸の子でね、山の手学園の理事長のご令嬢だったよ。堀川鈴音ちゃんって言って・・・。歳はお姉さんと同じだよ。」
「え?22歳?見えないよ。山の手って言ったら彩子の出身校だよ。」
「何々?何はなしてるの?」
母さんと話を終えた彩子がこっちにやってきた。
「堀川鈴音って知ってるか?」
「うん知ってるよ。中学の時一度同じクラスになった。」
俺は彼女のいるほうに指を差す。
「あ、ホント。鈴音ちゃんだ。ちょっと会って来るね。」
彩子は鈴音ちゃんと話をしている。同級生の登場に2人は懐かしそうな顔をしていた。俺は敏明にいう。
「付き合うつもりか?堀川鈴音さんと。」
「出来るならしたいね。ええとこのお嬢さんなら親父も文句はいわんやろし・・・。」
「まあがんばれよ。応援したるから。お前も去年母さんを説得してくれたんやろ。彩子の事・・・。」
「ん?知ってたのか?」
「お前しかおらへんやん。母さんと面と向かって話せるのって・・・。急に母さんが綾子のこと何も言わんようになったのはおかしいと思ったんや。だから今度は俺がなんとかしたるわ。」
「にい・・・。」
結局敏明は付き合うことになったみたいや。
正月恒例のパーティーに振袖を着た堀川鈴音ちゃんが来てたのは驚いた。
もちろん敏明は親父と母さんにこの子と結婚前提に付き合うって言ってた。
突然の出来事に母さんは驚いてたけど・・・。
父さんは堀川さんのお父さんと友人やったから、すんなり決まったんだけど・・・。
あちらさんも和気家に嫁いでいいんかと言ってたみたいで・・・。
でも、結婚は3歳年上の姉ちゃんがまだお嫁に行っていないからって、そっちが決まってからになった。
結納は敏明が春、大学を卒業するし、堀川鈴音ちゃんも春卒業ってことで、それが済んでからってことになったんや。
驚いたのは弐條の嫁さんと鈴音さんのお姉さんが親友だということ。
世の中って狭いかも知れん。
それよりも、敏明、お前医師免許の国家試験どうなっとるねん・・・。
華麗なる一族の「華麗パン」
山崎パンの「華麗パン」105円 昨日ふと立ち寄ったSHOP99で売っていたので、購入。
今日の朝食としてチンして食べました。
感想・・・・ ごく普通のカレーパンって感じ・・・。
まあこの価格ではしょうがないか・・・。
それよりも後口が油っぽくて今ムッとしています。 まあ話題の商品を食べたってことでいいとにしよう・・・。
もう買いません・・・。
もうちょっと中身が欲しかったなあ・・・。