うまのきもち~ある競走馬物語 (5)パドック!!
僕はデビュー当日。ドキドキしながら馬運車に乗り込んだ。相変わらず一緒に乗り込んだ馬たちは俺のことを馬鹿にする。まあ馬鹿にされることは慣れてしまったんだけど・・・。
さあ僕のデビュー戦。2R。厩務員さんは僕に母さんの形見のブリンカーつきの面子をつける。
ゼッケン番号7番。
ラッキー7だ。
うまくいくかな・・・。
ゼッケンと鞍をつけられ、そしてパドックへ・・・。
みんな僕のことを見ている。人も馬も・・・。
あ、オーナーのおっちゃん!じっと腕組みしながら僕のことを見ていたんだ。
「あれが3冠馬の息子か?白いぞ!」
って言う人・・・。
だから俺って母さん似なんだ・・・。
厩務員さんが、僕の鼻を撫でて言うんだ。
「がんばれよ。カミカゼ。きっとお前は勝てるよ。いつもどおりに走ればね・・・。」
(わかってるよ・・・。)
僕は鼻をブルルルって鳴らして厩務員さんに返事をした。
僕の軽い足運びを見てくれって言うように歩いてみせる。
そしてあごを引いて気合を見せてみる。
「カミカゼ、いい気合だねえ・・・。」
って厩務員さんが褒めてくれる。
係員さんの掛け声で出てくる騎手たち。
騎手の竹下悠は僕にさっと乗った。そして首元をポンポンとたたく。
「がんばろうなカミカゼ・・・。いい気合だよ・・・。」
って竹下悠・・・。
僕はがんばる!
オーナーのおっちゃんのため、そして天国にいる母さんのために・・・・。
お久しぶりの『うまのきもち』の更新です。
今回はイラスト使い回しします。^^;
ではあと6回お付き合いください。