うまのきもち~ある競走馬物語 (6) 初レースの出来事 | 超自己満足的自己表現

うまのきもち~ある競走馬物語 (6) 初レースの出来事

 さあ!初レース!

ゲート前で準備が整うのを待つ。

そしてファンファーレ・・・。

新馬戦だから、皆ドキドキしているのがわかる。


ドキドキしすぎてゲート入りを拒むやつ、後ろ足で蹴るやつ・・・。

「あ!危ない!!!!」

って竹下悠が僕に言った。


なんと暴れたやつが後ずさりして僕にぶつかりそうになったうえに、僕を後ろ足で蹴ろうとしたんだ・・・。

このときは竹下悠が何とかしてくれたからぶつからなかったけどね・・・。


ふう・・・。


なんとなくこのレースは荒れそうだ・・・・。



そしてこの暴れたやつのせいでレース開始時間が大幅に遅れる。

暴れたやつの馬体検査のせいさ・・・。



何とかゲートに入ったやつらも一度出されるもんだから、みんなはパニクってる。



僕だけが落ち着き、遠目で見ているんだ。7番の大外だからかな・・・。


その馬体検査したやつは過度の疲労で競争除外・・・。

6頭だてでのレースとなる。


「なんだかいやな予感・・・。」


って竹下悠がポツリつぶやく・・・。

そしてもう一度、ゲート入り・・・。

やはりみんなは落ち着かない・・・。



うまのきもち スタート
そしてゲートが開く。

まずまずのスタート。


僕は一応追い込み馬ってことで後ろからのスタート。

十分力を蓄えてから直線で一気にっていうプラン。


そして中盤あたりで事故発生!!!

中間を走っているやつが躓き転んだ・・・。

そのやつに躓きもう一頭・・・。


その後ろを走っていた僕・・・。


やばい!!!止まれない!!!巻き込まれる!!!


「カミカゼ!飛べるか?!もう避けられないから飛ぶぞ!!!!」


(おう!!!)


僕はブルルルと返事。

すると竹下悠が躓き転んだ馬と騎手に言う。

「伏せて!!!!」


そして僕は一気に地面を蹴って飛ぶ。

まるで障害競走のように・・・。

着地は転びそうになたんだけどなんとか持ち直し、一気に先頭集団を目指す。

直線・・・。

前には4頭・・・。


僕はずんずん近づき一頭一頭抜く。


スタンドは新馬戦にも関わらず、まるでGⅠのように歓声・・・。

あと1頭・・・。


そしてもうすぐゴール!

あと1頭!!!!


そしてゴール!!


あぁ抜いたと思ったんだけどなあ・・・。

鼻差の2着。



なんとかああいう出来事があったのに無事ゴールできた。

オーナーのおっちゃんはああいう出来事があったのに、こうして2着に入った僕をたいそう褒めてくれて、厩舎に帰るとご褒美のニンジンをたくさん差し入れてくれたんだ。


それも特別甘いおいしいニンジンを・・・。