超自己満足的自己表現 -438ページ目

四神降臨 第4章 覚醒 (5)朱雀の皇子

 大将の正妻の話を聞いた朱央は、正妻からあるモノを手渡される。

それは札。

そこにはこう書かれている。


「朱雀第二皇子朱央 ある理由により人間界に放たれし皇子。」


理由は書かれていないものの、朱央は朱雀国の皇子。

何故人間界に放たれたのか・・・。


もちろんそれは魔王が四神の力を集めるために朱雀国を襲ったことによるものであることは明らかである。

もしかしたら唯一の生き残りかもしれない朱雀の皇子朱央。

自分は人間ではないことを知らされた朱央は驚き、そして嘆く。しかし今まで暖かくここまで育ててくれた育ての親に感謝し、次の日、何もなかったかのように東宮御所に出仕する。


 朱央は龍哉に札を渡し、経緯を話す。


龍哉憂鬱 「朱央は朱雀の皇子か・・・。僕と同じだね・・・。僕は母は人だけど、父上は青龍だからね。はじめて会った時から朱央に惹かれるモノがあった。それが何だか今までわからなかったんだけど、そういうことだったんだね・・・。覚醒したんだね、朱央は・・・。僕はいつ覚醒するのだろう・・・。覚醒さえすれば、昨日のように龍磨や白老をあんな目にあわせることはなかったし、母も助けることが出来たであろうに・・・・ホント心苦しいよ・・・。」


龍哉は悲しそうな顔をして朱央を見つめる。

あの時もし朱央が覚醒しなかったら、母宮は連れ去られ、魔王に青龍の力を食われていたに違いない。

未だどうして青龍の力を必要としているのかわからない龍哉たち。

もちろん魔王の本性など知らないのである。


龍哉は未だ覚醒しない自分を悔やみ、責めるのである。


四神降臨 第4章 覚醒 (4)朱雀の過去

朱央直衣烏帽子  未だに自分の力が不思議でしょうがない朱央・・・。朱央は邸に戻り、父である左近衛大将に問う。


「父上、私はあなたの子でしょうか・・・。本日東宮御所にて不思議なことが起こりました。詳しくは申し上げられませんが、私の体が火に包まれたのです。でもちっとも熱くなかったのです。そして東宮様、麻耶様、侍従の安倍西斗と色違いの勾玉を持っております。この勾玉はなんなんですか?」


すると朱央の母君が朱央の前に座り、いうのである。


「朱央、ついにあなたの秘密を話すときがきましたね・・・。殿、いいかしら・・・。話しても・・・。」


大将は頷く。


「私の秘密?母上、どういうことでしょう・・・。」


大将は人払いをして誰もいないことを確認すると母君が言う。


「あれは20年前のことでしょうか・・・。」


結婚し、10年経っても子宝に恵まれなかったこの夫婦。子宝祈願に朱雀の奉られている社に訪れた。この源家は朱雀を祀り、崇めていた。


そしてある夜、正妻の枕元に立つ真っ赤な炎に包まれた鳥。その鳥は人型となり、夢の中でこの正妻に言うのである。


『朝、私の祠の前へ向かいなさい。きっとあなたが欲しがっていたものがある。その者を大切に育てよ。きっとその者はあなた方を助け、一族どころか国の平和と繁栄をもたらすであろう・・・。』


そういうと火に包まれた鳥は姿を消す。正妻は目覚め、夢のお告げどおりに朱雀が祀られている祠に向かう。すると弱々しい赤子の泣き声がするのである。祠の前で置き去りにされている赤子を抱き上げ、あやしてみるとその赤子は泣き止んで笑う。


「もしかして昨日の夢・・・・。このことだったの?」


と正妻は思い、この祠を祭っている神主に夢のことと、朝の出来事を包み隠さず話す。


「ほう・・・夢に火の鳥が・・・・。それはまさしく朱雀・・・。そのお告げどおりになさいませ・・・。その子はきっとお告げのような子に成長するでしょう・・・。」


正妻はその赤子を引き取り、源家の嫡男として育てたのである。


もちろんこれは頭中将、源朱央のことである。

挿絵なんですけど、また制服を・・・。

夢~社会人編① アメブロの別ブログで連載再開の自作小説の挿絵です。


CAさんと地上業務の男性制服。クロとグレーのバージョンのある男性制服ですが、クロって国内線でしょうか?グレーは国際線?よくわからないので、黒のほうにしてみました。そっちのほうがかっこよかったから^^;


CAさんのほうも、以前の制服と同じなんですが、スカーフを首に巻いてみました。こういう感じだったと思うんだけどなあ・・・。


小説部屋というブックに載せますので、気になる方はご覧ください。

またくだらん恋愛小説ですけどね^^;


以前のCA姿のスカーフはこう・・・・。


雅CA

同一人物でも3年経てば変わるものかな???二人とも上の絵と同一人物ですから^^;

まだまだ続く制服シリーズ。

フェチですねえ^^;私・・・。

サイズが小さいと表情がわかんないよね^^;

朱央直衣烏帽子

小さいサイズ用紙にほぼ全身の絵を描くと、表情なんてわかんないでしょ^^;実は目の中とか色々詳しく描いてもこんな状態。

損した気分。

といってでかいサイズで描くとデータがもったいないし、挿絵を添付する時にでかくなりすぎます^^;邪魔になります。


一応この絵は明日の更新分の挿絵です。

自分の正体に疑問を持ち、考え込む朱央君。お庭散歩中と思ってください。

なんだかんだ言って源大将家のお坊ちゃんなので、庭はでかいと思います。

いつも束帯姿の朱央君ですが、自宅では直衣または狩衣に烏帽子だと思います。



明日更新のイラストはまた制服ですよ^^;これも挿絵なんですけどね・・・・。

四神降臨 第4章 覚醒 (3)朱雀

 太陽の光が失われ、夜のように暗くなった。白老をはじめ、守護龍・龍磨が表に降りる。異様な雲は徐々に東宮御所に近づいてくる。そして感じる強い邪気。今までの邪気ではないほど強い。白老はその邪気に身震いし、耳を後ろにし、尻尾を丸める。もちろん龍磨も同じように感じている。


「麻耶姫は中に居なさい。」


と龍哉は西斗と朱央を連れ表に出る。西斗は懐から陰陽師の札と剣を、朱央は従者に命じて弓矢と剣を用意し身構える。


「キャー!」


と、龍哉の母宮のいる御殿から聞こえる悲鳴。御殿のほうからある女官が走ってきて龍哉に申し上げる。


「東宮様!物の怪が!!!物の怪が、姫宮様をさらって・・・・。」
「え!母上様を!?」


龍哉たちは急いで母宮のいる御殿に向かう。御殿の屋根には見たことのない黒い獣。黒い獣の背中には気絶した母宮が横たわっていた。黒い獣は龍哉たちを睨みつけると、こういう。


『我は魔王の腹心、魔獣黒狼。魔王の命により、青龍寵愛の姫君を頂いていく。ふふふふ・・・まだ覚醒していないガキどもに我を倒すことなど出来まい。やれるものならやってみろ!受けてたつぞ!』


そういうと黒狼は遠吠えをし、大笑いをする。


「龍磨!変化を許す!」
「御意!」


龍磨は龍に変化し、黒狼に近づき立ち向かうが、跳ね返されてしまう。西斗は札を取り出し、呪文を唱えながら指で何かを書き、黒狼に向かっていう。


『疾風!』


札が消えると同時に突然旋風が起こり、黒狼を包み込む。さらに西斗は白老に札をつけ、呪文を唱え、白老にいう。


「行け!白老!姫宮を助けろ!」


白老は疾風の如く空に舞い上がり、黒狼が包まれている旋風の中に飛び込み、黒狼と戦いつつも、黒狼の背に乗せられている姫宮を助け出すことが出来たのである。


朱雀覚醒 朱央は弓矢を構え黒狼めがけて弓矢を放とうとすると、朱央の体が真っ赤な炎に包まれ、その炎は朱雀の形をして朱央が放った矢と一体化し、黒狼に襲い掛かった。

『ギャ~~~~~~~~~~!!!!』

その矢は見事黒狼の額に命中し、黒狼はもがき苦しみ、炎に包まれる。さらに止めを刺すかのように朱央は叫ぶ。

『烈火!!!』

朱央の指の先から火の鳥・朱雀が飛び出し、猛烈な炎がもがき苦しむ黒狼に襲い掛かり、黒狼は焼き尽くされてしまったのである。

 朱央の胸元に隠されていた赤い勾玉の光が消え、朱央は正気に戻る。そして自分の両手の平を広げ、不思議そうに呟く。


「い、今・・・わたしは何をしたんだろう・・・。」


後ろを振り返ると朱雀の出現に驚く龍磨たち。その側には怪我をし横たわる変化後の龍磨と、式神白老・・・。龍哉は助け出された母宮を抱きかかえ、朱央の事をじっと見ていた。


 東宮の寝殿から飛び出してきた麻耶姫。白老と龍磨の惨状に驚く。怪我をし息絶え絶えの白老と龍磨。麻耶姫はありったけの癒しの力で白老と龍磨を包み込む。徐々に傷口はふさがり、白老と龍磨は意識を取り戻し、龍磨はいつもの人型に戻る。


母宮の御殿は燃え上がり、東宮御所内をはじめ、内裏から消火のための人員が集まり、母宮の御殿を消火する。龍哉の寝殿と離れていたためか、延焼は免れ、母宮の御殿のみ全焼で済んだ。


西斗が気を利かし、陰陽の秘術で東宮御所内の者達の魔族襲来と、龍磨変化などの記憶を消した。記録上では東宮御所内の火災として処理されたのである。

つづく・・・

やっと出来ました^^;明日更新予定の自作小説挿絵

朱雀覚醒 ここ二、三日ひとつもイラストというものを描きませんでした。

というよりも描けなかったのです。


浮かばなかったって言うほうがいいのかなあ・・・。


なんとか構図が浮かんだので描いてみたらこんな調子・・・・。

いいのか悪いのか?


ちょっと冒険してみた構図なのかしら?

はじめて弓を引いた姿・・・。

陰陽師の子はちょっと老けましたねぇ^^;



(前)


侍従西斗
眉毛が問題か・・・・。

だから老けて見えるんだな・・・・。



まあいっか・・・。












四神降臨 第3章 覚醒の兆し 総集編②

いいか・・・
玄武と青龍の契りを阻止せよ・・・
そしてお前の姿で青龍の皇子を・・・
お前が契れば皇子の力は消滅する・・・

魔王より解き放たれる魔の手。
今日は新月の夜。
龍哉の寝殿に忍び寄る黒い影・・・・。
寝殿中央の御帳台で横になる龍哉。
そして昼夜問わず側に控える守護龍・龍磨。
龍磨はふと表のほうに気がつき、立ち上がる。
扉がカタンと開き、黒い影が入ってくる。
「そこにいるのは誰だ。ここは東宮様の御寝所。限られた女房以外の立ち入りは禁じたはず!」
龍磨は明かりを持って気配のするほうを照らす。明かりに照らされた人影・・・。
「麻耶様????」
その姿は東宮妃になるべき姫君麻耶姫。
御付の者を従えず、先触れの者なしにやってくるなどありえない。しかし姿は麻耶姫。おかしいと思いつつ龍磨は平伏する。
「下がって・・・。東宮様はもう眠ってしまわれたの?」
「はい、すでに御帳台にて・・・。」
「そう・・・。あなたは下がりなさい。私が東宮様の側に・・・。」
「しかし・・・。」
「下がりなさい。私は東宮妃になるのよ!私がこうしてわざわざここに来るということがわからないの?」
仕方なく表に出て外の廊下に座る龍磨。
麻耶姫の姿をした者は龍哉の御帳台に入る。そして小袖姿となり、龍哉の布団の中へ・・・・。龍哉は気がつき、起き上がると顔を真っ赤にして離れる。
「ひ、姫・・・!?」
「同じ御所内にいるのに相手をしてくださらないので寂しいのです・・・。ですから・・・。」
そういうと龍哉の胸元に飛び込む。
そして龍哉にくちづけ・・・。
「いずれ私はあなた様の妻になる身・・・。遅かれ早かれ・・・ですから・・・・龍哉様・・・。」
龍哉はハッとする。
そして自分からその者を引き離すのである。
「麻耶姫じゃないな!麻耶姫は僕の本名を知らない!麻耶姫は僕のことを和仁または東宮と呼ぶ。何者!龍磨!どこだ!曲者だ!」
曲者は龍哉を押し倒す。
龍哉がこの者を引き離そうとしても相当な力。
女の力ではない。
これは魔物か・・・・。
龍磨は急いで寝所に入ってくる。
「龍磨!変化(へんげ)を許す!この者は人ではない!龍磨!」
龍磨は龍に変化(へんげ)する。変化したと同時に龍哉の勾玉が光る。
ギャ~~!!!!
魔物は麻耶姫の姿から鬼の姿になり、御帳台から飛び出し転げまわる。
「龍磨!この物の怪を黄泉へ戻せ!!!」
「御意!」
『結!』
龍磨は魔物の周りに結界を張り、呪文を唱える。龍磨の体は青白く光り、結界は青白い炎に包まれる。
『滅!』
ギャ~~~~~~!
その言葉とともに青白い炎は消え去り、魔物は跡形もなく姿を消す。龍磨は元の人型に戻り、龍哉のもとに駆け寄る。
「龍哉様、お怪我はございませんでしたか?」
「いや・・・。少し引っかかれた程度だ・・・。僕が覚醒さえすれば・・・。あれくらいの魔物を倒すことぐらい・・・。危なかった・・・・。ありがとう龍磨・・・・。」
「いえ、これが私の役目・・・・。しかし、麻耶姫と思い、龍哉様の御寝所に入れてしまった私にも責任が・・・。」
「いいよ・・・実はこの僕もわからなかった・・・。あの魔物が僕の本名を言わなかったらね・・・・。」
一方手下を向かわせた魔王は手下の邪気がなくなったことに気がつき、計画が失敗し、悔しがり暴れまわる。そして次の計画を立て直すのである。
あの魔物の件の後、夜が明け、東宮侍従安倍西斗が出仕してくる。もちろん懐には白老。龍哉は東宮付の女房たちを下がらせ、昨夜の出来事を話す。
「白老。お前の意見が聞きたい。西斗、白老をここに・・・。」「御意。」
西斗は懐から式神白狼を出し、龍哉の前に座らせる。そして昨日のことを詳しく話す。
『なるほど・・・。ついにそのような魔物を使わせましたか・・・。本当に危のうございました。そのまま契りがあったとすれば、龍哉様の力は消滅していたかもしれません・・・。他に何かされませんでしたか?』
「くちづけをされたが・・・。あとは左頬に引っかき傷・・・。」
白老は考えつつ、溜め息をつく。
『多分何もないとは思いますが、肌のふれあいから力を奪ってしまう術があるのも確かなことで・・・。当分様子を見られたほうがよろしいかと・・・。多分守護龍が封じ込めることが出来たくらいの魔物であれば、そう大して力のある魔物ではないでしょうなあ・・・。』
「なあ、白老。麻耶姫に、僕の秘密を話したほうがいいのかなあ・・・。麻耶姫は気がついていないようだけど、姫は玄武を宿っている。そして不思議な力を持っている。また昨日のようなことがあっては困る。」
『はい・・・。その方がいいかもしれません。あの姫も龍哉様、西斗と同じ四神の勾玉を持つ者・・・。特に玄武はこちらにつかないと大変な目に遭うことが・・・。』
「大変な目・・・・?」
『玄武は生と霊を司る神・・・。霊とは死を意味する。玄武の力を持てば、生かすことも絶やすことも容易い事・・・。魔王に玄武が付けばどうなるかお分かりですか?龍哉様・・・。』
龍哉は白老の言葉にハッとする。
魔王に付けば死の神になりえるということに気づいたのである。
龍哉は麻耶姫に四神についてを、そして自分や西斗、龍磨、白老のことを包み隠さず話すことに決めたのである。
「え?どういうことですか?」
と、龍哉の話を聞いた麻耶姫が聞き質す。
「僕は帝の孫ではあるけれど、父は亡き先の東宮ではありません。母は元伊勢斎宮、そして父は龍神なのです。ですから僕は半龍半人。ここにいる侍従、巽龍磨(たつみりゅうま)は人じゃなく、僕を守護する者、守護龍。姫は黒の勾玉をお持ちでしょう・・・。僕は青を、安倍西斗は白を持っています。これは四神に関係する者の証。そして姫は玄武。姫が小さい頃より持っている癒しの力は玄武による力。それだけではありません・・・。使い方を間違えれば、絶命させることもできるらしい。ですから・・・。」
龍哉は急にめまいがし、脇息にもたれかかる。
「龍哉様!」
龍磨がかけより、龍哉の様子を伺う。
『多分昨夜の後遺症が今頃出たのかも知れんな・・・。とりあえず、龍磨、龍哉様を寝所へ・・・。』
と白老が龍磨に指示をする。
「い、犬が・・・こ、言葉を・・・・。」
麻耶姫は白老が話すのを見て絶句するのである。
『し、失礼な。わしはあんな低俗な生き物と一緒にするではない!わしはれっきとした式神、白狼。ここにいる安倍西斗の式神だ。犬ではない!狼だ。あと数百年生きることが出来たら、大神といっても過言ではないが・・・。わしの発祥は大和国三輪山の大神大社。そこで式神として生まれ、代々陰陽師家系安倍家に仕えてきた式神だ。あのような吠えるしか能のない犬と一緒にするな。』
そういうと、白老は歩き出し、龍哉の側で様子を伺う。そして西斗以外で初めて龍哉の側に寄り添い、腰をおろした。
『西斗、龍哉様のご気分がよくなるまでこうしていたい。なんだかこの私でも不安でしょうがない・・・。きっと何かある・・・。何かはわからぬが、大きな邪気が迫っている・・・。西斗、悪いが・・・。』
そういうと、あごを龍哉の胸の辺りに乗せじっと龍哉の眠っている顔を見つめているのである。
 ここ数日、龍哉の体調は思わしくない上、人を寄せ付けようとはしなかった。
帝は心配し、典薬寮の者を御所に向かわせても突っ返す始末。
ごく側近である、龍磨、西斗以外は部屋に入れない。もちろん龍哉の母は心配し、何度足を運んでも会おうともしなかった。
西斗は御所に部屋を借り、泊り込むことにした。そして陰陽寮から数々の資料を持ち込み、調べ物をする。
無論、これは白老の提案である。
龍哉は普通の人ではない。半龍半人なのである。半分龍の為、人間の医師ではなにも出来ないであろうと思ったのである。
「白老・・・。秘術ねぇ・・・。人に対する治癒や魔物に対する撃退なんかはあるけど、龍を治癒したりなんかは・・・・。やはり龍磨を龍国に行かせるしかないのかなあ・・・。どう思う?白老・・・。」
『んん・・・。玄武の姫に頼む手もあるかもしれんが、これは先日の邪気が原因ではないと見た。』
白老は龍磨を呼び、龍国に行かせる。龍磨は龍王の使いを連れ戻ってきた。
「龍哉様、龍国より使いを連れてまいりました。御簾の中に入ってもよろしいでしょうか?」
「許さん!誰であろうと中に入れさせない!」
「しかし!いつまで引き籠っておられるつもりでしょうか!使いの者は父君龍王様より命を受けた龍医師。龍王様もたいそうご心配に・・・。ですから、龍哉様。」
「わかった・・・父上の命であれば仕方がない・・・。いいよ・・・使いの者のみ・・・。」
龍医師は御簾の中に入る。
龍哉は結い髪を下ろし、力なく脇息にもたれかかり、入ってきた龍医師を睨みつける。
その表情は今までの穏やかな龍哉ではない。
荒い息遣いと獣の目。
そして時折顔をしかめる。
しかし感じるのは邪気ではない。
『こ、これは・・・。』
龍哉垂らし髪 龍医師は龍哉の姿を見てすぐに気づく。
龍医師は龍哉に平伏し、触診をする。
「触るな!体中が痛い!体が引き裂かれそうなほど痛い!そして時折胸がドクンと鳴り意識が遠のく。」
龍医師は龍哉の小袖を脱がせ、全身を診る。
そしてすぐに小袖を着せ、平伏する。
「この僕の体に何が起こっているのか?」
『覚醒の前段階と申しましょうか・・・。龍哉様は半龍半人。すべてが龍族であれば、このようなことは起こらないのですが、やはり半分が人の龍哉様の体の中で、龍と人が争っているのでしょう。背中には龍のうろこがうっすら現れてきております。あともう少し我慢なさいませ。完全に覚醒し、力を制御できるようになれば、苦しさからも解放されるでしょう・・・。龍に覚醒する試練でございます。』
「試練???」
龍医師は平伏し、御簾から出る。
そう龍哉の体の中では急激な変化が起きている。先日の魔族の件で触発されたのであろうか。龍の力が龍哉の体の中で覚醒をしようとしているために起こった体の変化。ますます龍哉の体の痛みは増し、龍哉は今まで体の痛みに我慢していたが我慢も限界に達し、ついに龍哉は奇声を上げる。
その声は御所中に響き渡り、心配した龍哉の母と玄武の姫君麻耶は龍哉の住む御殿に駆け寄る。
「東宮様!」
玄武の姫君麻耶は龍磨の制止を振り切り、龍哉のいる御簾の中へ入る。
覚醒前の痛みに苦しみもがく龍哉の姿に絶句する麻耶姫。痛みが絶頂に達した龍哉は麻耶姫が側にいることさせ気づかない様子でもがいている。
麻耶姫は重い衣を脱ぎ、小袖長袴姿になると、龍哉を抱きしめる。
すると光る麻耶姫の黒の勾玉。
麻耶姫の体は光り、龍哉の体を包み込む。
これが玄武の癒しの力というものか。
次第に龍哉の表情は穏やかになり、痛みが徐々に薄れてくる。
「東宮様・・・。御可哀想・・・。どうしてこのような苦しみを味あわなければならないのでしょうか?」
「麻耶姫・・・?どうしてここに?」
「東宮様の苦しそうな声が聞こえましたので・・・東宮様の命を背き、東宮様の御簾の中へ入ってしまいました・・・。申し訳ありませんでした・・・。」
「いい・・・。なんとも無様な姿を見せてしまったようだね・・・。」
東宮は麻耶姫から離れると顔を赤らめ、微笑む。
その顔を見た麻耶姫も安堵の表情で微笑み返した。
 龍哉が覚醒したのかどうかわからないまま、ただ時間が過ぎる。
 いまだ朗らかな東宮に戻らないことを心配した帝は、豊楽院にて東宮を励ます流鏑馬の宴を催す。小さい頃より武芸に親しんだ龍哉。帝はきっと東宮が元気になるであろうと企画したのである。
帝の横に東宮、そして几帳を隔て、東宮妃となる麻耶姫が控えている。もちろん東宮侍従の龍磨と西斗。母宮まで。
武官文官を問わず、流鏑馬に自信がある者達がたくさん集まり流鏑馬をする。さすが自信のあるモノばかり、次々と見事に決めていく。
頭中将源朱央 その中に一際優れた武官が一人。
馬に乗る姿、矢を放つ姿はまるで鳥が舞うようで会場の人々は魅了される。
龍哉はその武官にひきつけられる。
「主上、あの者は?」
「確か左近衛中将。左大将の嫡男だよ。歳は二十歳。」
帝は左近衛中将を側に呼び、褒美を与える。
「東宮様、はじめてお目にかかります。左近中将源朱央(みなもとすおう)と申します。」
左近中将は東宮に平伏し、褒美を帝の侍従から受け取ると下がっていく。
源朱央を最後に、流鏑馬が終わり、酒宴が行われる。酒と肴が帝より振舞われ、無礼講の宴が始まる。龍哉は源朱央が気になってしょうがない様子で、じっと酒を飲みながら見つめている。それに気がついた帝は龍哉に言う。
「東宮、左近中将がどうかしたのか?もしよければ、お前の蔵人として取り立てることも可能だが・・・。もともとこの中から気に入った者を東宮職として取り立てようと思っていたのだ。武芸に優れた者も必要であろう。」
「はい・・・。そのようにお願いします。」

四神降臨 第4章 (2)嵐の前の静けさ

四神降臨 4人完成図  五月晴れの暖かな日、東宮御所では、いつものように東宮の周りに侍従2人、頭中将、そして未来の東宮妃、麻耶姫が集まって歓談している。


やっと東宮と麻耶姫の婚儀の日取りが決まり、東宮と麻耶姫は仲睦まじく毎日を過ごしている。


ある一定の距離を保ちつつも、二人は見つめあい、微笑みあう。そして周りに居る者達も2人の関係を微笑ましく見届けている毎日であった。


 ここのところ異様な程、物の怪の出現はない。まるで嵐の前の静けさというべきか・・・。白老もこの日は珍しく表のほうで暖かい日差しを浴びて日向ぼっこをしている。


『ふぁー、いい天気だ・・・・。先日までの不安はなんだったのだろうか・・・なあ西斗・・・。』
「そうだね白老。そんなに端近に居て平気なのかい?」
まあ、わしたち以外の御所の者たちはわしのことをただの犬と思っている節がある。そのほうが気分的に楽でいい・・・。』


白老は大あくびをして西斗に腹を見せる。西斗は白老の腹を撫で、微笑む。傍目から見ると、本当にのどかな昼間。しかしそのような安らぎの時間は長くはなかった・・・。


 白老の耳がぴんと立ち、髭がぴくぴくと動く。そして仁王立ちをすると御所上空を見つめている。先程まで穏やかだった空模様が一変して異様な雲に包まれる。太陽の光がだんだん失われ、辺りは夜のように暗くなった。


下書き完成!!!

四神降臨 4人完成図 はぁ・・・四神降臨やっと下書き終わりましたあ・・・・。

下書きといっても小説のこと。


なんとか5章でケリをつけました。


もちろんハッピーエンド。

よくある話で終わっています。


読み返していて小説というよりもあらすじって感じ?詳しい表現書いていないし、最低な文ですねえ^^;

それにも関わらず、Good!を押してくださっている皆様に感謝です!!!


次は幕末編にするか、現代版にするか、それとも昔話にするか、四神別物のお話にするか・・・・。悩むところです。

幕末の歴史も苦手だしなあ・・・。やはり現代版か・・・・。現代版の原本はあります。少しだけ。ああよくこの戦国・安土桃山時代編をよく終わらせたもんだねえ・・・・。原本なしに。原本は原稿用紙というかルーズリーフファイル何冊分もあった記憶が・・・。それをよくワード35ページにまとめたもんだねえ・・・・。原本は台詞ばっかりだったからか・・・・。

つくづく書いていてわかりました。私は恋愛モノを書くのが好きだってことを・・・・。

さぁてイラストに手をつけないと・・・・。


今日のイラストは使いまわしです。

すみません。

いまちょっとスランプに落ちています。

西洋龍を書いてからね^^;


ではまた新作が出来たら発表いたします。

明日の四神降臨更新をお楽しみに。


誰も期待はしていないだろうねえ・・・・・・・。

ブックのGood!が押せない^^;

Goodを押したいのに押せないんです^^;

エラーばかりでます。


いつも押させていただいている皆様。

本当は押したいのです。

でも押せないのです。



はあ・・・。

私のPCが悪いのか?