四神降臨 第4章 覚醒 (5)朱雀の皇子 | 超自己満足的自己表現

四神降臨 第4章 覚醒 (5)朱雀の皇子

 大将の正妻の話を聞いた朱央は、正妻からあるモノを手渡される。

それは札。

そこにはこう書かれている。


「朱雀第二皇子朱央 ある理由により人間界に放たれし皇子。」


理由は書かれていないものの、朱央は朱雀国の皇子。

何故人間界に放たれたのか・・・。


もちろんそれは魔王が四神の力を集めるために朱雀国を襲ったことによるものであることは明らかである。

もしかしたら唯一の生き残りかもしれない朱雀の皇子朱央。

自分は人間ではないことを知らされた朱央は驚き、そして嘆く。しかし今まで暖かくここまで育ててくれた育ての親に感謝し、次の日、何もなかったかのように東宮御所に出仕する。


 朱央は龍哉に札を渡し、経緯を話す。


龍哉憂鬱 「朱央は朱雀の皇子か・・・。僕と同じだね・・・。僕は母は人だけど、父上は青龍だからね。はじめて会った時から朱央に惹かれるモノがあった。それが何だか今までわからなかったんだけど、そういうことだったんだね・・・。覚醒したんだね、朱央は・・・。僕はいつ覚醒するのだろう・・・。覚醒さえすれば、昨日のように龍磨や白老をあんな目にあわせることはなかったし、母も助けることが出来たであろうに・・・・ホント心苦しいよ・・・。」


龍哉は悲しそうな顔をして朱央を見つめる。

あの時もし朱央が覚醒しなかったら、母宮は連れ去られ、魔王に青龍の力を食われていたに違いない。

未だどうして青龍の力を必要としているのかわからない龍哉たち。

もちろん魔王の本性など知らないのである。


龍哉は未だ覚醒しない自分を悔やみ、責めるのである。