「ところで士業さん、

今日スーツを着てらっしゃいますけど

もしかして交際中の女性とホテルで会われていたか、お見合いとかされていたんですか?






この質問に対する彼の答えから

彼の今の状況がわかることになるだろう。





全てを受け入れる覚悟で

ストレートに士業さんに質問を投げかけた。






質問をしながら、

そういえば彼の左手薬指には指輪は無いことに気がついた。






結婚は恐らくまだしていないはず‥



だが、真剣交際中で結婚前提でお付き合いをしている可能性も十分にある。






‥彼は私を真っ直ぐ見て答えました。







「はい、その駅の近くの●●ホテルで女性とお茶をしていました。」






心拍数があがる。






「お見合い‥ですか?」




「そうですね。」





そこまで言って士業さんが黙り、

数拍置いて話しはじめました。






「‥8ヶ月前にモニカさんからの返信が無くなってからもしばらくお待ちしていたのですが、音沙汰が無かったので完全に私が振られたなと、モニカさんとは終わったんだなと思っていました。」




「‥」





「私も1年以内に結婚したいと真剣に考えていたので、

年末に結婚相談所に登録しまして、、」






「結婚相談所‥

年末、、2、3ヶ月前ですか?」





「そうですね。」






としきさんと付き合っていた時に、

としきさんから結婚の話が全く出ないこと・としきさんとの結婚生活のイメージが湧かないことなどから

一時的に士業さんと揺れていた時期がありました。




しかし、としきさんと結婚すると自分の中で※きちんと決めてからは士業さんとの連絡を絶ち



※としきさんにプロポーズされたわけでも全くなくされる気配もなかったものの、気持ちがフラフラしていたらダメだと断ち切っていました。




あの時は私も、二度と私の人生で士業さんと関わることはもうないと思っていた。






‥士業さんに完全に終わったと思われていたのは当然のこと。。






その彼が、その後どんな女性と付き合っていようと

どんな活動をしていようともちろん一切の自由であり

私が関与する話ではもちろん無いことで‥






「‥その、聞いていいかわからないですが。。





今結婚を考えている女性はいらっしゃるんですか?






率直に投げかけた。







落ち着いた雰囲気のある暗がりの照明の店内


手元のキャンドルライトで優しく照らされた士業さんは優しい目をしたまま、私を真っ直ぐ見ながら答えた。






少し前に真剣交際に進もうとした女性がいました。


が、その方とは上手くいかなくなり、今、仮交際中の女性がお2人います






2人(!)




「そうなんですね💦」






「今日お会いしたのはお見合いの申し込みがあり

初めてお会いした女性でした。」







「どうでしたか?」←遠慮なく感想を聞く人




「とても素敵な女性でしたよ」





とても素敵だと彼が褒めるその女性はどんな女性だったんだろう、、と率直に気になったが

それより強く感じたのはやはり彼の在り方に関してだった。




過去に私が婚活アプリで出会った男性の中には

これまでに出会った女性の悪口や受け入れられなかったところを一方的に語る男性もチラホラいた。




しかし士業さんは婚活で出会った女性たちのことを誰1人として悪く言っていたことが一度もなく、



むしろ「自分が気に入られなかった側、自分に落ち度がある」というスタンスで

彼のそんな謙虚な部分も素敵だなと思っていだところだった。




それが今でも変わらないことがわかり、

素直にまた彼の人柄が窺えて温かな気持ちになった。






今、彼は結婚していないこと。

仮交際中の女性は2人いるけれど、

真剣交際中の女性は今はいないこと。






この事実が確認できただけでもう十分だった。







あとは、私がなぜ8ヶ月以上もの時を経て

また彼に連絡しようと思ったのか

これからどうなりたいと思っているのか



1番大事なことを彼に伝えるのみ。。








‥もちろん、伝えたところで

士業さんがどんな回答をするのかはわからない。



なにせ8ヶ月前に彼のLINEに対して何も言わずに無視をして終わらせていたのは私の方だったのだから。




あの頃と変わらず私のことを好きでいてくれるなんて期待を抱く方がおこがましいことも分かっていた。





士業さんは優しいから今日もお店を予約して会うために時間を作ってくれたけれど、お付き合いしている仮交際中の女性の方がいいと思っている可能性だって十分にある。






気持ちを伝えたところで、今更と言われる可能性だってある。







‥それでも





伝えなければ伝わらないし、

勇気を出して行動しなければ未来は変わらない。





‥大丈夫。







自分の心臓の鼓動が速くなるのを体で感じながら、

手元のお水を飲んで、一拍置いて口を開いた。





「本当にすごく久しぶりだったので、、

突然すぎるご連絡ビックリしましたよね。


私から連絡を絶って8ヶ月も経ったあとだったので

正直ご連絡していいかもすごく悩みました。


何を今更と思われても仕方ないですし、

ご連絡したところで、あれからこれだけの時間が経っているので士業さんがもう結婚してしまっている可能性も、結婚前提でお付き合いしている女性がいる可能性も十分に考えられましたし、、」




「‥確かにそうですね」






私が縁を切った後に、結婚していた可能性を彼は否定しない。






「‥ただ、、

その、



もう一度士業さんに会いたいと思って



どう思われるかとかどうお返事が来るか

不安なところはありましたが


ご連絡しないと後悔すると思って

それで勇気を出してあの日LINEをしました。」





士業さんが私を見る目が優しいことに変わりはなかったが、少し驚いたような表情になったことが暗がりの中でも十分にわかった。





「その、今仮交際されている女性もいらっしゃると言われてたのであくまで私の気持ちですが、

素直に士業さんと一緒にいたいなと思っています。」






続く


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赤薔薇アメトピ掲載記事赤薔薇