子どもの成長って、
体が大きくなること、だけではなく
様々な運動ができるようになったり、
自在に話せるようになったり、
複雑な感情を理解できたり、
他人と関われるようになったり、
読み・書き・計算といったアカデミックの能力が高まることだったり、、、
とても多面的なもの、ですよね。
そうした成長要素のひとつに「感覚が整う」という重要なポイントがあることを、息子が生まれるまで私はまったく知りませんでした。
過去のブログには何度か書いているのですが、息子には過去に「感覚過敏」と思われる点がいくつもありました。
散髪・爪切り・耳掃除は一切ダメ。
長袖ダメ、靴下もダメ、帽子やマフラーなんてもってのほか…真冬でもタンクトップ一枚になりたがりました。
つま先立ち歩きもずっとやっていたし、横目でクルクル回る動きもよくみられました。偏食もひどかった。
上記の中で今も残っているのは、耳掃除を相変わらず嫌がること。
偏食はだいぶ改善されましたが、まだ食べないものも多くあります。
ただ、それ以外の点は気づけば消えていました。
以前の息子には、感覚の情報処理につまずきがあったのだろうと思います。
それを整えてくれる「感覚統合」という療育があることを知り、児童発達支援に通ったり、私費の療育も何度か受けました。
息子の状態が改善されたのは、これらのおかげが大きかったと感じます。
またそうした療育の現場や本などから情報を得て、できる限り日常生活に取り入れてきたつもりです。
過去のブログを掘り起こせば感覚統合のために我が家が行ったことがいろいろ出てきます。ハンモックとか(←お子さんが小さいうちは超おすすめ。大きくなると重くなってできません)。
さて最近の息子を見ていると、
言語面は課題はあるけどまあまあ伸びている気がするし、運動面もまあまあ、アカデミック分野も年相応に追いついてきたかなあ…なんて考えながらも、
でも何かがひっかかる。
どこかにつまずきがある気がしてならない。
ただそれがどこ、と言い当てられないもどかしい感じ。。。
がありました。
で、これは母の勘、というより野生の勘、としか言いようがないのですが、
つまずいているのは感覚面かもしれない…と思い立ち、感覚統合の本を多数書かれている木村順先生に息子を見てもらってきました。
木村先生(療育塾ドリームタイム)の予約サイト
※いつもは数か月先まで予約がいっぱいの木村先生なのですが、コロナ禍のせいで、今はかなり予約がとれやすくなっていました
木村先生には過去2回お会いしているのですが、以前お会いしたのは1年半も前=息子が年少の頃のことで、今回かなり久しぶりに息子を見ていただくことができました。
部屋に入る息子の様子を見て、木村先生は開口一番
「自信をつけたようだな」
と感想を述べられました。
私 「そうでしょうか?」
先生「うん、そう見える」
部屋に入ってしばらくは息子の体の動きを観察されていました。平衡感覚なんかを見ていたような。
続いて私との話し合い。
先生:なんで自信をつけたんだろうか?
私 :なんででしょう、、、。逆上がりができたり、文字が読めたり、そういうことが自信につながっているのかもしれません。
先生:逆上がり?できるの?この子にとってはすごく苦手なことのはずだから、苦手な分野が克服できたことが自信になったのかもしれないな。
私 :でも縄跳びとかは全然なんです。
先生:まあ、そうだろうね。
先生:ところで、何か新たな困りごとがあって来たの?
私 :そういうわけではないんです。ただ小学校の入学まであと半年となり、スムーズに小学校の生活に入っていけるように、これからできることがあるんじゃないかと思ってうかがいました。今の息子の状態を先生に見ていただいて、これから日常的にどんな取り組みをすれば良いのかを教えていただきたいです。
先生:そんなことなら簡単だ。すぐに教えられる。
先生と私が真剣に話している間、息子は一人で遊びながらも、何度も何度も「ちょっと聞いて」と話に割り込んできました。その様子を見ながら先生は、
先生:これはね、半分~6割ぐらいは「自分に注目してほしい」という彼の性格。だけど残りは「空気が読めてない」んだよ。この空気が読めない感じは彼のウイークポイントの一つだね。彼にはまだ「触覚防衛反応」が残っているから、これを改善できると他人への共感性が伸びてきて、空気も察知できるようになる。ボディイメージも育てたいね。
ということで、おススメされたのは「タッチング」でした。
このタッチング、1年半前に行ったときにもすすめられて家でも時々取り組んできましたが、今回は方法が変わりました。息子の成長と共にバージョンアップしたのだと思います。
やり方は、体のいろいろな部位に記号(○や△)や数字を指でかいて息子に当てさせる、というもの。大切なのは触られている部位に息子がしっかりと意識を向け続けること。
これにより、触覚防衛反応がおさえられ、識別系が働くようになるらしい。
私の理解が正しければ、です。
タッチングのやり方にご興味のある方は、木村先生の本を読まれるとよいと思います。文末にまとめて紹介してあります。
これに加え、以前から続いている「300回ジャンプ」と「しがみつき」は引き続きやるといいね、と言われました。300回ジャンプについては過去の記事に書いています。
ただ、上の記事内に書いているやり方を先生に説明したら「それだと介助者(=大人)が疲れるよね」と言われました。そうなんです、疲れるんです、なので週末に主人任せにしていますと言ったら、
トランポリンの上にバランスボール(ピーナッツ型がおススメ)を置き、その上に子供を座らせて飛ばせるほうが楽だよ、テレビ見せながらでもいいんだよ、とアドバイスをいただきました。
図解できればよいのですが、絵心がなくてスミマセン…
先生:それにしても、息子のこの明るさはなんだろう?なんで保ててるんだろう?
私 :変ですかね
先生:うーん。園は伸び伸びしてるとこ?
私 :いえ全然。厳しいと思います。(軍隊の養成所みたいです←心の声)
先生:それでこの明るさが保てるのはなんでだろうなあ~(首をかしげる)
私 :園でいい先生に当たったから、かもしれません。
先生:この子の話を聞いてくれない先生に当たると心配だね。
私 :(心配になる)
先生:まずはさっきのメニューを続けてみて。1年半もやるとだいぶ変わると思うよ。
私:はい(1年半…長いなー)
でもやるしかないですもんね。
この日から毎日、お風呂のなかで「タッチング」をしています。
始めると、息子がそこに関心を向けているのがよくわかります。向けていないときもよくわかりますけどね。
これでどんどん「識別系」を働かせておくれ。ボディイメージも育てておくれ
私の文章からは木村先生の人となりが伝わらないと思いますが、、、
ユーモアたっぷりで、子どもへの愛情に満ちた、本当に素敵な先生です。
今も覚えているのは、
私が初めて木村先生を訪ねたとき、成育歴を細かく書いた紙を見て、
「お母さん、よく虐待しないでこの子を育てたね」
と言われたこと。
この言葉、もし他の人に言われたら「失礼な!」と怒ったかもしれないし、
そうじゃなくても微妙な気持ちになっただろうと思います。
でも、発達に課題を抱える子を何百人、いやそれ以上見てきて、何より体全体からお人柄がにじみ出ている木村先生に言われたら、
そっか、そんなことでもほめてもらえるんだ、自分は案外がんばっているのかもしれないなあ…と、心がスーッと軽くなったのを覚えています。ちょうど自信を失っているときだったのかも。
遠方に住んでいるかたはなかなかお会いするチャンスがないかもしれませんが、本を読んでみるだけでもできることがたくさんあります
私が読んだおススメの本。
最近読んでいるのは以下の2冊。
就学期~小学生向けにはこちらの本が良いと思います。
アカデミックスキル(読み書き計算など)についてのトレーニング方法も載っています。
日常生活の中に取り入れられることがたくさんあります。
ボチボチやっていきましょう