石神井川(右岸水路) (7) 睦橋~笹目通り | 西東京水路跡散歩

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2019/9/26開設

石神井川(右岸水路)(7) 睦橋~笹目通り

 

 

 

紹介がゆっくり過ぎてまだ第7回、右岸水路も終わらない・・・

今回本流改修後に作られた枝水路跡はほとんど扱っていないが本当に水路跡が多い

勿論改修前の石神井川にも枝水路はあったが、多くは幅が狭く毛細血管のように細かく蛇行し

土地利用に不向きの為、後に直線的な枝水路へ改修され一部は水路敷・遊歩道として残された

しかし殆どは宅地化後道路転用されることに、主水路の右岸水路も同様・・・だと思ったのだが

 

 

写真1・2 睦橋南部に残る右岸水路系の枝水路跡

 

睦橋南側に小水路跡があるが右岸水路の枝水路跡だと思われる

写真左は水路転用の歩道が突然現れているが、水路はこの道路沿いに来ていたわけではなく

推定水路図で考えると、左の駐車場辺りから斜めに左から右に流れ、あの場所でこの道に合流していたようだ

少し進むと途中一本奥の路地へ空き地が続いていた(写真右)

さらに枝分かれした水路跡と思われる

 

 

写真3・4 左へ曲がる枝水路跡

 

私は80年ほど前の航空写真を利用して枝水路の推定をしているのだが、その推定位置通りの場所で歩道は消え左に折れている

曲がってみると奥に車止めがあり路地に出ていた

その路地は写真2にあった空き地の先にある路地である、この水路と先ほどの水路は合流していたようだ

 

写真4 よく見る護岸の遊歩道

 

枝水路同士が合流しさらに右岸水路の本流とも合流するが

右岸水路本流との正確な合流点は宅地化により消滅している

とにかく合流後の右岸水路跡の路地を進んでいくと、だんだん狭くなり壁面に見慣れたものが・・・

水路跡らしくなってきましたね

 

写真5 遊歩道脇の井戸

 

憩い橋付近の右岸水路沿いに防災井戸がありました

生活用ではなく飲用(簡易ろ過はするのでしょうが)可能な井戸のようです

石神井池にも近い地域なので地下水面が高いのだろうか

 

写真6 唯一の開渠区間

 

防災井戸の場所を過ぎてすぐに遊歩道が途切れ林にぶつかる

一度本流に出るしかないと思ったのだが下を見ると石橋があるではないか

近づいてみるとなんと水路がありました

石神井公園付近に開渠水路が残されている、という話は以前から聞いていましたが右岸水路の事だったのですね

作りから見て昭和中期の最後の頃に使われていた水路と思われます

かなり埋もれていますが護岸の構造はしっかりしており崩壊もしていませんでした

 

写真7 坂下橋(下流側)

 

先ほどの開渠がある右岸水路に一番近い坂下橋

写真奥の下流側で流路が右にカーブしている、この先が山下橋で石神井池からの流入路がある

 

 

写真8・9 山下橋南側の右岸水路跡(写真左)と旧石神井川本流との合流点付近(写真右)

 

開渠水路沿いには進めないため、少し先の路地から右岸水路跡の様子を見てみると遊歩道があった

上流側を見ると右岸水路を境に崖線となっている、この遊歩道は崖線上から階段で繋がっているようだ

遊歩道の下流側は竹林にぶつかり消えていて、覗いてみたが水路らしきものは見当たらない

この場所は旧石神井川本流と右岸水路の合流点であったと推定している

 

写真10 右岸水路の分岐点

 

崖線の接近により本流に合流していた右岸水路だが、山下橋の付近で再び分水して分かれていく

尚、山下橋は石神井池から石神井川への流入水路の合流部もある

 

写真11 南田中アパート沿いの右岸水路跡

 

南田中アパート沿いの右岸水路は崖線に沿っているため、一本路地をズラすとこれだけ高さが違う

右岸水路は現在道路右側の歩道の辺りを流れていたと思われる

またこの辺りの右岸水路は本流から200m程離れていた場所もあるなど、広大な水田が作られていたようです

現在東西800mに広がる南田中アパートは、その大部分が旧石神井川沿いのその耕作地跡に造られている

 

写真12 笹目通りと右岸水路跡

 

南田中アパートの真ん中を笹目通りが通っている

石神井川があるため橋になっていて、右岸水路沿いには進む事ができない

一度石神井川寄りの路地に出て、橋の下を通り反対側に抜ける必要がある

この辺りの笹目通りの開通は比較的新しく1980年代に入ってからとなる