いぬやしき 第10話 「東京の人達」 感想  人を形作るもの | ながめせしまに@無為

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※ネタバレ含みますのでご注意ください

 

 第10話 「東京の人達」

 

 

マリが息を吹き返した時・・・・

 

 (´;ω;`) 泣いた
_(   )
  \ ̄ ̄ ̄\
     ̄ ̄ ̄ ̄

 

 

エピソード別の満足度

 

×××度し難い  ××不快  ×退屈/あまり好みではない  ▽微妙/何かが足りない △まずまず楽しかった
▲なかなか楽しかった  ○楽しかった ◎凄く楽しかった ◎◎大満足 ☆名作回 ☆☆傑作回 ☆☆☆神回

 

 第1話 「犬屋敷壱郎」

 第2話 「獅子神皓」

 第3話 「安堂直行」

 第4話 「鮫島」

 第5話 「獅子神優子」

 第6話 「2chの人たち」

 第7話 「渡辺しおん」

 第8話 「犬屋敷麻理」

 第9話 「新宿の人達」

◎◎ 第10話 「東京の人達」

 

最初から最後まで本当に素晴らしいエピソードだった。マリが息を吹き返すまでの間は完璧だったょ・・・非の打ちどころがない演出だった(´;ω;`) チクショウ マンマト テノヒラデ コロコロヨ

 

 

 

感想

 

父の背中

 

 順を負って振りかえる前に、今回のエピソードでもっとも響いたシーンを先に。ED直前にいぬやしきが自分の人生を振り返ったシーンである。

 

「58年生きてきて何故この性格になって、何故人の命を大事に感じるのか、何故曲がった事が許せないのか、今まで経験してきた事は全て無駄じゃなかった・・・」

 

犬屋敷と獅子神とを分けた差はまさにこの差なのだろう。色々と凄惨なシーンの多い作品ではあったが、この言葉を犬屋敷に語らせるためにこの作品はあったのだと感じる重い言葉だと思う。

 

胸糞悪い展開があってもこういう言葉があるからこそ、ただ悪戯に人の死を軽く描いてるのではないというのが伝わり、たまった鬱憤もすっと落ちるような気持ちになる。 本当に素晴らしいエピソードだった。もう最終回でもいいんじゃないかなとさえ思ってしまうほどに。

 

 

冒頭から振り返ると、

 いきなり多数の飛行機が操縦不能状態で空から落下しようとしてしているシーンから始まる。この日は前回墜落させた一機だけかと思ってたいたので、よもやの展開にいきなり緊張感MAX。もう1日1000人どころの単位ではない件w 前回コツコツ数えていたわりにいきなりやっつけになってる( ̄ー ̄;

 

地曳き網にかかった魚群を見てるように飛行機が墜落しかけよとしている様子はかなり不安を誘うものだった。また、前回死んだと思った綺麗な女性と隣の外国人親子は無事だったのも意表をつかれたw

 

 

獅子神VS犬屋敷

 今回遂に直接対決に至る。現段階ではまだ獅子神に歩があるかなと思っていた。犬屋敷に勝ち目があるとすれば、先に意識を失いオート殺戮モードになるような展開かなと予想していたが、意外にも先に意識を失ったのは獅子神だった。

 

犬屋敷を見てじじぃがヒーローを気取るんじゃないとばかりに難癖をつけ攻撃を始めた獅子神。そんな彼の様子を見ると、本当は自分がヒーローになりたい気持ちもあったのかもと思える。未熟な獅子神なだけに、実際きっかけと経験さえあれば犬屋敷のように人を救う展開もあったと思う。

 

しかし、彼がそうならなかったのは彼の若さと、それまでの人生でどう生きて心を育ててきたかという点が大きいのだろう。犬屋敷との違いはまさしくここにあるといえる。獅子神の母親の様子を見れば、獅子神があのような子に育つというのは少し違和感を拭えず、それだけに獅子神の心が年齢に追いついていないのはなんとも残念である。

 

獅子神には彼の身を案じて泣いてくれるしおんがいて、必死に獅子神に訴えかけていたにも関わらず、遂に彼女の言葉は獅子神に届かなかった。普通の人なら容易に分かることでさえも、獅子神には根本的に理解できないのだから大切なものが欠落してるのかもしれない。

 

 娘の窮地を救いたいと思う犬屋敷ははからず意識を失い暴走してしまうが、獅子神との勝負を分けたのは彼が娘を助けたいと思う気持ちとの差だったのだろうか。身体は機械ながら、涙を流し人のそれと変わらない感情を持っていると見える犬屋敷は火事場の馬鹿力とでもいうべきか、獅子神を打ち倒す。

 

 

マリ救出

 奥氏ならきっとマリを殺す・・・・正直そんな思いで画面を見ていた(*´σー`) 

 

マリが息を吹き返すまでの一連のシーンは、一視聴者を絶望させるに十分な時間と間だった(´・ω・`)

あの間は神懸かっていたと思う。マリの命を諦めたのかと思った次のシーンでは再び心臓マッサージを繰り返す犬屋敷。フラッシュバックを挟み、ついにマリの瞼を閉じた瞬間に「あぁ・・・やっぱり奥氏はマリを殺すのか・・・」とため息が漏れた。

 

次の瞬間、立ち上がった犬屋敷の次のシーンでマリの口元が映る。これが本当にラストチャンスだとばかりに、「来いっ!」と内心叫びなら見ていた。そしてマリの口元が動いた瞬間、安堵と疲労がどっと押し寄せ自然と涙も出ていた。あまりに見事な演出で泣かせられてしまった。

 

 マリ救助では、犬屋敷が娘を大切にする様子、マリが父の背中を見てその大きさを感じ取った様子がとても良かった。子を持ち家族を養い、社会の一員として生きてきた犬屋敷はそうした点で獅子神とは決定的に差が生じているのではないだろうか。

 

 

今後の展望

 最終回まで残りわずかだが、未回収の前振りとして隕石、それにED直前でまだ身体が機能している様子を見せた獅子神など最終回どう締めるのだろうか。実質的には今回が最終回と思っても差し支えない素晴らしいエピソードだっただけに、あとは蛇足というか救世主たる犬屋敷と危険分子たる獅子神を完全に処分するためだけの展開が予想されるだけにちょっとだっけ億劫に感じる。

 

あれだけのオーバーテクノロジーを持った存在を許容しえないとするなら、やはり犬屋敷はラストで隕石とともに最後を迎えるのかなと。家で帰りを待つマリや家族などの事を考えると犬屋敷が死ぬ展開はやっぱり悲しいものがある(´・ω・`)

 

 

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