いぬやしき 第1話 「犬屋敷壱郎」 感想 | ながめせしまに@無為

ながめせしまに@無為

これ知るを知るとなし、知らざるを知らざるとなす。これ知るなり。

第1話 「犬屋敷壱郎」

 

イントロダクション

 

 定年を間近に迎える冴えないサラリーマン・犬屋敷壱郎は会社や家庭から疎外された日々を送っていたが、ある日突然、医者から末期ガンによる余命宣告を受け自暴自棄になる。

 

その晩、突如飛来したUFOの墜落に巻き込まれ機械の体に生まれ変わった彼は人間を遥かに超越する力を手に入れることに。

 

一方、同じ事故に遭遇した高校生・獅子神皓は、手に入れた力を己の思うがままに行使し始めていた。自分の意に背く人々をただただ傷付けていく獅子神と、獅子神によって傷付けられた人々を救い続ける犬屋敷。

 

人間の本質は善なのか、それとも悪なのか…?強大な力を手に入れた2人が、いま、それぞれの想いで動き出す――。

 

 

あらすじ

 老人のような見た目の冴えないサラリーマン・犬屋敷壱郎。念願のマイホームを建てるも愛する家族に疎まれ、やるせない日々を送っていた。そんな犬屋敷を末期の胃がんという更なる悲劇が襲う。

 

家族にもがんの事を言い出せず途方に暮れていた犬屋敷はその夜、突如飛来したUFOの墜落に巻き込まれ、兵器ユニットを搭載した機械の体に生まれ変わる。

 

「私は、私ではない...私は機械...」人間ではなくなってしまった犬屋敷。自分の存在に悩む犬屋敷は偶然、男性が少年たちに襲われそうな場面に遭遇する。勇気を振り絞り助けに入った犬屋敷を少年たちはバットで殴りつける。犬屋敷が意識を失ったその時、彼の体に眠る人智を超えた力が目覚めて...。

 

ネタバレなしの簡易感想

 

エピソード別の満足度

×××度し難い  ××不快  ×退屈/あまり好みではない  ▽微妙/何かが足りない △まずまず楽しかった
▲なかなか楽しかった  ○楽しかった ◎凄く楽しかった ◎◎大満足 ☆名作回 ☆☆傑作回 ☆☆☆神回

 

◎ 第1話 「犬屋敷壱郎」

 

予備知識なしで視聴してみたけれど、イントロダクションと第一話あらすじは目を通してから視聴がお勧め。

 

 

物語が大きく動く中頃までは内容的に見てるのが凹むようなもので視聴辛いなと思いながら見ていた。全体を通しても満足度は◎をつけたものの、どちらかといえばあまり気分が良いとはいえないエピソードで、後味が良いとはいえないが、物語の導入としては惹きつけるものがあり面白かった。

 

 

※注 以下ネタバレ含む

 

感想

 

 冒頭で原作者の名前に奥浩哉の名前を見つけ嬉しいサプライズ。GANTSの後の作品になるのかもしれないが、この作品が奥氏の作品とは知らなかったので期待度は一気に上昇。

 

原作者を先に知った事とOPを見てGANTSっぽい雰囲気があったので視聴を継続できたけれど、それがなければ物語が大きく動きだす10分を前にリタイアしていたかもしれない。主役の犬屋敷壱郎を見てるだけで悲しい気分になってくる(;´▽`A``

 

 物語が大きく動き始めるUFO出現からは視聴体感時間も超加速して、あっという間に最後まで視聴できた。終盤はヘイト値の高い演出とキャラにドキドキさせられながら、どうなってしまうのだろうと心配していた。GNATSなら暴走した若者はもっと酷い死に方しそうな気もするが、ネットで蛮行が露見し社会的な死で落とし前をつけたのは今の時代ならではなのだろうか。

 

この後の物語がどう展開するのか全く予想できないが、イントロダクションでこの物語の方向性が書かれており、それを読む限り面白そうなテーマである。デスノートとは舞台は異なるものの、「人間の本質は善なのか、それとも悪なのか…?強大な力を手に入れた2人が、いま、それぞれの想いで動き出す。」

この部分を読むとデスノート的な要素を少し感じ興味が湧く。

 

何の先入観もなしで想像してみると、犬屋敷が正義の味方としてそこに視点を合わせて視聴するのが普通なのかもしれない。ただ、そんなに単純な話を作るだろうかというちょっとした期待もあることから、もっと深いテーマを持った作品なのかなと楽しみになる。

 

まだ獅子神がどういうキャラなのか分からないが、イントロダクションにある内容通りだと、獅子神はキラに似てキラに非ずというようなキャラに読める。感情のままに人を殺めるようなキャラだとすれば、どちらかといえば期待外れになってしまうが、どのような物語になるのかを期待しながら引き続き視聴継続。

 

 

 犬屋敷壱郎については正義の行動を起こすようだが、今回の浮浪者を助けたことが契機のように見える。余命宣告を受けて一度は死を受け入れる。そして、何が起きたかも分からないまま自分が自分でなくなったしまった現実を突き付けられ、訳が分からない状況に置かれることになる。

 

そんな状況下で自分の存在意義を確認し、自分が生きてる実感と意味と価値を、人を助ける行為の中に見つけたのではないかと推測できる。これらの一連の行動から見えてくる犬屋敷は見た目は冴えない老人ながら、ヒーローものの主人公としての資質を備えているように思える。

 

犬屋敷がもう一人の自分と同等の存在である獅子神と関わる中で、果たしてどのような価値観を成長させ、自分を取り巻く周囲の人間との関係に変化が起きるかなど、このあたりも見所となりそうである。

 

 

 

その他

 犬屋敷の飼い犬花子が地味に可愛かった。吐しゃ物をペロペロするのはおいおいと思ったがw 蒸気を発した犬屋敷の手をなめようとしたシーンでは舌を火傷するんじゃないかとか、へんなところで気を使って手に汗かいてしまったw

 

犬屋敷の声を充ててるのが声優さんではなく俳優さんだった。通りで聞き覚えのない感じで誰だろうと考えてみても分からなかった訳だ( ̄ー ̄; 犬屋敷の風貌にしてはちょっと声が若い印象も受けるが、どのような芝居をするのか今後に楽しみ。

 

 

過去記事・関連記事のリンク

 

いぬやしき 第2話 「獅子神皓」 感想 これは良い胸糞・・・

いぬやしき 第3話 「安堂直行」 感想 

いぬやしき 第4話 「鮫島」 感想  裁きの光

いぬやしき 第5話 「獅子神優子」 感想 分岐点

いぬやしき 第6話 「2chの人たち」 感想  もともとはお前が(´・ω・`)

いぬやしき 第7話 「渡辺しおん」 感想  悪魔と天使の天秤

いぬやしき 第8話 「犬屋敷麻理」 感想  獅子神も無敵ではない?

いぬやしき 第9話 「新宿の人達」 感想  獅子神の宣戦布告

いぬやしき 第10話 「東京の人達」 感想  人を形作るもの