リトルウィッチアカデミア 第20話 感想 意識の変革をもたらす力 | ながめせしまに@無為

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これ知るを知るとなし、知らざるを知らざるとなす。これ知るなり。

今週の一枚

ダイアナのこんな笑顔が見たかった

 

 

そして遂にアッコとダイアナ、二人が手を取り合った 形は違えどOPのシーンを想起させます

 

 

第二十話感想  知性と感性

 ダイアナを円満に学校に復帰させるには、おそらくこれしかないという形で決着しました。

一度決めたら最後までやりきるのがダイアナ。とすれば、アッコに問われとまどいを見せたダイアナがルーナノヴァでやり残した事とは何であろうか。

 

当主の儀式

 儀式は魔法対決で力を示すような類のものではなく、封印の聖堂を抜け、特定の条件が発生する時間と場所で先祖の魂に誓いを立てること。封印の聖堂はキャベンディッシュ家の人間しか入れない。

 

儀式の場へ向かうダイアナは、封印の聖堂前の通路で叔母ダリルの妨害を受け、白蛇に搦めとられて完全に身動きが取れなくなってしまう。この事を立ち聞きしたアッコとアンドリューは、侍女の制止を振り切り助けに向かう。儀式を妨げる者には恐ろしい災いが降りかかるとされる。そういう事情もあり、侍女は

制止をしていた。

 

アッコとダイアナ

 アンドリューは、アッコとダイアナがそれほど仲良しに見えなかったのに、どうして学校へ連れ戻そうとするのか尋ねる。アンドリューの言うことは全てもっともで、アッコの主張は我がままなのではと問われる。

 

確かに、作中でもアッコとダイアナの接点は多くはなかった。そういう関係を見る限り、別に仲良しではなかったと答えたアッコに嘘はない。連れ戻したい理由はそうした仲良しという理由ではなく、アッコがダイアナの本心を感じとり見抜いていたからである。

前記事でも触れたが、アッコには相手が本心とは異なる言動をしている時、それを見抜く嗅覚を持っている。今回のサブタイトルにもある感性はそうしたアッコの嗅覚を指しているとも考えられる。

 

ルーナノヴァにも卒業するつもりで来ているはずのダイアナが、お家の事情とはいえ、それを途中で諦めたいはずがないと拙い言葉で説明するアッコに、アンドリューも何かに気づいたようだ。

 

ダイアナの過去

 アッコの必死な言葉を聞き、アンドリューはダイアナの過去を語りだす。ダイアナは大きな事故で魔法を使えなくなったことがあった。周囲からは二度と魔法を使えないかもしれないと思われたほどの事故であったが、ダイアナはこれを己の努力で克服した。

 

最初から何でも上手に出来る完璧超人と思っていたアッコはどう思っただろうか。アッコもルーナノヴァに来た頃はまったく魔法が使えない時期もあった。ダイアナに努力していないことを指摘され反発したこともあった。今でこそアッコも周囲の手助けや様々な経験を経て努力するようになったが、実は万能だと思っていたダイアナも、自分と同じような苦労や経験があったと知った。ダイアナに対する理解を深めるとともに、アッコの中にも強い共感として残りそうである。

 

こうした経験はこの先、もし誤解が原因で何かのトラブルに巻き込まれた場合でも、この経験を経たことで解決の道を見つけることもあるのではと思えます。例えばシャリオとクロワの対立関係を解消することに一役かうものであるかもしれない。

 

アッコ発進!

 ダイアナの窮地を聞いたアッコは持ち味の猪突猛進。アンドリューの手助けもあり、侍女の制止を振り切り聖堂へと向かう。ダリルの放った白蛇の妨害をかわし、どうにかダイアナの拘束をとくが蛇に咬まれたことで毒に感染してしまう。

キャベンディッシュのしきたりでは、封印の聖堂は本来キャベンディッシュの人間しか入ってはいけない事になっている。しかしアッコはそんなしきたりに構わず突撃している。これも伝統の中に新しい力が交わった出来事ともいえるのではないだろうか。

 

ダイアナの選択

 拘束を解かれたダイアナは白蛇を一掃するが、ここでアッコを救うか、儀式の場へと急ぐかの選択を迫られることになった。慈愛の魔女とも謳われるベアトリックスの血統を持つダイアナは、やはり目の前で命の危機に瀕ししている人間、それも自分のために駆け付けたアッコをそのままにして、儀式に向かうはずはなかった。ダイアナの顔にそれを後悔している節は微塵もない。

 

キャベンディッシュの歴史

 キャベンディッシュは、戦時において病院の役割も果たしており、敵味方の区別なく病人や傷を負った人の手当てをしていた。そのため、それを良く思わない人もいたことから裏病院のような形であった。また、1500年の歴史の中で紡いできた知識の源泉たる、癒しの魔法の研究書が保存されている。医学の進歩とともに、その役割は低くなり顧みられなくなっている。キャベンディッシュの衰退の背景にはこうした事情もあると窺わせる。

 

五つ目の言の葉の解放

 キャベンディッシュの歴史やその精神、そしてダイアナの志の根源を聞いたアッコ。これまでは伝統や魔法の歴史に関心が薄かったが、ダイアナの言葉はそんなアッコの胸にも響いたようである。

ダイアナが何故グラントリスケルを求めたかを知ったアッコの心の高鳴りに呼応するように、クラウソラスが輝く。

 

「シビラデューラ・デラビビューラ」 伝統と新しい力が交わる時、新しい世界の扉が開く

 

シャイニーロッドは箒(シャイニーヴァレイ)へと姿を変える。そして、もう間に合わないと思われた儀式の場所へ、アッコとダイアナはシャイニーヴァレイに乗って超加速で飛びたつ。

 

・伝統=ダイアナ 新しい力=アッコ 新しい世界の扉=キャベンディッシュの未来、五つ目の言の葉

素直に考えるとこう解釈できそうですが、もう1つ別の意味を包含している気がします。まだ具体的に説明するのは難しい。

 

再び選択を迫られるダイアナ

 儀式の場へ到着する直前、再びダリル親子の妨害が入る。しかし、侍女が伝えた、儀式を妨害をするものには災いが降りかかるという言葉通り、ダリル親子は樹に捉われ身体が樹木化していく。

ダリルを見捨てれば、財政危機の原因たる叔母を排除し当主にもつける一石二鳥であるが、ダイアナが受け継いでる精神に鑑みれば当然救うという選択肢しかなかった。

 

ダイアナはベアトリックスに認められたのか?

 当主の儀式で必要とされる誓いの言葉を捧げられなかったダイアナだが、そこにベアトリックスの霊魂らしきものが現れた。その顔は穏やかな笑みを見せている。これを見ると、本当にダイアナは当主として認められなかったのだろうか。むしろ、よくやったというように喜んでいるように私の目には映った。

ダイアナは慈愛の魔女ベアトリックスの精神を受け継いでることを行動で示し、それは誓いの言葉と同様の意味を持つのではないだろうか。ダイアナは儀式を放棄し失敗したと認識しているが、実は無事儀式を果たしたものと思いたい。

 

ダイアナ復学へ

 今回の一件で侍女ら使用人は、結束を固めキャベンディッシュの存続を誓う。叔母ダリル親娘も多少改心しダイアナを認め、ダイアナが卒業し当主として帰ってくるまで、キャベンディッシュ家存続に少なからず尽力してくれるのではないだろうか。少なくともダイアナを将来の正式な当主として認めたことは、その言葉からはっきりしたといえよう。また、アッコという特異な存在(新しい力)はダイアナや叔母だけでなく、

キャベンディッシュに残った使用人にも意識の変革をもたらしたように思う。彼等もやはり伝統や歴史という枠組みに位置づけられていた存在なのかもしれない。

 

原因が財政危機にあるとすれば、叔母ダリルが浪費をおさえることで問題の先送りは可能でしょうから、ダイアナが円満に復学するにはこの着地しかなかったのかもしれない。

 

そして、ダイアナには母やキャベンディッシュの精神を受け継ぎ家を守ることの他に、自分自身の夢があったようである。侍女からシャリオのプレミアムカードを渡されたことで、ダイアナ自身が小さい頃に抱いた夢がシャリオに関係したものであることを窺わせます。なにせシャリオーショーを見て、アッコと同じように感激していたダイアナですから。二人の見る夢は同じ方向を見ているに違いない。アッコの頼もしい仲間として今後活躍してくれるはず。

 

伝統と新しい力が交わる時、これは二つの視点と二つの意味があるように思う。ダイアナから見た視点とアッコから見た視点。意味は先ほど触れたものと、もう一つはまだ断定はできないがそんな気がします。

 

残り5話。いよいよシャリオとクロワの過去回想もありそうなタイミングで、クライマックスにむけてますます胸が高鳴ってきます。

 

 

その他

・毒なら日頃からスシィーの毒で鍛えられているゾルディック家発言笑ったw

・アンドリューは本当イケメン。これほど厭味のない出来る男キャラもそうはいない。

・叔母ダリルの魔法はステッキなしでも発動できるようだけど、どういう事だろう。

・アンドリューはアッコが忘れた帽子を届けに、クライマックスあたりで活躍してくれそう。

・帽子につけられたエンブレムのような飾りはOPにある一瞬のカットとそっくり

・アッコ担当の声優、藩めぐみさんの演技に唸ってしまう。リアクションや擬音・変声に限らず、アッコというキャラが本当に実在してるかのように錯覚させられる。声で命を吹き込むとはかくありなん。

 

 

なんのこれしきっ!スーシィの毒にくらべればあああ!!

 

歴史と新しい力が交わったその時、クラウソラスが輝きだす

 

五つ目の言の葉により解放されたシャイニヴァレイ

 

ダイアナの笑顔その2

 

近い近い(ダイアナ覚悟完了w)

 

これがCGではまだ表現が難しい手描きの”あじ”か

 

追記

<グラントリスケルの謎>

アルクトゥルスの森に封印された

クラウソラスはアルクトゥルスで出現した

グラントリスケル解放にはクラウソラスと七つの言の葉が必要 

 

(グラントリスケルが封印されているのは実はクラウソラスの中か?可能性極低)

→七つの言の葉を解放した時、クラウソラスに封じられたグラントリスケルの力が使えるのではないだろうか。とか最近思ったりしている。ただ、それではクラウソラスを今後使えなくなってしまう可能性があるのでその可能性は低いとは思いますが。早く結末を知りたいが、物語が終わるのも見たくないジレンマ。

作中では改変魔法とされるが、本作では魔法の源たるレイラインが枯渇している状況が背景にあることから、レイラインの復活につなげるように使用されるのが自然と思うが果して。ナインオールドウィッチがグラントリスケルを封印した理由と、今封印を解く必要がある理由の説明がそろそろあると思うが早く知りたい。

 

 

 

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