また、続きです。

「アメリカは正義という言葉が大好きである」ということが、更にアメリカでのフィギュアスケートの人気を下げる原因になった事件が起きる。

それが、ソルトレークオリンピックでの「ペア」での、不正採点疑惑事件である。
これが、新採点方式に切り替わる、きっかけになった事件でもある。
ペアで、1位がロシア、2位がカナダという結果になったが、
少しミスしたロシアが1位で、ノーミスのカナダが2位というのは、おかしい、とクレームが出て、更に、
フランス人の審判が、ロシアに有利になるように圧力を受けた、と告白をしたのである。
アメリカのメディアは、ロシアの演技で少しミスしたシーンを延々テレビで流し、
「あれは、おかしい」と言うことを盛んに報道を続けた。
事態は大騒ぎになり、収拾がつかなくなり、1位のロシアと2位のカナダの両方に、
金メダルを出す結果になってしまったのである。
そして、以後、このようなトラブルが起きないようにと、新採点方式が導入されたのである。

しかし、例えば、この時のロシアの演技を新採点方式に当てはめてみると、
少しミスしても、ノーミスのカナダの演技よりも、点数は上回っていたと言われる。
つまり、ロシアの選手は、難しいプログラムの演技を行い、
カナダの選手は、難易度の低い演技を行ったのである。
不正のジャッジをしたと告白したフランス人の審判も、
結局、不正のジャッジをするようにと、いうことがあったかどうかも、ウヤムヤになり、
事件の真相は闇の中である。

アメリカのメディアが、盛んに不正を報道すると、フィギュアスケートファンは、
ウンザリし、フィギュアスケートの人気は、ますます下がって行ったのである。
アイスショーのチケットは売れず、ショーの開催のキャンセルが相次いだと言われる。

ミッシェル・クワンが引退した後の、今のアメリカのカリスマ的な人気の選手はいない。
そうすると、アメリカでのフィギュアスケート界は、しばらく氷河期が続くのでしょうか。