私の防災・その115 災害時情報弱者を無くす為に~透明マスク~
先日の首都圏で震度5強の地震が起きた時や阿蘇山の噴火の時に気象庁が行う緊急会見で口元が見える透明マスクを使用していたことに気付いた方も多いと思います。
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災害発生時、聴覚障害の方が正確な情報を入手することはとても難しいです。
音声だけの情報(防災無線等)は当然聞こえません。
現在では、災害時に情報弱者を出さない為に様々な取り組みが行われるようになってきました。
自治体にも寄るかも知れませんが、防災無線の内容をメールマガジンなど文字情報として提供したりしてますね。
気象庁の透明マスクも取り組みの一つです。

コロナ禍で皆がマスクを着用するようになってしまったことで聴覚障害の方は他人とのコミュニケーションがとても難しいものになってしまっています。
気象庁の会見などでは手話通訳がつく場合もありますが、全ての聴覚障害の方が手話を理解しているわけではありません。
手話通訳はとても大事なコミュニケーション手段ではありますが、万能ではないのです。
もえもえの病気は耳に障害が出ることがとても多いです。
実際、もえもえも左耳は全く聞こえません。
右耳の聴力は言葉を聞き取るのに必要なだけあると診断されたので、音声言語をコミュニケーションの主体にしていますが、もう少しでも聴力が低かったら手話を主体にしていたかも知れません。
日本手話は私達が使う日本語とは文法も異なる点があり、もえもと同じ病気の家族会では「手話と日本語どちらが第一言語になっている?」と言う会話が出たりします。
読み書きは日本語で行う必要があるので日本語も学びますが、普段は手話の方がスムーズにコミュニケーションが取れる人もいますし、ある程度の聴力があるのではっきり聞き分けできないところだけ口の動きを読み取って日本語でコミュニケーションをとる方が得意な人もいます。
事故や病気で後天的に聴力に障害が出た方などは手話を身に付けるのも難しいです。
ですから、手話通訳がついている=聴覚障害の人全てが理解できるではないのです。
聴覚障害の方とコミュニケーションをとらなければならなくなったら、まずはしっかり口元が見えるようにして出来るだけはっきりと話すだけでもかなり伝わりやすくなります。
手話が出来ないから伝えられないとは限らないことを知っていただきたいと思います。
災害が発生した時、どう行動すれば良いのか判断するためには正しい情報をリアルタイムで入手する必要があります。
多くの人が集まる避難所には聴覚障害や視覚障害の方もいらっしゃいます。
障害がある方が情報を入手することが出来なくて必要な支援を受けられなかったり、避難所のルールがわからなくて知らず知らずに迷惑行為をしてしまったケースも多く発生しているようです。
避難所で被災された方に情報を提供するには出来るだけ多くの手段を使うことが大事です。
目で見てわかるように文字やイラストで表示したり、見えない方には音声情報や触れて確認できる案内方法を工夫する必要があります。
視覚障害の場合だとトイレまで一人でも行けるように床にガイドロープ(足で触れて確認できる)を貼っておく、トイレのドアに男女別の目印になるものをつけておく等も大事な情報の支援です。
災害が発生した時、あなたの周囲にも情報弱者がいるかも知れません。
あなたの出来る範囲で構いません。
聴覚障害の方には口元が見えるようにして音声情報を伝えるとか、視覚障害の方には文字情報を声に出して読み上げるとか。
是非、情報を入手する手助けをしてあげてください。
よろしくお願いいたします。