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これ観た

基本アマプラ、ネトフリから観た映画やドラマの感想。9割邦画。作品より役者寄り。なるべくネタバレ避。演者名は認識できる人のみ、制作側名は気になる時のみ記載。★は5段階評価。たまに書籍音楽役者舞台についても。

『天使にラブ・ソングを…』(1992/日本公開1993)

原題は『Sister Act』

 

監督 エミール・アルドリーノ

脚本 ジョセフ・ハワード

 

ネバダ州リノのクラブ『ムーンライトラウンジ』の歌手ロリス・ヴァン・カルティエ(ウーピー・ゴールドバーグ)は、ネバダ州一帯を牛耳るマフィアのボスヴィンス・ラ・ロッカ(ハーヴェイ・カイテル)の愛人。ある日、ヴィンスの煮え切らない態度から喧嘩になり、さらに、ご機嫌取りに贈られたミンクのコートがヴィンスの妻の持ち物であったことから怒り心頭に達し、別れと文句を言いに事務所へ向かう。そこで裏切り者を粛清するところを見てしまう。

ヴィンスの手下、追手のジョーイ(ロバート・ミランダ)ウィリー(リチャード・ポートナウ)をどうにかかわし、警察へ駆け込んだところ、ヴィンスをマークしていたしたエディー・サウザー警部補(ビル・ナン)に、証言協力と引き換えに裁判が開かれるまでの間、証人保護プログラムによって身の安全を約束される。

しかして絶対に見つからないというその隠れ場所はサンフランシスコの厳格な聖キャサリン女子修道院だった。デロリスはシスター・メアリー・クラレンスという名で今までと一転、修道院長(マギー・スミス)の目が光る堅苦しい不自由な生活を強いられることになる。しかもその修道院は、荒れる街なかにあり、敬虔な信者も減る一方で、資金難から閉館寸前だった。

ところが、デロリスは壊滅的にへたくそな聖歌隊を任されることになり、持ち前のセンスから聖歌をアレンジ、聖歌隊の一人一人の眠っていた能力を開花させ、一躍街の人気聖歌隊に仕立て上げる。さらに、デロリスに感化され、シスターたちは荒んだ街なかの奉仕活動を積極的に行い、市井の人々との交流から修道院は持ち直す。しかもオハラ司教(ジョセフ・メイハー)からの、噂を聞きつけたローマ法王(ユージーン・グレイタック)が聖歌隊を見にくるという知らせまでも入る。

一方で、警察内部に潜むスパイによってヴィンスにデロリスの居場所がバレてしまう。そしてローマ法王を迎える前日に、デロリスが拉致され、ここでシスターたちは院長よりデロリスの素性を知ることとなる。が、シスターたちはデロリスと強く結ばれた絆によりデロリス救出を図る。

…ヴィンスは捕まり、無事、ローマ法王の前で素晴らしい聖歌隊のパフォーマンスを披露する…。

 

コメディだけども、院長の進退の葛藤も描かれ、切ない面もある。(この院長のマギー・スミスは昔習ってたバレエの先生にそっくりで色々重ねてしまった(^^;))。

内気な見習いシスターのメアリー・ロバート(ウェンディ・マッケナ)かわいいし、歌うまいなと思ったら、吹き替え(アンドレア・ロビンソン)だった。とにかく明るいデブのシスターメアリー・パトリック(キャシー・ナジミー)のソプラノは本物のようだ。その他、指揮だった大柄のメアリー・ラザラス(メアリー・ウィックス)、耳の遠いオルガン担当のシスター・アルマ(ローズ・パーレンティ)など、老シスターだけどしっかり歌える個性的なキャラ揃いで楽しませる。

 

普通に面白かった。さすがミュージカルにもなる人気作品。けど、今まで観たことなかった。

 

★★★★

 

 

 

 

 

『愛に乱暴』(2024)

原作は吉田修一の小説。

 

監督 森ガキ侑大=もりがきゆきひろ(『さんかく窓の外側は夜』他)

脚本 森ガキ侑大山﨑佐保子鈴木史子

音楽 岩代太郎(『ひらいて』『正欲』『ヴィレッジ』他)

 

江口のりこ、小泉孝太郎、馬場ふみか、風吹ジュン、水間ロン、青木柚、斉藤陽一郎、梅沢昌代、岩瀬亮、堀井新太、西本竜樹、他。

 

初瀬桃子(江口のりこ)は夫初瀬真守(小泉孝太郎)の実家のはなれで夫婦で住んでいる。母屋には真守の実母照子(風吹ジュン)が一人でおり、桃子は付かず離れず適度な距離を保ちつつも暮らしの手助けをしている。週に2回ほど、前職の流れで石鹸作りの教室を持っているが、基本家事を一手に引き受ける頑張る専業主婦だ。

一見してごくごく普通の夫婦だが、リフォームも計画しているのに真守は生返事で、倦怠期なのかそっけない。そしてある日、真守は愛人の存在を告白し、すでにお腹に自分の子供がいること、離婚を申し出る。実際相手の女三宅奈央(馬場ふみか)と会うことになるが、当然桃子は納得いかない。でも真守は家を出て奈央のもとへ行ってしまう。桃子は照子に話せずにごまかしていたが、ついには照子も知ることとなる。

実は桃子も奈央と同じ立場から真守と一緒になった。誰に打ち明けることも感情の行き場をどうすることもできない桃子は少しずつ奇行に走る。そんな様子や事情もあってか最終的に照子は家を桃子に譲り引っ越し、真守も戻る事なく、夫婦関係は破綻する…。

 

桃子がしょっちゅう見ている(インスタのような)SNSは、はじめ真守の不倫をほのめかしているのかと思ったが、桃子の軌跡だった。桃子は真守の浮気など考えてもいなかったのだ。これにはやられた。他に桃子は家の庭に現れる野良猫をぴーちゃんと呼び餌をやっているのだが、話が始まった時には行方知れずになっていた。代わりに違う猫がやってきてたりするのだが、桃子はぴーちゃんを気にかけ探している。それが後々、なぜなのかがわかる。SNSの投稿と共にこれも伏線だったわけで、さらに言うならラストではなれを取り壊す、リフォーム話さえも気が利いた設定だった。

そして桃子は現状の生活で唯一真守だけが頼みの綱だったのだろうことがわかる。大切な命をなくした過去を抱え、日々の生活の小さなトラブルが他人によって大きくなっていったり、前職への復帰話も部長(斉藤陽一郎)の社交辞令だったと裏切られた気持ちになったり、照子への気遣いが負担となっているうえに真守に裏切られるわけだ。実は誰も頑張る自分を見ていてくれてなかったと半ば自暴自棄になっていくのも有りだろう。だが、実はゴミ集積所の近くのアパートに住み、ホームセンターで働く男孝(水間ロン)は見ていてくれていた。最後にその男からのカタコトの「ありがとう」で桃子は救われ前向きになれる。なんとも人生の妙をじわりと感じる作品だった。

 

江口のりこのイラつきや表に出しにくい感情表現が的確でとてもよく伝わってくる。真守役の小泉孝太郎は前髪が目にかかっていて表情が半分くらいわからない。それが効果となってつかみどころのない、つかむ必要もない夫像を現していてこれまたとても良かった。不倫相手となった馬場ふみかも一つ一つの表情にリアリティがあり良かったし、水間ロンも孤独がジワジワ浸透してくる感じが良かった。その孝、真守と同じような髪型なのは印象に残らないようで強く引きつける演出にもなってて面白いなと思った。

 

良かった。

 

★★★★(★)

 

 

 

 

配給 東京テアトル

 

 

『コントラクト・キラー』(1990/日本公開1991)

原題は『I Hired a Contract Killer』

フィンランド、スウェーデン映画

原案はペーター・フォン・バッグ

 

監督・脚本 アキ・カウリスマキ

 

 

 

 

フランス出身のアンリ(ジャン・ピエール・レオ)はロンドンの地で15年勤めた会社を突然解雇される。孤独な一人暮らしな上、会社でも交流を持たないアンリは絶望感でいっぱいになり自殺をはかる。しかしどれも失敗に終わり、ついにはコントラクト・キラー(殺し請け負い業)に自分の殺害を依頼する。

ただ殺されるのを待つ身になるが、待ってるだけで手持ち無沙汰なアンリは近所のパブへ赴く。アルコールを飲まないアンリだったが、酒以外ないと言われウイスキーをけっこうな量飲む。酒の味を知り、そしてそこで花売りのマーガレット(マージ・クラーク)と出会い恋に落ちる。愛する人の存在が生きる喜びにつながり、殺されることが恐怖へと変わる。

だが、殺し屋(ケネス・コリー)は仕事を全うするためアンリとマーガレットを張り込む。アンリは依頼を取り消そうとコントラクト・キラーの事務所のあったバーを訪ねるが解体され存在しなかった。殺し屋から逃げ回る日々が始まる。その間に強盗犯の濡衣を着せられ二重に逃げ回ることになったり、最愛のマーガレットとも離れ離れにならなければならなかったりとトラブルが続く。また、殺し屋には癌を患い余命宣告されてる都合上、早く仕事を片付けなければならない事情があった。

しかして、どこまでも親身になってついてきてくれるマーガレットを得たアンリには希望という光明しかなく、本当に絶望しているのは殺し屋のほうだった…。

 

静かで、言葉(台詞)少なく、役者の表情や行動の演技、シーンのみで把握していく毎度のスタイルは受け手にとって自由で本当にいい。

 

殺し屋が渋くてアキ・カウリスマキ作にしてはかっこよかった。その殺し屋の娘もかわいい。(ただし好みの問題かも)

 

展開は読めるものの面白かった。

 

そういえばパブでジョー・ストラマーが歌っててびっくりした。ほんと?本物!?と調べたらやっぱり本物だった。これだけでも観る価値ある笑。

 

★★★(★)

 

 

冒頭、「マイケル・パウエルに捧ぐ」とあるのは? ちょうど公開年に亡くなったからかな?

 

 

『愛しのタチアナ』(1994/日本公開1995)

原題は『Pidä huivista kiinni, Tatjana』(フィンランド語)、英題は『Take Care of Your Scarf, Tatiana』

 

監督 アキ・カウリスマキ

脚本 アキ・カウリスマキサッケ・ヤルヴェンパー

 

舞台は1960年代のフィンランド。

母親(イルマ・ジュニライネン)と営む仕立て屋のヴァルト(マト・ヴァルトネン)は大好きなコーヒーが切れたことに腹を立て、母親を納戸に閉じ込め勢い家を出る。ありったけの母親の金を持ち出したヴァルトは、修理工のレイノ(マッティ・ペロンパー)のところへ預けていた車を取りに行き、そのまま二人でドライブに出る。

真面目なヴァルトと不良ロッカーを気取るレイノは立ち寄ったバーで、エストニアに帰るため港へ向かうつもりが、バスがエンコして困ってる二人の女クラウディア(キルシ・テュッキュライネン)タチアナ(カティ・オウティネン)と出会う。そして二人を港へ送ることになる。

宿へ泊まったり野宿したりする間に、レイノとタチアナはなんとなく惹かれあっていく。ヴァルトの金もわずかになった頃、港に着くが、そのなけなしの金でレイノの希望からタチアナとクラウディアの目指すエストニアのタリンまでフェリーで一緒に行くっことになる。クラウディアはそこからさらに列車に乗って帰るためタリン駅でお別れするが、タチアナを家まで送ったレイノはそのまま残ると言い出す。

ヴァルトはクラウディアからプレゼントにもらったコーヒーミルと共に一人寂しく帰路につき、数日ぶりに母親を納戸から出す。ヴァルトは何事もなかったかのようにいつものようにミシンを動かし、母親もまたいつものように息子にコーヒーをいれる…。

 

 

 

 

たんたんと独特のリズムで進む雰囲気と、映像から読み取れるおかしさを楽しむ映画。

主人公の二人はけっこうな奥手の中年。タチアナはフィンランド語が多少できるが、クラウディアはロシア語しかしゃべれない。そんな設定もあってかよりいっそう男女の会話が少ない上、噛み合わない。目の前とはいえ文化の違いもあるかもしれない。それが面白い。

また、ヴァルトのコーヒー好きが異常。同じくレイノはウォッカ。二人はそれを常に携帯、または注文し、ほぼ一気飲みする。お腹を壊しもしないし酔いつぶれもしない。変わらないのだ。それも笑えるポイントだった。そういえば四人が最後にテーブルを囲んだ時は女たちのおごりで、飲み物は紅茶だった。そういう落とし方かとクスッときた。コミュ力よ…w

仕立て屋ならではか、きちんと背広のシワ取りをし寝押しする几帳面なヴァルトには、なんだかんだマザコンぽい面が見え隠れしておかしかったし、クラウディアがいつの間にか宿の女主人(エリナ・サロ)からイヤリングをもらってるのは、なぜ?!、とおかしかった。

なぜついでに、母親は少なくとも4日閉じ込められていたはずなので、開錠する時不安だった。でも出て来た母親は痩せてる様子もなく服が多少埃っぽいだけでまったく無事だった。すぐにコーヒーをいれに動けたくらいだ。

そうか、コメディだった、と思い直した。

 

愛しいのタチアナと題打つほどのドラマはない。奥手すぎる中年男が色に目覚めた結果…、という感じ。タイトルとの対比がもうコメディなのかも。

 

アキ・カウリスマキお馴染みの役者揃い。歌の挿入も。

 

★★★★(★)

 

 

そういえばカーオーディオがレコードプレーヤーなのだが、こんなの60年代でもないよね??? まず針飛びするでしょ!? と思ったらあるみたい。



『君には届かない。』(2023)TBSテレビ全8話

原作はみかの漫画。

 

監督 泉正英棚澤孝義林雅貴

脚本 開真理

インティマシーコーディネーター 西山ももこ

主題歌 Hi-Fi Un!corn「U&I」

 

前田拳太郎、柏木悠(かしわぎはる)、田中偉登(たなかたけと)、松本怜生、百瀬拓実、福嶌崇人(ふくしましゅうと)、板倉俊之、紺野彩夏、中井友望(なかいとも)、他。

 

成績優秀で美男子でモテモテ…でも女子の告白は100%断るしクラスでも無愛想な大原倭斗ヤマト(前田拳太郎/幼少期:三浦綺羅)と、ごくごく平凡で成績もイマイチ…でもクラスでは明るさから周りに人が集まる芦屋架カケル(柏木悠/幼少期:正垣湊都)は幼馴染み。周りからなぜ仲がいいのか不思議がられるほど釣り合ってない二人は高校生で、恋愛を意識する年齢。

カケルと親しい藤野孝介(田中偉登)に他校の彼女ができたことで、カケルの仲間、及びヤマトも付き合わされ合コンへと発展、そこでカケルは遠山茜(中井友望)となんとなく接近。けれどその前にカケルがヤマトに好きな人がいないのか聞いた時、「カケル」と答えられていて、以降、茜の存在、モテモテヤマトへの橋渡し役、勘の鋭いヤマトの妹ミコト(紺野彩夏)、同じく勘のいい友人保坂唯(松本怜生)らの助言、関係から、自分はいったいヤマトをどう思っているのかに向き合い始める。

一方ですでに幼い時からカケルへの恋慕を抱いてきたヤマトは、年頃からも自分の気持ちを抑えられなくなってきていて、事あるごとにカケルを困惑させてしまう。その一歩目が「告白(もどき)」であり、次に手など体の「接触」であり、「キス」だった。

一度タガが外れると抑えられない感情に対峙しなければならなくなる悩ましいヤマトと、それにどう応えるのが正解なのかまったくわからない、自分の気持ちさえ掴めないカケルの心情が描かれる。

 

アドバイザー的存在に、ミコトと保坂&天宮(百瀬拓実)がいて、初めはヤマトの背中を押す役、やがてカケルのフォローにも回る。この存在は淡々としていて、漫画あるあるだなという存在。もう少し色付けしても…なんてよぎったけど、でもそうなると話が渋滞してしまうかもと思ったり。保坂のキャラだけでももっと強く描いても良かったように思う。もったいない。

 

演技面でいうと、主演の二人はまずまず良いし、前田拳太郎はかつての金子大地(顔的には橋本愛似)、柏木悠は小越勇輝が浮かぶ(『腐女子〜』だなこれ)。表情もいいけど…芝居に遠慮が見えるのが残念だった(一応、インティマシーコーディネーターが入ってるのね…柏木悠が19歳なこともあるのか?)。

 

担任教師村セン板倉俊之。ギャグを放つ役割なんだけどイマイチつまんなかった。ここはふつーに俳優さん使ったほうがきれい。

 

残念だったのは、茜とミコトの演技。指導が悪いんだと思う。なぜなら、茜役の中井友望は『ベイビーわるきゅーれ』宮内役できちんとハマってるから。ミコト役の紺野彩夏もかわいいのにもったいない、つまらない演技。この二人の何が悪いって、同じ演技って点。違いがパッとわからない。同じ音調でだるい。なんで強弱をつけなかったんだろう。女子の出番なんかそんなにないんだからかわいく創ってあげても邪魔にならなかったと思う。

 

(原作未読)

 

BLなんで、ここは萌えポイントが重要という話なんだろうけど、まあ、萌えポイントは多々あります。ヤマトとカケルの身長差がすでに萌えポイント。その差は一緒にいるあらゆるシーンで活きる。あと二人とも顔が良いのでキスシーンは映える。ヤマトが暴走するシーンなども頑張ってる。ただ、ヤマトとカケルの間に数センチの間を感じてしまう抱擁シーンはもったいなかった。これは恋愛ものによくあることで、たぶん相手の俳優に無意識に遠慮が出ちゃうんじゃないかな。どちらかの俳優が役に徹する人だとうまくいく。これまで色々見てきたものから想像するに。

 

★★★

 

 

 

 

 

 

 

『わかっていても THE SHAPES OF LOVE(2024) ABEMA×Netflix 全8話

原作はジョンソのWEB漫画。2021年の韓国のテレビドラマを原案としたリメイク版。

 

監督 中川龍太郎

脚本 中川龍太郎左近圭太郎横尾千智(よこおちさと)

音楽 小島裕規 "Yaffle"

エグゼクティブプロデューサー 藤井道人

制作 Spoon

 

横浜流星、南沙良、佐野玲於、鳴海唯、福地桃子、浅野竣哉、朝倉あき、夏子、霧島れいか、中山忍、村上淳、他。

 

美大の彫刻学科で宇佐美早子(中山忍)教授のもと助手を務める浜崎美羽(南紗良)は、恋人に振られたうえ自分の作品もけなされ、それ以降恋はしないと決めていた。そんな美羽の前に、校内の銅像にペンキをぶち撒ける男が現れ、釘付けになる。特別臨時講師としてやってきた国内外で活躍する新進気鋭のアーティスト香坂漣(横浜流星)だった。

心の奥を見せないミステリアスなアーティスト香坂漣と、アーティストとして大成したい気持ちは諦められないながらも自信を持てずにいる浜崎美羽の恋愛を、アートを繋がりに、周囲の人間模様も絡めて描く。

 

行きつけの食事処「うまみ屋」で料理人をする生島琉希(佐野玲於)は、美羽に想いを寄せていても、相手のことを一番に考えるあまり、行動を一歩控えてしまいがち。でも、香坂が現れたことにより行動を起こす。

子供の頃から自力ではどうにもならない病魔と闘っている、漣の幼馴染みでキュレーターの今井千輝(鳴海唯)は、ずっと漣を想ってきたし、漣を追って今がある。美羽の存在に気づき複雑な気持ちになる。

彫刻科の院生椎名光莉(福地桃子)は明るく誰とでも仲良くなれるが、恋愛に関しては特定の人を作らず自由を楽しむタイプ。でも同科同院生の長壁の存在が変わるきっかけとなる。

彫刻科院生の長壁颯(浅野竣哉)壁はストイックで真剣に作品作りに向き合っているものの、圧倒的な才能の持ち主香坂漣に憧憬と劣等感を持っている。光莉に好意を寄せている。

美羽たちの先輩の川瀬咲(朝倉あき)はアーティストの道を諦め、院生を卒業すると広告代理店に普通に就職した。後輩の愛美と共同生活するうちに、自分の本当の気持ちを抑えられなくなる。

美羽と同じく彫刻科に助手として勤めてる吉野愛美(夏子)は器用で何でもそつなくこなせるが、それだけ。咲の作品に惚れ込んでいてサポートをしたいと思い始める。

 

漣は、何よりも自分の追求心を一番に行動するコンテンポラリーダンサーの母親香坂美月(霧島れいか)との母子家庭に育つ。いつまでたっても自分の方を振り向いてくれない母親の姿から、人に期待を寄せることを諦めるようになり、その場を刹那的に取り繕うよう生きるようになる。やがてそれは自分の作品にも反映されて、子供の頃、漣の才能を見抜いた恩師、アトリエ主宰の我妻善一(村上淳)に見透かされてしまってる。そんなある日に、自己を恥じることなく表現した美羽の作品に触れ惹かれる。自分には出来ないことだったから。また、千輝の気持ちに応えられないのに、千輝がいなくなってしまったことに更に絶望感を覚える。………という、漣はどこまでも我の強い芸術家肌だった。

美羽はまだ駆け出し同然で、模索しながら毎日を歩んでいる感じだ。漣との出会いによって羽ばたくことになるんだけど、真っ直ぐな目を持ってるので大成する未来があるかもしれない。…し、「わかっていても」と言い訳しててはそんな未来はないかもしれない笑。

…芸術祭に出した美羽の作品、まったくわからんかった。アートを見る目は私にはないけど。

 

 

そんなわけで、多くを望んでも期待をしても結局傷つくだけとわかっていても、相手にとって自分が特別な存在ではないとわかっていても、一歩でも踏み出してしまっては今の関係が壊れてしまうとわかっていても、大切にしたい人(関係)だとわかっていても、どうにかこうにかそばにいたいとわかっていても、やっぱり誰よりも大切な存在だとわかっていても、本当は空っぽなんだとわかっていても、約束したって永遠なんてないとわかっていても、それでも人は人を求め、自分を探し求め人生を歩む。というような、まあ、恋愛あるあるの心情を描いたドラマ。芸術家を志す若者が主人公なので、それぞれの表現物、表現法に悩む姿も描かれていて、そこで言わんとしているのは、人が介在しないでは作品は生まれないということ。と読み取った。そりゃそうよね。

 

うーん…横浜流星がピンク色の髪で深田恭子の相手役で出てた頃(『初めて恋をした日に読む話』←これが横浜流星を認識した初めてのドラマ)よりはだいぶうまくなってるけど、なんでかあまり魅力を感じない。他の作品でも、いいんだけどイマイチ…という感じ。身長が低いわけではないのに、バランスがよくないんだろうな、難しい。そんな中、大河ドラマ『べらぼう』は合ってるかもしれないと思えた。キャラが創れる時代劇の方がいいんじゃないか? 大河が終わったら変化があるかも。

 

佐野玲於、良かった。『インフォーマ』でもだいぶ良くて、キャラが180度違うからなおうまいなと思った。ハイロー(ルードボーイズ)でアクロバット並みの華麗なアクションは見たから、今後、真骨頂、ダンサー役なんかやってほしいな。というか見てみたい。

 

原案となったオリジナルの韓国ドラマを見た方がいいかな。時間も倍以上あるし。

 

★★★

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1話だけ、ちらっとオリジナルドラマを見たけど、だるい。まあ、恋愛ドラマなので。設定も主人公ユ・ナビが芸大生、その「ナビ」は「蝶」を表すということ、相手役のパク・ジェオンが蝶好きというのは同じ。他は微妙に違う。周りの子達が恋愛一筋なので、リメイク日本版よりはるかに恋愛に特化したドラマになってるもよう。きついので、気が向いたら続きを見ようと思う。

 

 

『ポテチ』(2012)

原作は伊坂幸太郎の小説。

 

監督・脚本 中村義洋(『アヒルと鴨のコインロッカー』『フィッシュストーリー』『予告犯』『残穢』他)

音楽 斉藤和義

 

濱田岳、大森南朋、木村文乃、石田えり、中村義洋、中林大樹、松岡茉優、阿部亮平、桜金造、他。

 

以前、空き巣稼業の今村忠司(濱田岳)は、ボスの中村親分(中村義洋)と空き巣に入った先で大西若葉(木村文乃)の自殺を止めることになる。それから若葉は今村と同棲するようになり、今では泥棒の相方を務める。

ある日、今村は健康診断を受けたことである真実を知る。尊敬する空き巣のプロ、人間の感情がまったくわからない黒澤(大森南朋)に相談を持ち掛けつつ、同じ誕生日、同窓であり、同じ野球少年だった尾崎(阿部亮平)の家へ若葉と空き巣に入る。尾崎は二軍選手だがプロ球団に入っていて、今村はかなり肩入れしている。そんな存在なのに空き巣に入ったには、知った真実につながる深い思いがあった。

そして尾崎の部屋から美人局のカップル(松岡茉優、中林大樹)と知り合うことになり、黒澤の協力、若葉の助けもありつつ足りない頭で考えたなりの策略をもってして、今村の優しさが溢れる贈り物を受け取ることになる尾崎と今村の母親(石田えり)…。

 

コメディではあるけれど、ジーンとくる、とても良かった。

濱田岳はこういう純朴で頭の足りない役がよく似合う。

石田えりには奔放な女性のイメージがついてて、母親役なんて絶対ウラがある! とヒヤヒヤして見てしまったことを反省した。

 

終わってみてすぐにはタイトルの『ポテチ』の意味がよくわからなかったけど、反芻してみるとなるほどだった。若葉がコンソメ味のポテトチップスを頼んだのに、今村はうす塩味を渡し、コンソメ味は自分が開けて食べてしまってる。それを指摘すると今村は謝ってコンソメ味とうす塩味を取り換えようと申し出るが、若葉は、でもうす塩もおいしいからこれでいい、と言う。この時、今村は涙が止まらなくなる。このシーンでも「なぜそんなに泣く?」と若葉同様思ったけど、真実が明らかになると、なるほどだった。故意ではないにしろ取り違えが本来得られるであろう当事者らの幸せを奪うかもしれないという話なので。このポテトチップスの取り違えと、若葉のうす塩もおいしいという言葉に、今村は救われたのかもしれない。

 

中村親分のエピソードもしっかり拾われてたのがいい。

 

★★★★★

 

 

 

 

配給 ショウゲート

 

 

『フォロウィング』(1999/日本公開2001)HDリストア版

原題は『Following』

イギリス映画。

 

監督・脚本 クリストファー・ノーラン(『インターステラー』『オッペンハイマー』『テネット』他)

 

モノクロ映画。過去と現在が交錯しながら話が進むトリッキーな構成。

 

作家志望のビル(ジェレミー・セオボルド)は趣味と実益を兼ねて街で目についた人を尾行することに夢中になっている。家までつきとめると終わりにしていたが、回を重ねるごとに観察までがセットになる。その中の一人、金髪の女性(ルーシー・ラッセル)に惹かれる。

ある日、尾行の対象者コッブ(アレックス・ハウ)に気づかれ、もっと面白いことがあると空き巣を誘われる。コッブにも独自の美学と嗜好、確かな分析力もあり、ビルは興味が湧いて組むことにする。しかしコッブは一枚も二枚も上手な上、惚れた女性の真実も知ることとなり、ビルは結果落ちていく…。

 

ただの尾行が観察に変わり、想像と侵入に発展し、まずはギリギリの接触に興奮する。綿密な計画のもと猟奇的嗜好が成し遂げられる。コッブはサイコキラーか。

 

真相に次ぐ真相が面白かったし、警察(ジョン・ノーラン)に経緯を話しても通らないビルの絶望感たるや…そのラストの突き放し方は目下救いが見えなくて逆に後味が良かった。

そもそも女性のオトコとされる男(ディック・ブラッドセル)の存在が怪しいと注目させといて、最後にその男のエピソードのみ拾うのがまた気持ち良かった。

モノクロにしたのはなぜだろう。情報量を抑えるためかな…それとも観る側の自由度を上げてるのかな。不思議なことに脳内ではカラーで再生される。

 

私たちももしかしたら現実に誰かに見られているかもしれない。という気持ち悪さも感じる。

とはいえストーキングとはまた少し違うような。

 

★★★★(★)

 

 

 

 

『千年の愉楽』(2013)

原作は中上健次の小説。

 

監督 若松孝二(『水のないプール』『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』他)

脚本 井出真理

 

寺島しのぶ、高良健吾、佐野史郎、井浦新、高岡蒼佑、染谷将太、増田恵美、並木愛枝(なみきあきえ)、石橋杏奈、安部智凛(あべともり)、水上竜士、大西礼芳、真樹めぐみ、渋川清彦、岩間天嗣(いわまたかつぐ)、山本太郎、他。

 

うきしまという地に、「路地」と呼ばれる切り立つ斜面に家々がひしめく海に面した地域があり、そこでオリュウノオバ(寺島しのぶ)は産婆として毛坊主(僧侶)の礼如=れいじょ(佐野史郎)と暮らしている。多くの赤ん坊を取り上げ、周りからは「オバァ」と慕われている。そのオバァに命の終わりが近づき、先立った礼如の幻を相手に昔を語る。

 

中本家は「路地」の中で一番高貴とされる一族であり、男は見目麗しく女を魅了する。それが呪われた血とも言われ、げんにオバァが初めて取り上げた半蔵(高良健吾)の父親中本彦之助(井浦新)は浮気相手の女に刺された挙句失踪した(おそらく生きてないが見つかってない)。その後母親のトミ(増田恵美)も失踪。半蔵は両親を失い、「路地」の家々を転々としながら美しい男に育つ。優しく明るく調子よくふわふわとその場限りを生きてるような半蔵は当然女が切れない。働きに行った大阪で嫁ユキノ(石橋杏奈)を連れ帰るが、質屋の女将と情事に至り、主に刺され亡くなる。

彦之助と浮気相手の女の間にできた田口三好=みよし(高岡蒼佑)も美男子。常に体から火がふくように、燃え上がるように生きたいと願っており、それを求めてヒロポンだったり窃盗だったり女だったりを渡る。そんな三好もダムの飯場へ1年行くが、目が見えなくなり首を吊る。

彦之助の弟の息子であり、半蔵の従弟になる達男(染谷将太)もまたかわいらしい容姿に育つ。ダムの飯場で目に疾病を抱える三好と会い、連れ帰る。素直で真面目、強靭な肉体を持ち働き者。そんな達男も炭鉱での暴動で殴り殺される。後家となったオバァが唯一間違いを起こしてしまう相手でもあった…。

 

冒頭花の窟(いわや)が映され、謂われが記される。「ーイザナミノミコトの御陵。イザナミは、火の髪・カグツチを産んだ時、ホト(女陰)を焼かれて死んだと謂うー」

あらがいようのない「血」(遺伝子)と命を繋ぎ時世へ渡す「生」(本能)と「死」(人生)が描かれている。ざっくり「人間」というものを見せられた感じだ。最後、オバァの台詞「生まれて死んで生まれて死んで生まれて死んで」と繰り返される。虚しいと感じるに終わるか、だからこそ三好のように情熱的に生きるか、半蔵のように刹那的な今を生きるか、達男のように多くの人が選んでるであろう歩み続ける生き方をするか、を問うているのかな。

 

これ、多分、原作の方が面白い。軸となる幹が見えず、どうやってついてるのかわからない枝はもろく、その先にある葉っぱは散り時でもないのに落ちてしまった印象。ばらつきが目立つ。脚本、構成が悪いように思う。オバァと中本の男たちの話なのだから、オバァはナレーションに徹したほうが伝わりやすいし話に深さも増す。気がする。良く言えば日本昔話的。

 

高良健吾も高岡蒼佑も染谷将太も、役者はみんな良かった。寺島しのぶはうまいけど好みが分かれるところだ。井浦新、若いし細い。たかだか十年前。

 

製作された年はまだ山本太郎も役者をやっていたようで。居酒屋でチラッと出るだけだったけど悪くない(作品的にはなくてもいい存在)。役者、タレントやってれば良かったのに。

 

★★

 

 

 

 

『未成年〜未熟な俺たちは不器用に進行中〜(2024)読売テレビ1104〜全10話

原作はヒヌンの漫画(韓国)。

 

監督 柴田啓佑(『ひとまずすすめ』他)、牧野将

脚本 森野マッシュ松下沙彩

音楽 遠藤浩二(『藁の楯』『I❤︎DK』『トリガール!』『ジョジョの奇妙な冒険』『カッペイ』『土竜の唄』シリーズ、他)

オープニング曲 ONE N' ONLY 「SAVIOR」

エンディング曲 ココラシカ 「花瓶」

 

本島純政、上村謙信、今井悠貴、宮地樹、堀家一希、関幸治、西原亜希、オクイシュージ、加藤貴子、他。



2018年、高校一年の時、教師(関幸治)からも期待される優等生水無瀬仁(本島純政)と問題児の蛭川晴喜(上村謙信)は出会う。校舎裏の踊り場で蛭川が教師の首を締めているシーンを目撃、さらに水飲み場で水道の水飛沫を浴びる蛭川に釘付けになる。二年になると同じクラスになるが、水無瀬は常々母親沙紀(加藤貴子)に「変なトラブルに巻き込まれて人生を棒に振るなら誰とも仲良くしない方がマシ」と、友達は選べと教えられていることもあり、どだい交わることのない世界に住んでると関わらないことを決める。そもそも水無瀬には勉強一筋の柴健人(今井悠貴)、恋愛体質の根本ショージ(宮地樹)という友達がいたし、蛭川にもよくつるんでいる不良仲間の真島京平(堀家一希)がいた。接点はなかった。

けれどある日、蛭川が父親の正彦(オクイシュージ)にひどい暴力を受けている場面に出くわす。誰にも言わないでという蛭川の頼みを受けて二人の間に秘密の共有ができ、しかも蛭川は映画好きで、尊敬してやまない雨沢義人監督が水無瀬の父親(結城貴史)だったこと、二人とも孤独な家庭環境なこと(水無瀬は父親とは別居状態で母親は仕事でほぼ海外。蛭川は両親は離婚しており離婚から立ち直れていないアル中気味の父親との二人暮らし)などわずかな接点が見え、蛭川の積極的なアプローチもあって急接近する。学校では水無瀬の希望で無関係を装うが、二人はやがて恋愛感情を自覚する。そして離婚後新しい家庭を築いている蛭川の母親潮田晴華(西原亜希)のところに一泊で遊びに行った際に、水無瀬は蛭川の悩み、自分もいつか父親のように暴力を抑えられなくなるんじゃないかという恐怖心に駆られていることを知り、自分が歯止めになることを伝え、二人は結ばれる。

けれど、幸せな時は続かず、水無瀬は父母の離婚が決まり母親についていくため留学の話が持ち上がり、蛭川は真島が起こした問題に巻き込まれ、かつ、父親が急死、水無瀬の前から姿を消すことになる。そうこう日は経ち、水無瀬は現役で志望大学へ合格。誰もいなくなった蛭川の家で水無瀬宛の手紙を見つける。誕生日に手紙を書き合おうと約束したものだった。そこには蛭川の水無瀬への想いが綴られていた。

数年後、まるで蛭川をなぞるかのように喫煙を始め、大学で小説を書き始めていた水無瀬。それは渡すことのない蛭川の手紙への返事だった。そんなある日に、別の大学にいった根本から蛭川の話を聞く。ずっと連絡の取れなかった蛭川が、偶然にも根本と同じ大学に一浪して入ってきていたのだった。しかも映画サークルで映画製作をしているという。そして上映会で二人は再会を果たす。会えなかった間も互いのことを想っていた二人は将来を共に歩むことに…水無瀬の小説「未成年」を蛭川が映画にして…。

 


誰にも吐き出せない孤独を受け入れてくれる人を求めていた蛭川と、諦めて孤独を受け入れていた水無瀬。二人は足りない部分を補い合い、結果、自己嫌悪に押しつぶされそうな蛭川を水無瀬のまっすぐな愛が救う恋愛ドラマだった。

 

実にポエトリーだが二人の関係を海に例えていて、

「世の中には三種類の人間がある。加害者、被害者、傍観者。それぞれ棲み分けしていて水(海)が交わることは決してない。」

「最初は少し足をつけてみただけだった。足元の砂が波にさらわれていつのまにか沖へと流されていくような。気づいた時にはずいぶんと君の近くまで流されていた。」

「自分から荒れた海に入っていくなんて、きっとどうかしてる。」

「空と海の境界が混ざってわからなくなるように、僕と君の境界が溶けてひとつになればいい。」

「君の海に僕はいるんだろうか。僕の海は君がいなくなってから静かなまんまだ。」

「とてつもなく広い海ではぐれた魚が仲間と出会えるのはどれほどの確率なんだろう。」

「君の海と僕の海はきっとどこかで繋がっている、今もそうそう信じている。」

等々、実に良い。

海を海域を二人の環境に例えてる「海の前に人は無力だ。どうかきみが波にさらわれてしまいませんように。」は無償の愛を感じた。

また、雨沢監督の作品評で「この主人公は苦しみの波が大事な人にまで押し寄せないように海に残って見張ってんだよ」という蛭川の解釈もある。

ロマンチック。

 

台詞もいいものが多く、

蛭川「俺かわいそうに見える?」

水無瀬「うん、かわいそう。」

一般的にはウエメの同情心だが、そうではなく、これがポジティブで甘い言葉にしか感じないなんて、なんていい台詞と設定かと思った。

蛭川の母親を訪ねた際、水辺で水無瀬が「帰ろう、俺んちに一緒に帰ろう」という台詞、蛭川の悩みを聞いて全てを受け入れる決意がうかがえてグッときた。

水無瀬「おまえといると弱くなる。」

蛭川「俺は強くなる。」

だけど、どちらも耐えて虚勢を張っているから、どちも弱く、相手がいるからこそどちらも強くなり、補い合えてるんだと思う。

ラストの水無瀬からの「結婚する?」はナチュラルでものすごく良かった。

 

簡単にいうとBLなんで、萌えポイントも多い。

プールでの離れ際のキスシーンは秀逸。

一緒に天沢監督の新作映画を見るシーン、蛭川の見入っている感じはまさに天沢監督を尊敬しているようにしか取れないし、そんな蛭川を見る水無瀬の愛おしそうな眼差しが更に効果を高めてる。上村謙信がダントツで良かったシーン。

あと再会の後、酔いつぶれた水無瀬を迎えに蛭川が店へ駆けつけるのだが、その時なんで蛭川がいるのかわからない、しかも蛭川の「迎えに来たよ」の台詞の後の水無瀬の目からの一筋の涙はびっくりするほどきれいだった。待ちわびていた蛭川、愛おしい蛭川、やっと会えた喜び、たくさんのまとめきれない感情が溢れているのがよく伝わって素晴らしいワンシーン。また、それに続く公園での二人の会話での水無瀬の駄々っ子みたいな口調も、帰り道おんぶをねだるなど、心情が伝わってきてすごく良かった。

とにかく本島純政の演技が素晴らしい。都度の表情はもちろん、キスシーンは女子のようにきれい。これは監督の撮り方、演出もあるだろう。そして単に見つめ合うだけでも、情感が伝わってくるのはやはり役者の力と演出力がぴったりと合ったためだろう。

あと、柴と根本の会話が面白かった。アドリブもあったようだ。


 

実はもうBLはお腹いっぱいで深夜帯のものは特に興味対象外になっていたのだけど、これはハマった。雰囲気が『美しい彼』に似てる。脇役は脇に徹し映像を崩さない、きちっと演技つけて演出にこだわる感じ。

 

そんなわけで『美しい彼』『永遠の昨日』『オールドファッションカップケーキ』に次ぐお気に入りBLドラマになってしまった。

 

★★★★(★)

 

 

 

 

 

 

FODではアフターストーリーが配信されてるそう。それ込みでDVD化お願いします。。。いや、ネトフリで配信してよ。。

 

 

そうそう、ONE N' ONLY 「SAVIOR」最高の主題歌だった。

 

 

 

まだやっと二十歳。仮面ライダー以降初めての主演ではないかな。本島純政の俳優としての成長を注目していきたいと思う。


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