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これ観た

基本アマプラ、ネトフリから観た映画やドラマの感想。9割邦画。作品より役者寄り。なるべくネタバレ避。演者名は認識できる人のみ、制作側名は気になる時のみ記載。★は5段階評価。たまに書籍音楽役者舞台についても。

『The Library』s**t kingz(2018)

 

結成10周年を記念して横浜、仙台、愛知、大阪、広島、福岡、東京、全国7都市で30公演をしたs**t kingzのダンスだけでお芝居をするダンスパフォーマンスエンターテイメント。その横浜公演最終日。

本年2月から新舞台が始まるのに合わせてs**t kingz の公式YouTubeチャンネルで期間限定配信されたもの。(DVD、Blu-rayで市販されてます)

 

図書館にやってきた四人の男子(シッキン)たち。読書家なのか本に詳しい一人(shoji)がみんなにおすすめの本を紹介する。みんなそれぞれ本を読み始める。ハッピーエンドの恋愛小説、ゾンビに襲われるホラー小説、最愛の人を亡くしてしまった悲哀小説…盛り上がって周りに注意されるもそれがまた愉快な彼ら。すると一人(NOPPO)が小説の中の女性に夢中になってしまう。なんとか正気に戻そうとアイデアを練り、無事現実の世界へ連れ戻す。うまくいった彼らは大盛り上がりで、おもしろ本の取り合いでケンカしたり、一人(kazuki)が似顔絵を描き出すと対決になるなど、楽しい時間を共有し友情を育むが…ところが一人だけ、実は本を読むどころか開けずにいる者(Oguri)がいる。なぜなのか、どうしたのか、他の三人が事情を調べ始める。そしてこれまでのアイデアを生かして記憶の塗り替えを施し、無事、彼は本を読むことが出来るようになる。四人の男子たちの友情物語…。

 

図書館の本にまつわる残念な過去がトラウマとなり、読みたくても読めなくなった男子。設定はおそらく小学生くらいか。その理由は、好きな女の子(女の子役がshojiなのだが、めちゃ似合っててうまい笑)と同じ本を手に取り、一緒に読むことになったけど、開いたら苦手なゴキブリがザワッと出てきて大パニック、女の子にふられてしまう、という可愛らしいもので、エンタメにするにちょうどいい軽さ、お笑いも加味したものだった。シッキンらしい。

面白かったのは、本の選定をするshojiの表現。匂いを嗅いでオススメか否かを判定する。それが実に可愛い。それから、さまざまな対応策を考えつくkazukiのひらめきの表現。よく電球がピーンと光るアレが手振りで示される。

消しゴムのダンスは観客を交えてのパフォーマンス。似顔絵描きもそうだった。ステージングも良くて、真ん中に舞台を置いて周りを客席が囲む形。小道具は舞台の端に納めてある。また、観客を取りこぼさないように舞台の中央部分が回転するし、ダンスそのものが均等に客席を向く振り付けになってる。もちろんソロダンスパートもある。(この横浜がそうであって、この後国際フォーラムもあったわけで、演出は変わっていただろうと思う。そんなようなことを言っていた。)

 

シッキンの舞台は前回2022年の「HELLO ROOMIES!!!」が初めてで、とても感動した。パントマイムとは違う、もちろんバレエとも違う、シッキンのオリジナルのダンスで、身体表現ひとつでこんなにも物語が紡げるのかと。そしてお笑い部分も欠かさない。感動部分も欠かさない。この「The Library」も同じだった。新作「See」が楽しみだ。

 

 

オリジナルテーマソング: 3's「The Library」

音楽:s **t kingz x starRo feat.Duckwrth

作詞・歌 Duckwrth

トラックメイカー:starRo

 

 

The Library MV

 

 

The Library トレーラー

 


 シットキングス公式


 

『CLOSE クロース』(2022/日本公開2023)

ベルギー、オランダ、フランスの合作映画。

 

監督 ルーカス・ドン

脚本 ルーカス・ドンアンジェロ・タイセンス

 

花き農家の次男坊、レオ(エデン・ダンブリン)と親友のレミ(グスタフ・ドゥ・ワエル)は昔から一緒に遊びじゃれ合い、互いに思い合い、まるで兄弟のように四六時中共に過ごしていた。そんな二人も中学生になり、新しい環境に身を置く。クラスメイトには二人の仲の良さが特別なものにうつり、いたずらにからかわれ出す。レミに変化はなかったが、思春期に入りかけのレオは周りが気になり、レミをなんとなく避け始める。女の子の中にいるレミと一線を画すかのように、レオはアイスホッケーチームに入り、帰りも別々にするなど物理的に距離を置く。けれどそんなレオの態度が納得いかないレミはついにレオに大喧嘩をふっかけてしまう。二人の仲はもう昔のような関係には戻れない。そんなある日、レミは自ら命を絶つ。

レオの自責と苦悩、悲しみの日々が描かれる…。

 

レオとレミは家族ぐるみで付き合いがあり、レオの母親ナタリー(レア・ドリュッケール)や兄チャーリー(イゴール・ファン・デッセル)がケアにまわるがそんなことでは解決しない。レミの両親、こと母親ソフィ(エミリー・ドゥケンヌ)と対峙しなければならないと思うのだが、勇気が出ない。その葛藤がとてもよく描かれていて辛い。


ネタバレすると結局レミは自死の理由を残してはいない。だからソフィはレオが何か知っているんじゃないかと期待するわけだが、いざレオの口から聞くと一瞬突き放してしまう。それもわかるだけに辛い。でも、ソフィは母親であり産科のナースであり、最終的にはレオを包み込む。これが果たしてお互いの解決に繋がるのか、傷が深いだけに本当に複雑だった。だって結局レミの両親はその土地を離れる。これはもう一生、どちらも抱えていくしかないもので、人がどれだけ他人に影響を与えながら生きているかが痛いほど伝わってきた。

 

そして。どう指導したら子供にあれだけの表情をさせられるんだ!? と唸るほど、素晴らしい演技だった。演出力か!? 子役の天性か!? 人種が違うのに手に取るように気持ちが伝わってきて、かなり感動した。

タイトルが二重にも三重にも効く、心象を映像で描く、とても良い作品だった。

 

★★★★★

 

 

 

 

『インフォーマ〜闇を生きる獣たち〜(2024)Abema TV 全8話

 

原作は沖田臥竜の小説。(今回監修も含む)

企画・プロデュース 藤井道人

監督 逢坂元林田浩川川井隼人

脚本 酒井雅秋澤口明宏

音楽 堤裕介

主題歌 B'z「鞭」

 

佐野玲於、桐谷健太、莉子、池内博之、二宮和也、一ノ瀬ワタル、北香那、SUMIRE、兵頭功海、渡辺いっけい、高橋和也、森田剛、般若、山田孝之、山中崇、二ノ宮隆太郎、大島涼花、芹澤興人、濱津隆之、豊田裕大、他。

 

2年前の火だるま殺人事件で酷い目にあったものの記者として得難いものを得た週刊タイムズの三島寛治(佐野玲於)は、再びスクープをと取材に明け暮れているが、スクープを取れるどころかうまくいかない。そんな時、元公安部警察官中本芳次(渡辺いっけい)が殺される。実行犯は闇バイト員(遠藤雄弥、伊藤白馬)だった。三島は編集長長澤あすか(MEGUMI)の司令でその闇バイト殺人事件を追ってタイのバンコクへ向かう。

現地案内の広瀬(莉子)がついてうかれてるところ、一番会いたくない組みたくないインフォーマ木原慶次郎(桐谷健太)が現れる。全てはお膳立てあってのこと、三島は再び木原と組むことになる。

バンコクではインフォーマを名乗る謎の男鬼塚拓真(池内博之)が現地マフィアととあるマイクロチップを巡って抗争していた。実は日本での闇バイトによる殺人事件は、中本からそのマイクロチップを手に入れる鬼塚の指示だった。木原もまたそのマイクロチップ入手をある筋から依頼されていた。かくして、自分の力でスクープを掴みたい三島を巻き込み、マイクロチップを手に入れるために木原と鬼塚、ポントーン(Chalee Immak)率いるタイマフィアの間で壮絶な争奪戦が繰り広げられる。

しかし、その裏で警察官僚の高野龍之介(二宮和也)が密かに行動を起こしていた。実は高野もまたそのマイクロチップを必要としていて、木原に入手を依頼していたのだ。

物語が進むにつれ、マイクロチップが国家機密のデータであること、それに伴い鬼塚の過去、権力中枢に身を置く高野の闇が絡み合い、木原のインフォーマとしての資質にも関わる現実が明らかになっていく…。

 

 

マイクロチップには公安の隠蔽ファイルが入っており、これまでの未解決事件や世間を騒がせた大事件の真相が記録されている。という、権力に翻弄される日本のトップ機構の壮大な陰謀論、都市伝説ネタ。(実際に現実が陰謀論なのかどうかはわからないけど)

鬼塚は元刑事で、自分が追っていた事件に巻き込まれる形で娘麻里(瀬戸みちる)を殺されていた。そこに木原のインフォーマとしての仕事が影響していた。鬼塚は事の真相と復讐が目的で裏社会へ落ちたのだった。

 

広瀬が実は敵だった…という設定を想像していたけどぜんぜん違った。フィーチャーの仕方に不自然を感じたのにな…。ただ、ラストに木原の弟子ということが判明し、編集長が用意したサポート要員ではなかったので、そのへんの違和感に引っかかってしまったんだろうな。

 

最後は冴木亮平(森田剛)にも助けられる。死んだと思ってたキム(一ノ瀬ワタル)が登場したり(まじ不死身w)、週間タイムズデスクの箱崎徹(山中崇)、キャバ嬢のナナ(北香那)六車連合の面々(クズオ:二ノ宮隆太郎、他瀧澤組(相田:般若、他も絡んで懐かしかった。ただ、今回刑事の丸山克次(高橋和也)が退場となる。微妙なラインで主要キャラクターの命を繋げているだけに(実に日本ぽい)、驚いた。その分、次作も有り気に新キャラ広瀬がいる。タイ在住だけどトビオもしかり。アイコン的存在の冴木もいる。キムもまた生きてるかもしれない。しゃべれない二階堂も描ける。あるかな、次作。あるなら楽しみ。(原作未読)

 

鬼塚の手下二階堂SUMIRE優吉兵頭功海。どちらも良かった。兵頭功海はアクションのキレがとても良くて、緊張感のある凄みの効いた演技も素晴らしかった。

警察官僚のクソ息子小峰朝陽役の豊田裕大もとても良かった。

その他、木原の昔の仕事のパートナーオカマのトビオ役に山田孝之。めちゃ似合ってるしうまい。

 

海外ロケだし、VFXにしろエキストラにしろけっこうお金かけてる。だけに、映像は大満足の見応え、物語の展開も二重三重に重なり裏を読ませ面白かった。映画ではなくドラマでこれだけ作るのが当たり前になって欲しいくらい。でも、合戦のシーンはバイオレンスものにはありがちな大仰さで少し萎えた。「ほどほど」と「ここ決め」など、匙加減が大事だなと思った。

 

そういえば今回も猫組長が出演してて、こんだけのキャストを揃えといてまたかよ…とは思ったけど、前回よりはマシかな。役柄も狙ってのことだろう。いや、なら、前回との整合性が取れずネタ(内輪受け)でしかないな。あと、作者本人も出てた。知らない人にはプラスにもマイナスにもならないけど。

 

★★★★

 

 

 

 

2024年末もSnow Manが年越しライブをYouTubeでやってくれました。そんなわけで、大晦日〜年明けはこの配信で過ごしました。

私が確認できたのは同接120万人。これじゃドームと言えどチケット取れないですわ泣。と、未だ一度もコンサート参戦できてないのだけど、配信でも構成といい演出といいカメラワークといい素晴らしいし、無観客でありながらあれだけのテンション、笑顔を持続披露できるSnow Manはまさにアイドルの鏡! とかなんとか思いました😅

 

 

『Snow Man Special Live みんなと楽しむ大晦日 2024〜2025』(2024)YouTube

 

第一部・ライブコーナー

【セットリスト】

 

 

<ユニットシャッフルGP>

「Hot Flow」阿部亮平、渡辺翔太、岩本照、ラウール

「ガラライキュ!」目黒蓮、宮舘涼太、佐久間大介

「GLITCH」深澤辰哉、向井康二、(+宮舘涼太)

 

(1分間の投票時間)「Party!Party!Party!」

 

<ベストヒットメドレー>

「DEAR MY LOVER」Hey!Say!JUMP(阿部亮平、佐久間大介、向井康二)

「Real Face #2」KAT-TUN(岩本照、深澤辰哉、宮舘涼太)

「初心LOVE」なにわ男子(目黒蓮、渡辺翔太)

「チャンカパーナ」NEWS(全員)

「らいおんハート」SMAP(全員)

「仮面舞踏会」少年隊(全員)

「Can do! Can go!」V6(全員)

 

 

第二部・カウントダウンコーナー

【セットリスト】

 

「君の彼女になりたい」(恒例それぞれの決め台詞)

MC(コメント読み上げたり)&新年一発目の曲投票タイム(「D.D.」「HELLO HELLO」「Lock on!(Jr.時代の曲)」「あいことば」)

<2024ラストメドレー>

「W」

「オレンジKiss。」

「ブラザービート」

新年50秒前からのMC→明けてみんなが選んだ曲は…

「D.D.」

MC(豊富など)

「ナミダの海を越えて行け」

 

 

楽曲が進むにつれ、息が上がってきてるのがわかるし音を微妙にはずすしアドリブあるし歌詞間違えるし…と生ならではのものも見ることができてとても楽しめました😆

お笑い面でも<ユニットシャッフル>でそれぞれかましてきてて、「GLITCH」の衣装の安上がりなところとか、宮舘涼太がコント要員でかり出されてるところ、その役割が完璧だったところとか、「ガラライキュ!」での目黒蓮のよぼよぼじぃさんぶり、脚の震えは故志村けんを彷彿とさせ「やるなぁ」と感心。

年明け一発目のリクエストは「D.D」だったけど、個人的には「Lock on!」が見たかったな。

そしてベストヒットメドレーは泣けました。先輩や後輩の楽曲。ああ、まだジャニーズ魂が生きているんだと、誇らしくあたたかい気持ちになりました。これ、カウコンではお馴染みだったようで、こういうファミリー感は旧ジャニーズの良さだと思う。振りも体に染み付いていると言ってて。ついでに言えば、彼らはドームツアーを回りながら各レギュラー番組をこなし、このライブ配信にも挑んでいる、このプロ意識が素晴らしい。そのように教育されてきたんだなぁとあらためて体制の良さを感じました。


Snow Manみんな、今年はもっと仲良くなってグループでたくさん活動したいと言ってました。会社の名前が変わり、形も少なからず変わったと思う。それでも、関西ではKAMIGATA BOYZが立ち上がり、STARTO社には木村拓哉がいる、井ノ原快彦がいる、まだ堂本光一だっている、大倉忠義もいる。そして多くの先輩たちを見てきたSnow Man、SixTONES、TravisJapanが活躍している。アイドルの形を作ったジャニーズイズムは良い形で受け継がれていくと思ってます。


「初心LOVE」では『消えた初恋』を思い出してまた見たくなったな…。

それにしても目黒蓮の汗の量すごかった…。

 

 

 

 

 

 

 


ちなみに大晦日YouTube生配信同時接続ランキングではダントツの1位だったそうです。

STARTO社では次にSixTONESがつけてました。スノみそかが終わってからなので、リーダー決めじゃんけん田中樹vs森本慎太郎の佳境から見始めました(その後全編アーカイブ視聴)。

SixTONESも毛色が変わってて好きなグループのひとつです。特に音楽番組でその独自性、個性があらわになる、それが面白い。ジェシーの歌とダンスがダントツで、ノリがナチュラルでスマートで魅せられる。あれは天性だろうな。トーク力は田中樹と松村北斗。こちらも天性だろうな。



SixTONES公式X

 

 

 


 

 

『Number_i LIVE TOUR 2024 No.I』(20241224さいたまスーパーアリーナ)Amazon prime配信 

 

Number_i 初めてのライブツアーのさいたまスーパーアリーナ公演を、Amazon prime期間限定配信されたものを観ました。なお、特別編集版が1月19日より同じくAmazon primeで配信されるとのこと。

 

 

【セットリスト】

①INZM

②GOAT

③FUJI

④SQUARE_ONE 

(スタジオトーク風MC※ムービー)

⑤Rain or Shine(女性ダンサーとのペア)

⑥Blow Your Cover

(岸優太MC)

⑦Recipe(岸優太ソロ※リズム、ベース、ギター)

⑧Bye 24/7(神宮寺勇太ソロ)⑨JELLY

⑩i

(MC)

⑪No-Yes

⑫Midnight City

⑬Banana (Take It Lazy)

⑭なんかHEAVEN

⑮透明になりたい(平野紫耀ソロ)

⑯Streetlights

⑰OK Complex

⑱ICE

(スタジオ風MC※ムービー)

⑲Numbers

⑳BON

(「BON」にかけたタライ落ちムービーで終了)

 

<アンコール>

花びらが舞う日に(トロッコで会場を回る)

Is it me?

iLY

 

 

マイクの色が三人違ってたんですね。岸優太は紫と黄色のグラデ。平野紫耀は白が基調になってた。神宮寺勇太はシルバーと黒のオーソドックスなマイク。これも個性かな。

ずっと平野紫耀のダンススキルに注目してきたのだけど、キンプリ時代「ツキヨミ」から岸優太のダンスもいいなと思うようになり、「GOAT」でラップのうまさとともに注目し始めました。今の金髪もすごく似合ってて。神宮寺勇太もスキルアップしているのがわかります。自己表現はものすごくうまくなってます。あと、彼は黒髪がいいですね。今のちょっと明るい色、落として欲しいな。。。

ライブパフォーマンスはさすがアイドルでそつがなく、こうした録画ものでも熱がわかります。ファンサも定評がある通りです。

 

紅白は録画で見ました。「パプリカ」での平野紫耀の盛り上がり、尋常じゃなかったですね笑。でもあのノリが、たぶん、エンタメには不可欠なんです。あのノリと「GOAT」の落差の妙は、Number_iがこれまで前事務所で培ってきたものの結果でしょう。これからも期待を持って見ていくつもりです。



X

 

 

 

 





なにわ男子も年越しライブをやっていましたね。大橋和也と道枝駿佑に最強のアイドル魂を感じます。
カウントダウンパート(トークライブ)ではさすがの関西ノリが楽しい。
ライブパートは1月7日までの公開。

なにわ男子公式X

 



WEST.も…!
面白いし、関西勢を引っ張っていく存在ですよね。重岡大毅のテンションに魅力を感じます。

WEST.公式X

 


Aぇ! groupも。こちらは期間限定公開1月6日まで。
Aぇ!は佐野晶哉に注目してます。経歴からすれば当然と言えば当然ですが歌がうまいんで。ミュージカルで活躍して欲しいと願ってます。

Aぇ!公式X

 


KinKi KidsあらためDOMOTOも。こちらも期間限定1月3日まで。

久しぶりにトークを見たけれど、堂本光一の発声に舞台の影響が見えますね。プロデュースの方で舞台には関わり続けて欲しいです。


KinKi Kids/DOMOTO公式X

 

『天保十二年のシェイクスピア』(2024)日生劇場

 

井上ひさし

音楽 宮川彬良

演出 藤田俊太郎

振付 新海絵理子

日本舞踊 花柳寿楽

アクションコーディネーター 諸鍜治裕太

歌唱指導 林アキラ

舞台監督 中村貴彦

プロデューサー 今村眞治

製作 東宝

 

佐渡の三世次:浦井健治

きじるしの王次(お文と紋太の息子):大貫勇輔

お光(十兵衛の三女だが元は捨て子)/おさち(お光の双子の妹):唯月ふうか

お里(十兵衛の腹違いの次女):土井ケイト

よだれ牛の紋太(お文の亭主)/蝮の九郎治(紋太の実弟)/飯岡の助五郎:阿部裕

小見川の花平(お里の亭主)/笹川の繁蔵:玉置孝匡

お文(十兵衛の長女):瀬奈じゅん

鰤の十兵衛:中村梅雀

尾瀬の幕兵衛(花平の用心棒かつお里の情人):章平

佐吉:猪野広樹

お冬(王次の許嫁):綾凰華

浮舟太夫:福田えり

清滝の老婆/飯炊きのおこま婆:梅沢昌代

隊長:木場勝己

 

妹尾正文、新川將人、出口雅敏、武者真由、森加織、山野靖博、天瀬はつひ、斎藤准一郎、下あすみ、鈴木凌平、中嶋紗希、藤咲みどり、古川隼大、水島渓、水野貴以

 




軸は「天保水滸伝」という講談とのことで、そこにシェイクスピアの全37作品を、場合によってはタイトルのみ、ほんのワンシーン、名台詞を入れるなど、全体的には作品を二重三重に組み、一代物語を創作した音楽劇。よくここまで編み込んで、しかも時代にそぐわせ、日本ならではの人間模様、また総体的に人間の性を描き、まとめたなぁと感心したし、その分量と核の部分にかなり重さを感じて、ほどよく疲れた。そもそも長丁場。どう始末するんだと途中から気になりだしたほど。もちろんコメディ要素は充分に、しっかり笑わせ、長台詞の妙にワクつかせる技術を見、面白かった。

くくりは音楽劇。キャストはさすがの歌唱でオープニングとエンディングの♪もしもシェイクスピアがいなかったら♪は極端だけど畏敬の念が込められていて、歌詞も良かった。


 

話は下総の抱え百姓のまとめ役隊長(木場勝己)の語りで進む。

江戸末期、下総国清滝村の旅籠を仕切る鰤の十兵衛(中村梅雀)は三人の娘から後継を決めるにあたり、どれほど自分への愛が強いかを判断基準にしようと問うてみる。狡猾な長女のお文(瀬名じゅん)と腹違いの妹・次女のお里(土井ケイト)は美辞麗句を連ねあからさまなおべっかを使うが、血のつながりのない捨て子だった正直者の三女のお光(唯月ふうか)は十兵衛を喜ばせるような言葉を発せない。あっけなくお光は追い出されてしまう。

天保十二年となった年、お文とお里は互いに敵対し争いを続けており、十兵衛が亡くなったあともそれぞれの伴侶を貶め亡き者とする、情人を抱え込むなど非業三昧。そんな中、無宿の渡世人醜い容姿と心を持つ佐渡の三世次(浦井健治)が、清滝の老婆(梅沢昌代)のお告げを受け清滝村を手中におさめるため現れる。そこへお文の息子きじるしの王次(大貫勇輔)が父親よだれ牛の紋太(阿部裕)の仇を打つため舞い戻る。お光もまた女勝負師となり姿を現し、きじるしの王次と恋仲になる。また、お光には一卵性双生児の妹おさち(唯月ふうか)がいると判明、状況は複雑を極め、大騒動となって…。



 

みんな死んじゃう笑。





全体を通して感じたのは人間の性であり業。それは人を殺めることとまぐわうことで、舞台でここまで表現していいのかと、にわか観劇ファンとしては驚いた。もちろんこれまで観た作品でも暗にセックスシーンなど秘め事を思わせるものはあったけど、より大胆に表現されていた印象だ。あまりに明け透けで「結局人を表すものはそれなのかよ」と寂しさと辛さを感じた。でもそれが「天保十二年」という年代にマッチしてるように思った。

 

それにしてもシェイクスピアを知らないと面白みも半減かもしれない。かくいう私も有名な作品2~3作しか知らずで発見に遅れもあったしついにわからなかったものだってあった。演劇マニアは履修済みなのだろうな。ざっくり舞台演劇と一言にいっても奥が深い。

ちなみにこの作品では「リア王」「リチャード三世」「オセロー」「ジュリアス・シーザー」「ロミオとジュリエット」「ハムレット」「マクベス」「間違いの喜劇」「ヘンリー五世」が主たる下地になっているようだった。

 

お光とおさちの一人二役早替わり、同時に登場のシーンの一人二役台詞が素晴らしかった。

 

  

(観劇日 20241227)

 



 

東京:日生劇場 20241209~1229

大阪:梅田芸術劇場 20250105~0107

福岡:博多座 20250111~0113

富山:オーバード・ホール大ホール 20250115~0117

愛知:愛知県芸術劇場大ホール 20250125~0126

 

 

 

 

年末なので、今年観た作品(公開年問わず当ブログにアップしたもので★の数も不問)で良かったものを10作品選んでみました。
今年は更新速度を落としたので、作品も同じように見る数が減りました。そのせいかどうか、選ぶのに困るほど良いなという作品はなく、強いて言うならこれ…みたいな感じで選んだ面も…(^^;)。
 

【映画】
 
『カラオケ行こ!』(2024)
『雑魚どもよ、大志を抱け!』(2023)
『Gメン』(2023)
『TAR』(2023)
『CLOSING DYNASTY』(2023)
『あまろっく』(2024)
 
【舞台】
 
『ビリー・エリオット』(2024ミュージカル舞台)
『惚てはじめ』(2024コント芝居)
 
【ドラマ】
 
『不適切にもほどがある』(2024)
『北斗 ーある殺人者の回心ー』(2017WOWOWドラマ)
 
 

ブログには書いてませんが、今期のドラマで面白かったもの。
『海に眠るダイヤモンド』。キャストも豪華だったし、もちろんみんな安心して見ていられる人たちなので、物語に集中できました。もったいつけるような謎解きのような、ワクワク感もあったし、何を描こうとしているのか、中盤になってもわからない素晴らしい構成。でもラスト、期待させたわりにそれか…とガッカリ感も否めずでしたが(^^;)。ダイヤモンドの意味の三掛けはみごとでした。
それから『宙わたる教室』『わたしの宝物』を見てました。『宙わたる教室』は安定した正統派ドラマという感じで、先が見えながらも面白かったです。
『わたしの宝物』はニラニラしちゃうという意味で面白かったです。「真琴、性格悪っ!」「冬月、たいがいにしろや!」と娯楽ドラマですね。
あと大河ドラマ「光る君へ」は毎回時間があっという間で面白かったです。歴史を俯瞰させるラストはゾワっとするくらい良かったです。

地上波のドラマが最初は良くてもラストで???となるのは、時間の縛りが関係しているように思います。1本31分とか43分とか56分とか67分とか、中途半端な長さのものが配信系には多いです。実は時間の融通が効くのが重要なんじゃないですかね。例えば作文、400字詰め原稿用紙5枚にまとめよと言っても、無駄が多く斜め読みでも意味が通じるなら3枚、膨らみを持たせて面白みが増すなら7枚…との方が良い出来になるでしょう。縛りの中での創意工夫は技術があればこそだと思います。
それに俳優にも人気だからとか今推しだからという安易さがありません。とにかく技量のある俳優を当てているように見えます。脚本家や演出家は試し打ちみたいな面もあるかもですが。
あとお金のかけ方も違いますね。直近でいうとABEMAの『インフォーマ』はすごいなと思いました(感想はまたいずれ)。
 
それにしてもこうして感想を書くほどに真剣に作品を見るようになると、俳優業の難しさ厳しさ大変さを感じます。それでもやはり今の演出、演技、なんでそれでOKが出たの?と疑問に思うこと多々。
批判するのは簡単。生み出す方が何倍も大変。それはわかっているつもりです。だからと言って甘い見方になってもな…と、単にこうして感想書くだけでも果たして正しく読み取れているのかと、実はこれでも迷いはあります。

同じように、監督業(演出)、脚本業も少しだけ見方が変わってきました。
表現する上で、クリエイトする上で、一番大切なのは何を描きたいのかという思いだと思ってます。だから監督も脚本家もなぜ原作有りをやりたいのか理解できなかったんですけど、棲み分けがあるのかもしれません。
原作に惚れ込んでいればその原作に忠実に、あるいは自分の解釈を織り交ぜた二次創作で、はたまた大人の事情であちこちに配慮をしながらも最善を尽くす職人気質に徹して、と脚本家は区別化するのかもしれません。
監督はその原作と脚本をさらに独自の解釈で見せたい絵、観客にうったえかける映像を作ることに終始しているのかもしれません。たった一つのシーン、絵を撮ることに注力しているのかもしれません。
どちらも表現に変わりありませんもんね。

でもやはり私は、原作無し、脚本と監督が同一の作品が見たいです。何に触発され、何を思い、どう結論づけるのか。創造は人であると思っているからです。人を見たいのです。

まあ、またあれこれ観ていくうちに考えも変わるかもしれません。
 

『あまろっく』(2024)

 

監督・原案・企画 中村和宏

脚本 西井史子

音楽 林ゆうき(『アオハライド』『エイプリルフールズ』『僕だけがいない街』『フォルトゥナの瞳』他)、山城ショウゴ

主題歌 ユニコーン「アルカセ」

 

江口のりこ、中条あやみ、笑福亭鶴瓶、松尾論、中村ゆり、中林大樹、紅萬子、駿河太郎、高畑淳子、久保田磨希、佐川満男、浅田淳弥、浜村淳、佐渡山順久(さどやまよしひさ)、寺田光、中村凛太郎、他。

 

「あまろっく」=「尼ロック」は尼崎閘門のことで、尼崎市臨海部の運河・河川と尼崎港を隔てる閘門。臨海部における明治の工業化の促進で地盤沈下が起こり、市の1/3が海抜0メートルとなった。結果、台風などで多大な浸水被害を受け、治水・高潮対策と船舶利用の両立をはかって設置された。とのこと。

 

近松優子(江口のりこ/幼少期:後野夏陽/高校時代:別所美紀)は子供の頃から優秀で負けん気も強く正義感もあるが、我を譲れず協調性に欠ける。そんな性格が災いし、大学でのボート部では選手から外されたし、就職した会社ではリストラにあってしまい、尼崎にある工場を営む実家へ帰ることになった。母親愛子(中村ゆり)は亡くなっており、昔からのらりくらりとお調子者の父親竜太郎(笑福亭鶴瓶/若い時代:松尾論)は、相変わらずで自分はこの家のこの工場の「あまろっく(尼ロック)」だと言っている。そんな父子二人暮らしは8年となり、優子はずっとニートを続けてたまに近所の小学生の勉強をみてやる他はのらりくらり…。39歳になっていた。

ある日、竜太郎が再婚すると言う。好きにすればとしていたが、その相手が元役場職員早希(中条あやみ/幼少期:黒崎紗良)、まだ二十歳の女性だった。早希は明るく竜太郎に対する愛はもちろん、亡くなった愛子、そして優子にも愛情たっぷりに接し、家族団らんを第一に考える女性だった。優子は相容れず、実家の居心地が悪くなる。決まって幼馴染みの鮎川太一(駿河太郎/幼少期:宇治本竜ノ助)のおでん屋台へ愚痴りに行く。そんな中、竜太郎がジョギング中に倒れ亡くなってしまう。優子と早希の二人暮らしが始まる。

早希は竜太郎の後を引き継ぎ工場を長年勤める従業員らとなんとかやりくりしていくが、優子は相変わらず。そして早希はたまたま縁あった見合い話を優子に持ってくる。相手は優子と同じ京大卒で海外赴任から本社へ戻ってきたばかりの優秀な商社マン南雲広樹(中林大樹)で、実は優子のことは大学時代から知っていて、この見合い話は渡りに船だった。まんざらでもない優子は広樹と会うようになり、プロポーズまでされるが、広樹のアブダビ赴任が決まり、ついてきて欲しいという話もされる。また、早希の妊娠もわかる。さらに作業を一手に引き受けるベテラン職人鉄蔵(佐川満男)が怪我をしてしまい工場に暗雲が立ち込める。早希はなんとかしようとするが、優子は身重の早希を思いやり、また自分も広樹についていく都合上、工場を売却しようとする。そんな折り、最大級の台風がやってくる。優子と早希は力を合わせ対策し、本音でぶつかりあい少しずつ距離が縮まっていたのがここへきて一気に垣根が外れる。

台風は「尼ロック」によって被害は免れた。優子は自分がこの家族のこの工場の「あまろっく」になることを決意する。アブダビには行かずに…。

 

 

 

ネタバレだけども、↓

 

 

 

…行かずに、優子は工場の社長となり、早希は赤ん坊も無事生まれ、営業を引き受ける副社長となり、そして広樹は新人工員となっていた…。

 

 

コメディタッチの人情物語。

早希の家族団らんへのこだわりは想像つくほどのわかりやすさだし、優子の素直になれない性格もあるあるだし、展開も珍しいものでもないけど、だからこそ容易に感情移入できるし、泣けるし、幸せな気分にさせられた。とても良かった。

 

太一とどうにかなるのかと思ってたけど違った。

 

成長したら江口のりこになります、みたいな子役後野夏陽がとても良かった。

あと、コンビニのおねーちゃん(寺田光)と優子の会話良かったな。

 

★★★★★

 

 

 

制作 MBS企画

配給 ハピネットファントム・スタジオ

 

 

『毒恋〜毒もすぎれば恋となる〜TBS系列20240910〜全12話

原作は牧野圭祐の小説。

 

脚本 川﨑いづみ(『絶対BLになる世界VS絶対BLになりたくない男』『ながたんと青と』他)

演出 大内舞子林雅貴青木達也

 

濱正悟、兵頭㓛海、こがけん、河相我聞、小林涼子、河井青葉、のせりん、中村育二、袴田吉彦、栗田芳宏、他。

 

27歳にして法律事務所の共同経営者になった勝ち続ける敏腕弁護士志波令真(濱正悟)は、一方でコンビを組んだ相棒を容赦なく切り捨てる冷酷さも備えている。次に控える案件では100人目となる相棒が必要だが…。

ある日、同僚の風間公太郎(こがけん)に誘われ、沙樹(河井青葉)のバーのトイレで一人の青年ハルト(兵頭功海)と出会う。志波の一人暮らしの家には多肉植物がたくさんあり、それらと日々会話することが心の均衡を保つ役割を果たしていたが、どうも落ち着かない。ハルトのことが気になるのだ。そこで、やり慣れないソロキャンプに出かけると、なんとそこでハルトと再会をする。手慣れた感じでバーベキューの支度をするハルトは志波の心の中にいともあっさり入り込んでしまった。流れでハルトは一時的に志波の家に住むことになり、家事一切を引き受け、その快適な環境に志波は馴染んでいく。そして次の案件にハルトが協力を申し出る。100人目の相棒となったハルトは有能で、その裁判も勝訴と終わる。

やたらとボディタッチが多く、気持ちをストレートに伝えてくるハルトに徐々に翻弄されていく志波は、次の案件で逆ハニートラップを仕掛けたことでハルトへの想いが本物であることを自覚する。気持ちをかき乱されながらも仕事をなんとかこなしていく中で、ある日風間の抱える仕事でハルトが詐欺師であることを知る。そういえばハルトについて何も知らないことに気づく。

沙樹のところへハルトの居場所を聞きに来たユウ(のせりん)と出会い、ハルトが家出少年少女たちの面倒をみていることを知る。詐欺師であれ、今は信頼のおける相棒であり恋人、もうあとにはひけない志波は、ハルトの存在を公にする。

その後、開発プロジェクト関連の仕事で、過去に辛苦を舐めさせられた因縁の弁護士蜂須賀(袴田吉彦)と相対することになる。ハルトも全力で応援するが、そのハルトが詐欺師であるとのタレコミがあり、所長の岩峰(中村育二)に事務所を辞めるかハルトを切るか二者択一を迫られる。その上、この件の黒幕である有栖院坊(栗田芳宏)はハルトの実の父親であることがわかる。たちはだかる運命に二人の想い合う気持ちは…。

 

恋愛初心者の敏腕弁護士と、百戦錬磨のハルトの恋愛模様が、いくつかの案件を絡めて描かれる、BLでっす!!!

これは友人が夢中になってて勧められて見たもので、兵頭功海って、「インフォーマ」でそのアクションのキレに唸らされた子じゃないか! と、その様子の違いにまず驚いた。でもこの作品でもアクションはめちゃくちゃかっこよかったし、演技も良かった。系統は磯村勇斗で、今後も期待出来る俳優さんに思う。

けど、あれこれ起伏はあるものの勧められるほど面白くもなかった(^_^;)。ラブラブなシーンを堪能する作品。BLですしBLですから。

 

濱正悟は『絶対BL〜』以来かなあ。演技の部分より素の部分の方が魅力的な俳優さんだなと思った(アドリブというほどのものではないけど、演技が切れてるであろう瞬間が見えた…のだが、本当のところはわからない)。系統が忍成修吾。他の作品を知らないので頓珍漢かもしれないけど、今のうちに陽気で明るくはっちゃけるキャラクターをいくつかやっておいた方がいいと思う。

 

★★★(★)

 

 

 

 

 

 

『怪物』(2023)


監督 是枝裕和(『万引き家族』『ベイビー・ブローカー』他)

脚本 坂本裕二(『花束みたいな恋をした』『クレイジー・クルーズ』、『初恋の悪魔』『大豆田とわ子と三人の元夫』『anone』『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』『モザイクジャパン』『Woman』他)

音楽 坂本龍一

 

安藤サクラ、永山瑛太、黒川想矢、柊木陽太、黒田大輔、森岡龍、北浦愛、野呂佳代、高畑充希、角田晃広、中村獅童、田中裕子、片山萌美、松浦慎一郎、大田路、ゆってぃ、ぺえ、他。

 

小学校5年生の息子麦野湊(黒川想矢)を持つシングルマザーの麦野早織(安藤サクラ)はある日、湊の様子がおかしいことに気づき、湊の口から担任の保利道敏(永山瑛太)にハラスメントを受けていることを聞く。父親が亡くなってから必死で何不自由感ぜぬよう育ててきた早織は、学校へ乗り込む。しかし校長の伏見真木子(田中裕子)は孫を亡くしたばかりで心ここにあらずなうえ、学年主任の品川友行(黒田大輔)も2年の時担任だった神崎信次(森岡龍)も伏見校長の顔色をうかがいつつ、ことなかれを崩さない。当の保利は自分に非がないとばかり態度が悪い。学校との話し合いは思うように進まない。

保利は少し不器用で偏執的ではあるが結婚を視野においた彼女鈴村広奈(高畑充希)がいるし、けっこう生徒思いで親しみやすさもある。クラスの様子を見聞きするに、保利には湊が星川依里(柊木陽太)をいじめていると判断、早織の話が受け入れられるわけがなかった。問題を大きくしたくない、学校を守りたい伏見校長や他教師の行動、早織の執拗な抗議にどんどん追い詰められていく。

依里はクラスの中心的男子蒲田大翔(小林空叶=こばやしはると浜口悠生(金光泰市=かねみつたいち広橋岳(柳下晃河=やぎしたこうがにいじめのような扱いを受けている。意気地のない湊は依里が気になってもみんなの前では助けてあげられない。けれど、当の依里はなんてことなく受け流す。自分の頭は豚の脳なんだと父親星川清高(中村獅童)に言われたことを湊に話す。依里は虐待を受けていた。やがて二人の間に交流が始まり、秘密の居場所も出来る。

話はガールズバーの入ったビル火災から始まり、音楽室から流れる管楽器の音を経て台風の日まで、早織、保利、湊の3視点から描かれ、徐々に真実が見え始める。

なぜ湊は保利の名を出して悪いように言ったのか、なぜ校長は頑なに学校を守ろうとしているのか、なぜ依里が虐待されているのか。

早織の湊を思う気持ち、保利の正義感と追い詰められていくさま、清高の葛藤、多感な湊、およそ悪意などと一括りにできない子供らしいクラスメイトたち。依里が女子と仲がいいだけに、蒲田たちの行動はからかいの範疇でしかないように思えた。

 

謎解きにもなるし、過程が面白いのでネタバレは避けたいけど、以下、感想の中にはネタバレになるのも入っているかもしれない。ただ、私はそう読み解いたということで。

 

一時期問題になったLGBTの本、「トランスジェンダーになりたい少女たち」を思い浮かべた。もちろんトランスジェンダーの映画ではないけれど、子供の悩みは世間一般の常識から生まれるのがわかる。それは自己嫌悪につながり、生きることの壁になる。そういう点で共通する。


冒頭のビル火災では事件か事故か、次にいじめの問題か、虐待がテーマか、とか、そのタイトル『怪物』に翻弄される。でも『怪物』は依里と湊のゲーム「かいぶつだーれだ」という遊びのひとつだった。『怪物』なとどこにもいなかったし誰でもなかった。すべて普通に起こり得る「あや」でしかない。敢えて言うなら、映画を見ている自分の中に、よこしまな『怪物』がいるのかもしれない。

 

ラストシーンは全てを飲み込んだ光ある未来に続くような、それでいて今この時だけの楽しさだけでしかないような、なんとも切ない締めだった。

 

人は主観で物事をとらえる。その上で、客観性を持たせるということはどういうことなのかを見せられているようだった。深いようで浅い、難しいようで簡単、でも軽くなく重い話だった。核が子供の心だけに。

 

ビル火災は放火だろうとされている。それが何者によるものなのか明かされてはいないけど、匂わせはある。でも、頭に浮かんだ人物ではないと思う。たぶん違う。罪は伏見校長が背負っていくものだけで充分だ。

 

この作品の中で一番リアリストで冷酷に見えたのが鈴村広奈だった。でも、広奈にもきっと理由がある。

 

とにかく脚本が緻密で(さすが坂本裕二)、うっかり逃してしまう何気ない言葉も回収されていく。面白かった。

 

★★★★★

 

 

 

 

制作 AOI Pro.

配給 東宝、ギャガ

 

 

『CLOSING DYNASTY』(2023)

監督・脚本 ロイド・リー・チョイ

 

まずは募金を始める7歳の少女クィーニー(アミー・カゼル)。学校のバスケ部のために、と言うが無視される。次はガラクタをお金に換えようとする。その次は万引きからの辻売り。そして、ふと見れば内見中の売り出し物件。そこに忍び込んでたまたま目にした高級時計。けれど…。ニューヨークの街をお金集めに奔走するクィーニーはいったいどうしてお金が必要なのか、そんなに生活に困窮しているのか。答えはダイナーを営む家に帰った時に明らかになる…。

 

なんとも切なく優しい作品だった。クィーニーが中国系移民であることや、そんなに甘くない世間であったり、買ってくれる善意の人もいるのだけど、その人たちはなんだかどこかで見たような人で心情が推察でき、なんとなくしんどい。そしてクィーニーにとっての大切なものが何であるかがわかるラストはなんとも言えない気持ちになる。

 

郷愁感に包まれたものの、クィーニーがガラクタを本当にダイヤと思っていたのか、万引きしたものが売れたから味をしめたのか、得たお金で空腹を満たした整合性は? と、子供ならではの行動、意識、考えがわからなくなった自分に寂しさも感じた。

 

ショートムービーってこれだけ詰め込めるんだなぁと、とても良かった。

 

★★★★(★)

 

 

 

 

 

てゆか、タイトルよ…(^^;;