『インフォーマ〜闇を生きる獣たち〜』(2024)Abema TV 全8話
原作は沖田臥竜の小説。(今回監修も含む)
企画・プロデュース 藤井道人
監督 逢坂元、林田浩川、川井隼人
脚本 酒井雅秋、澤口明宏
音楽 堤裕介
主題歌 B'z「鞭」
佐野玲於、桐谷健太、莉子、池内博之、二宮和也、一ノ瀬ワタル、北香那、SUMIRE、兵頭功海、渡辺いっけい、高橋和也、森田剛、般若、山田孝之、山中崇、二ノ宮隆太郎、大島涼花、芹澤興人、濱津隆之、豊田裕大、他。
2年前の火だるま殺人事件で酷い目にあったものの記者として得難いものを得た週刊タイムズの三島寛治(佐野玲於)は、再びスクープをと取材に明け暮れているが、スクープを取れるどころかうまくいかない。そんな時、元公安部警察官中本芳次(渡辺いっけい)が殺される。実行犯は闇バイト員(遠藤雄弥、伊藤白馬)だった。三島は編集長長澤あすか(MEGUMI)の司令でその闇バイト殺人事件を追ってタイのバンコクへ向かう。
現地案内の広瀬(莉子)がついてうかれてるところ、一番会いたくない組みたくないインフォーマ木原慶次郎(桐谷健太)が現れる。全てはお膳立てあってのこと、三島は再び木原と組むことになる。
バンコクではインフォーマを名乗る謎の男鬼塚拓真(池内博之)が現地マフィアととあるマイクロチップを巡って抗争していた。実は日本での闇バイトによる殺人事件は、中本からそのマイクロチップを手に入れる鬼塚の指示だった。木原もまたそのマイクロチップ入手をある筋から依頼されていた。かくして、自分の力でスクープを掴みたい三島を巻き込み、マイクロチップを手に入れるために木原と鬼塚、ポントーン(Chalee Immak)率いるタイマフィアの間で壮絶な争奪戦が繰り広げられる。
しかし、その裏で警察官僚の高野龍之介(二宮和也)が密かに行動を起こしていた。実は高野もまたそのマイクロチップを必要としていて、木原に入手を依頼していたのだ。
物語が進むにつれ、マイクロチップが国家機密のデータであること、それに伴い鬼塚の過去、権力中枢に身を置く高野の闇が絡み合い、木原のインフォーマとしての資質にも関わる現実が明らかになっていく…。
マイクロチップには公安の隠蔽ファイルが入っており、これまでの未解決事件や世間を騒がせた大事件の真相が記録されている。という、権力に翻弄される日本のトップ機構の壮大な陰謀論、都市伝説ネタ。(実際に現実が陰謀論なのかどうかはわからないけど)
鬼塚は元刑事で、自分が追っていた事件に巻き込まれる形で娘麻里(瀬戸みちる)を殺されていた。そこに木原のインフォーマとしての仕事が影響していた。鬼塚は事の真相と復讐が目的で裏社会へ落ちたのだった。
広瀬が実は敵だった…という設定を想像していたけどぜんぜん違った。フィーチャーの仕方に不自然を感じたのにな…。ただ、ラストに木原の弟子ということが判明し、編集長が用意したサポート要員ではなかったので、そのへんの違和感に引っかかってしまったんだろうな。
最後は冴木亮平(森田剛)にも助けられる。死んだと思ってたキム(一ノ瀬ワタル)が登場したり(まじ不死身w)、週間タイムズデスクの箱崎徹(山中崇)、キャバ嬢のナナ(北香那)、六車連合の面々(クズオ:二ノ宮隆太郎、他)、瀧澤組(相田:般若、他)も絡んで懐かしかった。ただ、今回刑事の丸山克次(高橋和也)が退場となる。微妙なラインで主要キャラクターの命を繋げているだけに(実に日本ぽい)、驚いた。その分、次作も有り気に新キャラ広瀬がいる。タイ在住だけどトビオもしかり。アイコン的存在の冴木もいる。キムもまた生きてるかもしれない。しゃべれない二階堂も描ける。あるかな、次作。あるなら楽しみ。(原作未読)
鬼塚の手下二階堂にSUMIRE、優吉に兵頭功海。どちらも良かった。兵頭功海はアクションのキレがとても良くて、緊張感のある凄みの効いた演技も素晴らしかった。
警察官僚のクソ息子小峰朝陽役の豊田裕大もとても良かった。
その他、木原の昔の仕事のパートナーオカマのトビオ役に山田孝之。めちゃ似合ってるしうまい。
海外ロケだし、VFXにしろエキストラにしろけっこうお金かけてる。だけに、映像は大満足の見応え、物語の展開も二重三重に重なり裏を読ませ面白かった。映画ではなくドラマでこれだけ作るのが当たり前になって欲しいくらい。でも、合戦のシーンはバイオレンスものにはありがちな大仰さで少し萎えた。「ほどほど」と「ここ決め」など、匙加減が大事だなと思った。
そういえば今回も猫組長が出演してて、こんだけのキャストを揃えといてまたかよ…とは思ったけど、前回よりはマシかな。役柄も狙ってのことだろう。いや、なら、前回との整合性が取れずネタ(内輪受け)でしかないな。あと、作者本人も出てた。知らない人にはプラスにもマイナスにもならないけど。
★★★★