これ観た

これ観た

基本アマプラ、ネトフリから観た映画やドラマの感想。9割邦画。作品より役者寄り。なるべくネタバレ避。演者名は認識できる人のみ、制作側名は気になる時のみ記載。★は5段階評価。たまに書籍音楽役者舞台についても。

2020年7月の下旬から10月までの3ヶ月で100本を超える作品を配信で観ていました。単純計算で1日3~4本。(今はさすがにそんなに観ません。)
こんなに観てると内容を忘れてしまうだろうと、当初覚え書き程度に都度都度Twitterに書いてたのですが、ツイートは他のことも書くので流れてしまってメモにもならない、そんなわけで10月17日スタートで、ブログにすることにしました。
ただ、観ていた本数が多いのと、観出したきっかけが三浦春馬の急逝だったので、一応流れを考えて調整し、8月26日が初投稿になってます。

以降、これまで観てツイートしてきたものを、観た順番ではないですが、毎日1本ずつ加筆してアップしてます。また、新たに観た作品はブログのみに書くことにしました。
本当は記憶を手繰るためにもネタバレまで書きたいのですが、そこはまあ人目に触れることへの配慮で、今のところ、たまにやってる程度です(タイトルに明記してます)。

※2023年11月より不定期更新になってます※
     ↓
※2024年2月より毎週月曜と金曜に更新に変更※
     ↓
※2025年1月より毎週月曜、水曜、金曜に更新に変更※

ー★評価基準ー

★★★★★ 面白かった。オススメ。
★★★★ 良かった。
★★★ ふつう。可もなく不可もなく。
★★ イマイチ。好みに分かれる。
★ つまらない。
(★)は0.5


なお、内容の解釈はあくまでも私が感じたものであって、作品が伝えたい事と合致してる可能性は低く、つまらないと思ったものも、1年後に再視聴したら面白いかも、その程度の感想になります。あと、小生意気なうんちくみたいなものをたまに垂れてますが、素人なので言えることとご理解ください。


【補足】

●たまに、音楽や書籍、舞台の感想、役者さんについて書いたものもあります。それらでは★評価はつけていません。

●各補足についてはWikipediaを参照してます。

●新たに補足するもの(キャストスタッフ名、リンク先など)が出た場合、遡り更新しています。

●監督、脚本家、その他スタッフの手がけた作品名は私自身が観たことがあるもの、または有名作新作だけ載せています。

●タイトルは基本作品名になってます。

●敬称は略しています。

●予告編などの動画はなるべく公式のものを貼っていますが、リンク切れあった場合はごめんなさい。(※大河ドラマ『青天を衝け』に関する投稿のリンクは公式サイト削除でほとんど切れていますが、記録のためそのままにしています。)



(コメント欄、いいね、ペタなど交流ツールは閉じています。すみません。)



基本的に演技にクセや節がなく、作品の中に溶け込める役者さんが好きです。

『いちばん星は遠く輝く』(製作2024/公開2025)

ndjc(New Directions in Japanese Cinema)

文化庁委託事業・若手映画作家育成プロジェクトの作品

 

監督・脚本 武田かりん

 

音楽 山城ショウゴ

制作 アルタミラピクチャーズ

 

石川瑠華、瀬戸真莉奈、川口大輝、武次玲、辻本耕志、他。

 

半年前に別れた彼(川口大輝)のことが忘れられないアコ(石川瑠華)。雨の日には頭痛が出ていた元カレのために頭痛薬を持ち歩いていた。だから雨の日がいまだに好き。連絡も途絶えているのに、誕生日の日には足が元カレのアパートへ向いてしまう。でも、元カレはもう新しい今を生きている。友達のユウコ(瀬戸真莉奈)も3年飼っていたハムスターが亡くなりしょげていたが、すぐに次のハムスターのお迎えを決めた。ユウコが気を利かせ先輩(武次玲)との出会いをセッティングし、アコ自身も前へ進まなくてはと、元カレがくれた結婚指輪に模した清涼飲料水のキャップの欠片を手放す…。

 

本当に石川瑠華はこういう役がハマるし、上手い。もっともっと出ていい女優さんなのに、使い勝手が難しいのだろうか。

 

ラストはちょっとやりすぎかなぁと思ったけど、アコの思い出に全て絡めていて作品としてはまとまりがあって良かった。

いちばん星は思い出になった元カレのことかな。

 

★★★★

 

 

 

 

 

 

 

『スリーピング・スワン』(製作2024/公開2025)

ndjc(New Directions in Japanese Cinema)

文化庁委託事業・若手映画作家育成プロジェクトの作品

 

監督・脚本 佐藤そのみ

 

音楽 田井千里

制作 ザフール

 

諏訪珠理(すわしゅり)、白本彩奈、松浦りょう、岩瀬亮、中井友望(なかいとも)、他。

 

ある日、女子学生が男からなんらかの性被害に遭い、通りかかったマリナ(白本彩奈)が犯人と思しき男を追いかけ捕まえる。そんな一部始終を見ていたソウマ(諏訪珠理)。マリナのような強さが自分にないことを知ってるソウマは、ジムに通い変わろうと思う。そのジムでマリナを見つける。会員の男に声をかけられてもきっぱりとした態度を取るマリナに好感を持ち、よく話をする間がらになる。しかしその交流の中でマリナが幼い頃からのトラウマを抱えていたことを知る。実はソウマも6歳上のいとこのエリ(中井友望)と子供の遊びの延長線上で傷を負っていた。そのエリは近々結婚する。お腹には子供もいるという。ソウマも一歩前へ進む時がやってきた。

 

なかなかキツい。でもよく伝わる。とても良かった。

自分を取り戻すために努力をするマリナ。過去にとらわれ前へ進むことが出来ずにいたソウマが、マリナの姿を見て勇気を持つ。エリを見て自分だけが停滞していたことにきっと腹立たしさもあったろう。そしてエリも加害者側としてソウマとのことは決して忘れてはいなかった。それぞれが幼い頃の出来事にとらわれながらも生きていくしかない、のが見て取れて、30分ほどでこれだけ描けるんだなと感心した。

 

傷つかない傷つけないで人間やれてる人なんているんだろうか。一生抱えていく傷や、墓場まで持っていく秘密なんてみんな持っているんじゃないのか。その傷は他者のものと比べるものでもない。

 

スリーピング・スワンはヨガのポーズで、白鳥が身を守りながら寝てる姿のことらしい。

 

★★★★★

 

 

 

 

『あて所に尋ねあたりません』(製作2024/公開2025)

ndjc(New Directions in Japanese Cinema)

文化庁委託事業・若手映画作家育成プロジェクトの作品

 

監督・脚本 たかはしそうた

 

音楽 本田真之

制作 松竹ブロードキャスティング

 

神田鯉花(かんだりか)、樋之津琳太郎(ひのつりんたろう)、山崎陽平、やす、中島ひろ子、他。

 

あて所に尋ねありませんとは、宛先不明(所在無し)として郵便物が返ってくること。


配送業の仕分け員として働く派遣バイトの三石ミズホ(神田鯉花)は、同僚となる島木ユウジ(樋之津琳太郎)に気がある。でも島木はもう数日で辞める。想いを伝えるために手紙を持ち歩くも、ユウジの代わりとなる新たな派遣バイト大沢ケイスケ(山崎陽平)が配属となり、ミズホと同じ派遣会社から来たということで指導を任され、それどころじゃなくなる。大沢はちょっと変わっていて、足の悪い山岸の動きがかっこいいと真似を始める。あまり褒められたものじゃない。ミズホはやんわり注意を促すが…。そして、ユウジの辞める日にはやっとの思いで手紙を渡せたが…。

 

みずほと大沢の交流がなんとなく切ない。

 

派遣で運送業の裏方をやってる知人かいて、話を聞くと、変わってる人が多い職場と言えるみたい。だから、大沢のような人もいるだろうし、ミズホのような人ももちろんいそう。なんだか社会の隅っこの方でひっそりと生きてるような、社会に馴染めない人たちがそこにはいる、そんな現実を見せてくれた、みたいな感じの作品だった。

 

あと、みずほの家がどんな家庭かを一コマで想像させる簡略化はみごとだなと思った。乱暴ではあるけれど、全体の作風から納得がいったのだ。

それと、労働時間がきっちり決められている描写が、リアルで、今の日本が感じられて良かった。

ユウジが気があるのかないのかはっきりしない点が気になる吉岡コトミの存在もとても良かった。

 

★★★★★

 

 

 
 

『ルックバック』(2024)

原作は藤本タツキの漫画。

 

監督・脚本・キャラクターデザイン 押山清高

アニメーション制作 スタジオドリアン

音楽 haruka nakamura(ストリングス・アレンジ 徳澤青弦=とくざわせいげん)

主題歌「Light song」(歌:urara、作曲:haruka nakamura)

 

配給 エイベックス・ピクチャーズ

 

実写版映画が公開され、評判なので、あえてアニメ版映画を観てみた。より原作に近いのかなとも思って。

 

小学4年生の藤野(CV:河合優実)は学年新聞で4コマ漫画を描いている。その漫画は評判良く、クラスでは絵が上手いから将来は漫画家だねと、もてはやされている。

ある日担任(CV:斉藤陽一郎)から引きこもり中の京本(CV:吉田美月喜)に一枠を譲ってくれないかと打診される。藤野は京本のことなどまったく眼中になかったので受け入れる。しかし、京本は藤野以上に絵が上手かった。あっという間に京本の4コマの方が人気になり、藤野は「普通」と評されるようになる。

悔しさで必死に絵の練習を始めるが、京本には追いつかない。そうこうして6年生の時、絵に夢中でつきあいが悪くなったと友達から言われ、ふっと学年新聞の漫画も絵の練習も辞めてしまう。

卒業式にも来なかった京本のところへ、卒業証書を届けてくれと担任に頼まれ、初めて藤野は京本と会う。そこで京本が言ったのは「藤野先生のファン」であり、「サイン」のおねだりだった。その京本の姿は藤野に再び描くことを決意させ、二人で漫画家を目指すことになる。ペンネームは「藤本キョウ」。

13歳でデビューを果たし、17歳まで順調に経験を積むが、京本はもっと絵がうまくなりたいと美大を目指すことを打ち明ける。二人の進路はここで分かれることになる。藤野はそのまま連載を抱える人気漫画家に。

京本の画力をアシスタントに求めてもなかなか満足いかず、幾度かアシスタントを変えながらも単行本は11巻を迎えていた。そんなある日、凄惨なニュースが飛び込んでくる。京本の通う美大で不審者(CV:岡幸太)による殺戮事件が起こったのだ。12人もの学生が犠牲になり、そこに京本がいた。

もしも京本が自分と出会わなければ、自分が漫画を描こうと誘わなければ、美大に行くという京本を止めていれば…考え得るあらゆる接点に藤本は後悔と懺悔の念でいっぱいになる…。

 

終始強気でプライドの高い藤野が痛々しいからこそ、京本を失った時の悲しみはどれほどのものかと胸が締め付けられる。それに、京本が美大で制作していたのがドアの絵だった。引きこもり生活から外へ出るきっかけを作ってくれた藤野に感謝しているのだ。それを感じたからこそ、また藤野の苦しさが倍増する。

おそらく、この二人のような、似たような経験はみんな持っているだろう。あえて口にしないだけ。それを作品にしてしまうとは勇気があるなと思う一方で、フィクションに変換するから出来るのかと納得もする。本当に「ルックバック」だった。

 

京本は背景ばかりを描いていて、それが京本の世界観であり美大に進もうとするのも納得がいく。藤野とは世界観が違う。でも、漫画を描く場合、藤野の漫画に京本の世界観が必要だったのだろう。だから、どんなに上手いアシスタントを手配してもらっても、藤野の漫画には合わなかったのだろう。それを、過去作も見ているであろう読者が気づいてないのは切ない。

 

それにしても小4の漫画はつまらなかったし、藤野の絵も下手。でも、それが面白いと思うのが、その絵が上手に見えるのが小4なんだと思う。ただ、確かに、京本の絵は上手かった。

 

今回アニメ版映画を観たのは、実写版が評判だったからだけど、原作未読でも内容はなんとなく知っていたから、実写で観るのはきつそうだなと思ってアニメ版を観たとも言える。結果、やはり実写版は観たくない。アレンジされているかもだけど、是枝裕和監督なので心にキツそうだ。

 

★★★★

 

 

 

 

 

 

 

 

『キングダム 魂の決戦』(2026)実質KINGDOMⅤ

原作は原泰久の漫画。

 

監督 佐藤信介(『いぬやしき』『BLEACH』『キングダム』シリーズ、他)

脚本 黒岩勉(『悪と仮面のルール』『累』『キングダム』シリーズ、他)、原泰久

音楽 やまだ豊(『曇天に笑う』『BLEACH』『いぬやしき』『赤羽骨子のボディガード』『東京リベンジャーズ』シリーズ、『キングダム』シリーズ、他)

主題歌 米津玄師「夜鷹」

 

配給 東宝、ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

 

山﨑賢人、吉沢亮、橋本環奈、志尊淳、岡山天音、宍戸開、小栗旬、山下美月、神尾楓珠、清野菜名、満島真之介、蒔田彩珠、山田裕貴、坂口憲二、要潤、一ノ瀬ワタル、坂東彌十郎、豊川悦司、佐藤浩市、笹野高史、高嶋政宏、加藤雅也、佐久間由衣、三吉彩花、結木滉星、三山凌輝、高橋光臣、勝矢、平山祐介、田中圭、橋本さとし、谷田歩、中村蒼、斎藤工、玉木宏、渋谷謙人、他。

 

中国春秋戦国時代、天下の大将軍を目指す少年信と中華統一を目指す秦国の王嬴政の壮大な物語。




 

馬陽の戦いで大将軍王騎(大沢たかお)が亡くなってから3年、その意志を継ぐかのように秦国を守りさらなる高みを目指す飛信隊率いる信(山﨑賢人)は千人将となっていた。嬴政(吉沢亮)と宮女向(=こう/蒔田彩珠)の間には子供が出来る喜ばしい出来事の一方で、同盟国であるはずの趙の宰相李牧(小栗旬)によって、楚、燕、魏、韓、が手を組み50万人に及ぶ合従軍が秦国侵攻を企てる。秦は国の存亡危機に見舞われる。急ぎ対策を立て、斉国を味方につけ、秦の国門函谷関(かんこくかん)で迎え討つことに。麃公(豊川悦司)を始めとした騰(要潤)、蒙武(平山祐介)ら将軍、次世代の武将となる蒙恬(=もうてん/志尊淳)率いる楽華隊(がくかたい)、王賁(=おうほん/神尾楓珠)率いる玉鳳隊(ぎょくほうたい)らに混じり、信も飛信隊を引き連れ合戦場に挑む。また、軍師となった河了貂(橋本環奈)も戦地に赴く。

初日にして、秦軍は王賁と蒙恬が楚の白麗(=はくれい/三山凌輝)と項翼(=こうよく/結木滉星)と交戦、騰が楚の将軍臨武君(=りんぶくん/一ノ瀬ワタル)、蒙武が同じく楚の将軍汗明(=かんめい/勝矢)を倒す。信は麃公につき、趙の万極(山田裕貴)と対決する。

と、戦いは成果をあげ、信は麃公から二千人将の名を受ける。しかし王宮では嬴政の命に関わる策略が始まろうとしていた。そんな呂不韋(佐藤浩市)の話を偶然立ち聞きしてしまった向が深傷を負ってしまう…。

 




続き、はよ(☝︎ ՞ਊ ՞)☝︎

 

なかなか感動した。グッと心掴まれる話もあったし(万極の過去、蒙恬と父親蒙武の会話、麃公の王騎についての語り、など)、合戦シーンは心躍った。

 

そう、アクションがレベルアップ半端ない。毎回毎回進化してる。それに応える山﨑賢人の身体能力に感心する。昔々はスタントマンに任せていたであろうシーンも本人がやる。いくらワイヤーが付いていようと、CG加工しようと、絵になる身体表現は本物なんだからすごい。

 

登場人物も多いので、これはもう一回観たいほどだった。ちなみに1は何度も観た。10回は下らない。あ、中古だけどDVDも買ったほど。

 

★★★★★

 

 

 

 

 

 


 


 

 

 

ところで。キャストに文句があるのだけど、まず言い訳しておくと、原作未読であることから、その原作に合っているかはわからない。この作品についてだけに絞っての感想。


李牧役小栗旬。なんで? 初登場時からなんで? が続いて、今回やはりあなたじゃないでしょうに至った。「豊臣兄弟!」の織田信長もガッカリだった。頑張ってるのはわかるしやりたいこともわかるしどう見せたいのかだってわかるけど、端的に言えば下手なのだ。たぶんハマり役はどこかにあるとは思う。努力家だから。ただただ李牧じゃないでしょうとしか思えなかった。

王賁役神尾楓珠。これはもう下手。せめてもの見せ場、馬へまたがっての戦闘シーンくらいかっこよくやれ。そうそう、父親が王翦(おうせん/谷田歩)。

白麗役三山凌輝。この人も下手。ただ、きっと合う役はある。白麗は出番も限られているからさほど影響ないとも言えるけど、それだけの短い出番で印象づけなくてどうするよ!?という感じ。

春申君(しゅんしんくん)役斎藤工。これはメイク頑張ってやれよ、と裏方への文句。魅力が出せてない。

そして重要な役だからこそ、万極役山田裕貴。すごく惜しい。いい面もある、でも惜しい。2〜3年後なら良かったかもと思った。ごめん。

次作に向けて不安なのが成恢(せいかい)役渋谷謙人と媧燐(かりん)役三吉彩花。

メインキャラ以外で逆にすごくいいのは、騰役要潤。回を追うごとに存在感を出してくる。てか王騎亡き後フィーチャーされて当たり前なんだけど、でもその役の重さに見合ってる。要潤は年齢を重ねて良い役者さんになった。

桓騎(かんき)役坂口憲二。凄みを利かせられる役者さん。次回からが楽しみ。

蒙恬役志尊淳。これはもう雰囲気が完璧。志尊淳節と言えばそうだが、憂いがどハマりしている。

慶舎(けいしゃ)役中村蒼、臨武君役一ノ瀬ワタル、汗明役勝矢、上手い。

蔡沢(さいたく)役笹野高史。ここに笹野高史かと的役であり、ベテランの安心感がある。


何様ですみません。ただの視聴者です。

 

 

『母と暮せば』(2015)

井上ひさしの戦後命の三部作(ヒロシマ、ナガサキ、オキナワをテーマとしている)を引き継ぐ形で山田洋次がナガサキを舞台に制作。井上ひさしの戯曲「父と暮せば」(ヒロシマ)と対になっている。とのこと。

 

監督 山田洋次(『男はつらいよ』シリーズ、他)

脚本 山田洋次、平松恵美子

音楽 坂本龍一/演奏:東京フィルハーモニー交響楽団

 

制作・配給 松竹株式会社

 

吉永小百合、二宮和也、黒木華、加藤健一、浅野忠信、広岡由里子、本田望結、小林稔侍、橋爪功、他。

 

父親は早くに病死し、兄はビルマで戦死、助産師の母親伸子(吉永小百合)と二人暮らしの長崎医科大に通う福原浩二(二宮和也)。将来は小学校教諭を目指す恋人佐多町子(黒木華)がいる。浩二は1945年8月9日、アメリカの原爆投下によって浩二はその命を失う。

伸子は浩二が亡くなってからずっと、小学校教諭となった町子に助けられてきた。3年の月日が経ち、ようやく浩二の死を受け入れられるようなったある日、浩二が亡霊となって現れる。

浩二とは思い出話や町子への将来を含めた思い、伸子の今後の幸にも心配が及び、その都度状況に合った様々な会話をする。その中には、人々の困窮した暮らしぶり、親を失ってしまった子供の状況など、戦争がもたらしたものについてが淡々と描かれ、どんなに悲壮なものだったかを訴えかけてくる…。

 

大学で川上教授(橋爪功)の授業中に浩二は原爆を被弾したのだが、川上教授は終戦の日までどうにか生きていた、というのが、なんとも運を感じる。それで言えば、町子も工場に駆り出されていたが、9日は腹痛で休んでおり、命を得た。これも運。

しかし共に働く町子の友達は亡くなっており、その親に、ズル休みして助かった、あんたが死ねばよかったのに、という言葉を投げつけられ、町子は自らを律する。のは切ない。

 

伸子に気がある闇市で物資を調達してくる通称上海のおじさん(加藤健一)が不器用で愛おしい存在だった。伸子も悪い気はしないようだったが、結局は線引きした。そこには吉永小百合を使ってるという映画人の意図が見えて、なんだかなぁと思ってしまった。気がないならないでそうしっかり描いていればそんなこと思わなくてすんだのにな、と残念だった。し、

そして何より不満はラスト。ネタバレだが、もともと体の弱い伸子は栄養状態も良くなく、寿命がくる。浩二が迎えに来るまではいいけど、肩を抱き、親子というよりはまるで恋人のような感じで、この世から消える。クリスチャンだから教会での葬儀で、そこから光の中に二人仲睦まじく去っていくのだ。あまりにファンタジーすぎて胸糞悪くなった。なぜ、浩二が手を引いて連れ行く自宅での最期で終わらせなかったのか。

死んだ息子が現れること自体がファンタジーだが、親子愛の話なんだから受容できる。浩二と伸子の会話があってこそ未来ある町子の選択も自然で説得力もある。なのにあのラスト、もったいない。

 

町子の付き添いで、復員局に父親の所在問合せに行く少女民子に本田望結(小学生2年生の役でまったく気づかなかった)。その局員に小林稔侍。伸子のお隣さん富江に広岡由里子。町子と同僚、戦争で片足を無くした黒田に浅野忠信。

 

戦争が物理的にも精神的にもどれだけ人を傷つけるか、命はたったひとつしかないもの、失ったら取り返しがつかないものであること、戦争の恐ろしさがじわじわくる作品だった。

 

★★★★

 

 

 


 

公式サイト

 


 

『風のマジム』(2025)

原作は原田マハの小説。

 

監督 芳賀薫

脚本 黒川麻衣

音楽 高田漣(『フルーツ宅配便』他)

主題歌 森山直太朗「あの世でね」

 

配給 コギトワークス、S・D・P

 

伊藤沙莉、染谷将太、尚玄、シシド・カフカ、滝藤賢一、富田靖子、高畑淳子、橋本一郎、小野寺ずる、なかち、下地萌音(しもじもと)、川田広樹、眞島秀和、肥後克広、他。

 

沖縄は那覇で豆腐屋を営む祖母カマル(高畑淳子)と母親サヨ子(富田靖子)と暮らす伊波まじむ(伊藤沙莉)が契約社員として働く会社で社内ベンチャーコンクールがある。行きつけのバーで美味しいラム酒を飲んだまじむは南大東島のサトウキビを使ったラム酒を作ろうと思い立ち、企画書を応募する。まじむは正社員の中に混じり選考に残り、さらに詳細に計画書を作成し最終プレゼンテーションへ望む。その過程で、バーのマスター後藤田(染谷将太)、会社の同僚の知念(小野寺ずる)、上司の儀間(尚玄)、クールな先輩糸数(シシド・カフカ)、南大東島に住む高校の後輩夫婦(なかち、下地萌音)、島民、醸造家瀬那覇(滝藤賢一)を巻き込む形で紆余曲折ありながらも協力を得る。そして何より大事なことを、素材と向き合い丁寧に豆腐を作り続けるカマルから学ぶ。

 

起承転結、構成がしっかりしていて、面白く観られる作品だった。これだけきれいな成功物語は満足度が高い。

 

方言がナチュラルに出てきて、それは外国語みたいで理解できなかったけど、なんとなく、雰囲気でとらえられた。案外、外国語もそんなもんで覚えていくのかもなと思った。

「まじむ」は沖縄の言葉で「真心」のことらしい。

 

直属の上司仲宗根に橋本一郎、南大東島商工会長に肥後克広、有名で大人気の醸造家朱鷺岡に眞島秀和。

 

★★★★(★)

 

 

 

 

 

 

 

『ミーツ・ザ・ワールド』(2025)

原作は金原ひとみの小説。

 

監督 松居大悟(『男子高校生の日常』『君が君で君だ』『くれなずめ』『手』『ちょっと思い出しただけ』『バイプレイヤー』シリーズ、他)

脚本 國吉咲貴、松居大悟

音楽 クリープパイプ

制作プロダクション クロックワークス、テレビ東京、ホリプロ、集英社

配給 クロックワークス

 

杉咲花、南琴奈、板垣李光人、蒼井優、渋川清彦、髙比良くるま、筒井真理子、他。

 

母親(筒井真理子)とは折り合いが悪い27歳というお年頃、アニメ好きの腐女子三ツ橋由嘉里(杉咲花)は会社の同僚の誘いもあって合コンに参加&惨敗。深酒したため新宿歌舞伎町に捨て置かれる。そして通りかかったキャバ嬢鹿野ライ(南琴奈)に拾われる。ライは由嘉里が憧れるほどの容姿で、泥酔して管を巻く由嘉里に、300万あげるから整形すればいいとなぐさめ、自宅マンションに連れ帰る。部屋はいわゆる汚部屋だったし、ライには希死念慮があったが、フラットに接してくるのが心地よく、母親のいる自宅へ帰る気になれない由嘉里はライの言葉に甘え、居候の身となる。

ライの交友から、妻持ちのナンバーワンホストアサヒ(板垣李光人)、歌舞伎町でバーを営むオネエマスターオシン(渋川清彦)、そのバーに通い詰める毒舌の作家ユキ(蒼井優)と知り合い、今までとは違う世界に足を踏み入れる。また、合コン相手の奥山譲(髙比良くるま)と本音で話が出来たり、ライを救うため趣味のついでとはいえライの元恋人にも会いに行くなど、仕事と趣味だけの日常に、もうひとつ、大切なものができ、自身の生き方にも影響が現れる。

 

由嘉里と母親の間の溝がなかなか埋められないように、由嘉里の希望はライには届かないし、アサヒともユキとも感覚、感性の違いがあらわで、ライの元恋人藤治との電話での会話に至っては由嘉里の感情暴走で腹立たしく痛々しく、人間はそうそう分かり合えないんだなぁと再認識した。もちろん、合う人どうしというのはある。ただ、望んでも分かり合えない相手もいるということ。相手のことを思いやってるようでその実自分のことしか考えてないし、それが当たり前ということ。

 

登場人物、それぞれのキャラクターがしっかり設定されており、台詞ひとつひとつにブレがないから、会話からヒリヒリした痛さを感じる。それが当事者ではなく、第三者として見られるのがいい。そして、みんなひとつも譲らない。最初から最後まで何某であり続ける。だから明確な締めがなく終わる。それが気持ちいい。

面白かった。

 

エンディングロールで菅田将暉の名前を見つけ、えっ、どこにいた!?と思ったら、最後の方で由嘉里と電話で話してたライの元恋人の鵠沼藤治たった。声のみだったけど、うまいなと思ってて、菅田将暉だったとは、どうりでと納得してしまった。

 

★★★★(★)

 

 

 

 

 

  

『トランスアメリカ』(2005/日本公開2006)

原題は『Transamerica』

 

監督・脚本 ダンカン・タッカー

 





LAに住むブリー(フェリシティ・ハフマン)は性同一性障害でホルモン剤服用中。あとは1週間後の性転換手術が待っていた。そんな時に、NYの拘置所から連絡が入る。男娼に麻薬にと捕まった17歳の少年トビー(ケヴィン・ゼガーズ)が、スタンレーという父親を探しているという。スタンレーはブリーの本名だった。実は大学時代一度だけ女性と関係を持った。思い出したくもない最悪の性体験で忘れていたが、トビーはまさにその時できた子供だった。カウンセラーであり友人でもあるマーガレット(エリザベス・ベーニャ)に一度会って整理をつけろと指南される。手術の保証人にもなってもらう都合上、LAからNYへ向かう。身分を隠して教会関係者だと身請けをしたものの、手術代に貯めたお金をつかってしまうことになり、LAへの帰り道はドライブになる。途中、ヒッチハイカーに騙され荷物を盗まれたり、優しい原住民カルヴィン(グラハム・グリーン)との出会いがあったりしながら少しずつトビーは心を許していく。が、ブリーが男であることがバレてしまい、せっかく心を許し始めた関係もギクシャクするなど一進一退。そして資金が果て、このままでは手術もできないしと仕方なくブリーの実家(父マーレイ:パート・ヤング/母エリザベス:フィオヌラ・フラナガン/妹シドニー:キャリー・プレストン)に立ち寄りお金の工面を申し出る。トビーはそこで全てを知り、多少ブリーに好感を持っていただけにショックを受け姿を消す…。

 

虐げられてるアメリカ社会でも、適合手術が出来たんだな。2005年の作品だものな。

 

アメリカでは性同一性障害は精神疾患の一つで、矯正施設に送られていたけど、日本ではそんなものなかった。この映画が公開された2005年当時でそうなんだから、日本においてLGBTQなんて、殊更騒ぐほどのものではないのに、法案作られたとか馬鹿げてる。

 

★★★★

 

 

 

 

 


 

 

ちょいネタバレ。


結局、ブリーは手術をして体も女になる。一方で、ショックを受けて実家から姿を消したトビーは自力で役者になるべく行動するが、もともと男娼で稼いでいたせいなのかゲイなのか、その手のポルノ映画に出てるに過ぎない。それでもいっぱしになったと自負があるのか、ブリーを訪ねてくる。これから親子として二人でやっていくのか自立するのか、あたたかい感じで終わった。

けど、離れ離れになってからがかいつまみすぎの話で残念だった。実家でのいざこざを利用してじっくりまとめて欲しかったなぁ。

 

 

『ロングウォーク』(2025/日本公開2026)

原作はスティーブン・キングの小説。原題(英題)は『The Long Walk』、アメリカ映画。

 

監督 フランシス・ローレンス

脚本 J・T・モルナー

 

配給 クロックワークス

 

政治体制が変わった近未来のアメリカ。困窮する国民も多く、政府は国民の士気を上げるためにも、優勝者には破格の賞金と願い事をひとつ何でも叶えるという生死をかけたイベント「ロングウォーク」を開催している。

内容は、睡眠、食事や水分補給、排泄のための停止もなく、昼夜を問わずただひたすら一定の速度で歩き続けるというもの。見張りの兵士が乗った軍の車が先導、並走し、兵士に向けた反抗的態度や逃走行動はもちろん、道から少しでも外れると射殺、時速3マイル(4.8キロ)をキープし、それを下回ると警告がなされ、その警告3回で射殺。ただし1回の警告はその後1時間の規定速度遵守で取消しとなる。というルールのもと、最後の一人となるまで何日であろうと続けられるというもの。

志願制だが、選考はあり、最終的には抽選によって50人にしぼられる。期日までなら参加辞退することも出来る。

主人公は母親(ジュディ・グリア)と二人暮らしのレイ・ギャラティ(クーパー・ホフマン)。実は反体制派として父親(ジョシュ・ハミルトン)を少佐(マーク・ハミル)に殺されており、優勝を狙うのは復讐のためだった。

主人公と親交を深める参加者に、顔に傷を持つ一番親しくなる黒人ピーター・マクヴリーズ(デビッド・ジョンソン)、実は少佐の実子であるビリー・ステビンズ(ギャレット・ウエアリング)、ひょうひょうとした黒人アート・ベイカー(トゥット・ニュオット)、弱そうながら実は芯のある東洋系ハンク・オルソン(ペン・ウォン)、口が悪く嫌われ者だが本人は対人に悩みを持っているゲイリー・バーコヴィッチ(チャーリー・プラマー)らがいる。

約5日間、331マイル(533キロ)のウォークとなる…。

 

足はさることながら身体不調、意識が遠のき幻覚が見えているであろう極限状態、など、過酷な状況下、友情が芽生えたり、絆も見え隠れする。参加者の事情や性格も描かれ、情がうつる。なかなか面白かった。

けど、軍は非情で容赦がなく、賞金ぐらいでなぜそんなにしてまで参加したいのかわからなかった。全てを国家が握り監視される社会で、生きてる実感を得たくてか? とさえ思えた。

 

★★★(★)

 

 

 

 

 

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ラストは暗い中延々と続くであろう道を真っ直ぐ進む後ろ姿で終わる。人生そのものであり、もしかしたら朝になれば新しい世界が開けているかもしれない未来に期待する姿でもあるなと思えた。だって、少なくとも少佐は殺せた。歩いているのはレイではないけれど。