これ観た -2ページ目

これ観た

基本アマプラ、ネトフリから観た映画やドラマの感想。9割邦画。作品より役者寄り。なるべくネタバレ避。演者名は認識できる人のみ、制作側名は気になる時のみ記載。★は5段階評価。たまに書籍音楽役者舞台についても。

『ガス人間㐧1号』(1960)

原作はジョン・メレディス・ルーカスの小説とのことだが、着想を得た程度のものとも言われているし、クレジットもなかった。

また、本作は科学技術によって変質、特殊能力を手にした人間が登場する東宝の特撮映画作品の変身人間シリーズのひとつで、完成品としては3作ある。『美女と液体人間』(1958/監督:本多猪四郎)、『電送人間』(1960/監督:福田純)、そしてこの『ガス人間㐧1号』。叶わなかったようだが、その後も継続して製作される予定はあった模様。

 

監督 本多猪四郎(ほんだいしろう)

特技監督 円谷英二

脚本 木村武

音楽 宮内國郎(みやうちくにお)

配給 東宝

 

三橋達也、八千草薫、土屋嘉男、佐多契子、左卜全、山田巳之助、伊藤久哉、松村達雄、田島義文、小杉義男、村上冬樹、塩沢とき、野村浩三、中村晢、他。

 

 

 

 

銀行強盗事件が起こる。岡本賢治警部補(三橋達也)は犯人と思しき車を追跡する。その車が崖から転落し、駆け寄ると誰も乗っていなかった。付近を捜索する中で日本舞踊春日流家元の古い家屋を見つける。しかし春日流は落ちぶれて娘の藤千代(八千草薫)老鼓師(左卜全)がいるだけだった。

数日して今度は密室となる金庫で強盗殺人事件が起こる。亡くなった行員は謎のガスによる窒息死が確認された。その後、模倣犯(山本康)が現れる。同時期に春日流の羽振が良くなり、発表会も開催することになる。怪しんだ岡本と新聞記者の甲野京子(佐多契子)は協力しあいながら捜査を始め、強奪されたものと同じ紙幣を藤千代邸で発見し、藤千代に容疑がかけられる。と、犯人を名乗る者、ガス人間こと水野(土屋嘉男)が自ら出てくる。

藤千代の舞に魅せられた水野の、困窮する藤千代を助けたいと思っての犯行だった。藤千代は水野にこれ以上犯行を重ねないよう説得するが、聞き入れることはなく、世間のガス人間への注目度の高さ、春日流復活をかけた発表会、警察によるガス人間抹殺計画が入り乱れ…。

 

その水野がなぜガス人間となったのか、そこには生物学者佐野博士(村上冬樹)の実験失敗があった。

 

八千草薫きれいだ。紋太夫(松本染升)塩沢とき、役柄が納得だし(演技的に)、昔の記憶の面影あって笑った。左卜全も。その他、見たことあるかもしれない俳優がいたけど名前が記憶になかった。松村達雄とか中村哲とか。

 

Netflixドラマの『ガス人間』とは内容が違うけど、登場人物、岡本賢治と甲野京子は同じだった。佐野博士もか。

 

★★★(★)

 

 

 

 

『ガス人間』(2026)Netflix series 全8話

原作は1960年の映画『ガス人間㐧一号』(監督:本多猪四郎円谷英二/脚本:木村武/原案:ジョン・メレディス・ルーカス)

 

監督 片山慎三(『岬の兄妹』『さがす』『そこにいた男』他)

脚本 ヨン・サンホリュ・ヨンジェ

主題歌・挿入歌 サザンオールスターズ「いとしのエリー」

 

小栗旬、蒼井優、広瀬すず、林遣都、UTA、芋生悠、伊島空、古舘寛治、野村周平、竹野内豊、中島歩、酒向芳、青木崇高、ピエール瀧、岡部たかし、こばやし元樹、夏川結衣、原日出子、森川葵、高嶋政宏、賀来賢人、モーリー・ロバートソン、川瀬陽太、斉藤柚奈、柊木陽太、三河悠冴、松浦祐也、吉原光夫、三石琴乃、近藤芳正、和田光沙、中野英雄、他。

 

テレビ局JNTの報道番組生放送中、インタビューを担当する報道記者甲野京子(蒼井優)の前で、ゲストの佐野教授(モーリー・ロバートソン)の体に知らぬ間にガスが充満し破裂死する怪奇現象が起こる。その後犯人を名乗る「ガス人間」(UTA)が今後の予告を動画配信する。世間が騒ぐ中、京子とその後輩記者西山(伊島空)が事件を追い、謹慎が解かれたばかりの警部補岡本賢治(小栗旬)と部下の阿部〈芋生悠)が事件解決に立つ。

ガス人間は人間の形を持っているが、ガスで出来ており、変幻自在で高速で空中を移動する。命が尽きることもない。狙いをつけた人間の体内に入り込み、肺を焼き爆発させ死に至らしめる。

ではガス人間はいったい何が目的なのか。1999年山梨に落下した隕石にたどり着く。ちょうど「世界こども平和博」の開催とかぶり、政府はヤクザも絡んだそのイベントの成功のために、また混乱を避けるために毒性が確認された隕石落下を隠蔽した。そして天涯孤独の身の上の者を保護した福祉施設「ホワイトセンター」の人々を「人間燃料」と呼び、隕石除去までの作業に携わらせた。

当時の記録を所有している元ホワイトセンターの所長小畑(酒向芳/27年前:中島歩)、同じ刑事だった賢治の父岡本信也(青木崇高)を亡くした後、賢治が世話になっている叔父の現警視総監の坂本守(ピエール瀧)、賢治と同じ部署に就く先輩刑事吉田(こばやし元樹)、都知事候補者桐島かずみ(夏川結衣)の勢いが迫る都知事選を控えた現職の東京都知事三浦威(岡部たかし)、賢治の謹慎の原因ともなった女子高生殺害事件の容疑者で元ヤクザの上場企業経営森靖利(竹野内豊/27年前:野村周平)、指定暴力団藤代会の大友三郎(中野英雄)らの過去と関係性、実体が明らかになりつつ、ホラー系動画配信者の兄妹フジタ(林遣都)カホ(広瀬すず)が絡んで真相究明が進む。

 

元アイドルグループドリームサキュパスの一員ミミ森川葵(ちなみに劇中-エンディング-フルで持ち歌「わがまま!ナイトメア」が入る)、そのグループのMV制作をしたゴロ監督高嶋政宏、元マネージャー現ホストのケンタ賀来賢人。そして藤代会若頭大友リキ松浦祐也、京子の母親役に和田光沙という『岬の兄妹』コンビ胸熱もの(と言っても視聴後調べてて知った(^◇^;)。中野英雄と松浦裕也が親子役で違和感ないあたりもしびれる。

 

メイクの力もあるが、竹野内豊の怪演に度肝を抜かれた。昔々トレンディ俳優のくくりだった二枚目役者の素晴らしい変身ぶりに感嘆した。芋生悠も良かったし、野村周平も相変わらず良い。蒼井優は言わずもがな。素晴らしい贅沢な俳優陣に、迫力あるシーン作り(VFX)、脚本の落ち着きと盛り上げ方も程よく、感動的な感情を揺り動かすエピソードもあって涙も誘う。作品としてはファンタジーだろうけど、ヒューマンドラマでもある。エンターテイメント性も充実。音楽もゴジラっぽくて臨場感がある。

 

自分のためにはネタバレ&詳細を記したいのだけど、グッとこらえて、ネタバレはしません。面白いのでぜひ見てほしい。

ただ、不明点がひとつ、残される。

作中で明らかになる範囲内ではちょっと世界が小さいかなと思わせるが、もっと巨大な、人間の尽きることない欲みたいなものが見える終わり方を見せる。そこで「なるほど」と思えるのだ。

 

パーフィニー覚えた。

 

★★★★★

 

 

 

 

 

 

『Back to Black エイミーのすべて(2024)

原題は『Back to Black』。イギリス、フランス、アメリカ合作映画。

イギリスの歌手(シンガーソングライター)エイミー・ワインハウスの半生を描いた映画。

 

監督 サム・テイラー=ジョンソン

脚本 マット・グリーンハルシュ

 

運転手業の父ミッチ(エディ・マーサン)とは別居中で、母ジャニス(ジュリエット・コーワン)と暮らすエイミー(マリサ・アベラ)。歌のうまいミッチ、ジャズ歌手だった憧れの祖母シンシア(レスリー・マンビル)の影響もあって、十代でシンガーソングライターとしてライブハウスに立ち、ミュージシャンとしての一歩を踏み出す。その歌声はあっという間に知れるところとなり、友人を介してスパイスガールズの所属していたマネージメント会社に入る。しかし、マネージャーのニック(サム・ブキャナン)の気遣いもよそに、元来の自由奔放なものの見方、自分の音楽に対する考え方、酒好きからトラブルがちょいちょい起こる。それでも人気は上々のおり、パブでブレイク(ジャック・オコンネル)と出会い恋に落ちる。エイミーは大麻しかやらなかったが、ブレイクの影響もあってコカインもやるようになり、さらに人気に比例してパパラッチも執拗で、アルコール量も増えていく。もともとエイミーは自分の経験にもとづいた歌詞を書くため、何もかもがあからさまで、二人は共依存の関係になっていく。そしてついにブレイクがコカイン と暴行罪で逮捕となり、それまで一度は別離もあったが、今度こそ関係に終止符を打たれる。シンシアが亡くなってからミッチが支えてきたこともあり、エイミーはリハビリ施設に入ることを決める。アルコールを断ち切り、再出発となったエイミーは、2008年グラミー賞で5冠を取る。けれど、それからまもなく2011年、自宅で遺体となって発見される。後に急性アルコール中毒と判明。短かかったが濃く、自分の思うがままに自己表現、好きな音楽を実現したエイミーの27歳までの生涯が終わった…。

 

エイミー・ワインハウスは、「Back to Black」のアルバムを持ってる。当時売れていたので御多分に洩れず聴いていたのだが、訳してなかったので歌詞がどんなものか知らなかったし、バックグラウンドも知らなかった。単に曲と声に惹かれたのだった。なので、それからずっと忘れていた。たまに街中でエイミーの曲を耳にすると懐かしいなとやっぱりいい曲だなぁと思っていた。今回映画で思春期からのエイミーを見て、歌詞、なかなかキツイなと思った。良かった、入り込まないで(^_^;)。

 

つまり、エイミーはギフテッドだったのだなと思った。

 

ここで、いつも思うのだが、心と魂と肉体の関係。心は魂のうちとすれば、エイミーの場合は魂と肉体は乖離してるのだろうか、それとも一致しているのだろうか。エイミーを見て、自分と比べて、考えてしまう。

 

アメリカのガールズグループシャングリラスの曲が(ブレイクの好きなものとして)入っていて、確かに、当時売れたろうなと思った。かわいらしくていい。日本でいうとザ・ピーナッツに近い。関係はないけど。

 

エイミー・ワインハウスに興味がない人にはつまらない作品だと思う。けっこうはしょってて補完が必要だから。でも後半、ブレイクとの関係が崩れていき、自分の足で立たねばならなくなるあたりは思いが乗ってて良かった。

 

★★★(★)

 

 

 

 

公式

 

 

 

【挿入歌】

 

ホワット・イズ・イット・アバウト・メン What Is It About Men 

ストロンガー・ザン・ミー STRONGER THAN ME 

アイ・ハード・ラヴ・イズ・ブラインド I HEARD LOVE IS BLIND 

ノウ・ユー・ナウ KNOW YOU NOW 

ファック・ミー・パンプス FUCK ME PUMPS 

バック・トゥ・ブラック BACK TO BLACK 

ヴァレリー VALERIE 

(ゼア・イズ)ノー・グレイター・ラヴ (THERE IS) NO GREATER LOVE 

ミー&ミスター・ジョーンズ ME & MR. JONES 

ラヴ・イズ・ア・ルージング・ゲーム LOVE IS A LOSING GAME 

リハブ REHAB 

ティアーズ・ドライ・オン・ゼア・オウン TEARS DRY ON THEIR OWN

 

 

 

『関心領域』(2023/日本公開2024)

アメリカ・イギリス・ポーランド共同映画。原題は『The Zone of Interest』

原作はマーティン・エイミスの実話がベースにある小説。

 

監督・脚本 ジョナサン・グレイザー

 

ポーランドのアウシュビッツ強制収容所で司令官を務めるルドルフ・ヘス(クリスティアン・フリーデル)は、その収容所に隣接する広い庭付きの屋敷に妻ヘートヴィヒ(ザンドラ・ヒュラー)と三人の子供たち、そして使用人とで暮らしている。焼却炉を増設し効率よくユダヤ人を始末する策が認められてルドルフは昇進をする。それにあたり転勤が決まるが、ヘートヴィヒは時間をかけて庭を整備し、豊かな住まいと暮らし、そして子供たちの教育環境を手放すのがいやで、ルドルフは単身赴任となる。そして人事異動で再び屋敷へ戻る日がくる。

ナチスドイツ崩壊が迫る数ヶ月が淡々と描かれる…。

 

ユダヤ人から巻き上げた衣服を始めとする物品はヘス家の物になる。もちろん使用人にも分け与えるが、宝飾品など贅沢品、高価なものはヘス家の物になる。ルドルフには性処理のための女もいる。隣接の収容所から士官の怒号、ユダヤ人の悲鳴や焼却炉の臭いも絶えないのに、ヘス家にはまるでなんでもない日常の時間が流れる。

そんな中、ポーランド人の使用人の少女は作業するユダヤ人のために食べ物をそっと隠し置く(そのお礼なのか、托す気持ちからなのか、収容されてたユダヤ人ヨセフ・ウルフ「陽の光」の楽譜を手に入れる)。また、昔はユダヤ人に使われていたヘートヴィヒの母親が様子見に来るが、夜中でも焼却炉が稼働している灯りと臭いに耐えられず早々に出ていく。まともだ。一番下の息子も情緒に乱れがある。

 

ラストではアウシュビッツに戻ることが決まったルドルフの体調不良を重ねて現在のアウシュビッツの中が映る。山と積まれたの靴や杖を含む持ち物などがガラスを隔てた空間に展示されている。その最後、ルドルフが何かに気づいたかのような表情で視線をこちらに(視聴する私たち)合わせる。これにはどんな意味があるのだろう。感じ方は人それぞれだと思うけど、「見てたのか。同じ立場にあったら、君ならどうした?」と問われているように思った。

 

★★★★

 

 

 

 

公式

 

 

 

『ほかげ』(2023)

監督・脚本 塚本晋也

音楽 石川忠

 

趣里、森山未來、塚尾桜雅(つかおおうが)、河野宏紀、利重剛、大森立嗣(おおもりたつし)、他。

 

終戦間もない東京。瓦礫の中にかろうじて焼け残ってる居酒屋のような家屋に一人住む女(趣里)は夫も息子も亡くし、売春斡旋業の男(利重剛)に客を紹介してもらっていた。ある日、闇市で盗みを働き追い立てられた戦災孤児(塚尾桜雅)が逃げ入ってくる。また、客として気の弱そうな復員兵(河野宏紀)もやってきて、流れ上、三人で数日を共にする。けれど、復員兵は金を持ってこないし、戦災孤児はまともに働いているかも疑問だ。しかも孤児は拾ったという拳銃を持っていた。女が梅毒に罹ったこともあって、やがて三人はバラバラになる。そんな中でも孤児は新しく出会ったテキヤの男(森山未來)に雇われ仕事を得る。女との生活のためにちゃんと働こうとしていた。しかし、その仕事はテキヤの男の元上官(大森立嗣)への復讐の手伝いだった。

 

孤児はテキヤの男からの報酬を電車賃分しか受け取らない。女からまともな仕事でちゃんと働くことを言い聞かされてたからだ。テキヤ男との仕事が終わったら戻るとしていた孤児は、奥の部屋から出てこない病床の女と、それでも暮らしたくて闇市で働き口を探す。どうにか決まったところで、銃声が空に響き渡る。女のところに置いた拳銃に一発残っていた銃弾だった。

 

戦争によって傷つきトラウマを持ち生きる希望などとうてい待てない人々、過酷な戦中に辛酸を舐めた人々、またそこから立ち上がり未来に向かおうとする生命力あふれた人々が描かれる。

心の弱い人、強い人、優しすぎる人、状況を割り切れる人らに自分を重ね、戦争の怖さ、悲惨さも疑似体験できる。

 

復員兵が生きる屍のようになってガード下で時を過ごしている図はきつい。戦争という非日常を乗り越えるには心がどれだけ疲弊し、破壊されるだろうと、それはテキヤの男の上官だった男の優しそうな笑顔の裏にも隠されていると思える。テキヤの男も売春女も区切りをつけないと次の道が見えて来ないのだろう。女はついに見えずじまいだったが。一方で孤児はどうなっただろう。まともな仕事を選ぶ必要もなくなった。テキヤの悲しさ、復員兵の辛さ、女の優しさを知ったこの孤児のその後の物語が見たいと思った。

 

趣里の演技、表情、仕草は良いのだけど、台詞を発する声、言い方がちょっと痛かった。もう少し柔らかいほうが響く気がする。そのくらいの温度にはできる役者だと思うんだけど、監督はOK出したんだから正解なのか。残念だったけどな。

 

★★★★

 

 

 

 

 

公式サイト

 

 

 

『夏目アラタの結婚』(2024)

原作は乃木坂太郎の漫画。

 

監督 堤幸彦(『悼む人』『十二人の死にたい子どもたち』他)

脚本 徳永友一(『ライアー×ライアー』『カッペイ』『かぐや様は告らせたい』シリーズ、他)

音楽 Gabriele RobertoA-beeノグチリョウ

 

柳楽優弥、黒島結菜、中川大志、丸山礼、立川志らく、福士誠治、藤間爽子、佐藤二朗、市村正親、平岡祐太、今野浩喜、越山敬達、他。

 

三人の男を殺害、切断した遺体の一部を隠すなど、猟奇殺人の罪で「品川ピエロ」と称される女が逮捕される。

児童相談所に勤める夏目アラタ(柳楽優弥)は、被害者の息子山下卓斗(越山敬達)の依頼によって品川ピエロこと品川真珠(黒島結菜)と面会することになる。実は卓斗は未だ見つかってない父親の頭部のありかと、なぜ父親を殺害したのかその動機を知りたくて、アラタの名前を使って真珠と文通していたのだった。そして会って話すという約束を取り付けたのだった。

アラタは、いじめられっ子でデブの真珠の攻略法を簡単ととらえ、面会に行くと、そこには歯並びこそ乱れて汚かったが、華奢で少女っぽさが垣間見える姿の真珠がいた。意表をつかれ、真珠に簡単に文通相手ではないと見破られ、面会を中断されるところ、思わず「結婚しよう」と呼びかけ繋ぎ止める。真珠の弁護士宮前光一(中川大志)の協力も得て、婚姻届を出し、アラタと真珠は正式な夫婦となる。

それから面会のたびに、また裁判のたびに、被害者たちの新事実や真珠の生い立ち、事情などが明らかになっていく…。

 

人には通りいっぺんの表裏では語れない部分があることが伝わり、好みであるけど、結局ラブストーリーなので面白みは半減した。それとも、人間関係において恋愛以上に至高なものはこの世にないということならば、まあ、有り…かもしれない(^^;;。

冒頭から、クライムサスペンスホラーだと思ってたんで(原作未読)ちょっと失望だったという、あくまで個人的感想。ということ。


歯並びの秘密はなるほどだった。検視でも目安にするというし。

 

黒島結菜もキャラクター化がうまく出来ていて、感心した(これまでお芝居うまいと思えなかった)。逆に柳楽優弥に違和感。

真珠の母親役に藤間爽子、アラタの先輩職員桃山丸山礼、アラタに絡む傍聴&死刑囚マニアの風変わりな男藤田佐藤二朗

『天狗の台所』に始まり『国宝』、『GIFT』に今作と見て、越山敬達の成長(フィジカル)にえも言われぬ寂しさ。『天狗の台所』(2023)は最高だった。

 

★★★

 

 

 

 

 

 

 

『シェルブールの雨傘』(1964)

フランス、西ドイツ合作のミュージカル映画。原題は『Les Parapluies de Cherbour』。英題は『The Umbrellas of Cherbourg』

 

監督・脚本 ジャック・ドゥミ

音楽 ミシェル・ルグラン

 





3パートに分かれている。

 

第一部「旅立ち」1957年11月〜。

シェルブールの通りで雨傘店を経営している母エムリ夫人(アンヌ・ヴェルノン/歌唱:クリスチアーヌ・ルグラン)と二人暮らしの17歳のジュヌヴィエーヴ(カトリーヌ・ドヌーヴ/歌唱:ダニエル・リカーリ)には、自動車修理工場で働く20歳の恋人ギイ・フーシェ(ニーノ・カステル・ヌオーヴォ/歌唱:ジョゼ・パルテル)がいる。二人は愛し合っていて将来を約束した仲だが、娘可愛さもあり若すぎるとエムリ夫人から反対されている。ある日、多額の納税通知書が届き、エムリ夫人は窮地に追い込まれる。仕方なくお気に入りのネックレスをお金に変えようと宝石店を訪ねるが、店主は難色を示す。ところが店主に代わって、その場に居合わせた世界を駆け回る宝石商人のローラン・カサール(マルク・ミシェル/歌唱:ジョルジュ・ブランヌ)が取引に応じる。おかげで店は助かったが、ギイが兵役となり、2年間、二人は離れ離れになってしまうことに…。

 

第二部「不在」1958年1月〜。

ギイは病床にある伯母エリーズ(ミレーユ・ペレー/歌唱:クリスチアーヌ・クレール・レクレール)と暮らしていて、世話を幼馴染みのマドレーヌ(エレン・ファルナー/歌唱:クローディヌ・ムニエル)に任せていた。そのため、兵役で留守中もマドレーヌに頼んだ。

一方、ジュヌヴィエーヴのお腹には新しい命が宿っていた。シェルブールを発つ前日に共に過ごした時の子だった。ギイとは男の子だったらフランソワにしようと手紙で話していた。が、ギイからの手紙は途絶えがちになり、お腹はどんどん大きくなっていく。そんな時、カサールから結婚を申し込まれる。お腹の子は一緒に育てようと言われ、ジュヌヴィエーヴはカサールの求婚を受け、シェルブールの地を去りパリへと引っ越す…。

 

第三部帰還1958年1月〜。

足の負傷で除隊となったギイはシェルブールへ帰ってくる。しかし、そこに雨傘店はおろかジュヌヴィエーヴはなく、結婚してパリへ行ったことを知って自暴自棄になる。そんな時、エリーズが亡くなる。ずっと面倒をみていてくれたマドレーヌにはっぱをかけられ一念発起、エリーズの遺産てジュヌヴィエーヴと夢見たガソリンスタンドの経営に乗り出す。同時に、支えてくれたマドレーヌと家庭を持つ。

雪の降るある日のクリスマスの近い夜、義母を訪ねた帰りだというジュヌヴィエーヴが、偶然ギイのスタンドに立ち寄る。ジュヌヴィエーヴの横には女の子が乗っている。名前はフランソワーズ。昔々ギイと考えた子供の名前だ。絶え間なく降り頻る雪の中、スタンドを出発するジュヌヴィエーヴと入れ違いに買い物からマドレーヌと息子フランソワが帰宅する…。

 

ラストシーンのギイ、マドレーヌ、フランソワが家族三人で幸せそうに雪の中戯れる姿が、ジュヌヴィエーヴとの物語は完全に終結したこと、お互い新しい人生を歩んでいることが無常感と多幸運を強調していて、とても良かった。

一時的な熱、微熱のような若い恋の濃密さと儚さが魅力な作品だった。どちらと成就となってもそれなりに良い人生だあり良い恋愛だったろうと思える。

 

節がついていたので、それは歌詞と言え、ミュージカル映画に入るのだろうけど、イメージしてたものと違った。ほぼほぼ歌となるのに、歌い手を使ってるってことは、それぞれ役者は声すら出してないということなのかどうなのか???

 

こういう古い名作と言われる映画を見たことがないので、このようにリマスター版もけっこう出てるようなので、今後も観ていきたい。

 

★★★(★)

 

 

 

『オアシス OASIS』(2024)

監督・脚本 岩屋拓郎

音楽 池永正二

 

清水尋也、高杉真宙、伊藤万理華、青柳翔、津田寛治、窪塚俊介、小木茂光、林裕太、松浦慎一郎、杏花、他。

 

ヒロト(清水尋也)金森(高杉真宙)紅花=くれは(伊藤万理華)は幼馴染みでよくつるんでいた。けれど紅花の母親が殺される事件があり、そこから三人は別々の人生を歩むことになった。

紅花は母親が菅原組の組長(小木茂光)の息子タケル(青柳翔)に刺されるのを目の前で見たショックで記憶障害が出る。その時のことをまったく覚えてないのだ。また、その場面に出くわしたヒロトと金森だが、ヒロトは夢中でタケルに向かっていったが、金森は尻込みして逃げてしまう。そうしたことがあった数年後、菅原組組長に見込まれたのか、ヒロトは菅原組の構成員となり、金森は腕っぷしを上げ、犯罪組織のボス木村(松浦慎一郎)とその娘アンナ(杏花)とつながりながら半グレ集団を率いていた。紅花はといえば、一度街を出て、記憶が飛んだまましばらくぶりに街に戻ってきていた。そんな紅花を見かけたヒロトは、陰ながら見守ろうとしていたが、キャバクラで働いていてタケルの手が伸びていた。また、金森の存在が菅原組の脅威となっており、金森の弟分三井(林裕太)がタケルを刺しに向かったことで闘争が始まる。

何も覚えてない紅花、そんな紅花を守ろうとする二人の幼馴染み。けれどヒロトは温情に助けられ菅原組に誓いを立てた身。金森は事件から逃げた後ろめたさを抱える身。どちらを取るか、どう行動するか、互いにそれぞれ葛藤する姿が描かれる。

 

タバコ吸い過ぎ問題(^_^;)。でもさすが清水尋也も高杉真宙もナチュラルに出来るので効果は絶大。伊藤万理華演じる紅花は吸い慣れてないという(初めて?)設定なのがとても生きていて、これはこれで素晴らしかった。三人とも良い的確な表情で物語るし、これぞ映像作品の役者たるもの、と良かった。が、まあ、話はともかく色々無理も目立った。

例えば、殺害が容易。血を浴びたまま街を歩けるばかりか喫茶店で食事までする。確かに逃げてるはずなのに、アシがつく携帯を切らない。すぐにもアシがつきそうなアジト。など。

 

金森の自宅で三人で楽しそうに過ごす束の間が可愛らしかった。ラストもまあ30%くらいの希望が持てるものだった。ちょうどいい。

 

★★★(★)

 

 

 

 

公式サイト

 

 

 

『ひつじ探偵団』(2026)

原作はレオニー・スヴァンの小説。

原題は『The Sheep Detectives』

 

監督 カイル・バルダ

脚本 クレイグ・メイジン

 

イギリスはデンブルックの田舎町で羊毛業を営む羊飼いのジョージ・ハーディ(ヒュー・ジャックマン)は、まるで言葉が通じるかのように、 1日の終わりに羊たちに本の読み聞かせをしている。それは探偵物の推理小説で、羊たちは夢中になって耳を傾け、仲間同士で犯人当てをしたり、物語に酔いしれて楽しんでいる。ジョージも全員に名前をつけ羊たちに心を寄せ、その間には信頼関係が構築されている。

そんなある日、ジョージは何者かに殺され、遺体となって発見される。ディム・デリー巡査(ニコラス・7ブラウン)と、ちょうど村の文化フェスティバルの取材に来ていたガジェット新聞のエリオット・マシューズ(ニコラス・ガリツィン)記者が現場へかけつけ、遺書を発見。娘であるレベッカ・ハムステッド(モリー・ゴードン)と弁護士のリディア・ハーボトル(エマ・トンプソン)が呼び寄せられる。そして、生前ジョージと付き合いがあり、遺書に名前が連なっている面々、〈ジョージに想いを寄せていた宿屋の女主人ベス(ホン・チャウ)、牧師で養子縁組のあっせんをしていたヒルコート(コブナ・ホルドブルック=スミス)、同じ羊飼いだが食肉業のケイレブ(トシン・コール)、その羊肉を買い取る肉屋のハム(ゴンリース・ヒル)〉それぞれに殺害に至る動機めいたものはあるのだが…。

一方、羊たちは羊の群れのまとめ役で利発なリリー(声:ジュリア・ルイス=ドレイファス)の呼びかけで、物知りで物事を達観しているセバスチャン(声:ブライアン・クランストン)、なんでも覚えている記憶を無くさないモップル(声:クリス・オダウド)を主体として、老羊、冬生まれの仲間はずれの子も含む子羊たち、愉快な兄弟羊など、みんなで、培った推理能力で犯人探しを始める。

 

それは間違えたり、人間にさりげなく知らせたり、協力を仰ぎながら、できることをやっていくその羊たちの姿に、動物と人間との長い歴史を感じる。また、冬生まれの羊がいて、その羊が仲間入りしていく様は人間の道徳観だった。なんだか聖書を読み聞かされているようだった。読んだことないけど( ´ ▽ ` )。

その冬生まれの名無しの子羊が、最後ジョージという名前をもらう。リリーが亡くなったジョージの妻(レベッカの母親)の名前だったとはいえ、私的にはセバスチャンのほうが良かったな。

 

ものごとを忘れるのが重要とするその日暮らしのような羊たちは、人間の身からすればその生き方が切ない。「死」の概念に理解が及ばない羊たちが徐々に身につけていく「命」の「終わり」が切ない。と、基本コメディだけど、動物ものは必ず涙腺を緩ませる。動物の持つ感情なんてわからないから、感動もするし、少なくとも羊肉はしばらく食べたくないし、できるならベジタリアンになりたいくらいだ。ぐらいには思わせる。

 

 

フツーに面白かったけど、ヒュー・ジャックマンの使い方よ…(^^;;。

あとエリオットがtimeleszの篠塚大輝に見えてしかたなかった(゚∀゚)。

 

★★★★

 

 

 

 

 

 

 

『港に灯がともる』(2025)

 

監督 安達もじり

脚本 川島天見(かわしまあまみ)、安達もじり

音楽 世武裕子(『オオカミ少女と黒王子』『リバーズ・エッジ』『ママレード・ボーイ』『星の子』『カラオケ行こ!』『エゴイスト』他)

主題歌 「ちょっと話を聞いて」THE HARBOR LIGHTS

 

配給 太秦株式会社

 

富田望生、伊藤万理華、青木柚、麻生祐未、甲本雅裕、山中崇、渡辺真起子、土村芳(つちむらかほ)、田村健太郎、山之内すず、中川わさ美、MC NAM、他。

 

1995年の阪神淡路大震災の1年後に生まれた金子灯(富田望生)は当然その大変だった時を知らない。灯の両親(一雄甲本雅裕/母栄美子麻生祐未)は在日コリアンで、当時被害の大きかった神戸長田に、先に生まれていた姉美悠(伊藤万理華)と祖母とで暮らしていた。その時の苦労話や在日としての矜持を一雄からしょっちゅう聞かされて育った灯だが、当然実感はない。さらに後に生まれた弟滉一(青木柚)も同じだし、美悠でさえ、結婚を控え帰化を希望し、どうせならと家族揃っての帰化申請を望む。在日としての誇りを持つ一雄は承諾せず、そればかりか不仲の続いていた父母の離婚が決定された。以前から苦労話を押し付けてくる窮屈な父親に、分かり合えない親子関係に、灯は糸が切れて鬱病になってしまう。

精神科を受診し、カウンセリングを受け、少しずつ状態が良くなっていった灯は、社長の青山(山中崇)と事務員桃生=ももう(中川わさ美)だけの小さな建築事務所に再就職をする。その青山はアルコール依存症から脱却し、ようやく平常を保てるようになっていた。なのに、コロナによって乗り出した仕事が消え、失意の中青山は再びアルコールに手を出してしまう。灯は桃生の優しさや依頼主の切なる思い、青山の描いた再生を願うデザインに触発され自ら行動を起こし、また親友の綾部(山之内すず)と話すことで整理もつけ、父親と対峙もし、自ら道を切り開き、自分の人生を歩み出す…。

 

故郷、家族、居場所、歴史の中での生活、共生がテーマになってる印象。誰もが心の安寧を求めて人と人との間に生きているといったところだろうか。

 

国籍にとらわれた人、在日という身分にわだかまりのある人が描かれていて、なかなか複雑。自ら選んだものならば文句も出なかろうにと思うが、灯は三世だ。日本人に対する思いも父親の代とは違っているだろう。

一雄は震災を「あかんもんやったんや、それだけだったんや、自分でやらな誰が助けてくれるんや」という意識で生きてきて、心を許せる友達もいない。そして「灯が聞いてくれればええ」と灯にそれを全部背負わせた。難しいな家族って、と灯は思う。これが二世と三世の違いであり、一世である祖父母とも違ったろう。

 

長回しのシーンが多く、でもそれが負担にならない。言葉にならない気持ちを長回しで表現する。映像作品の醍醐味であり、役者冥利でもある。素晴らしいなと思った。その一つが灯が父親に対する怒りと疾病発作を抑えるためにトイレに駆け込み、出てくるまでのシーンで、息遣いと漏れる声、トイレのすりガラスにたまに映る影で表している。数分間ずっとそのトイレのドアが映されている。またもう一つ、ラストのほうで父親に電話するまでのシーン、その前後の長回しは灯の気持ちがじわじわ伝わり素晴らしい。それから、エンディングロールの長回し。灯が自身の来た道を振り返り見切りをつけ前進する絵図に見える。ただ、視線をカメラに合わせない。おそらくこれまでの歩を反芻していたのだろうから、合わせる必要はない。でも、合わせたらよかったのにと思った。その方が観てるこちら側は安心する。ああ、灯はきっと大丈夫、もう明るい未来しかないなと思えて安心できる。

 

富田望生はもちろん良かったけど、山中崇はやっぱりすごいなと思った。どんな役でもこなしてしまう。甲本雅裕も麻生祐未もきれいにハマっててとても良かった。なんてことない弟役なのに青木柚もさすがだった。

 

あと、中川わさ美の右手の指の欠損の映し方(使い方)が見事だった。アルコール依存症の青山、欠損のある桃生、と、誰しもが何某かの重荷を背負っているのだ。

 

★★★★(★)

 

 

 

 

 

ちょっと鬱になるのがよくわからなかった。まあ、複合的な理由からだろうとは思う。たぶん、実際鬱経験者じゃないとそこまで病む理由はわからないんだろうなと思う。そう考えると精神科の医者ってすごいな。