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これ観た

基本アマプラ、ネトフリから観た映画やドラマの感想。9割邦画。作品より役者寄り。なるべくネタバレ避。演者名は認識できる人のみ、制作側名は気になる時のみ記載。★は5段階評価。たまに書籍音楽役者舞台についても。

『家庭教師の岸騎士です。』(2026)BS朝日 0105〜全10話

原作は奥嶋ひろまさの漫画。

 

監督 上村奈帆(『書くが、まま』『僕らの食卓』他)、のむらなお永江二朗(『きさらぎ駅』『トモダチゲーム』シリーズ、他)

脚本 下亜友美(『僕らの食卓』『社内マリッジハニー』他)、上村奈帆

オープニング曲 ケタチガイ「Teacher」

エンディング曲 MONO NO AWARE「のびしろ」

 

沢村玲、田中洸希、宮澤佑、井上想良、八神慶仁郎、佐藤江梨子、桜木雅哉、長田拓郎、嵐翔真、半田周一、大石継太、他。

 

レディースのアタマを張ってた母親礼子(佐藤江梨子)を持つケンカ上等成績最下位のヤンキー高校生高杉徹(田中洸希)。当然学校では担任山内(半田周一)の注意も無視して、仲間の裕貴(宮澤佑)亮介(井上想良)ミノル(八神慶仁郎)としょっちゅう集まり麻雀してなんとなくその日をやり過ごす毎日。しかし高校三年ともなって留年も危ぶまれ、そんなことではと礼子は将来を考え、家庭教師をつけることにした。

やってきた家庭教師は容姿端麗、頭脳明晰、身のこなしも美しく気品に満ち溢れたまさに王子様キャラの岸騎士=きしないと(沢村玲)。その姿に圧倒されつつも呼び名を「キシキシ」とつけ、逆にお手上げ状態にしてやろうと思ったものの、どんなにできなくてもわずかな良い点を見つけ「のびしろおばけ(可能性の塊の意)」だと最大限に褒めちぎる。徹はしだいに気分良くなっていくばかりか、キシキシのちょっとした態度になんだかドキドキがかさんでいく。それにいつのまにか勉強が面白くなる。日常のちょっとしたことが目新しく見えて、知識欲が湧いてくるし、テストの点数も上がっていく。そんなもんだから、ヤンキーであること、そのしがらみに意味を見出せなくなり、学校でも今まで話したことのないタイプのクラスメイトとも仲良くなったり、意識改革が進んでいく。

そしてついにキシキシみたいな先生を目指して大学進学を決めるが、現役合格はさすがに見込めない。その上、キシキシの授業は12月いっぱいでおしまい。別れを惜しんでいたのは徹だけではなかった。キシキシも、家庭教師に入ったのは偶然だったが、実は以前徹と会っていて、その優しさにいたく感激していた思い出があったのだった。そしてキシキシは二人で歩く夜道で思わず「月が綺麗ですね」と言ってしまうのだった。ただ、幸いに徹にはその意味は通じなかった…。

さてキシキシの授業も終わり、無事、卒業の日を迎える徹。そこへキシキシがお祝いにかけつける。思わぬ再会に、徹は憧れの先輩からもらったピアス、ーーーそれは先輩も尊敬する先輩からもらったもので、いつか徹にも大切な人が現れたら贈れと言われたものだったーーー、をキシキシに渡すのだった…。ただし、片方だけ(//∇//)。。。

 

とても面白くて、何より徹役の田中洸希の顔芸が素晴らしく効いている。キシキシ役の沢村玲も負けていない。調べてみれば二人ともそれぞれボーイズダンスグループの一員。MVを見てみたけど、キャラがまるで違って感動した。田中洸希は今後も役者やっていったらいいのになと思う。

仲間役の宮澤佑、井上想良、八神慶仁郎もとても良かった。

とにかく毎話、素で吐き出す。まるで漫画だ。

 

いや、

 

原作未読だけど、「ババンババンバンバンパイア」の作者の人だと知って、そのコメディ力に納得した。脚本も良かったということなんだろうけど、これこそ映画化してもいいくらい楽しめた。

 

保存版欲しいな。

 

★★★★★

 

 

 

 

 

 

 

 







 

Leminoプレミアムでは全話配信はもちろん、スピンオフも見られるそうだ。

というわけで、スピンオフ特別授業編。

 

クリスマスの日がキシキシの最後の授業で、さらに卒業式以来会えてなかった徹は我慢の限界。家庭教師のスケジュールは満杯とのことで、だったらふつーに遊びで会えないかと打診してみると、それならと、快い返事。久しぶりにキシキシに会えるので大興奮の徹。部屋に招くと、さっそく予備校模試のお悩み相談など。キシキシは悩める子羊を諭すようにアドバイス。徹は前向きになる。なんだかんだ少し勉強について語らい、その日が終わるのだが、この夜もいつかの夜のように月がきれい。徹は思い出して「月がきれい」と言ったら、キシキシは本当にきれいとかぶせてきた。徹にとってなんてことない会話だったけど、今偉人について学んでいて、夏目漱石の本で「月がきれい」の意味が「アイラブユー」であったと知って大興奮。そういえばキシキシはピアスをしていた!先生と生徒ではない、友達でもない、ならどんな関係になるのか、キシキシは特別なと表現したけど、その意味は…ともだえる徹なのだった笑

 

 

 


『ルノワール RENOIR』(2025)

 

監督•脚本 早川千絵(『PLAN75』他)

 

鈴木唯、石田ひかり、リリー・フランキー、中島歩、河合優実、坂東龍太、西原亜希、谷川昭一朗、宮下今日子、中村恩恵(なかむらめぐみ)、高梨琴乃、Hana Hope、他。

 

舞台は1980年代後半。小学五年生11歳の沖田フキ(鈴木唯)は空想好きでその突飛さは母親詩子(石田ひかり)が学校に呼び出されるほど。世間を賑わしていた超能力に興味深々で、習い事の英語教室で知り合った気の合う友人(高梨琴乃)と共に呪術的な世界に夢中になる。など、年頃的には特別変わりはない。

父親圭司(リリー・フランキー)が末期の癌で入院生活に入ることになった。そんな圭司の面倒をみながら忙しく働く詩子は、会社で部下を詰めすぎてしばらくセミナーに通うことを強いられる。そしてそこで講師の御前崎(中島歩)にほのかな恋心が芽生える。

その詩子の気持ちにうっすら気づくフキの心情、圭司の生きたいという切願、ケンカした翌日夫を亡くしてしまった女性(河合優実)の後悔、詩子と御前崎との関係に釘を刺しに来る御前崎の妻(宮下今日子)の虚栄心、フキが伝言ダイヤルで出会う青年(坂東龍太)との危険な逢瀬、フキによって発覚した友人の父親の浮気は離婚から引越しという急展開を呼び、その他担任の先生(谷川昭一朗)英会話教室の先生(Hana Hope)との会話、キャンプなど、フキ11歳に起こる一夏の出来事を通して、たんたんとその年代の日常が描かれる。

 

子供は何気に大人の行動、仕草から内心を読み取り意図せずか意図してか対応策を起こす。考えてみれば自分もそうだった。みんな通ってきた道で、それを大人なっていつの間にか忘れて、子供だからとたかをくくる。とは言っても、所詮子供だというそぶりがうかがえるのもそこかしこにある。そんなヒヤリとしたりハッとしたりほっとするシーンがいくつも散りばめられている。

 

何も起こらないようで小さく何かが変わっていっている、進んでいっている、人と人との摩擦が時間を作っているのが実感できる作品だった。

 

フキは父親が大好きなのだろう。フキの年齢には合わない年齢。ずいぶん年上の旦那さんなのだろう。だから同級生とすれ違った時、フキはつないでた手を離し他人のフリをする。でも通り過ぎると再び手をつなぐ。父親の命がもうすぐなくなることもわかっているからなお、父親との時間を持とうとするんだろつ。

 

ラストシーンはおそらく父との別れ。それが明け方フキが海に向かって手を振っているわけで、これは対象は違えど同じような年代になる『こちらあみ子』と同じだと思った。海に何かあるんだろうか。

 

ルノワールは画家のルノワールのようだ。病院に展示されていて、フキが係の人に聞いていた。父親が亡くなって家にルノワールの絵が飾られた。

 

★★★★

 

 

 

 

配給 ハピネット・ファントム・スタジオ

 

 

 

 

 

『俺たちバッドバーバーズ』(2026)テレビ東京系列0110〜全12話

 

監督 阪元裕吾(『ある用務員』『ベイビーわるきゅーれ』シリーズ、他)、平波亘(『アイネクライネナハトムジーク』他)、泉原航一(『心が叫びたがってるんだ。』『チア☆ダン』『無頼』他)

脚本 阪元裕吾オノ・マサユキ

アクション監督 Rio

オープニング曲 須田景凪(すだけいな)「リベラ

エンディング曲 ポルカドットスティングレイ「Boy Boy」

 

中島歩、草川拓弥、 原田琥之佑(はらだこうのすけ)、吉田美月喜(よしだみづき)、後藤剛範(ごとうたけのり)、濱田龍臣、高良健吾、他。

 

美容師として原宿の大手チェーン店で働いていたが、40才にもなって芽が出そうにない日暮歩(中島歩)はヒッチハイクの旅に出ることにした。そうして流れ着いた田舎町でたまたま目にした「月白理容室」に入り、カットのついでに理容師として働きたいと申し出る。が、店長の月白司(草川拓弥)と話が噛み合わず様子がおかしい。しかもいきなりナイフで襲ってくる。実はここ「月白理容室」は表向きは理容室だが、裏ではどんな手段を使ってでも問題を解決する「裏用師」(つまり便利屋)という仕事をしていた。依頼の際の合言葉があり、日暮は偶然その言葉を答えていたのだ。「痒いところはありますか」「全身、特につむじと足」「俺たちはあなたの味方です」で成約。

月白の上にはブローカーの牛窪警備保障の牛窪譲(後藤剛範)がいて、基本的には足りない点をサポートする。仲間としては天才ハッカーの古川リコ(吉田美月喜)、牛窪警備保障の社員で牛窪を敬愛する新田翼(濱田龍臣)がいる。さらに後日、依頼対象人物だったあらゆる銃器を口から出す特異体質の男、白石(河内大和)も仲間だったと判明する。とんでもない所に来てしまったと思ったが、行く宛もない日暮は、少し頼りなげな月白宅へ居候しつつ裏仕事も手伝うことになる。というか、他店でたまたま美容師として担当した女性客が窮地に立たされ、それを救うため、借金という形で月白に依頼をし、関わらざるを得なくなった。

色々な問題を解決していく中で月白と日暮の絆が育まれる。新しい出会いでは強盗を生業とする元プロボクサーの叔父志賀(三元雅芸)と車中泊で暮らす高校生の風磨(原田琥之佑)が仲間に加わるなどあり、その風磨のほのかな恋心にも触れる。また命を落とす仲間も出るなど、回が進むにつれ月白の抱える不幸な過去が明らかになっていき、それに関わる凄腕の殺し屋、幼馴染みでもある佐々木しんのすけ(高良健吾)とその両親(吉岡睦雄、猫背椿)と対決することになる…。

 

バイオレンスアクションコメディ。

とにかくアクションが見もので、めちゃくちゃかっこいい。草川拓弥の運動神経の高さたるや。

 

面白かった。これはシリーズ化してほしい。『ベイビーわるきゅーれ』と系統は同じだけど。

 

格闘の興が乗る際、右足の足首でクイックイッとはずみをつけるかのような動作をするのは何だろう?月白としんのすけに共通するので、同じ組織で育てられたことはうかがえるけど。それについての言及はあったかな?

 

風磨が想いを寄せる鈴木角心菜(すみここな)がかわいい。

日暮の髪型がちょーぜつ古臭くかっこ悪くていい(ファッション共々)。

 

高良健吾、素晴らしいな。

 

ところで、ペヤング焼きそばをすき焼きがごとく溶き卵に浸して食べるの、うまそう。今度やろう。

 

★★★★★


 

 

 




 




 

ネタバレすると、牛窪と新田、リコ、白石は亡くなってしまう。四人ともキャラクターがいいんでもったいない。シリーズ化すればの話だけど。一応、牛窪がやっていた喫茶店は志賀が継ぎ、店員として働くのはかつて敵としてやりこめた闇金の男真鍋(坪倉由幸)祷キララが売り出し中タレント小山ななみ役で出てた。ずいぶん大人になっててわからない。

 


『晩餐ブルースSpecial』(2026)テレビ東京系列0328放送

 

監督 川和田恵真

脚本 山西竜矢

 

井之脇海、金子大地、草川拓弥、穂志もえか、石田卓也、菅原大吉、YOUNG DAIS、カナメストーン、渡辺哲、他。

 

テレビ局のドラマディレクター田窪優太(井之脇海)、料理人の佐藤耕助(金子大地)、コンビニ店長の蒔田葵(草川拓弥)は同級生で、其々悩みを抱えていた時、再会し晩御飯を共にするようになった。晩活だ。優太は局内で上下の板挟みになり休職と就業スタイルの変更を経て復帰、レストランを辞めていた耕助はメンタルカウンセリング通いをしながら出会いから町食堂を継ぐ、離婚したての葵は婚活に勤しむも良い出会いはなく…といった変化の中、三人は気心知れた仲だし晩活のためにも共同生活を始めた。ひょんなことから知り合った老人亀井(渡辺哲)から一匹の亀を譲り受け、三人と一匹のシェアハウスライフが始まる。

しかし、チーフに抜擢された優太はなにしろ休職の事情から腫れ物に触る気遣いをされるわけで、先輩である木山(石田卓也)の協力はあるものの空回りし再び悩む。同僚の上野(穂志もえか)もまた悩みながら仕事と格闘していて、周りを見て感じて優太もなんやかや初心に戻って仕事への向き合い方を改める。

耕助はテレビ取材を受けたことで長い間連絡を取り合ってなかった父親(菅原大吉)が現れ、複雑な思いに悩まされる。というのも、育児放棄も同然で育てられ、耕助的には縁を切ったつもりでいたからだ。情にほだされそうになるなど翻弄される父親との関係に区切りをつける。

わりと心穏やかな葵も、二人の事情を横目にコンビニ経営方針を再考するなどある。。。

 

ドラマの続きとなるその後の三人。優太の悩みも耕助の辛さも等身大で、優しみのあるドラマだった。上野も少し成長したかに見えたけど連ドラ中と変わらないキャラなのが良かったし、木山が少し思いやりが表面に出るようになったかな。それは年齢的に自然。葵に具体的なトラブルがなくて良かったと思った。でも1年しかたってないからこんなもんだろう。というリアリティがいい。

バランスがいい。

 

そしてやはり金子大地ダントツで芝居がうまい。

 

メニューはトマトシチューとお花見弁当。このお花見弁当は優太、耕助、葵、木山、上野とでちょっと早い花見に出かけた際にふるまわれたもの。

 

★★★(★)

 

 

 

 

公式サイト

 

 

 

以下、ポッドキャスト版は三人が、経験をもとに視聴者からのお悩みに答える形のもの。各々性格も出てて面白い。

 

 

 

 

 

 

 

ヴィム・ヴェンダース監督の3本の短編

 

たまたま見てしまったので。。。

 


『セイム・プレイヤー・シューツ・アゲイン/Same Player Shoots Again(1967)※16ミリのオリジナルフィルムを2015年4Kデジタルに修復(アリ・フィルムズ&テレビ・サービス)したもの。

 


ミュンヘンテレビ映画大学時代の2作目の映画だそうで、1作目は見つかってないらしい。けれど、どうやら共通するものがあるとの話。それはどうなのか、見てないのでわからないし、以下、この作品だけの解釈と感想。


まずはテレビとテーブルの上に倒れた酒瓶(おそらく)が写され、次に銃をかかえて、負傷しているかのようにヨタヨタと歩く男(胸より下しか映ってない)が、徐々に足早となりヨタつきが目立たなくなっていく。そのシーンをモノクロ、グリーン、オレンジ(イエローか)、レッド、ブルーの色をかけて繰り返した作品。5色のピンボールから着想を得たものらしい。なるほど、ピンボールのようでもある。深読みすれば、その歩き方が人生のようでもある。銃は生きる術。ラストは「TILT」と打たれ、車窓から流れる景色が映される。やはり人生の無情さとわずかな歓びを撮ってる気がしないでもない。

こういう自由度があるのは、受け手にとってはいいけど、逆にこちら側があらわになってしまうのはなんともつらい。

 

★★★

 

 

 


『シルヴァー・シティー・リヴィジテッド/Silver City Revisited(1968)※16ミリのオリジナルフィルムを2015年4Kデジタルに修復(アリ・フィルムズ&テレビ・サービス)したもの。

 



街中の行き交う車、路面電車、電話ボックス、駅、テレビ画面、写真…などに、ランダムに(意図的かもしれないけどわからない)差し込まれる音楽。この音楽は質が悪く、レコードからそのまま取り込まれたものらしい。テレビ画面にはローリング・ストーンズか(ザ・フーという説もあり)、映っている。

よくわからない。街中の景色を撮っただけに見える。もとは16ミリフィルムということで、修復したとはいえ、画質は荒い。荒いけど、古さはいい雰囲気を出している。今でこそ有名な監督となったから、どんな作品であろうとそこに意味を持たせようとするけど、わからないものはわからない。と思った。タイトルを加えて読み解けば、その映し出された風景に、忘れたくないものがあるのだろうな。

 

 

 


 

『リヴァース・アングル:ニューヨークからの手紙/Reverse Angle: Ein Brief aus New York(1982)ドキュメンタリー※16ミリのオリジナルフィルムを2015年4Kデジタルに修復(アリ・フィルムズ&テレビ・サービス)したもの。

 



フランシス・フォード・コッポラの総指揮下、初のアメリカ映画『ハメット』を撮った時の記録とのこと。ニューヨーク滞在中の今で言うVログみたいな。映画作品(物語)、映像への向き合い方、考え、思い、ヨーロッパとアメリカとの映画制作の違い、編集では勝手が違うことなど、ヴェンダースの心のうちも語られている。この経験が、『ことの次第』を撮ることにつながったとのこと。どちらも見てない。

主たる出演者はヴェンダース、コッポラの他、当時の妻だったイザベル・ベンガルテン。美しい。


映像への思いについては興味深く、やはりジレンマはあるのものなのだなぁと。それから当時の映画フィルムの作り方、機械を使いフィルムの切り貼りを行うなど、作業法が見られる。知らないので、ほぉ〜〜と感心。

挿入曲が私的には響いて、ECHO AND THE BUNNYMENにはうなった(「Turquoise Days」)。好きなバンドだったから。それからPUBLIC IMAGE LTD.(「Graveyard」)。他にもMARTHA AND THE MUFFINSTHE DEL BYZANTEENSALLEN GOORWITZとあったが、それらは知らない。でも良かった。年代を感じられて。

 

★★★(★)

 

 



駆け出しの頃やその前、まだ学んでいる時期の作品が世に出るというのはどういう感じなのだろう。一応作品になっていて、どこかで発表はされているものだろうが。

以前、園子温の初期作品を見て複雑な気持ちになったから、そういう種のものを見るのは躊躇いがある。

でも、国も言葉も違うし…なんて思ってたまたま流れてきたものを見た。見た以上は感想を書こうと思った。

やはり、まだ何者ともなってない焦燥や葛藤みたいな(時には慟哭)、心の深層が垣間見える気がする。

 


『悠優の君へ』(2024)

 

監督・脚本 福原野乃花

監督自身の実体験である「強迫症」を描く。

 

いつも一人で行動している=はる(水崎涼花)には気になる同級生がいる。写真部の窓から手洗い場が見え、そこでただひたすら手洗いをする優乃(小谷慈)だ。優乃は悠とは真逆で明るくクラスのみんなと打ち解け合い楽しくやってそうなのに、人知れず手を洗い続ける。悠自身が家庭に問題を抱えているだけに、それにより優乃が抱えているであろう何かが気になっているのだ。

ある日、互いに遅刻した日、二人は初めて会話を交わし、仲良くなる。優乃は他の人に対する態度と同じように悠に接していたが、距離が縮まるにつれ、抱えてる問題を小出しにし始める。

優乃は強迫症で悩んでいた。優乃を包み込む悠に、今度は優乃から悠にあたたかい言葉をかけ、二人は互いに支え合う友情を育む…。

 

悠はネグレクトかな。

 

「強迫症」が多くの人に周知されることが目的なのであれば、これで充分な作品だけども、物語として共感と感銘、ついでに琴線に触れる感動を得たいのであれば足りない。

 

そもそも演技、過剰にならない自然体を狙うのであればこれでいいが、それは「芝居」がいらないということなので、全体的に平坦な印象で終わってしまう。苦しむ姿、涙が溢れる姿はあって、それがよく出来ていただけに、「芝居」のない日常会話部分がもったいない。

「今」はこれでいい、という諦念がうかがえるラストがいいだけに、きちんと演技はつけて欲しかった。

 

★★★

 

 

 

 

 

 

 

 

『凛』(2019)
原作は又吉直樹の小説。
 
監督 池田克彦
脚本 渡邉真子
脚本家監修 又吉直樹
音楽 ハセガワダイスケ
主題歌 ハルカミライ『ヨーロービル、朝』
挿入歌 ハルカミライ『俺達を待っている』
 
佐野勇斗、本郷奏多、須賀健太、亀田侑樹、櫻井圭佑、平祐奈、大沢ひかる、山口紗弥加、石田ひかり、勝村政信、堀部圭亮、片桐仁、椿鬼奴、須田邦裕、板垣李光人、金田哲、有山尚宏、他。
 
高校2年の野田耕太(佐野勇斗)の住む村には「100年に一度、子供が五人消える」という伝説がある。その犯人は山伏とも言われ、謎に包まれている。そしてその100年目が今年であり、さっそく川で遊んでいた小学生が、実は耕太の通う高校の保健の先生の娘だったのだが、いなくなる。そんな事情から新しく保健の先生里中のぞみ(山口紗弥加)が赴任してくる。耕太は一目で恋に落ちるが、それはさておき。
伝説に気を惹かれた耕太と仲の良い仲間たちーー前の学校でいられなくなるような事件が起き誰とも親しくなろうとしない転校生の天童義男(本郷奏多)継母(椿鬼奴)にいじめられ義弟(板垣李光人)に遠慮もし肩身が狭い思いをしている石倉優太(須賀健太)、冴えないし勉強もできないし家を継ぐだけの将来に希望がない折田竜二(亀田侑樹)父親(片桐仁)と二人暮らしで虐待を受けひったくりを強要されている真島泰輔(櫻井圭佑)、耕太だってシングルマザー(石田ひかり)という境遇で出ていった父親(勝村政信)に思いが残っているーーと共に捜索と犯人探しを始める。その中で仲間の抱える上記から派生する悩みが明らかになっていきつつ、また一人男児が行方不明となり、優太、竜二といなくなる。そしてついにいなくなった五人の行方がわかるのだが…。
 
些細なことから大切な人を亡くした過去を持つ天童だからこその「全力で正直に生きろよ」に仲間は勇気や思いやりをもらう。離婚により娘と離れ離れになってしまった里中先生の子供を思う気持ちもしっかり描かれていて、他にも厳しい親子関係がどうにもならないのがまた響く。話も展開よく面白く作られていた。なにより、少年たちそれぞれの問題がしっかり片付くわけではないのが良かった。
 
6〜7年前の作品で、佐野勇斗は幼さが残ってるのは納得だし、このあたりの佐野勇斗はまあまあ見てたんで、むしろ今のイケてる感じに感動してるくらいなのだが、一番年上になる本郷奏多が高校生役をふつうにできてるのがすごいと思った。ていうかみんな中学生でもいいくらいだ。
 
主題歌及び挿入歌がドンピシャでとてもいい。
 
★★★(★)
 

 

 

 
制作 エクサリング(プロダクション)、よしもとクリエイティブ・エージェンシーTBSテレビ
配給 KATSU-do
 
 

『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』(2023)

原作は大前粟生(おおまえあお)の小説。

 

監督 金子由里奈

脚本 金子鈴幸金子由里奈

音楽 ジョンのサン

主題歌 わがつます

 

細田佳央太、駒井蓮、新谷ゆづみ、細川岳、真魚、上大迫祐希、若杉凩(わかすぎこがらし)、天野はな、小日向星一、宮﨑優、門田宗大、石本径代、安光隆太郎、他。

 

高校生の時、同級生の女子から告白され交際を申し込まれるものの、七森剛志(細田佳央太)には恋の「好き」という感情がわからない。友達としては好きだけど、異性として好き、恋人になりたいという気持ちがわからないのだ。その告白を受けた場所で拾ったぬいぐるみを、大学生になった七森は連れて一人暮らしを始める。

入学式の日にたまたま知り合った麦戸美海子(駒井蓮)と意気投合した七森は、麦戸の誘いを受け「ぬいぐるみサークル」を見学し、入部する。

ぬいぐるみを作るサークルかと思いきや、各自思い思いにぬいぐるみに話しかけ、自浄するサークルだった。部員はそれぞれ打たれ弱く、傷つくことを恐れ、人に優しく、他人との違い、社会とのギャップに生きづらさを感じている者たちだった。さらに、同じ一回生の白城ゆい(新谷ゆづみ)も入部してくる。一見何にも悩むことなどなさそうな白城だが、やはり社会に忿怒を感じていたし、バランスを取るためにキラキラ系の部活とぬいサーを両立していた。

やがて七森は「彼女」という概念をクリアしようと白城に交際を申し込み、付き合うことになる。でも、友達以上にはなれなかったし、白城とのものの見方、考えの違いに悩んだり、また高校時代の同級生との再会でどうにもならない溝を感じたり、麦戸が心傷つき登校出来なくなるなど、いくつかの問題が生じる。それらに緩くはあるが真剣に対峙し一歩ずつ自分なりの道を探求…(していくであろう終わり方)。

 

よく出てくる「やさしい」の意味がわからない。

彼らの気質、性格を、気弱、根暗、コミュ障、陰キャ、優柔不断、自虐体質、自己否定、逆に自己肯定感の強さ、社会不適合者…どうとでもなんとでも当てはめることが出来る。その中で誰も傷つけない適切な表現が「やさしい」なのかもしれない。自分を守るために他人にやさしい。ってことかもしれない。

 

導入は良かったし、中盤までは良かった。どうなるんだろう、何を訴えてくるんだろう、提示してくれるんだろう、どう展開していくんだろう、何を見せてくれるんだろうという期待しかなかった。でも、私の理解力が足りないのかもしれないが、何にもなかった。テーマの対象を広げすぎたんじゃないかな。

 

七森はアロマンティック。ぬいサーの先輩西村(若杉凩)はレズビアン。そのことを表に出さずに、個の問題として描いていたのは好感持てたけど、言わんとしてることの表現が難しい。言語化できない感情であることや、キャラクターもまた堂々巡りになって収拾つかない、それにより、側の人間からしたら、何かもっともらしいカテゴリーに入れて「そういうのもあるよね」で終われるから、扱うのはすごく難しいし、だからこそ伝えるためには一点集中にすべき。と思った。

 

大小の差こそあれ、誰もが抱いたことのある感情、思い、疑問だろうから、わからないことはない。それを飲み込んで生きていくことの否定にも肯定にもどちらにもつかない立ち位置がもどかしい。結局、共感を得たいだけか、それだけでいいのか、という不満が残った。まあ、そんなもんでいいんだろう。

改めて、お話を作ること、伝えたいことを明確に伝えることは難しい作業だなと思った。

 

ぎこちない会話、上辺だけの会話が飛ぶのが痛々しくて良かったし、細田佳央太のそんな演技は素晴らしかった。

 

★★★(★)

 

 

 

配給 イハフィルムズ

 

 

 

 

 

『MONDAYS /このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022)

 

監督 竹林亮

脚本 夏生さえり竹林亮

音楽 大木嵩雄

主題歌 lyrical school「WORLD'S END」

企画・製作 CHOCOLATE Inc.

配給 PARCO

 

円井わん、マキタスポーツ、長村航希(おさむらこうき)、三河悠冴(みかわゆうご)、八木光太郎、髙野春樹、島田桃依、池田良、しゅはまはるみ、他。

 

舞台は広告代理店Zコミュニケーション。

業界では有名かつ業績も信頼に足る木本貴子(しゅはまはるみ)の事務所からヘッドハンティングを受けてるプランナーの吉川朱海(円井わん)。今取り掛かってる木本事務所との仕事で何とか成果を出し木本のもとへ行きたいと考えているが、担当者の崎野(池田良)からのダメ出しが続き、会社に泊まり込みの毎日。仕事を優先するあまり恋人ともうまくいってない。

そんな1週間を過ごす吉川…だが、その週の始まりの月曜日、後輩の遠藤(長村航希)村田(三河悠冴)にタイムループしてることを耳打される。にわかには信じられないが、遠藤と村田の出す先読みが当たる。そして、せめて次の月曜日の朝、鳩が窓ガラスに激突することだけをを記憶してくれと頼まれる。実際、忙殺される1週間が終わったはずと思われる月曜日の朝、鳩が激突するのを見て、吉川はハッとする。仕事はふりだしに戻っている。

こうして吉川もタイムループに気づくのだが、では原因は? となると、オカルト好きの村田の説では部長の永久(マキタスポーツ)が着けている天然石のブレスレットの呪いだという。部長自身がそれを破壊せねばタイムループから抜け出せないと力説。かくして、会社内の上申制度にのっとって、吉川の上の森山(八木光太郎)→森山の上の平(髙野春樹)→部長へとタイムループを説き、破壊まで漕ぎつけるが、それではおさまらなかった。

脱力する中、実は社内で一番最初に気づき70回ものループを体験していた事務の神田川(島田桃依)が、部長のデスクの引き出しから描きかけの漫画を見つけ、部長の閉ざされた漫画家への夢が原因ではないかと推論。確かに漫画の内容からも納得がいき、部長には内緒でみんなでその昔の作品をペン入れまでこなし、その熱量を武器に部長にラストまでネームを仕上げてもらい、タイムループ停止に社内一致団結する…。

 

コメディ。

 

仕事と仲間がテーマになっていて、自己実現を選ぶか、人間力を選ぶか、考えさせる。

憧れの木本も社員を駒としか見てない節があり、吉川の目が覚めるきっかけにもなってて、部長の能天気に見えて実は気弱な性格からの自己犠牲が部下思いに繋がっているところなど、社会生活の変容と共に忘れ去られた隣人の存在の大切さを思い出させる。いつの世も、人間の作る時代性に翻弄されても本質は見失うなと言われてるかのよう。大袈裟か。


人との繋がりは、見極めこそあれ、大切にしよう。

 

ふつーに面白い。

舞台用の脚本ぽく、舞台だとより面白くなりそうなんだけど、どうなんだろう?

 

★★★★

 

 

 

 

公式サイト

 

 

 

『ラストコップ THE MOVIE』(2017)
ドイツ(Red Arrow International配給)の人気ドラマ『DER LETZTE BULLE』(英題『THE LAST COP』)を日本版にリメイクしたドラマ(2015年単発&数話のドラマ、2016年全10話の連続ドラマ)のその後を描く完結編。なお、各ドラマは配信サイトHulu、地上波と放映された。とのこと。
 
話は、事件によって昏睡状態に陥った刑事の京極浩介(唐沢寿明)が、30年の時を経て眠りから覚めることから始まる。当時2歳だった娘結衣(佐々木希)は警察官になり、妻の加奈子(和久井映見)は京極の後輩だった鈴木(宮川一朗太)と再婚していた。それでも元職に戻れた京極は、昭和の熱血漢のまま、平成草食男子の若手刑事かつ結衣の彼氏でもある望月亮太(窪田正孝)とバディを組むことになり、刑事として数々の事件で活躍する。コメディ。
 
監督 猪股隆一(『貧乏男子ボンビーメン』『サムライ・ハイスクール』他)
脚本 佐藤友治(『地獄先生ぬ〜べ〜』『シロでもないクロでもない世界で、パンダは笑う。』他)
音楽 得田真裕(『恋です! 〜ヤンキー君と白杖ガール〜』『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』他)
主題歌 BLUE ENCOUNT「さよなら」
 
唐沢寿明、窪田正孝、佐々木希、藤木直人、竹内涼真、小日向文世、和久井映見、加藤雅也、吉沢亮、升毅、ふなっしー、出川哲朗、黒川智花、伊藤沙莉、桜井日奈子、武田玲奈、田山涼成、マギー、宮川一朗太、他。
 
科学者であり人工知能搭載のロボットブナッシー(声:出川哲郎)を開発した西園寺春孝(加藤雅也)と、その助手藤崎誠吾(吉沢亮)から、事件解決、防止、抑制などあらゆる面で期待と可能性のある最新の人工知能を活用したシステム導入の話が舞い込む。しかし、関心が高まったところで藤崎によるとんでもない裏切りが起こり、日本が危機的状況となる。その一方で、かかりつけの医者町田(升毅)に薬を処方され、診療を強要されるほど、京極の体には異変が起きていた。長年の眠りが影響して毛細血管にトラブルが現れていたのだ。結衣と望月との結婚話も具体化するなどめでたい話も起こる中、京極は日本のため、強いては世界のため決断を強いられる…。
 
藤崎の狙いが奪取と破壊からの創造であるのがオーソドックスなSF。破天荒な展開と話は子供向けかもしれない。
オリジナルがどんな感じか知らないし、日本版リメイクドラマもきちんと見たわけではないので、ノリがわからないのだけど、いちいちギャグと思しきものが寒い。時代性もあるのかもしれないが…いや、劇場で観れば面白いのかもしれない。
唐沢寿明はなんでこんな作品をよくやるのだろう…。
 
劇場では、サプライズマルチエンディングという形で、エンディングロール後、京極のまたしてもの30年後を描いた1〜2分程度のエピソード10本がランダムで流れる仕組みになってたそう。ネタ枠だ。
というからには、本編ラストの方で死んだと思われた京極は再び命を救われ眠りにつく。結衣と望月の結婚式にはホログラムの京極が現れ、技術革新と愛情でほっこりもするのだが、助かってたんかい!と(^^;)。
 
★★★
 

 

 

 

制作プロダクション 日テレアックスオントータルメディアコミュニケーション
配給 松竹
 

 

 

えっと、今さらこの作品を見る目的は吉沢亮でした。普通に役をこなし、二十歳そこそこのわりにしっかり演技もできてて、やはり上手い。何より、どの作品にも言えるが、役に馴染んで国宝級の容姿といわれるものがまったく感じられないのが素晴らしい。
まだまだ見れてない作品はあるのだけど、吉沢亮に注目し始めて6年、やっとこの作品を見ることが出来たので、これからも気長に待ちます。。。