『ベルリン・天使の詩』(1987/日本公開1988)4Kレストア版
フランス・西ドイツ合作映画。
独題『Der Himmel über Berlin』(ベルリンの空)、仏題『Les Ailes du désir』(欲望の翼)、英題『Wings of Desire』(欲望の翼)。
監督 ヴィム・ヴェンダース
脚本 ヴィム・ヴェンダース、ペーター・ハントケ、リヒャルト・ライティンガー
ベルリンの街を、そこかしこで見下ろす天使たち。ことさら図書館がお気に入りのようで多くの天使たちがいる。天使たちは人間の苦悩を読み取り、可能ならば手を添えそっと軌道修正を行う。もちろん人間には姿形は見えないのだが、幼い子供だけにはその存在が見え、感じられる。そんな中、サーカス団のブランコ乗りマリオン(ソルヴェーグ・ドマルタン)はなんとなく、何か、何者かを感じとる。それが天使ダミエル(ブルーノ・ガンツ)。
ダミエルはたんたんと役割りをこなしながらも、実体のある人間の「生」に憧れを抱き、下界に降りたい願望が育っていた。そんな時に、マリオンを知り、恋をする。マリオンの孤独に寄り添っているうちに、人間になりたい欲望が高まっていく。また、ベルリンに撮影で訪れていたピーター・フォークにも背中を押され、常々行動を共にし願望を伝えていた天使カシエル(オットー・ザンダー)に見守られ、サーカス団がベルリンを去る日、天使から人間へ転生する。
人間となったダミエルはその感触感覚にひとつひとつ感動し喜びを感じる(映像効果としてはそれまでモノクロが主体だったのがカラー化する)。けれどマリオンは去ったあと。それからマリオンを探し、マリオンもまた見えぬ誰かを求め、二人はいつか共にその場を過ごしたライブハウスで、そのバーカウンターで出会いを果たす…。
サーカス団での最後のブランコ乗りで、失敗したら死ぬかもしれないというマリオンの「死」への恐怖が描かれる。それがダミエルを最後の最後に決断させたのかもしれない。終わりのある命の魅力を感じとったのではないか。
何千年何万年、この地球の出来上がりから見守ってきた天使という名の霊たちを思うと、さもありなんなファンタジー作品だった。
また、続編もあるようで、次はカシエルが主人公かなぁなんて想像。カシエルは図書館で探し物をしている老齢のホメーロス(クルト・ボイス)に寄り添っている。このホメーロスは詩人のホメーロスなのかどうかわからなかったが、命が尽きる日が近くても、探し物をしているわけだ。知への欲、ここに魅力を覚えるんではないだろうか。
ピーター・フォークが元天使というのはどういうことだろう。『刑事コロンボ』はちゃんと観たこともないのでわからない。
その他、マリオンが行くライブハウスではニック・ケイヴ&バッド・シーズがステージに立ってる。これはなんだろう?またそのライブ会場には日本人もいる。時代的に多様性の始まりか?笑
ひとつたりとも台詞を逃したくない、台詞の意味を噛み砕かないとわからない、まず、字幕が辛い作品だった。
★★★★




